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依頼者シュザンヌ嬢は微笑む
第11話 曝露
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その試合を見ることになった大多数のギャラリーは、かわいい兄ちゃんを、アルヴィンが打ちのめす光景を想像していた。
だが……
「始め」
ギルドマスターのドスのきいた声が響くと、驚いた顔をしたアルヴィンの額に木剣がピタリと止まっていた。
彼は、気を抜いてなどいなかった。だが全く動く暇すらなくこの状態。
そう、全く見えなかった。
「なっ、何だお前」
「何だと言われても、普通に打ち込んだだけです」
そう答えるしかない。
「あーちょっと待て、先にアルヴィンが打ち込んで、カグラが受けるか、はらうかしてくれ」
「ぬっ」
ギルドマスターの提案に不服があるが、アルヴィンは構えて静かに言った。
「行くぞ」
それは、非常にゆっくりとした見本のような剣技。
いやそれは、俺から見てだ。行くぞと声が掛かった瞬間に、世界はゆっくりになった。
剣に剣を沿わせて、流す。
流す流す流す。
全て流していると、アルヴィン君は剣を地面に叩き付けた。
「くそがぁ、何者だお前?」
「さぁ」
俺が言ったその声に、テューニの声がかぶる。
「使徒だってさ」
「「「あっ」」」
「えっ?」
全員の視線が、テューニへと向く。
「バカモンがぁ、皆今聞いたことは、他言無用だ。いいなあぁ」
ギルドマスターがそんな事を言うから、信憑性が出てしまった。
「使徒」「使徒」「ぴっちゃん」
はっ、つい、つまらぬ合いの手を入れてしまった。
みんなが使徒使徒言うからさぁ。
昔、雨うちそぼ降りての訳で誰かが言ったんだよ。
『雨がしとしとぴっちゃんと降って』そんな感じで、妙に受けたんだ。
古文は不得意なのに、そこだけ覚えている。
諸行無常とか生々流転を訳もなく覚えているのと同じ?
ご意見無用とか、夜露死苦とかさ……
天地無用は、引っくり返したら駄目なんだぞ。
無用は、するなと言う意味だからな。
そんなことを考えていたら、アルヴィン君は泣きながらどこかへ行ってしまった。
そして、次は体術というか組み討ち術。
対戦相手は、ルッジェーロというごっついけれど、身長は百六十くらいの人。
子供の頃から、本気で器械体操をやった人のよう。
器械体操を本気でやると、大抵皆身長が伸びない。
筋力が成長を阻害するのかなぁ。
どこかの作者は、高校時代にいい加減に体操をして、ぶら下がり効果か、平行棒とか吊り輪でブンブンしたせいか、一年で身長が十センチ近く伸びた。本気で高校生の時、自衛隊に勧誘されたよ。
あの当時、握力が六十キロ、背筋が百八十キロくらいあった。
今では、ペットボトルの蓋すら……
さて、それはさておき、試合は、まずゆっくりと組む。
払う、それであっさりこてんと転ぶ。
「はっ?」
「えっ?」
組み討ちと言うが、剣技が基本からの蹴手繰りとか相撲に近い?
だけど痛いのはいやだし、引っ張るなり押すなりして、重心が崩れたときに払うと、コロコロと転がっていく。
どうだ、合気道のビデオを動画配信で見たんだ。
昔の、通信教育の空手とは違うぞ。
一子相伝の、奥義まで配信されていたからな。
だが、秘孔ってどこだよ?
当て身を試す。
「あたぁ。そこは、ストレスに効く。そして、うーわったぁ。そこは便秘だ」
秘孔が判らないから、健康のためのツボに攻撃をしてみる。
「どうだぁ、効いたか?」
だが、予想に反して、ルッジェーロさんは倒れ込んでしまった。
「カグラの勝ち。ルッジェーロ…… 生きているか?」
「生きてます」
「なら良い」
だけど苦しそうだから、ちょいっと、治癒魔法を投げる。
目だたないようにしたんだが、光の玉が薄暗い所で飛ぶと目だつんだねぇ。
「なっ、お前まさか」
驚いたように体を確認をする、ルッジェーロ君。
その様子でバレた。
「立った、ルッジェーロ君が立った」
そう言ってみたが、皆の視線は俺から外れない。
「なあ皆、絶対に此処で見たことは他言無用だ。そしてカグラ、後で話がある」
「エッチなら嫌です」
「なぜだぁ。イヤそうじゃ無くてだな、今のは治癒魔法だろう」
「ええまあ」
「教会ともめるから使うな」
あー良くある、あれか……
「まあ状態によりですね」
そう言うと、じっと見られる。
「まあいい。なるべくな」
「へいへい」
なんか短い時間で、言っちゃ駄目なことがすごい勢いでバレた気がする。
なんでだよ……
「それでだ、情報が入った。皆が集まっているから丁度良い。黄銅級以上の者、オークの集落ができているらしいから潰しに行くぞ」
「おおおぉ」
なんか喜びの、声?
「なんで喜んでいるの?」
横に来ていたテューニに聞く。
「集落を潰すと、オーク肉が沢山採れるから、お祭りになるんです。食べ放題飲み放題。そして、お祭りの日は気に入った相手を誘ってエッチし放題。だからしましょうね」
「カグラに嘘を教えるな」
その時、ゴンという音がして、テューニは地面に寝転がっていた。
「えー。イヤな記憶を消したいんですよぉ」
「お前が辛いのは判る、誰か紹介してやる」
「イヤです、姉御独り占めは駄目ですよ」
「やかましい、俺はカグラを助けてやった恩がある」
それを聞いて、テューニの目がホント? と聞いてくる。
「ああ。この町に来て、金も無いし。どうしようと思っていたら、拾ってくれた」
「ずるい。私だってそれなら拾いますよ」
「お前、ライナルトはどうした?」
ライナルトというのは、テューニの恋人だった。
「あー。盗賊達に殺されました」
「そうか。そりゃ悪かったな」
そうは言ったが、彼女は嫌そうな顔になる。
「でもあいつ、私が盗賊にやられているのを見て、喜んでいたんですよ」
そう彼女は、悔しさの中で彼に助けを求めた。
だが彼は、絶対その状態を見て喜んでいた。
罪深き性癖、NTR属性。
それは仕方の無いことだが、女性であるテューニにとっては理解ができず、醜悪だった。
「そうか…… それは最悪だったな、でも駄目だ」
そう言って彼女の肩に置いた手は、それ以上近付かせないためか、かなりの力がこもっていた。
「そんなぁ」
だが……
「始め」
ギルドマスターのドスのきいた声が響くと、驚いた顔をしたアルヴィンの額に木剣がピタリと止まっていた。
彼は、気を抜いてなどいなかった。だが全く動く暇すらなくこの状態。
そう、全く見えなかった。
「なっ、何だお前」
「何だと言われても、普通に打ち込んだだけです」
そう答えるしかない。
「あーちょっと待て、先にアルヴィンが打ち込んで、カグラが受けるか、はらうかしてくれ」
「ぬっ」
ギルドマスターの提案に不服があるが、アルヴィンは構えて静かに言った。
「行くぞ」
それは、非常にゆっくりとした見本のような剣技。
いやそれは、俺から見てだ。行くぞと声が掛かった瞬間に、世界はゆっくりになった。
剣に剣を沿わせて、流す。
流す流す流す。
全て流していると、アルヴィン君は剣を地面に叩き付けた。
「くそがぁ、何者だお前?」
「さぁ」
俺が言ったその声に、テューニの声がかぶる。
「使徒だってさ」
「「「あっ」」」
「えっ?」
全員の視線が、テューニへと向く。
「バカモンがぁ、皆今聞いたことは、他言無用だ。いいなあぁ」
ギルドマスターがそんな事を言うから、信憑性が出てしまった。
「使徒」「使徒」「ぴっちゃん」
はっ、つい、つまらぬ合いの手を入れてしまった。
みんなが使徒使徒言うからさぁ。
昔、雨うちそぼ降りての訳で誰かが言ったんだよ。
『雨がしとしとぴっちゃんと降って』そんな感じで、妙に受けたんだ。
古文は不得意なのに、そこだけ覚えている。
諸行無常とか生々流転を訳もなく覚えているのと同じ?
ご意見無用とか、夜露死苦とかさ……
天地無用は、引っくり返したら駄目なんだぞ。
無用は、するなと言う意味だからな。
そんなことを考えていたら、アルヴィン君は泣きながらどこかへ行ってしまった。
そして、次は体術というか組み討ち術。
対戦相手は、ルッジェーロというごっついけれど、身長は百六十くらいの人。
子供の頃から、本気で器械体操をやった人のよう。
器械体操を本気でやると、大抵皆身長が伸びない。
筋力が成長を阻害するのかなぁ。
どこかの作者は、高校時代にいい加減に体操をして、ぶら下がり効果か、平行棒とか吊り輪でブンブンしたせいか、一年で身長が十センチ近く伸びた。本気で高校生の時、自衛隊に勧誘されたよ。
あの当時、握力が六十キロ、背筋が百八十キロくらいあった。
今では、ペットボトルの蓋すら……
さて、それはさておき、試合は、まずゆっくりと組む。
払う、それであっさりこてんと転ぶ。
「はっ?」
「えっ?」
組み討ちと言うが、剣技が基本からの蹴手繰りとか相撲に近い?
だけど痛いのはいやだし、引っ張るなり押すなりして、重心が崩れたときに払うと、コロコロと転がっていく。
どうだ、合気道のビデオを動画配信で見たんだ。
昔の、通信教育の空手とは違うぞ。
一子相伝の、奥義まで配信されていたからな。
だが、秘孔ってどこだよ?
当て身を試す。
「あたぁ。そこは、ストレスに効く。そして、うーわったぁ。そこは便秘だ」
秘孔が判らないから、健康のためのツボに攻撃をしてみる。
「どうだぁ、効いたか?」
だが、予想に反して、ルッジェーロさんは倒れ込んでしまった。
「カグラの勝ち。ルッジェーロ…… 生きているか?」
「生きてます」
「なら良い」
だけど苦しそうだから、ちょいっと、治癒魔法を投げる。
目だたないようにしたんだが、光の玉が薄暗い所で飛ぶと目だつんだねぇ。
「なっ、お前まさか」
驚いたように体を確認をする、ルッジェーロ君。
その様子でバレた。
「立った、ルッジェーロ君が立った」
そう言ってみたが、皆の視線は俺から外れない。
「なあ皆、絶対に此処で見たことは他言無用だ。そしてカグラ、後で話がある」
「エッチなら嫌です」
「なぜだぁ。イヤそうじゃ無くてだな、今のは治癒魔法だろう」
「ええまあ」
「教会ともめるから使うな」
あー良くある、あれか……
「まあ状態によりですね」
そう言うと、じっと見られる。
「まあいい。なるべくな」
「へいへい」
なんか短い時間で、言っちゃ駄目なことがすごい勢いでバレた気がする。
なんでだよ……
「それでだ、情報が入った。皆が集まっているから丁度良い。黄銅級以上の者、オークの集落ができているらしいから潰しに行くぞ」
「おおおぉ」
なんか喜びの、声?
「なんで喜んでいるの?」
横に来ていたテューニに聞く。
「集落を潰すと、オーク肉が沢山採れるから、お祭りになるんです。食べ放題飲み放題。そして、お祭りの日は気に入った相手を誘ってエッチし放題。だからしましょうね」
「カグラに嘘を教えるな」
その時、ゴンという音がして、テューニは地面に寝転がっていた。
「えー。イヤな記憶を消したいんですよぉ」
「お前が辛いのは判る、誰か紹介してやる」
「イヤです、姉御独り占めは駄目ですよ」
「やかましい、俺はカグラを助けてやった恩がある」
それを聞いて、テューニの目がホント? と聞いてくる。
「ああ。この町に来て、金も無いし。どうしようと思っていたら、拾ってくれた」
「ずるい。私だってそれなら拾いますよ」
「お前、ライナルトはどうした?」
ライナルトというのは、テューニの恋人だった。
「あー。盗賊達に殺されました」
「そうか。そりゃ悪かったな」
そうは言ったが、彼女は嫌そうな顔になる。
「でもあいつ、私が盗賊にやられているのを見て、喜んでいたんですよ」
そう彼女は、悔しさの中で彼に助けを求めた。
だが彼は、絶対その状態を見て喜んでいた。
罪深き性癖、NTR属性。
それは仕方の無いことだが、女性であるテューニにとっては理解ができず、醜悪だった。
「そうか…… それは最悪だったな、でも駄目だ」
そう言って彼女の肩に置いた手は、それ以上近付かせないためか、かなりの力がこもっていた。
「そんなぁ」
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