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葵と蒼 ばっど
第1話 出会い
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友達との飲み会。理由は何だったか忘れた。
男三人で、居酒屋。酔いも回り不謹慎なことも口走る。
「あー女が欲しい」「あー男が欲しい」
「「はあ?」」
声がハモる。
あわてて、後ろの席を見てしまった。
座敷で、仕切りは天井からぶら下がった、可動式のボード。
のぞき込むと、向こうものぞき込んだのだろう。キスでもしそうな距離に、顔があった。
「「初めまして」」
見事に頭突き。
まるでコント。
向こうは見えないが、こっちの連れは大受け。
お互いの出会いは、こんな感じだった。
お互いに、容姿は及第点。
「「普通だな」」
お互いがお互いに聞こえないレベルで、ぼそっとつぶやいた。
連れが調子に乗って、発案する。
「三対三だし。緊急企画。コンパしましょ」
男側は、のりのり。
全員今は彼女無し。
さて、相手はどうだ。固唾をのみ、反応を見る。
「「いいわね」」
「こんな出会いも、ありかもね」
笑顔で、了解を貰った。
早速、店員さんに言って、仕切りを移動して貰う。
机をくっ付け男女、交代交代で座る。
すでに、大分できあがっていたのか、ノリが良い。
「じゃあ。改めて、乾杯」
紫門が仕切る。
「なにに?」
ロングヘアの女の子が、聞いてくる。
「当然。出会いでしょ」
こう答える、お調子者は、琥珀。
「「「出会いに。乾杯」」」
「じゃあ順に、自己紹介。だよな。おれが、横波 紫門(よこなみ しもん)。つぎ、琥珀」
こいつは仕切り屋だが、かっこつけ。
「俺が、須崎 琥珀(すさき こはく)。よろしくぅ」
こいつは、お調子者。髪型も、俺に近くソフトウェーブをかけている。
すぐに、それ良いなと言ってまねをする。
「あー先ほど、変なことを叫んだ檮原 蒼(ゆすはら そう)。です」
これが俺。ツーブロックだがサイドに少しテンパーが入っていて須崎よりクリクリの髪。
女の子に、次を促す。
「じゃあ、私は、安田 翠(やすだ みどり)です。みんな此処で飲んでいるって言うことは、同じ大学よね」
そう言って、挨拶? をした子はロングヘアが特徴的。服装もお嬢さんぽい。
「こっちは、四年でーす。すでに、内々定貰って、乾杯中。檮原は、この前振られたのか振ったのか知らんが別れて傷心中。俺らは元々彼女がいない」
そう言って泣き真似をする。
「じゃあ、一つ上ね。先輩よろ。北川 緑沙(きたがわ つかさ)です」
ミディアムの髪。活発そうだが、気も強そう。
「あー。佐川 葵(さかわ あおい)です」
そう言って、少し赤くなる。
きっと叫んだ子だろう。ミディアムで軽くウエーブがかかっている。
「葵もこの前、やっと別れられたんだよね」
安田さんが、ばらしてくる。
「そうそう。最初はそうでもなかったけど、ひどい束縛系でさ。かわいそうだったの」
これは、当然北川さん。
「ちょっと、そんなこと。初めて会ったばかりなのに」
そして彼女。
「いいじゃん。せっかくの機会だし」
北川さんが悪びれず言い放つ。
大体こういう感じがパターンなんだろう。
飲みが進むと、色々暴露大会になってきた。
安田さんは、お母さんが、どこかのお嬢さんだったようで、小さな頃から躾が厳しく、今のうちと言うことで、見た目の割に軽いようだ。
かえって、北川さんの方が、お堅いのかな。
会話に、下ネタが入ると露骨に嫌な顔が出る。
それで、今ぐだぐだ言っている、目の前の佐川さん。
「ひどいでしょ。一人で、飲みに行くな。ご飯は一汁三菜が基本だとか。あんたのお母さんじゃないって言うのよ」
「あーうん。そうだね」
適当に、あしらったら、睨まれた。
「あんたの方は?」
「うん?」
「どんな子だったの?」
「どう言ったら良いのかな? 不安がりというか、会えば必ず、私のこと好き? どこが良いの? そんな質問が来る。あとはまあ、どこ行っていたのとか、私よりも大事なの? そんな感じかな。そのくせ、自分はでかけるし、電話に出られないことだってあるわよ。って。こっちが出ないと怒るのにな」
「あー。居るわね」
まあ、そんな感じで、話は続き。思い切って聞いてみる。
「そういえば、男が欲しいって言っていたよね。結構辛そうな恋愛の後なのに?」
「あーうん。それは、二人目で、一人目が…… エッチが上手だったのよ。まあ、とんだ浮気野郎で別れたけど。その…… 体が、寂しいのよ。たまにだけど」
「女の子でも、そうなんだ」
「あなたは?」
「男だからね。似たようなものかな」
「そうなんだ」
そう言って黙り込む。
やがてお開きになり、横波が調子にのり、男が支払う。
まあ安い店だし、良いけど。
帰りの方向を話すると、見事に三方向に分かれた。
まあ大学を中心に幾箇所かに、学生向けアパートやマンションが広がっているから、かぶるよな。
「なあ、さっきの話だけど、付き合うのはまだキツいけれど、セフレ的な感じはどう? いやなら本番はしないけど」
「あー男の人の、先っちょだけと言う、絶対信用できない言葉? 初めてじゃないし別に良いよ。それに、そんな中途半端。お互いに無理でしょ。試して、相性が悪ければ終わりということで。試す?」
「じゃあそれで」
そんな軽いノリで、二人の関係は始まった。
男三人で、居酒屋。酔いも回り不謹慎なことも口走る。
「あー女が欲しい」「あー男が欲しい」
「「はあ?」」
声がハモる。
あわてて、後ろの席を見てしまった。
座敷で、仕切りは天井からぶら下がった、可動式のボード。
のぞき込むと、向こうものぞき込んだのだろう。キスでもしそうな距離に、顔があった。
「「初めまして」」
見事に頭突き。
まるでコント。
向こうは見えないが、こっちの連れは大受け。
お互いの出会いは、こんな感じだった。
お互いに、容姿は及第点。
「「普通だな」」
お互いがお互いに聞こえないレベルで、ぼそっとつぶやいた。
連れが調子に乗って、発案する。
「三対三だし。緊急企画。コンパしましょ」
男側は、のりのり。
全員今は彼女無し。
さて、相手はどうだ。固唾をのみ、反応を見る。
「「いいわね」」
「こんな出会いも、ありかもね」
笑顔で、了解を貰った。
早速、店員さんに言って、仕切りを移動して貰う。
机をくっ付け男女、交代交代で座る。
すでに、大分できあがっていたのか、ノリが良い。
「じゃあ。改めて、乾杯」
紫門が仕切る。
「なにに?」
ロングヘアの女の子が、聞いてくる。
「当然。出会いでしょ」
こう答える、お調子者は、琥珀。
「「「出会いに。乾杯」」」
「じゃあ順に、自己紹介。だよな。おれが、横波 紫門(よこなみ しもん)。つぎ、琥珀」
こいつは仕切り屋だが、かっこつけ。
「俺が、須崎 琥珀(すさき こはく)。よろしくぅ」
こいつは、お調子者。髪型も、俺に近くソフトウェーブをかけている。
すぐに、それ良いなと言ってまねをする。
「あー先ほど、変なことを叫んだ檮原 蒼(ゆすはら そう)。です」
これが俺。ツーブロックだがサイドに少しテンパーが入っていて須崎よりクリクリの髪。
女の子に、次を促す。
「じゃあ、私は、安田 翠(やすだ みどり)です。みんな此処で飲んでいるって言うことは、同じ大学よね」
そう言って、挨拶? をした子はロングヘアが特徴的。服装もお嬢さんぽい。
「こっちは、四年でーす。すでに、内々定貰って、乾杯中。檮原は、この前振られたのか振ったのか知らんが別れて傷心中。俺らは元々彼女がいない」
そう言って泣き真似をする。
「じゃあ、一つ上ね。先輩よろ。北川 緑沙(きたがわ つかさ)です」
ミディアムの髪。活発そうだが、気も強そう。
「あー。佐川 葵(さかわ あおい)です」
そう言って、少し赤くなる。
きっと叫んだ子だろう。ミディアムで軽くウエーブがかかっている。
「葵もこの前、やっと別れられたんだよね」
安田さんが、ばらしてくる。
「そうそう。最初はそうでもなかったけど、ひどい束縛系でさ。かわいそうだったの」
これは、当然北川さん。
「ちょっと、そんなこと。初めて会ったばかりなのに」
そして彼女。
「いいじゃん。せっかくの機会だし」
北川さんが悪びれず言い放つ。
大体こういう感じがパターンなんだろう。
飲みが進むと、色々暴露大会になってきた。
安田さんは、お母さんが、どこかのお嬢さんだったようで、小さな頃から躾が厳しく、今のうちと言うことで、見た目の割に軽いようだ。
かえって、北川さんの方が、お堅いのかな。
会話に、下ネタが入ると露骨に嫌な顔が出る。
それで、今ぐだぐだ言っている、目の前の佐川さん。
「ひどいでしょ。一人で、飲みに行くな。ご飯は一汁三菜が基本だとか。あんたのお母さんじゃないって言うのよ」
「あーうん。そうだね」
適当に、あしらったら、睨まれた。
「あんたの方は?」
「うん?」
「どんな子だったの?」
「どう言ったら良いのかな? 不安がりというか、会えば必ず、私のこと好き? どこが良いの? そんな質問が来る。あとはまあ、どこ行っていたのとか、私よりも大事なの? そんな感じかな。そのくせ、自分はでかけるし、電話に出られないことだってあるわよ。って。こっちが出ないと怒るのにな」
「あー。居るわね」
まあ、そんな感じで、話は続き。思い切って聞いてみる。
「そういえば、男が欲しいって言っていたよね。結構辛そうな恋愛の後なのに?」
「あーうん。それは、二人目で、一人目が…… エッチが上手だったのよ。まあ、とんだ浮気野郎で別れたけど。その…… 体が、寂しいのよ。たまにだけど」
「女の子でも、そうなんだ」
「あなたは?」
「男だからね。似たようなものかな」
「そうなんだ」
そう言って黙り込む。
やがてお開きになり、横波が調子にのり、男が支払う。
まあ安い店だし、良いけど。
帰りの方向を話すると、見事に三方向に分かれた。
まあ大学を中心に幾箇所かに、学生向けアパートやマンションが広がっているから、かぶるよな。
「なあ、さっきの話だけど、付き合うのはまだキツいけれど、セフレ的な感じはどう? いやなら本番はしないけど」
「あー男の人の、先っちょだけと言う、絶対信用できない言葉? 初めてじゃないし別に良いよ。それに、そんな中途半端。お互いに無理でしょ。試して、相性が悪ければ終わりということで。試す?」
「じゃあそれで」
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その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
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