95 / 109
第四章 日本の竜司から、世界の竜司へ
第96話 真の魔王
しおりを挟む
モンスターが、モンスターを殺す。
それにより、より強い者がさらに強くなる。
こうして、一つのエリアに三人の魔王が誕生した。
テーブルマウンテンというと昆虫と両生類、鳥の楽園と思われがちだが、人が住み猿が走り回る高地もある。
そんな一つで発生した騒動。
「なんだと、別のコロニー? 我は王。王は一人で良い」
お互いの王が、そう宣言をする。
そうして、諍いは始まり戦うが、兵隊のモンスターはともかく魔王はなかなか死なない。
その中で、激しい戦いの末、一人の魔王が残りの二人を焼き尽くす。
そして、山を下りアマゾンへと足を踏み入れる。
抜きん出た力を持つその魔王は、アマゾンを掌握していく。
数万を数えるモンスターを従え、町へと来襲する。
彼らにとって人などは、餌に良すぎない。
捕まえ喰らう。
むろん、弱いゴブリン達に対しては警察や軍が対応し駆除するが、その数は圧倒的。
人を捕まえ、その数はさらに増えていく。
当然、彼らへ連絡が行く。
そう、ハンター達へ。
「アマゾン?」
「コロンビア?」
「その辺りって怖いところでしょ?」
「そうだね」
ヨーロッパ辺りには、ノリノリで参加をしていた皆が尻込みをする。
「まあ依頼は、チームに対してだから、俺が参加すれば基本大丈夫だろ」
「でも、川とかに落ちたら、体中の穴という穴に入ってくる、何だっけ?」
「あー。これね。カンディル。おしっこの匂いにひかれてやって来るみたい」
「そうよ。危ないわよ」
メンバーが顔を突き合わせ、お茶と菓子をつまみながら作戦会議中。
物知りなまどかから、警告がくる。
「他にも、コロンビアとか、麻薬の栽培とかで有名だし」
「その辺りは、ちょっと検索をすると出てくるな」
外務省の危険レベルも高く、渡航禁止区域も結構ある。
「ほら、やっぱり危ないわよ」
彩も調べていたようだが、心配して、少し涙目で訴えてくる。
「私は多分大丈夫なので。それに竜司の行くところへ、付いていかないことは考えられません」
マイリが、きっぱりと宣言する。
「あのー、そんなに危険でしょうか?」
風夏が、そっと手を上げて発言をする。
「この流れている情報。どう読んでも危険でしょ?」
彩は行きたくないようで、すぐに反応。
だが、次の一言で、黙ることに成る。
「皆さん一人で、マフィアの千人くらい。簡単に退治できますよね。それに、体には常時シールドを張っていて、小銃くらいの弾では貫通しませんし、それをお魚が食い破れます?」
「そりゃ、そうだけど」
「モンスターに比べれば、武装した人間くらい大丈夫よねえ?」
「後は、心の問題ですけれど」
「ああ、人間を殺せるかって言う所だな」
俺がそう言ったら、マイリが冷淡に答える。
「あら、この仲間は別ですけれど、人ごとき。猿やモンスターと同じでしょう」
皆の視線が、マイリに向かう。
「まあ、それはドラガシメル人としての意識があるからだよ、他では言うなよ」
「わかっています」
そう言ってにっこり。
「竜ちゃんもそうなの?」
彩が聞いてくる。
「意識はどうあれ、今は人間のつもりなんだが。ただ、確かに。彼らドラガシメル人からすると、人はまだ、今でも未開の猿だ。今回の騒動で、今は大分増えたが、高次のエネルギーはつかえないし、意識によって現象は起こせない。文明的にも低い。未だに核物質の浄化も出来ないしな」
「そうね。次元の理解ができないから、亜空間の利用も出来ないし。今やっと遺伝子の解析まで来た所。あと数千年はかかりそう。まだ、天動説から一歩出たくらい?」
マイリのその言葉で思わず苦笑い。
風夏と悠月は目を丸くしている。
簡単には説明したが、全部は言っていなかったか。
悠月達に、ドラガシメル人のことをざっと説明をする。
「多次元のエネルギーで、星の運行すらコントロールですか?」
「そう、それにより、惑星すら改造する。今回地球で起こっている異常。初期に発生をした謎のエネルギーは理解ができないが、後の二つはドラガシメル人の軍が持っている兵器の可能性がある」
「兵器? 攻撃を受けたの?」
伶菜が目を丸くする。
「これは予想だが、今宇宙全体で、その最初のエネルギー。彩やまどかが力を得た奴だな。それのおかげで、宇宙全体が少しおかしくなっている。そのため賢者が、何かを考え、地球人の進化を求めた。多分ね。あの人たちの考えは、よくわからないけれど」
「へー。今地球って、そんなことに成っているんですね」
悠月達が、顔を見合わせている。
「ああ。また連絡は来るだろうが、その時には騒ぎに成るだろう。きっと」
そうして、一応参加することに成ったが、珍しく彩とまどかがパンツ姿。
「珍しいな」
「うん。渡航注意に書いてあった。スカートは駄目って」
「そもそも戦闘するのに、スカートは駄目って言っただろう」
「それはそうだけど、戦闘すると変に興奮するじゃない」
「そりゃなあ。きっとドーパミンとか出ているだろうし」
「だから、竜ちゃんがしたくなったとき、すぐに答えられるでしょ」
言っても服装を変えなかったのは、結構おバカな理由だった。
「まどかもか?」
「あーははは。うん。言ってくれれば、いつでもだいじょぶ」
そう言ってテレテレしている。
「まあいい。行こうか……」
妙な頭痛を感じながら、結局皆で飛んだ。
橋本さん達も一緒に。
それにより、より強い者がさらに強くなる。
こうして、一つのエリアに三人の魔王が誕生した。
テーブルマウンテンというと昆虫と両生類、鳥の楽園と思われがちだが、人が住み猿が走り回る高地もある。
そんな一つで発生した騒動。
「なんだと、別のコロニー? 我は王。王は一人で良い」
お互いの王が、そう宣言をする。
そうして、諍いは始まり戦うが、兵隊のモンスターはともかく魔王はなかなか死なない。
その中で、激しい戦いの末、一人の魔王が残りの二人を焼き尽くす。
そして、山を下りアマゾンへと足を踏み入れる。
抜きん出た力を持つその魔王は、アマゾンを掌握していく。
数万を数えるモンスターを従え、町へと来襲する。
彼らにとって人などは、餌に良すぎない。
捕まえ喰らう。
むろん、弱いゴブリン達に対しては警察や軍が対応し駆除するが、その数は圧倒的。
人を捕まえ、その数はさらに増えていく。
当然、彼らへ連絡が行く。
そう、ハンター達へ。
「アマゾン?」
「コロンビア?」
「その辺りって怖いところでしょ?」
「そうだね」
ヨーロッパ辺りには、ノリノリで参加をしていた皆が尻込みをする。
「まあ依頼は、チームに対してだから、俺が参加すれば基本大丈夫だろ」
「でも、川とかに落ちたら、体中の穴という穴に入ってくる、何だっけ?」
「あー。これね。カンディル。おしっこの匂いにひかれてやって来るみたい」
「そうよ。危ないわよ」
メンバーが顔を突き合わせ、お茶と菓子をつまみながら作戦会議中。
物知りなまどかから、警告がくる。
「他にも、コロンビアとか、麻薬の栽培とかで有名だし」
「その辺りは、ちょっと検索をすると出てくるな」
外務省の危険レベルも高く、渡航禁止区域も結構ある。
「ほら、やっぱり危ないわよ」
彩も調べていたようだが、心配して、少し涙目で訴えてくる。
「私は多分大丈夫なので。それに竜司の行くところへ、付いていかないことは考えられません」
マイリが、きっぱりと宣言する。
「あのー、そんなに危険でしょうか?」
風夏が、そっと手を上げて発言をする。
「この流れている情報。どう読んでも危険でしょ?」
彩は行きたくないようで、すぐに反応。
だが、次の一言で、黙ることに成る。
「皆さん一人で、マフィアの千人くらい。簡単に退治できますよね。それに、体には常時シールドを張っていて、小銃くらいの弾では貫通しませんし、それをお魚が食い破れます?」
「そりゃ、そうだけど」
「モンスターに比べれば、武装した人間くらい大丈夫よねえ?」
「後は、心の問題ですけれど」
「ああ、人間を殺せるかって言う所だな」
俺がそう言ったら、マイリが冷淡に答える。
「あら、この仲間は別ですけれど、人ごとき。猿やモンスターと同じでしょう」
皆の視線が、マイリに向かう。
「まあ、それはドラガシメル人としての意識があるからだよ、他では言うなよ」
「わかっています」
そう言ってにっこり。
「竜ちゃんもそうなの?」
彩が聞いてくる。
「意識はどうあれ、今は人間のつもりなんだが。ただ、確かに。彼らドラガシメル人からすると、人はまだ、今でも未開の猿だ。今回の騒動で、今は大分増えたが、高次のエネルギーはつかえないし、意識によって現象は起こせない。文明的にも低い。未だに核物質の浄化も出来ないしな」
「そうね。次元の理解ができないから、亜空間の利用も出来ないし。今やっと遺伝子の解析まで来た所。あと数千年はかかりそう。まだ、天動説から一歩出たくらい?」
マイリのその言葉で思わず苦笑い。
風夏と悠月は目を丸くしている。
簡単には説明したが、全部は言っていなかったか。
悠月達に、ドラガシメル人のことをざっと説明をする。
「多次元のエネルギーで、星の運行すらコントロールですか?」
「そう、それにより、惑星すら改造する。今回地球で起こっている異常。初期に発生をした謎のエネルギーは理解ができないが、後の二つはドラガシメル人の軍が持っている兵器の可能性がある」
「兵器? 攻撃を受けたの?」
伶菜が目を丸くする。
「これは予想だが、今宇宙全体で、その最初のエネルギー。彩やまどかが力を得た奴だな。それのおかげで、宇宙全体が少しおかしくなっている。そのため賢者が、何かを考え、地球人の進化を求めた。多分ね。あの人たちの考えは、よくわからないけれど」
「へー。今地球って、そんなことに成っているんですね」
悠月達が、顔を見合わせている。
「ああ。また連絡は来るだろうが、その時には騒ぎに成るだろう。きっと」
そうして、一応参加することに成ったが、珍しく彩とまどかがパンツ姿。
「珍しいな」
「うん。渡航注意に書いてあった。スカートは駄目って」
「そもそも戦闘するのに、スカートは駄目って言っただろう」
「それはそうだけど、戦闘すると変に興奮するじゃない」
「そりゃなあ。きっとドーパミンとか出ているだろうし」
「だから、竜ちゃんがしたくなったとき、すぐに答えられるでしょ」
言っても服装を変えなかったのは、結構おバカな理由だった。
「まどかもか?」
「あーははは。うん。言ってくれれば、いつでもだいじょぶ」
そう言ってテレテレしている。
「まあいい。行こうか……」
妙な頭痛を感じながら、結局皆で飛んだ。
橋本さん達も一緒に。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
土魔法で富国強兵?
克全
ファンタジー
題名を変えました。
トレッキングをしていた佐藤一朗は、哀しい鳴き声を聞いて藪の中に入っていったが、そこには大きな傷を負った母狐と、二匹の子狐が横たわっていた。
「すみません。この子達を助けて頂けませんか」
「ふっふぇ」
狐に話しかけられた一朗は、腰が抜けるほど驚いたが、死にかけている母親の願いを無碍に出来るほど薄情ではなかった。
子狐だけでなく、大怪我をした母狐も助けようとしたが、追っ手を撒く為に、母狐は怪我を押して囮になった。
預かった二匹の子狐は、土魔法が使えたので、地中から金銀はもちろん、巨大な宝石も創り出してくれた。
一朗はそれを使って、世の中の矛盾を解消していくのだった。
そして遂には、日本の国境問題さえ解決するのであった。
プラネット・アース 〜地球を守るために小学生に巻き戻った僕と、その仲間たちの記録〜
ガトー
ファンタジー
まさに社畜!
内海達也(うつみたつや)26歳は
年明け2月以降〝全ての〟土日と引きかえに
正月休みをもぎ取る事に成功(←?)した。
夢の〝声〟に誘われるまま帰郷した達也。
ほんの思いつきで
〝懐しいあの山の頂きで初日の出を拝もうぜ登山〟
を計画するも〝旧友全員〟に断られる。
意地になり、1人寂しく山を登る達也。
しかし、彼は知らなかった。
〝来年の太陽〟が、もう昇らないという事を。
>>>
小説家になろう様・ノベルアップ+様でも公開中です。
〝大幅に修正中〟ですが、お話の流れは変わりません。
修正を終えた場合〝話数〟表示が消えます。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
地球人のふり
はに
ファンタジー
隠された自分の力を探すため、
"サンコ星"から地球へ送られたキヨ、
自分の星へ帰るため奮闘するキヨの前に立ちはだかる文化の壁
"帰りたい"
それだけを考えながら
次々に襲いかかる試練に立ち向かっていく。
“理想の終わり方”
籠の鳥
橘 薫
恋愛
35歳、独身。
恋愛、結婚は眼中にないバリキャリ、美彩(みさ)の前に突然現れた二十歳の美青年、一真(かずま)は懇願する。
「僕を飼ってください」
何度かの偶然の出会いから一緒に暮らすことになる二人。一回り以上離れた二人の関係は、恋人なのか友人なのか。
美彩が恋愛したくない理由、一真が美彩に声をかけた本当の理由とは…。
ひとりの少年と精霊ののんびりライフ
わんコロ餅
ファンタジー
ひとりの不老不死の魔導士と精霊獣ケットシーとのふたり(?)旅
それは奇妙で非常識な魔導士と常識獣のケットシーさんとのおかしな話。
のちに彼は召喚士と呼ばれ精霊は召喚獣と呼ばれる。
第14回ファンタジー大賞。第550位
続編:ひとりの獣人と精霊【連載開始】
遥かなるマインド・ウォー
弓チョコ
SF
西暦201X年。
遥かな宇宙から、ふたつの来訪者がやってきた。
ひとつは侵略者。人間のような知的生命体を主食とする怪人。
もうひとつは、侵略者から人間を守ろうと力を授ける守護者。
戦争が始まる。
※この物語はフィクションです。実在する、この世のあらゆる全てと一切の関係がありません。物語の展開やキャラクターの主張なども、何かを現実へ影響させるような意図のあるものではありません。
【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜
O.T.I
ファンタジー
レティシア=モーリスは転生者である。
しかし、前世の鉄道オタク(乗り鉄)の記憶を持っているのに、この世界には鉄道が無いと絶望していた。
…無いんだったら私が作る!
そう決意する彼女は如何にして異世界に鉄道を普及させるのか、その半生を綴る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる