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人の縁とは不思議なもの
第3話 意外と良いかもしれない
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本当に、彼女は初めてだった。
十分に時間をかけて事を行う。
「照れくさいですけど、良いですね。このぬくもり」
「そうか? 夏場は暑いぞ」
「冷房をかければ良いんです」
そう言って抱きついてくる。
それから、基本自由行動。
会いたくなれば、今日どう? というコミュニケーションアプリへの通知が来る。
食事だけとか、家に行くからしようとか。
腹の探り合いとかは無く、ダイレクトメッセージ。
意外とこれは、俺達の性格には合った。
一年もすれば、家に挨拶に行くぜ。ウェーイな乗りで挨拶に行き、家も近くなので親同士も驚く。
「遠くの人と一緒になるかと思えば、いつからの知り合いなんだ?」
「一年前。大阪で知りあった」
そう言うと、もれなく。
「それは縁があったな」
そう言われる。
実際、俺達の会話の中にも登場するフレーズだ。
「二人が出会うのは、天の定めし運命。運否天賦よ」
これは、人の運命は天の定めによるということ。運を天に任せることにも使われる。
一時期、そんな宣言をしてから、事を始めるのが彼女のブームになっていた。
人のことを中学生かと言っていたのに、自分もすっかり……
お気楽な関係はそのまま続き、流れに乗り結婚。
一緒に暮らし初めても、お互いに自室を持ち、適当な時間に適当に飯を食う。
美味そうとなれば取られるし、一緒にも食うが、基本自由。
他人には、あまり理解されない暮らしだが、子供が出来て流石に変わった。
「これは大変。助けを求む」
そう言われた。
新生児は、三時間単位の行動。
ミルク。おむつ。ミルクおむつ……
長く一緒にいると、次が出来たりして……
数年後には、子供のために普通の家族になってしまった。
ただまあ、お互いの趣味や付き合いは自由だ。
根っこは変わっていない。
幼稚園の行事や、それが終われば、小学校……
そちらにかえって自由が奪われるが、仕方が無い。
きっと共に、良い付き合いだったといえるだろう。
墓碑には、さらば、我が友と刻もうと言ってある。
「でもうちのお墓、先祖代々の納骨堂だね」
「骨壺に刻もうそれで良いか」
「良いんじゃない」
そう言いながら、縁側で酒を酌み交わす、じじいとばばあになる予定だ。
「おっと、今度はおむつか?」
泣き声に気が付き、走っていく……
「だから、三人目は駄目だと……」
-------------------------------------------------------
お読みくださり、ありがとうございます。
まあ、こんな形も良いかも知れないという妄想ですね。
十分に時間をかけて事を行う。
「照れくさいですけど、良いですね。このぬくもり」
「そうか? 夏場は暑いぞ」
「冷房をかければ良いんです」
そう言って抱きついてくる。
それから、基本自由行動。
会いたくなれば、今日どう? というコミュニケーションアプリへの通知が来る。
食事だけとか、家に行くからしようとか。
腹の探り合いとかは無く、ダイレクトメッセージ。
意外とこれは、俺達の性格には合った。
一年もすれば、家に挨拶に行くぜ。ウェーイな乗りで挨拶に行き、家も近くなので親同士も驚く。
「遠くの人と一緒になるかと思えば、いつからの知り合いなんだ?」
「一年前。大阪で知りあった」
そう言うと、もれなく。
「それは縁があったな」
そう言われる。
実際、俺達の会話の中にも登場するフレーズだ。
「二人が出会うのは、天の定めし運命。運否天賦よ」
これは、人の運命は天の定めによるということ。運を天に任せることにも使われる。
一時期、そんな宣言をしてから、事を始めるのが彼女のブームになっていた。
人のことを中学生かと言っていたのに、自分もすっかり……
お気楽な関係はそのまま続き、流れに乗り結婚。
一緒に暮らし初めても、お互いに自室を持ち、適当な時間に適当に飯を食う。
美味そうとなれば取られるし、一緒にも食うが、基本自由。
他人には、あまり理解されない暮らしだが、子供が出来て流石に変わった。
「これは大変。助けを求む」
そう言われた。
新生児は、三時間単位の行動。
ミルク。おむつ。ミルクおむつ……
長く一緒にいると、次が出来たりして……
数年後には、子供のために普通の家族になってしまった。
ただまあ、お互いの趣味や付き合いは自由だ。
根っこは変わっていない。
幼稚園の行事や、それが終われば、小学校……
そちらにかえって自由が奪われるが、仕方が無い。
きっと共に、良い付き合いだったといえるだろう。
墓碑には、さらば、我が友と刻もうと言ってある。
「でもうちのお墓、先祖代々の納骨堂だね」
「骨壺に刻もうそれで良いか」
「良いんじゃない」
そう言いながら、縁側で酒を酌み交わす、じじいとばばあになる予定だ。
「おっと、今度はおむつか?」
泣き声に気が付き、走っていく……
「だから、三人目は駄目だと……」
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お読みくださり、ありがとうございます。
まあ、こんな形も良いかも知れないという妄想ですね。
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