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真夏の夜にありそうな話し
第3話 どうしようもないよね
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そう、この短い時の中で好美は翔を気に入った。
私を普通に扱ってくれる。
無論それは、自信をなくし、終始俯いて生活をする好美が招いたこと。
気味悪がらない。
「何が好き。取ってくるよ」
「いえ私が」
「ほら、酔っ払いが、たかっているし、君みたいな子が行くとつい触られたり、ありそうだろ」
「えー無いですって。大丈夫」
「まあまあ」
なんて……
なんて普通。
普段なら、ぽいっと書類が投げられ、メールで定型の指示。
職場での会話はほとんど無い。
昔は普通だったけど、今は変な人と扱われて。
異性との付き合いは、今まで碌な事にならなかった。
でも、彼、今付き合っている人も、居ないって言うし……
はっ下着。下のフロア、もう終わった?
そんなことを考えていた頃。
「啓博のやつ何処へ行ったんだ? あんたがこっちへ来てるから帰ったんじゃないか?」
「えっ。それならそれで良いし。私こっちへ移って……」
「来んな」
そう言いながら、翔はふと気になった。
まさかなぁ。
すくっと席を立ち、好美を探しに行く。
すると、途中でクルクルと回っている彼女を発見。
「どうしたの? トイレが混んでいるなら、半券を持っていれば他の階にも行けるよ」
「あっ、ごめんなさい。ついショーツ」
言いかけて、口を押さえ、ついでに真っ赤になる彼女。
「??」
「どうしたの?」
「いえ何でも無いの。戻りましょ」
そう言って、乗りで彼の手を取る。
一瞬驚いたようだが、放されなかった。
もう、彼の行動一つ一つが、好き……
彼女の脳内で、変な物質が放出されたのか、少し変になっているようだ。
もうやるしか無い。
そんな決意を持ち、席に戻る。
だが席では、紀子がスマホをポチポチしていた。
返事がない。
未読がひたすら続く。
あの野郎、まさか他の女でも拾ったのか?
どけよと、声をかけようと思ったら、どこかへ行ってしまった。
そこで、翔は考える。
飲み足りないし、食い足りない。
だが今、チャンスじゃ無いか?
「ねえ、ビアガーデンも良いけれど、河岸を変えない?」
とっさに、オッサン上司の言っている言葉が出るが、彼女は理解をした様だ。
「はい喜んで!!」
その妙なテンションに驚くが、手を引いたまま、近場で知っている個室の店へと移動する。
途中人だかりができていたが、二人は気にせずエレベーターで降りる。
人だかりの中央には、啓博。
事情を聞かれた周りの人は、言ってしまう。
「痴漢をしようとして、殴られたみたいだぞ」
そう、これで啓博は終わってしまった。
会場内を探し回った、紀子はやっと啓博の所へたどり着いたが、口々に語られる状況で理解をする。
コイツ、私を放って好美に手を出そうとしたわね。
最低。
そうして、啓博を見なかったことにして、席に戻る。
だが…… 幾ら待っても誰も戻ってこない。
好美…… は当然未読。
啓博は倒れていた……
「えっなに? 私捨てられたの?」
一瞬呆然とする。
そして周りを見回し、男一人や二人程度の所へ突進する。
「私が席を離れた途端に、何この女?」
「一緒に飲まない? 彼氏に振られちゃって、らしいよ」
ふーんと言う感じで、その女の子は紀子をみて一方を指さす。
「あの辺り暇そうよ」
少し派手な服装の、チャラそうな男組。
この女、実は某店のキャスト。
指さす先は、ホスト達。
「そうね。まあ良いか」
深く考えず、紀子は闇の世界に自ら一歩目を踏み込んだ。
その晩、満足するまでエッチをした様だ。
ビデオカメラの前で……
さて、好美たちは二軒目から三軒目へ行く途中、だったが好美は突進する。
「翔さん。家近くなんです。ゆっくり出来ますし。少し酔っちゃって。駄目ですか」
胸にすがり、上目使いで潤んだ目で翔を見つめる。
「あっ。ああ。それも良いね」
さすがに少し考えたが、翔も男。
本能に贖いきれなかった。
「ちょっと買い物をしていきましょう」
コンビニへ行き、飲み物とつまみを物色。
駅から、少し離れたマンション。
好美は翔を招き入れると、後ろでに鍵を閉めなぜかチェーンまで……
「へえ、良い部屋だな」
淋しい好美はぬいぐるみが多めだが、生活はきっちりしていた。
「座ってください」
とは言っても一人暮らし。
座れるところは限られる。床に置かれた人を駄目にするクッション。
小さなテーブル。
「カンパーイ」
妙なテンション。
「頂きまーす」
そう、三十分後には、翔は好美にのし掛かられ、クッションに埋まる。
「私って、全然経験が無くて、貰ってください。なんならお付き合いをしてくださっても、なんなら結婚を前提に。駄目…… ですか?」
この状態で?
だが真っ赤な顔をした彼女。
酔っ払ってはいるが、美人系の顔立ち。
体の上で変形をしている胸。
悩んだ末、無言でキスをする。
どうしようも無い。
「こんなの、断れるわけ無いだろう」
その日、啓博以外は、収まるところに収まったようだ。
好美は、本当に初めてだったし、翌朝からすっかり変わった彼女は職場でも評価が変わったようだ。
そして、以外と彼女は努力家で、翔は理想的な彼女を些細な切っ掛けで拾ったようだ。
それはまるで、真夏の夜の夢のような出逢い…… だったとか……
----------------------------------------------------
長いこと、ビアガーデンなど行ってません。
年を取ると出て行くのが面倒で。
娘が行くと言っていたので、一作。
私を普通に扱ってくれる。
無論それは、自信をなくし、終始俯いて生活をする好美が招いたこと。
気味悪がらない。
「何が好き。取ってくるよ」
「いえ私が」
「ほら、酔っ払いが、たかっているし、君みたいな子が行くとつい触られたり、ありそうだろ」
「えー無いですって。大丈夫」
「まあまあ」
なんて……
なんて普通。
普段なら、ぽいっと書類が投げられ、メールで定型の指示。
職場での会話はほとんど無い。
昔は普通だったけど、今は変な人と扱われて。
異性との付き合いは、今まで碌な事にならなかった。
でも、彼、今付き合っている人も、居ないって言うし……
はっ下着。下のフロア、もう終わった?
そんなことを考えていた頃。
「啓博のやつ何処へ行ったんだ? あんたがこっちへ来てるから帰ったんじゃないか?」
「えっ。それならそれで良いし。私こっちへ移って……」
「来んな」
そう言いながら、翔はふと気になった。
まさかなぁ。
すくっと席を立ち、好美を探しに行く。
すると、途中でクルクルと回っている彼女を発見。
「どうしたの? トイレが混んでいるなら、半券を持っていれば他の階にも行けるよ」
「あっ、ごめんなさい。ついショーツ」
言いかけて、口を押さえ、ついでに真っ赤になる彼女。
「??」
「どうしたの?」
「いえ何でも無いの。戻りましょ」
そう言って、乗りで彼の手を取る。
一瞬驚いたようだが、放されなかった。
もう、彼の行動一つ一つが、好き……
彼女の脳内で、変な物質が放出されたのか、少し変になっているようだ。
もうやるしか無い。
そんな決意を持ち、席に戻る。
だが席では、紀子がスマホをポチポチしていた。
返事がない。
未読がひたすら続く。
あの野郎、まさか他の女でも拾ったのか?
どけよと、声をかけようと思ったら、どこかへ行ってしまった。
そこで、翔は考える。
飲み足りないし、食い足りない。
だが今、チャンスじゃ無いか?
「ねえ、ビアガーデンも良いけれど、河岸を変えない?」
とっさに、オッサン上司の言っている言葉が出るが、彼女は理解をした様だ。
「はい喜んで!!」
その妙なテンションに驚くが、手を引いたまま、近場で知っている個室の店へと移動する。
途中人だかりができていたが、二人は気にせずエレベーターで降りる。
人だかりの中央には、啓博。
事情を聞かれた周りの人は、言ってしまう。
「痴漢をしようとして、殴られたみたいだぞ」
そう、これで啓博は終わってしまった。
会場内を探し回った、紀子はやっと啓博の所へたどり着いたが、口々に語られる状況で理解をする。
コイツ、私を放って好美に手を出そうとしたわね。
最低。
そうして、啓博を見なかったことにして、席に戻る。
だが…… 幾ら待っても誰も戻ってこない。
好美…… は当然未読。
啓博は倒れていた……
「えっなに? 私捨てられたの?」
一瞬呆然とする。
そして周りを見回し、男一人や二人程度の所へ突進する。
「私が席を離れた途端に、何この女?」
「一緒に飲まない? 彼氏に振られちゃって、らしいよ」
ふーんと言う感じで、その女の子は紀子をみて一方を指さす。
「あの辺り暇そうよ」
少し派手な服装の、チャラそうな男組。
この女、実は某店のキャスト。
指さす先は、ホスト達。
「そうね。まあ良いか」
深く考えず、紀子は闇の世界に自ら一歩目を踏み込んだ。
その晩、満足するまでエッチをした様だ。
ビデオカメラの前で……
さて、好美たちは二軒目から三軒目へ行く途中、だったが好美は突進する。
「翔さん。家近くなんです。ゆっくり出来ますし。少し酔っちゃって。駄目ですか」
胸にすがり、上目使いで潤んだ目で翔を見つめる。
「あっ。ああ。それも良いね」
さすがに少し考えたが、翔も男。
本能に贖いきれなかった。
「ちょっと買い物をしていきましょう」
コンビニへ行き、飲み物とつまみを物色。
駅から、少し離れたマンション。
好美は翔を招き入れると、後ろでに鍵を閉めなぜかチェーンまで……
「へえ、良い部屋だな」
淋しい好美はぬいぐるみが多めだが、生活はきっちりしていた。
「座ってください」
とは言っても一人暮らし。
座れるところは限られる。床に置かれた人を駄目にするクッション。
小さなテーブル。
「カンパーイ」
妙なテンション。
「頂きまーす」
そう、三十分後には、翔は好美にのし掛かられ、クッションに埋まる。
「私って、全然経験が無くて、貰ってください。なんならお付き合いをしてくださっても、なんなら結婚を前提に。駄目…… ですか?」
この状態で?
だが真っ赤な顔をした彼女。
酔っ払ってはいるが、美人系の顔立ち。
体の上で変形をしている胸。
悩んだ末、無言でキスをする。
どうしようも無い。
「こんなの、断れるわけ無いだろう」
その日、啓博以外は、収まるところに収まったようだ。
好美は、本当に初めてだったし、翌朝からすっかり変わった彼女は職場でも評価が変わったようだ。
そして、以外と彼女は努力家で、翔は理想的な彼女を些細な切っ掛けで拾ったようだ。
それはまるで、真夏の夜の夢のような出逢い…… だったとか……
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長いこと、ビアガーデンなど行ってません。
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