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第2章 異変の始まりと世界の終焉

第41話 始まる神話

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 輸送隊の運転手さんは、当然だが攻撃を躱そうとする。

「ちょっと、バラけないで」
 ヘッドセットでつい叫ぶ。
 すでに、見えてはいないが隊列にはシールドが張られている。
 てんちゃんによって。

「主、遊んでいないで、シールドを張ってください」
「悪い」
 重ねるようにシールドを張ると、ブレスがシールドに当たり拡散する。

「ちょっと止めて」
 そう叫んだのだが。

「まだ、向こうと合流していませんから。勝手な攻撃はしちゃ駄目なんですよ」
 そんな決まりがあるなんて、後でと言うのは駄目なのだろうか?
「そうなんですか?」
「ええ。勝手に介入をしても、お金がもらえません」
「そうですか。じゃあ急ぎましょう」
 側面から、ブレスを幾度となく食らいながら、基地へと急ぐ。
 まあ基地は基地で、大騒ぎのようだが。

 ブレスを食らいながら、平然とやって来た俺達におどろいていた。
「基地司令はどこですか?」
「燃えた」
「はっ?」
「最初のブレスで、本部が燃えた」
 片言の英語で、教えてくれる。

「では、日本が来たが、参加をして良いか聞いてくれ。現在のトップは誰だ?」
「分からない」
「はっ?」
「見ての通り、混乱中だ。俺達は、ここを放棄して町へ退却する」
 そう言って、彼は走っていった。

「良いんですかね。町まで案内するつもりですよ」
「仕方ない。目の前の奴を倒して、話が付かなければダンジョンは放って帰ろう。井崎くん、とりあえずあれ倒して」
 簡単に、無茶振りしてくる辻岡一尉。

「やってみます」
 俺と、一志。秋山君で一薙ぎしてみる。

 さて無敵の俺達と思っていたのだが、簡単に斬撃がはじかれる。
「辻岡さん駄目です。はじかれます」
「ええっ。そうなのかい」
 突然、辻岡さんが、ます○さんになった。

「主、浄化を乗せて、切ってみてください」
「おう」
 気を変質させる。

「せいっ」
 いつもより、マシマシで刀に気を乗せる。
 金色に光る斬撃が、刀を振った先へ広がりながら飛んでいく。
「あっ、刀が溶けていますよ」
 背後から、声をかけられて、つい刀を見る。
 言われたとおり、先端三分の一くらいが溶けて無くなっている。

「あちゃー。日野先生、予備あります?」
 振り返って聞く。
「あるよ!!」
 ニヒルにそう言うと、ざらざらと刀が出てくる。

「ありがたみが、無い」
「これは、刃先がタングステンカーバイド。斬鉄剣だよ。意外と脆くてすぐ欠けるけどね」
 そう言って笑う。

 すかさず、おすすめのそれを掴み振り返ると、奴はいなかった。
「あれ?」
「どうしたの?」
「あの、でっかいのは?」
「さっきので切れたよ」
 凪海に教えて貰う。

「見損ねた」
「えーもったいない。凄かったのに」
 ニヨニヨと、揶揄ってくる。

「こいつめぇ」
「やだぁ」
 と、ラブコメをしていると。

「ついでに、地上の奴も切って」
 辻岡さんから、無慈悲な命令が来る。

「はーい」
 そう言ったのは、俺では無く天上さん。

 金色の斬撃が扇状に広がり、触れたモンスターが、一気に消滅していく。
「凄いな」
 そう言って褒めたが、天上さんは納得ができないようで。
「和さんに比べると、色も薄し力も無い感じですね」
「そうかなあ?」
「ええ、まるで、二回目みたい」
 眉間にしわを寄せて、いやそうに言う。
「二回目?」
「あっごめんなさい」
 何故か赤くなって、逃げていく。

 その後、地上の殲滅は終わり、現地の軍人たちも喜んでくれる。

 そして。

「報告を受けていない。そっちが介入したのは勝手だ。我が国に驚異などは無い」
 まあ予想通り。
 戦闘機も、ボコボコ落とされていたし、内情厳しいのだろう。

「分かりました。ただこれから先、貴国からの要望は、受け入れることは無いでしょう」
 それだけ言って、次の国へ向かう。

 半年後。この国は泣きついてくることになる。

 そして次の国。ここでも、大型のモンスターがいた。
 体長一〇メートルほどの犬たち。
 そう。達なんだよ。
 双頭の奴と、頭が三つの奴。

 そいつ達が早い。

 足下の仲間達も蹴散らし、踏みつける。
 すると、体が大きくなっていく。
「ありゃ。あれはやっかいだな」
「今度は、契約してからね」

 横目で、蹂躙される戦車部隊を見ながら、シールド装備で前線基地へと到着。
 基地はパニック状態だが、落ち着き、敬意を込めて質問する。
「基地司令官は、どちらでしょうか?」
「こんな忙しいときに、誰だあんたら?」
「日本です」
「ああっ?」
「日本です」
 ちょっと、辻岡さんお怒りモード。

「ちっ。ちょっと待っていろ」
 凄いスピードで、ミサイルランチャーとかを搭載した車両が走り回る中。
 皆でそれを眺める。

「会うそうだ、中へ入って、あの大きなテントだ。先端に旗が立っている奴」
「ありがとうございます」
 そう言って、しずしずと行進をする。

 目の端では、でっかいワンコが、戦車を転がして、ねこのようなことをしている。

「失礼いたします。日本から参りました、派遣部隊です」
「おお。ありがとう。部隊ではあの大きな犬に手も足も出なくてな。困っていたのだ。早速討伐を頼みたい」
「先に、契約をお願いいたします」
 二枚の紙を出す。
 ざっと目を通し、サインを書いて交換し、もう一枚にもサインをする。

「良しそれでは、動きましょう。井崎君任せた」
「ですよね」
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