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穂とめぐみと和音 はっぴいと?
第1話 間違いからの出会い
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出会いは、偶然? だった。
「あれ。よう久しぶり。元気?」
「えっ。あっ。うん。元気です」
「最近は、どっちの方に、行っているの?」
「あまり出ていません。今日はたまたま買い物に」
俺はそこで、気がついた。この子誰?
「えっ。あっ。あー。君の名は?」
有名な台詞が、つい出た。
「えーと、岸田めぐみです」
間違いが確定した。
「えーとあの。すみません。人違いしました。おれ、深瀬穂(みのる)と言います。えーと、すみませんでした」
そう言って、恥ずかしくなった俺は、場を離れようとしたが、背後から声が掛かる。
私は最初、噂に聞くナンパと呼ばれるものだと思った。
でも、話の感じ誰かと間違えたようだし、誠実ぽい感じがする。
この年になって、親戚以外で男子との会話。少し舞い上がり、私は調子に乗った。
「あのっ。これも何かの縁でしょうか。もしお時間があるなら、ちょっとお願いしたいのですが」
俺はそう言われた瞬間、何かの勧誘かと勘ぐる。だが、まあ話くらいなら。そう思い話を聞く。
「何でしょう? お金はあまりないです」
「お金? いえ、今から父にプレゼントを買おうと思って。選ぶのをお手伝いしていただけないかと思いまして」
話をすると、同じ歳で18歳。今年から、短大学生になったようだが、高校からの一環で、女の子しかいない。よく知る学校だった。
確か、古い学校で、服飾とか看護。栄養とかそんな学科ばかりだった気がする。
今は確か共学になったが、元女子高だったよな。
まあそれで、男に知り合う事もなく。育って来たようだ。
「へーそれじゃあ、学校の前でナンパ目的の、出待ちなんかがいるんだ」
「そうなんですが、先生からもきつく注意されていますので。昔付いていった子がひどい目に遭ったこともあって、警備員さんがすぐ走って行くし、時には警察も呼んだり」
「そうなんだ」
そう言って、話をしながら歩いていると、彼女が思いきった感じで聞いてくる。
「先ほど、私と間違えたお相手は、どなたなのでしょうか? まさか、こっ恋人と言うわけではありませんよね」
「そりゃそうだ。恋人で間違えるなんて、そこまでひどくはない。えーと、ねえ。大学に入ってからの知り合いで、ちょっとまあ、気になっている子というか。あーうん。何を言っているんだ俺は。……でもどうして」
「恋人がいるのでしたら、他の女と買い物なんて、きっと嫌がるでしょうから」
「そうか。普通そうだな」
彼女の気遣いに感謝し、それだけ短く答える。
彼女は、ニコッと笑うと聞いてきた。
「私に、似ているのですよね」
「間近で、見るとちがうよ。うん。君の方がかわいいかも。あっ」
「それは…… ありがとうございます」
そう言って、赤くなりうつむく。
かわいいぞ、この子。
気になっている子は、もっと活発。
辻田和音(かずね)同じく18歳。
彼女は、ギターを担いで、路上を巡っている。
「許可取りしていないから、警察に追いかけられる」
そう言って、笑っていた。
無論俺に向かってではなく、一緒にいる友人に向かって。
単純な俺は、その笑顔に引かれ。気になる子として、心にメモした。
だがまあ。別人と間違える程度の知り合い。いや数回は話をしたこともあるし、彼女の歌も聴きに行って、投げ銭もしたし。向こうも俺のことを、同級生くらいには認識しているはず。歌っているのは、自分の夢と、生活の足しらしい。これは直接聞いた。
小学校の時に、離婚をして母子家庭のようだ。これは、無論聞き耳情報と、4~5人位挟んだ友人情報。
「お父さんにプレゼントって、なんの?」
「あー。そうですね。家、小学校の時離婚して、中学校の時に再婚。でも、なんだか認められなくて、ほら中学生くらいって、お父さんが嫌いになる時期ってあるでしょう。その時に丁度再婚したので、認められなくて。それで高校も寮のある学校へ入って。でも、この年になって。お父さんにもそういう人が必要だと、まあ理解ができるようになって。プレゼントを今更ですが、しようかと、思い立って」
そう言って、恥ずかしそうに微笑む。
「じゃあ、お父さんだけじゃなく、2人に向けて、ペアの何かとか?」
「うーん本当は、それが良いのでしょうが。けれど、そこまでは認められないというか。私…… 面倒くさいですよね」
そう言って苦笑い。
「そうか。いやごめんね。じゃあお父さんへのお礼かな」
「そうですね」
考える。
ネクタイとかだと、新しいお母さんの趣味と真っ向勝負になる。
中学校の時だと、もう生活用品は、完全に塗り変わっているだろう。
前の奥さんと離婚なら、なおさらだろう。
「駄目だな。情報が足りない。どこかで、お父さんについて教えてくれない? いや会ったばかりでこんな事。図々しいね」
「いえ。お願いしたのは、こちらですし。えっと、どこか入ります?」
「じゃあ、そこの店にでも入りましょう」
そう言って、彼女を連れて、中に入る。
店は木の造りが、メインに出ていて、落ち着いた雰囲気。
店名が『茶店(さてん)』と言う名前のようだ。
ボックスになっており、落ち着ける。
ただ、メニューを見ると、『ヒーコ』コーヒーです。『レーコ』ままの名前ですがアイスコーヒーです。『レスカ』レモンスカッシュです。等々いちいちがおかしい。だがよく見ると、店のブレンドや紅茶など種類は充実している。
「あっ。クリームソーダがある。注文していいですか?」
「良いですよ。別に断らなくても」
そう言うと、嬉しそうになる。
「あれ。よう久しぶり。元気?」
「えっ。あっ。うん。元気です」
「最近は、どっちの方に、行っているの?」
「あまり出ていません。今日はたまたま買い物に」
俺はそこで、気がついた。この子誰?
「えっ。あっ。あー。君の名は?」
有名な台詞が、つい出た。
「えーと、岸田めぐみです」
間違いが確定した。
「えーとあの。すみません。人違いしました。おれ、深瀬穂(みのる)と言います。えーと、すみませんでした」
そう言って、恥ずかしくなった俺は、場を離れようとしたが、背後から声が掛かる。
私は最初、噂に聞くナンパと呼ばれるものだと思った。
でも、話の感じ誰かと間違えたようだし、誠実ぽい感じがする。
この年になって、親戚以外で男子との会話。少し舞い上がり、私は調子に乗った。
「あのっ。これも何かの縁でしょうか。もしお時間があるなら、ちょっとお願いしたいのですが」
俺はそう言われた瞬間、何かの勧誘かと勘ぐる。だが、まあ話くらいなら。そう思い話を聞く。
「何でしょう? お金はあまりないです」
「お金? いえ、今から父にプレゼントを買おうと思って。選ぶのをお手伝いしていただけないかと思いまして」
話をすると、同じ歳で18歳。今年から、短大学生になったようだが、高校からの一環で、女の子しかいない。よく知る学校だった。
確か、古い学校で、服飾とか看護。栄養とかそんな学科ばかりだった気がする。
今は確か共学になったが、元女子高だったよな。
まあそれで、男に知り合う事もなく。育って来たようだ。
「へーそれじゃあ、学校の前でナンパ目的の、出待ちなんかがいるんだ」
「そうなんですが、先生からもきつく注意されていますので。昔付いていった子がひどい目に遭ったこともあって、警備員さんがすぐ走って行くし、時には警察も呼んだり」
「そうなんだ」
そう言って、話をしながら歩いていると、彼女が思いきった感じで聞いてくる。
「先ほど、私と間違えたお相手は、どなたなのでしょうか? まさか、こっ恋人と言うわけではありませんよね」
「そりゃそうだ。恋人で間違えるなんて、そこまでひどくはない。えーと、ねえ。大学に入ってからの知り合いで、ちょっとまあ、気になっている子というか。あーうん。何を言っているんだ俺は。……でもどうして」
「恋人がいるのでしたら、他の女と買い物なんて、きっと嫌がるでしょうから」
「そうか。普通そうだな」
彼女の気遣いに感謝し、それだけ短く答える。
彼女は、ニコッと笑うと聞いてきた。
「私に、似ているのですよね」
「間近で、見るとちがうよ。うん。君の方がかわいいかも。あっ」
「それは…… ありがとうございます」
そう言って、赤くなりうつむく。
かわいいぞ、この子。
気になっている子は、もっと活発。
辻田和音(かずね)同じく18歳。
彼女は、ギターを担いで、路上を巡っている。
「許可取りしていないから、警察に追いかけられる」
そう言って、笑っていた。
無論俺に向かってではなく、一緒にいる友人に向かって。
単純な俺は、その笑顔に引かれ。気になる子として、心にメモした。
だがまあ。別人と間違える程度の知り合い。いや数回は話をしたこともあるし、彼女の歌も聴きに行って、投げ銭もしたし。向こうも俺のことを、同級生くらいには認識しているはず。歌っているのは、自分の夢と、生活の足しらしい。これは直接聞いた。
小学校の時に、離婚をして母子家庭のようだ。これは、無論聞き耳情報と、4~5人位挟んだ友人情報。
「お父さんにプレゼントって、なんの?」
「あー。そうですね。家、小学校の時離婚して、中学校の時に再婚。でも、なんだか認められなくて、ほら中学生くらいって、お父さんが嫌いになる時期ってあるでしょう。その時に丁度再婚したので、認められなくて。それで高校も寮のある学校へ入って。でも、この年になって。お父さんにもそういう人が必要だと、まあ理解ができるようになって。プレゼントを今更ですが、しようかと、思い立って」
そう言って、恥ずかしそうに微笑む。
「じゃあ、お父さんだけじゃなく、2人に向けて、ペアの何かとか?」
「うーん本当は、それが良いのでしょうが。けれど、そこまでは認められないというか。私…… 面倒くさいですよね」
そう言って苦笑い。
「そうか。いやごめんね。じゃあお父さんへのお礼かな」
「そうですね」
考える。
ネクタイとかだと、新しいお母さんの趣味と真っ向勝負になる。
中学校の時だと、もう生活用品は、完全に塗り変わっているだろう。
前の奥さんと離婚なら、なおさらだろう。
「駄目だな。情報が足りない。どこかで、お父さんについて教えてくれない? いや会ったばかりでこんな事。図々しいね」
「いえ。お願いしたのは、こちらですし。えっと、どこか入ります?」
「じゃあ、そこの店にでも入りましょう」
そう言って、彼女を連れて、中に入る。
店は木の造りが、メインに出ていて、落ち着いた雰囲気。
店名が『茶店(さてん)』と言う名前のようだ。
ボックスになっており、落ち着ける。
ただ、メニューを見ると、『ヒーコ』コーヒーです。『レーコ』ままの名前ですがアイスコーヒーです。『レスカ』レモンスカッシュです。等々いちいちがおかしい。だがよく見ると、店のブレンドや紅茶など種類は充実している。
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