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第2章 異変の始まりと世界の終焉

第36話 ダンジョン探索、ゲストがうざい

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 ずんずんと、進んでいく。
 階段を降り、一気に浄化をして、罠を回避して宝小物を取って進んで行く。

 二十人ほどいる現地の軍の方は、危険意識が無いのか、壁を触ったり、印の付いた床を踏んだり、どんどん減っていく。

「どうして、印を踏むのですかね」
「本当かどうか、確かめたかったようだ」
「なるほど」
 口ではそう答えるが、心の中では、バカじゃないのか。思わず叫びたくなる。

 おかげで、面白、いや、たのし…… とにかく、皆が来たおかげで、天上さんと秋山君がだんまりになっちゃった。つまらん。
 時々、秋山君が手を差し伸べるけれど、天上さんテレなのか、『大丈夫』とか『良い』としか、言わなくなっちゃったし。

 うん? やたちゃんが三枚ほど敷石をジャンプした。
 ちょっと、剣の鞘で突っつく。
 その瞬間、ガコッと音がして下から、槍が三十センチメートル間隔位で並んで天井まで一気に突き上がる。
 その時、罠の向こうで舌打ちが聞こえる。
 凪海の手前やたちゃんとは呼んでいるが、ここまで懐かないと、かわいくないぞ。てんちゃんを見習え。
 思わず愚痴が出る。

「凄い、よく分かったね」
 後ろから来た辻岡さんに褒められ、しっかり、剣を見られる。
 もう開き直ろう。

「君それ」
 無視する。
「行きましょう」
 罠にバッテンをつけた俺は宣言する。

 その後も、階段を降りてすぐ浄化をするため、ゾンビにもゴーストにも全く会わずどんどん進むだけ。
 そのせいで、後ろでの私語が増えてくる。
 言葉は分からないが、おもしろくなさそうな言葉というのは雰囲気で分かる。

 後で聞くと、日本を呼ばなくても、最初だけ大変で、後は簡単じゃないか。そんな事を言っていたようだ。
 『可愛気のあるのが、無邪気。そうじゃないのが、無知』見習え、天上さんを。結局赤い顔をして、秋山君と手を繋いでいるじゃないか。それに比べてお前達は、自分たちで何ともならなくて、呼んだんだろう。
 ちょっとむっとしていると思い出した。これがなければ、民間機で、そのままフランスへ行けたかもしれないのに。

 今横で、凪海が書いているマップを少しいじっておこうか? 一月後には奴らだけで、また来なければいけないはず。

 だけど、それをやって死人が出るのもいやだしな。

 ぶつぶつ思いながら、歩き、バッテンカキカキ、歩き、壁破壊、時々気を宝石に流す。
「もう何階ですかね? 三十は越えた気がしますけれど」
「今三十二階だね」
 さすがに疲れた感じで、辻岡二尉が答えてくれる。
「休憩をします?」
「そうしようか」
 後ろに向けて手を上げると、一人隊員さんがやってくる。何かを伝えると、ヒンディー語なのだろう。説明を始める。英語じゃないんだな。

 ちょっと先に進んでいた、やたちゃんが戻ってきて、凪海の横へ控える。
 頭をなでてアピールも忘れない。
 見えないはずだが、見えているらしい。
 多分皆には空中をなでる、変な女ができあがっているだろう。
「お腹は、減ってる?」
 辻岡二尉に聞かれる。

「そうですね」
 そう答えると、レーションが配られる。
 だが女の子達は、首を振る。

 そう、その理由は、こいつら兵達が、何かと理由をつけてのぞきに行こうとする。
 女の子が、用を足したときには、てんちゃんが付いていき浄化をするのだが、危険だ何だとまあ。おかげで、各ペアで見張りをすることになる。
 おもしろいことに、天上さんは、水希ちゃんに頼むかと思ったら、秋山君に頼んでいた。非常におもしろい。一足飛びにマニアックなほうへ。

「さてと、残りが少ないことを祈りましょうか」
「そうだね」
 そう言って、歩き始めるが、結局。五十階にまで成長をしていた。

 クリスタルを取って、仲間と分ける。
 現地の兵達が何か叫んでいるが、知らん。

「それが欲しかったみたいだね」
 辻岡二尉の通訳が入る。

「普通の人は、触れられませんよ」
 嘘は言っていない。体に吸い込むだけ。でも一人が、一気に取り込んで大丈夫なのだろうか?

「そうなのかい?」
「ええ。僕も最初は、きっ、砕きましたから」
「ほーう。触るとどうなるんだい?」
「有無を言わさず、体に吸い込まれます」
 そう言うと、驚かれる。

「その後、体はどうなる?」
「力が付きます。ただ、いきなり一人で全部を取り込むと、体がどうなるかは分かりません」
 一応注意はしておく。

「分かった注意をしておこう。何かで砕けば良いのだね」
「そうです。それを複数人で拾うように」
「分かった」

 それを伝え、通訳して伝えているようだ。
 フランスでは、あらかじめ話をしておかないと駄目だな。
 ダンジョンへ入る前に。そして、話が折り合わなければ、入るのを拒めば良い。

 そして、帰り始めたが、登りは大変。
 物理罠は生きているし。
 注意したのに、また踏む兵がいるし。

 そして、外へ何とか出ると、また外では夜が明けている。
 そう言えば、時間の流れが、おかしかったよな。

「着いた。何か食べて寝よう」
「トイレへ行きたい」
 気が抜けたのか、口々に要望が出る。

「トイレなら、ホテルの方が良い。一般のトイレなら紙は流さないようにして、拭いたら紙はゴミ箱へ入れてね。それと紙がないところでは、バケツに水を汲んで左手でお尻を洗うように。係員がいるところではチップがいるよ。一から十ルピーほど」
 辻岡二尉が教えてくれる。

「まともなホテルで近いところ。なるべくまともな食事ができるところへ、連れて行ってください」
 きっとこれが、最適解だろう。
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