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最悪な国、ニコ国
第36話 救済
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ロジーヌとヴァイオレットは夢を見ていた。
特にヴァイオレットは、三年くらいになる。
森の中、街道沿いで襲われ、あっという間に着ていた物を脱がされ陵辱。
それからも、裸のまま連れ回される。
城へ戻ったとき、盗賊達は謁見の間へ。兄様と目が合ったのにゴミでも見るような目で見られ、私は売られたのだと理解をした。
そこから、ずっと夢を見ていた。
頭の芯まで痺れ、男達に抱かれると、何もかも必要が無いと思えるほどの快楽が、我が身を襲う。
そう食事をすれば快楽、抱かれても快楽。
ずっと夢の中。
あの辛かった陵辱の記憶など、すでに無くなってしまった。
ロジーヌも同じであった。
ヴァイオレットを探しに来て捕まり、尋問のために頭も体もおかしくなるようなひどい拷問はあったが、そこからすぐにまるでぬるま湯の中に浸かったような感じで、ひたすら頭がおかしくなりそうな快楽に身を委ねる。
見たことのない男達、でも触れられると気持ちが良い。
下品な笑い声も、汚らわしい視線も気にならない。
ただ、そんな所から助け出されたのか?
激しく揺れる馬車の中で記憶が蘇り、それが現実だと理解。
数え切れないほどの陵辱。
クリアになっていく脳。
それに従い、あれは現実だったと、自身の体と精神的な物。つまり感情は受け入れたくないと拒否をする。
どうしようもなく汚された体、ロジーヌとヴァイオレットは絶望の底へと沈み。精神的にも心をを閉ざし、闇の底へと沈んでいった。
ブルーノ達は、姫達が意識がまともになるにつれ、暴れ泣きわめき、気がつけば死のうとすることに困り、縛って転がすことを選択をした。
「早く、カグラの元へ」
一緒にいた侯爵には、彼らが期待するカグラが何者かは判らない。
だがこの悲惨な状況で、頼れるなら何でも頼りたいと思っていた。
たとえそれが、伝承に残る悪魔でもきっと彼らは頼っただろう……
姫達はおのれの内に閉じこもり、考えることを放棄し、流し込まれるスープだけで命を繋ぎ、ただ生きている肉塊となっていた。
人には見せられない姿。
何をするか判らないので拘束され、すべてを垂れ流す。
人としては、終わった人生。
ブルーノ達はあの時の会話を思い出す。
「どこの商店だった?」
「確かミノヤキーノ商会とか、トリヤキー商会だったはず」
ソフィーが叫ぶ。フィーネやリエッタも、姫様達の世話をしながら涙を流し、そのひどさを見てきた。
彼女達が考えていたのは、早く姫様達を、カグラ様助けて。
それだけであった。
損得や主従など関係ない。
ただ、人として見ていられない。
そうして、丁度走り回っていたセセリーと出逢い、カグラが今トシュテン商会に居ることを知る。
「カグラ様。助けてください」
その日カグラは、木を細かく削り一生懸命蒸して砕き、すりおろし試行錯誤をしていた。スキフネーさんに、何とかなると言った手前、彼らが作れる手技を探し、レシピを作らなければいけない。
適当な木を削り、叩き、煮て、叩いて、蒸して叩いて、ひたすら細かくしていく。
そんな所に、悲愴な顔をして、ソフィー達が飛び込んできた。
ここは、トシュテン商会の裏に急遽造った小屋。
倉庫には紙が保管されているため湿気は大敵。
そのため、新たに小屋が造られた。
カグラの家とも言う。
小屋と言うが、現在建築を使い建ててある。この世界では狭小地である十坪程度。
おおよそ、畳二十枚程度の広さ。
一階には、実験室と水回り。
汚れた体を洗う風呂、そして台所にトイレ。
一応仮眠室。
二階にも、寝室と水回りが備えられている。
そして、地下には、メインの実験室がある。
なぜか、石化された壁を備えて防水は完璧。
十坪の敷地なのに、地下室は数倍の広さがあった。
色々聞くと、この世界で皆使うのは、せいぜい三メートルくらい。
それより深いところは、普通使わないと聞いたからだ。
「なら良いな」
そう言って、土魔法を駆使して基礎を造り、その上に家が建つ。ここまでで十分程度。
採光にもこだわり、この世界では見ないガラス窓、それも三層タイプ。
樹脂をサンドして割れても表面だけ。
まあそこで作業をしていたら、ソフィー達が連れてきた。縛られた女の子二人。
状態が状態だから、いきなり浄化。
そこからの、状態確認からの治療魔法。
それも、深層からの意識改革。
良くはないかもしれないが、今までの経験でこうしないとこの手の被害者はずっと苦しむ事になる。
前に、盗賊から救った? いやオークか…… 彼女の記憶を勝手にいじるなんてと言われたが、周りから見ていて、その苦しみを知らない者が言うのは、単なるエゴだと俺は考えた。
その時には…… そうだった。そう言った者に記憶を転写して、そんなに言うなら代わりに覚えておいてやれと言ったら、数分持たずに消してくれと言ってきた。
そんなものだ。
つじつまを合わせつつ、記憶をいじり、当然ながら体は完全に戻す。
あの時…… ユスティを生き返らせようとしたとき、きっと能力の上限を越して暴走させた。その時から、なぜか出来るようになった。
体がなぜか少し若返る。だが、残念ながら、女性にとって初めてといえる証は復活ができない。
それがなぜかは、知らない。
記憶を見ると、彼女達の苦しみを見る事になる。そう、俺だけがその事実を背負い込む。
ふと、ヴァイオレットさんが目を覚ます。
「気分はどう?」
仲良く、同じベッドに寝かされている二人。
寝ている表情から、自己による暗示。殻の中に閉じこもっていた心が、解放されたことを理解できる。閉じこもっていると能面のようで、表情が無くなっているからな。
「あなたは誰?」
高貴な方なのだろう、一瞬だけ無礼者みたいなことを言おうとしたな。
寝ている顔を覗き込んでいたのが、見知らぬ男だったためだろうか?
「カグラだ。君達は事故に遭って俺が治していた。体におかしなところはない?」
「事故?」
彼女は横を見て、ロジーヌと寝ていたことに驚く。
「一体何が?」
無論、その辺りの記憶は曖昧にしてある。
ハッキリさせると細かな違和感が出るためだ。
後で本人が、適当に周囲からの情報を聞き、勝手に補完するだろう。
覚えているのは、街道を馬車で移動していて、馬車が急に止まったくらい。
なぜ、馬車で移動していたのかも消してある。
特にヴァイオレットは、三年くらいになる。
森の中、街道沿いで襲われ、あっという間に着ていた物を脱がされ陵辱。
それからも、裸のまま連れ回される。
城へ戻ったとき、盗賊達は謁見の間へ。兄様と目が合ったのにゴミでも見るような目で見られ、私は売られたのだと理解をした。
そこから、ずっと夢を見ていた。
頭の芯まで痺れ、男達に抱かれると、何もかも必要が無いと思えるほどの快楽が、我が身を襲う。
そう食事をすれば快楽、抱かれても快楽。
ずっと夢の中。
あの辛かった陵辱の記憶など、すでに無くなってしまった。
ロジーヌも同じであった。
ヴァイオレットを探しに来て捕まり、尋問のために頭も体もおかしくなるようなひどい拷問はあったが、そこからすぐにまるでぬるま湯の中に浸かったような感じで、ひたすら頭がおかしくなりそうな快楽に身を委ねる。
見たことのない男達、でも触れられると気持ちが良い。
下品な笑い声も、汚らわしい視線も気にならない。
ただ、そんな所から助け出されたのか?
激しく揺れる馬車の中で記憶が蘇り、それが現実だと理解。
数え切れないほどの陵辱。
クリアになっていく脳。
それに従い、あれは現実だったと、自身の体と精神的な物。つまり感情は受け入れたくないと拒否をする。
どうしようもなく汚された体、ロジーヌとヴァイオレットは絶望の底へと沈み。精神的にも心をを閉ざし、闇の底へと沈んでいった。
ブルーノ達は、姫達が意識がまともになるにつれ、暴れ泣きわめき、気がつけば死のうとすることに困り、縛って転がすことを選択をした。
「早く、カグラの元へ」
一緒にいた侯爵には、彼らが期待するカグラが何者かは判らない。
だがこの悲惨な状況で、頼れるなら何でも頼りたいと思っていた。
たとえそれが、伝承に残る悪魔でもきっと彼らは頼っただろう……
姫達はおのれの内に閉じこもり、考えることを放棄し、流し込まれるスープだけで命を繋ぎ、ただ生きている肉塊となっていた。
人には見せられない姿。
何をするか判らないので拘束され、すべてを垂れ流す。
人としては、終わった人生。
ブルーノ達はあの時の会話を思い出す。
「どこの商店だった?」
「確かミノヤキーノ商会とか、トリヤキー商会だったはず」
ソフィーが叫ぶ。フィーネやリエッタも、姫様達の世話をしながら涙を流し、そのひどさを見てきた。
彼女達が考えていたのは、早く姫様達を、カグラ様助けて。
それだけであった。
損得や主従など関係ない。
ただ、人として見ていられない。
そうして、丁度走り回っていたセセリーと出逢い、カグラが今トシュテン商会に居ることを知る。
「カグラ様。助けてください」
その日カグラは、木を細かく削り一生懸命蒸して砕き、すりおろし試行錯誤をしていた。スキフネーさんに、何とかなると言った手前、彼らが作れる手技を探し、レシピを作らなければいけない。
適当な木を削り、叩き、煮て、叩いて、蒸して叩いて、ひたすら細かくしていく。
そんな所に、悲愴な顔をして、ソフィー達が飛び込んできた。
ここは、トシュテン商会の裏に急遽造った小屋。
倉庫には紙が保管されているため湿気は大敵。
そのため、新たに小屋が造られた。
カグラの家とも言う。
小屋と言うが、現在建築を使い建ててある。この世界では狭小地である十坪程度。
おおよそ、畳二十枚程度の広さ。
一階には、実験室と水回り。
汚れた体を洗う風呂、そして台所にトイレ。
一応仮眠室。
二階にも、寝室と水回りが備えられている。
そして、地下には、メインの実験室がある。
なぜか、石化された壁を備えて防水は完璧。
十坪の敷地なのに、地下室は数倍の広さがあった。
色々聞くと、この世界で皆使うのは、せいぜい三メートルくらい。
それより深いところは、普通使わないと聞いたからだ。
「なら良いな」
そう言って、土魔法を駆使して基礎を造り、その上に家が建つ。ここまでで十分程度。
採光にもこだわり、この世界では見ないガラス窓、それも三層タイプ。
樹脂をサンドして割れても表面だけ。
まあそこで作業をしていたら、ソフィー達が連れてきた。縛られた女の子二人。
状態が状態だから、いきなり浄化。
そこからの、状態確認からの治療魔法。
それも、深層からの意識改革。
良くはないかもしれないが、今までの経験でこうしないとこの手の被害者はずっと苦しむ事になる。
前に、盗賊から救った? いやオークか…… 彼女の記憶を勝手にいじるなんてと言われたが、周りから見ていて、その苦しみを知らない者が言うのは、単なるエゴだと俺は考えた。
その時には…… そうだった。そう言った者に記憶を転写して、そんなに言うなら代わりに覚えておいてやれと言ったら、数分持たずに消してくれと言ってきた。
そんなものだ。
つじつまを合わせつつ、記憶をいじり、当然ながら体は完全に戻す。
あの時…… ユスティを生き返らせようとしたとき、きっと能力の上限を越して暴走させた。その時から、なぜか出来るようになった。
体がなぜか少し若返る。だが、残念ながら、女性にとって初めてといえる証は復活ができない。
それがなぜかは、知らない。
記憶を見ると、彼女達の苦しみを見る事になる。そう、俺だけがその事実を背負い込む。
ふと、ヴァイオレットさんが目を覚ます。
「気分はどう?」
仲良く、同じベッドに寝かされている二人。
寝ている表情から、自己による暗示。殻の中に閉じこもっていた心が、解放されたことを理解できる。閉じこもっていると能面のようで、表情が無くなっているからな。
「あなたは誰?」
高貴な方なのだろう、一瞬だけ無礼者みたいなことを言おうとしたな。
寝ている顔を覗き込んでいたのが、見知らぬ男だったためだろうか?
「カグラだ。君達は事故に遭って俺が治していた。体におかしなところはない?」
「事故?」
彼女は横を見て、ロジーヌと寝ていたことに驚く。
「一体何が?」
無論、その辺りの記憶は曖昧にしてある。
ハッキリさせると細かな違和感が出るためだ。
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