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第3章 テラグランデ大陸統一へ

第46話 シャジャラの献身

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 家へ転移してくると、ちびっ子たちしかいない。
 ああそうか。アダルト組はエステか。

「おかえりなさいませ」
 テレーザとアドリアそれとブリジッタが出て来て挨拶をする。
「ああ。ただいま。ブリジッタは生活に慣れたか?」
「はい。素晴らしいです」
 そう言って、顔がキラキラしている。
「そりゃ何より。ゲームもいいが、勉強もしろよ」
 そう言って頭をなでる。

 うちに来た子供達には、強制的に小学校からの勉強をさせている。
 もっぱら、興味があるのは歴史とかのようだが。


 その後、日本側の対策室から俺の安否確認が入り、無事なことと、ちょっとした手違いで相手の国境守備隊が消滅したこと。それに国境へ目印として、壁を作ったことを報告する。シウダー王国の王。アルチバルドはこのまま会議をして、夜は日本側の接待を受けるようだ。

 
 ちびっ子たちと、自分たちの晩飯。
 もともとは、冷蔵庫に作り置きしたおかずがあり、順に食べるように言われていたようだが、自分たちはエステに行って、ちびっ子に対する扱いがむごいな。

 いくつか冷蔵庫から出して、ついでにデリバリーで焼き鳥とかピザを取る。

 ビールを飲みながら、思い返す。
 もう少しやり方があったのではないか? 確かに向こうからの攻撃が無慈悲に始まった。シャジャラの攻撃もブロックされていた。
 でも…… なんだよなぁ。

 自分の中で、日に日に強くなっていく力。
 多分あの日から、ずっと毎日、体が改造されている。
 それに応じて、魔法を含め強くなっていっている。
 精神系魔法を、俺が使えばよかったのかもしれない。
 ただ、塩梅を間違えると結局壊すんだよね。
 精神系難しいから。

 眉間にしわを寄せながら、唸っていたらしく、テーブルを囲むちびっ子プラスシャジャラから、心配そうな目を向けられていることに気が付いた。
「ああ、ごめんな皆。別に何もないから。あったかいうちに食べてくれ」

 俺がそう言うと、各自でとりわけ。いただきますをして、食べ始める。
 すごいな、ブリジッタなど何もできなかったのに。
 最初は、服でさえ着替えさせられるのを待っていた。
 そんなことでは馬鹿になると言って、自分のことは自分でするように教えた。
 すると楽しかったようで、色々なことにはまり始めて、今読書とゲームにどっぷりはまっているようだ。


 心配をかけるようでは、だめだな。


 その日の夜。シャジャラは、数年前に亡くなったお母さんに会った。
 きれいに咲き誇る花畑の向こうで、豪快に肉を食らい酒を飲んでいた。

 母親は、リーゾのような体力系。
 魔族の習慣により、母と数年付き合っただけの父親は知らない。
 
 母は、ある日仲間と狩りに行き。予想外の大物と出会う。
 1トンはありそうな、金の鬣(たてがみ)を持ったフォレストボア。
 どう見ても特別種だ。
 目の前で、仲間たちが次々と跳ね飛ばされていく。
 それを見て、シャジャラの母は、一人で突っ込んでいく…… そして、一人で殴り倒した。
 フォレストボアはかわいそうなくらい、ぼこぼこにされたらしい。

 その後、分け前でもめたときも力で収め、仲間から奪い取った巨大な肉を担いで帰る途中。酔っぱらっていたためか、トイレに行こうとしたのか道を外れ、魔王が設置していた罠にはまって。おぼれたらしい。

 まあその後、母の仲間たちに良くしてもらい、シャジャラが自分の力に気が付き、王に側近として取り立てて貰った。


 そして、落ち込んでいる様子の真司を慰めるために一緒にベッドへ入り、今の状況。
 まことたち、アダルトグループがいないこの状況。
 シャジャラは頑張った。真司を慰めるため。

 だが、真司は魔王だった。

 もうね。無理。
 そして、お母さんと久しぶりに会って涙する。

 そして、少し困った顔をしたお母さんから、
「久しぶりに会ったが、もう帰んな」
 そう言われて、突き飛ばされ、目が覚める。

 気が付けば、真司の胸の上で、よだれを垂らして気を失っていたようだ。
 あっ私ってば何と言うことを。
 そして動こうとしたが、まだつながっている。
 意識した瞬間、また快楽の海へと沈んでいく。

 死んだお母さんに、多分呆れられただろう。
 朝までの間に幾度か会ってしまった。

 でもまあ、朝見た真司様の、私を見る目が、慈愛に満ちさらにやさしさにあふれていたからいいわ。
「おはようございます」
 そう挨拶をすると、台所へ行ってお茶でも入れようとして、立ち上げれなかった。
 足に全く力が入らない

 結局。午前中は、真司に介護された。
「ううっ、トイレにまで連れて行っていただくとは。でも、食事をあーんと言って、食べさせていただいたのは素晴らしい経験でした」
 そうつぶやきながら、真司がするよと言ったが、かたくなに反対して、生まれたての小鹿の様な震える足で、自分が汚した洗濯ものを干すシャジャラ。
 その表情は、非常に満足そうだった。


 その頃、
「やっと来なくなったか、あの子はいったい何をやっていたんだい。心配だねえ。幸せになってくれていればいいけれど」
 幾度も合いに来たため、心配をしたお母さんがぼやいていた。
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