泡沫の夢物語。-男と女の物語。短編集-

久遠 れんり

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実りの秋

第3話 思いと決断

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「あっ、ああ」

 そう答えて、一応窓の方を向く。
 浴室はでかいし、ジャグジー付き。
 二人で入れないことはないが、オレがのぼせるなぁ。

「すみません、少しシャワーヘッドを持っていてくれませんか?」
 彼女は髪からお湯をたらしながら、お願いをしてくる。
 つまり、わざわざ浴槽の方を向いているという事だ。
 色々な物が見える、ステキな光景。

「絶対、わざとだろ」
 思わず突っ込んだ。

「あー、はい。わかっちゃいました?」
 そう言って、もじもじ。
 腕に挟まれた胸が揺れる。

「もう、見られちゃったし、その…… わたしの気持ちが、止まらなくって」
 わたしの気持ちが止まらない?
 無精髭を生やしたオッサン相手に?
 もう少しで、三十だぞ。

「見たのはあれだが、その前、浴室に電気は点いていたし着替えもあっただろう」
 そう言うと、真っ赤になった彼女はさらに真っ赤になる。

「あの、あんなに普通に会話をしたのって、初めてなんです」
 彼女が言うには、学友でも、バックグランドが見え隠れして、何かの利点がないと会話すらしないのだとか……

「ああ、そう言っていたな。すべて、利害関係者か」
「そうなんです。あっ流していただいても良いですか?」
「ああ、はいはい」
 頭から湯を掛けて、髪の毛に付いた泡を流し始める彼女。
 体を流れる泡が、妙なエロさを演出する。

 もうね、出られないんだよ。
 当然だが、オレの体は反応してギンギンなんだ。

「こんなものじゃないか?」
「ありがとうございます」
 そう言って、ホームセンターで買った、数百円のリンス、説明をじっと読んでいる彼女。

 ぬりぬりと、髪の毛に付けてマッサージ。
「お願いします」
「はいよ」
 今度は白濁した液体が、彼女の体を流れていく。

 「はい良いだろう」
 髪の毛が丁度肩甲骨の辺りまで。
 長いと、手入れもめんどそうだな。

「ボディシャンプーはそれ、ナイロンタオルは一枚しかない」
「ボデイブラシは?」
「当然ない。背中なら洗ってやる」
「本当ですか? ありがとうございます」
 なんか、素で感謝された。

「このタオル、チクチクしますね」
「最初はな、だが慣れると洗ったという感じがして良いんだよ」
「へー、そうなんですね」
 そこでふと、彼女の体、変化に気がついた。
 某所が立ってる。

 うーん? 彼女も同じ? したがってる?
 だけどなぁ。
「なあ、もしかしてだけど…… オレとエッチしたいとか思っている?」
 あーなんか、ぶしつけだが、まあ今更だ。開き直って聞いてみる。

「もうぅ、聞かないでください。じゃないと、こんな所にまで……」
 なんか、ブチブチ小声になっていく。

「背中をお願いします」
 そう言って、彼女が背中をこちらに向ける。
 力の加減をして、受け取ったナイロンタオルでこする。
 ビクッとする彼女。

「あっすまん。痛かったか?」
「いえ、ちょっとゾクッと」
 そう言われたなら仕方が無い、指をそっと背中に這わせる。

「っひゃい」
 奇妙な声が出た。
「あう、あうぅぅ。もうっ。いたずらをしないでください」
 ぞくぞくが来たのか、彼女の体が揺れる。

 一応遊びながらも、背中は洗う。
「できたぞ」
「ありがとうございます…… 前も…… いえ……」
 真っ赤になり、パクパクしながら言葉に詰まっている。

「洗ってほしいのか?」
 そう聞くと、多少ためらいながら、こっくりと頷く彼女。

 じゃあ…… と思うが、オレのぎんぎんを見せて良いものか……
 彼女も子どもじゃないし、判ってやっているんだ。
 この据え膳状態を無下にしてどうする。
 ええい叫ぶなら、叫べ。

 ざばっと、湯船から出る。
 いい加減のぼせていて限界だったしな。

 だが、彼女は目を丸くするだけ。

「これって……」
「ああ、すまん、生理……」
 生理現象と言いそうになったが、言葉を換える。

「君と繋がりたくってな、体がこんなになっちまった」
「えっ、あっ、はい……」
 そう言って、手が伸びてくる。

 物珍しそうにそっとつまみ、まじまじと見られると、流石に照れるな。
「あー…… あっそうね。殿方は……」
 そう言うと、ぱっくりと食いついた。

「なっ、なにを」
 そう聞くと、口が離れる。
「学友との会話の中でそうするものだと、聞いたものですから、違いましたか?」
 お嬢様達…… いや、房中術ぼうちゅうじゅつとか、古くからの家ならそんなのもあるのか?

「あーうん。嫌じゃ無ければ、気持ちいいし」
「では、いざ」
 妙な、気合いを入れて彼女が始める。

 ただ、すぐに止まり、どこをどうすればいいのか聞いてくる。
 噛まないようにだけ伝えて、身を任せる。

 だがなあ、いい加減我慢をしていて、長いことすることもしていなかったから、あっという間に果ててしまった。

「悪い、吐き出せ」
 だが彼女は、驚き飲み込んだようだ。

「驚きました。あんな勢いで……」
「ああまあ」
 お返しに、彼女の体を洗い、ついでに虐めて数回いかせる。
 だが、まだ本番はしていない。

 風呂から出て、客間へ……

 当然、稲刈りも、収穫も後回し……

「痛くないか?」
「大丈夫です」
「じゃあもっと力を抜け」
 もう、彼女の緊張がすごくて、ギッチギチ。

 脇腹をくすぐる。
「ひゃあぁ…… あっ、ああうっっ」
 そう、力が緩んだときに、押し込んだ。
「んんんっ」
 多少涙が浮かんでいるが、大丈夫そうだ。

 だがこれで、彼女の親にバレれば、オレが消される可能性は、限りなく百に近付いただろう。
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