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第四章 日本の竜司から、世界の竜司へ
第84話 常識? 何それ
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「なんだあれは?」
彩の炎を見て誰かが叫ぶ。
「あっちも見ろよ」
驚いていたのは、地元のハンター達。
派遣組はもう見慣れた光景。
マイリや竜司が使う光。
その脇で、ちょこまかと悠月が、体が変わったため補正を入れながら、光を纏いモンスターを殴っていく。
身長が伸びたせいで、イメージにずれがあるそうだ。
そして、伶菜も光を纏う。
再調整で、さらに出力は上がっている。
放射するだけで、弱いモンスターが消滅していく。
前に竜司が使っていた技。
かなり身体が強化されたらしく、自身でも驚いている。
ただ、竜司との睦み事において、感覚が鋭くなりすぎて、楽しめないとぼやいていた。
そして、まどか。
周りに、モンスターを侍らし、お菓子を食べながら悠々と戦場を歩いて行く。
その一団が、魔王に向けて進むと、気のせいか魔王がじりじりと後ろへ下がっていく。
魔王が何かを配下に命令するが、モンスター達は進んでこずぶんぶんと首を振る。
うん。いやいやをしている。
「あれがチーム、ドラゴンズアイだ。日本の民間チームトップだ。個々の力が飛び抜けていて、軍でも勝てないと言われている」
「そうなのか」
彼ら地元チームは参加はしたが、未だゴブリンを数人でど突いている状態。
周りに比べると、数段どころかひよっこだ。
上位チームはすべて光を纏っている。
そのラインが今は基準だと言われ始めている。
進化の先は、ドラゴンズアイが示してくれる。
彼らに追いつけ。
それがトップチームの合い言葉。
それにたいして、一部のこだわりある人間達が、不満をつのらせているようだが、実力差は埋めようが無い。
それに、なぜか国の上層部から、彼らに手を出すなと命令される。
そう、早期に世話になった上流階級。
竜司に感謝するものは多い。差別はするようだが、神の使いは別だと言う認識らしい。そう言って、自身を無理矢理納得させているのかもしれないが。
そう言っている間に、モンスター達は数を減らしていく。
地元の人たちには信じられない光景。
果敢に挑んだ警官は、なすすべなく倒れ食われていった。
それが完全に逆転。
今モンスター達が、何とか逃げようとしてあがいている。
信じられない光景。
徐々に人が集まり、歓声が大きくなっていく。
町が救われ、モンスターから解放をされる。
それが目の前で起こっている。
人々は、足を踏みならし、まるでサッカーの試合でも見ているかのように、歌まで始まって、異様な雰囲気の中討伐が行われる。
「なんか、こういうのも良いなあ」
のんきに周りを見回す竜司達だが、いくつかのモンスターには気にいらなかったようだ。
囲みを突破し、村人へと一団が流れる。
そこへ軍が割り込み、銃を乱射。
村人は良いが、ハンター数人が怪我をする。
考えれば当然。
光が周囲に広がり、撃ち込まれた弾丸が、怪我をしたハンターからコロコロと押し出されてくる。
「気を付けろや」
そんな怒声が聞こえる。
体なら良いが、頭なら即死だ。
愚かな行為と、その後の奇跡。
さらに村人は加熱し、武器を持ち、周囲で逃げ回るゴブリン達に対して、突入を開始する。
禁忌感よりも仲間を、家族を、町を守る。
そんな意識が、芽生え始める。
それは実は、今までの所でも起こった。
実際、魔王が討伐された後、速やかに住人が討伐を始めた。
ギフト的に与えられた能力は無くても、モンスターを退治することにより力を得ることはギルドを通じて周知されていた。
だが平和なところで暮らすと、人々は暴力を禁忌する。
そのため、警察や軍を頼っていた。
だが、対応が遅れると、魔王などが現れ自分たちの命が危険となる。
それが身にしみ、理解をした。
そうなれば、やることは一つ。戦う勇気を奮い起こし、力を発揮する。
震える足に気合いを入れ、無理矢理動かし、硬直し堅くなる体を強引に動かす。
暴力になれない人間は、攻撃をされたとき、防御反応から、体がこわばり動かなくなる。
武道などで、慣れていても、とっさの時には動かないときがある。
それを動かすのは、冷静な判断と気合い。
身近な所で、車の運転でも、やばいと思い固まるか、とっさにハンドルが切れるかは、その判断力の差。
動けないと、アクセルを踏んだまま固まり最悪を招く。
昔の忍者が言った刃の下に心を置けとか、常在戦場は多分それを教える言葉だろう。
誰かが言っていた。
『常識なんて言葉は無い。自分の言葉に自信が無い奴が、人を説得するためにくっ付ける言葉だと。小学生がよく言う、みんなが持ってるとか、言っていると同レベルだと』
決まり事。つまりルールは明確だが、マナーは千差万別。そう言うことだ。
『常識なんて言葉を常用する人は、近付かない方が良い。詐欺師か悪徳商法の勧誘だとも言っていた』
そうこの場では、戦い自身を、みんなを守ることが正義。
暴力にあがない、服従し食われるだけの状態を脱しろ。
それを、この場のみんなが理解した。
人は強くなれるのだと。
今、魔王を消し去った。竜司のように。
彩の炎を見て誰かが叫ぶ。
「あっちも見ろよ」
驚いていたのは、地元のハンター達。
派遣組はもう見慣れた光景。
マイリや竜司が使う光。
その脇で、ちょこまかと悠月が、体が変わったため補正を入れながら、光を纏いモンスターを殴っていく。
身長が伸びたせいで、イメージにずれがあるそうだ。
そして、伶菜も光を纏う。
再調整で、さらに出力は上がっている。
放射するだけで、弱いモンスターが消滅していく。
前に竜司が使っていた技。
かなり身体が強化されたらしく、自身でも驚いている。
ただ、竜司との睦み事において、感覚が鋭くなりすぎて、楽しめないとぼやいていた。
そして、まどか。
周りに、モンスターを侍らし、お菓子を食べながら悠々と戦場を歩いて行く。
その一団が、魔王に向けて進むと、気のせいか魔王がじりじりと後ろへ下がっていく。
魔王が何かを配下に命令するが、モンスター達は進んでこずぶんぶんと首を振る。
うん。いやいやをしている。
「あれがチーム、ドラゴンズアイだ。日本の民間チームトップだ。個々の力が飛び抜けていて、軍でも勝てないと言われている」
「そうなのか」
彼ら地元チームは参加はしたが、未だゴブリンを数人でど突いている状態。
周りに比べると、数段どころかひよっこだ。
上位チームはすべて光を纏っている。
そのラインが今は基準だと言われ始めている。
進化の先は、ドラゴンズアイが示してくれる。
彼らに追いつけ。
それがトップチームの合い言葉。
それにたいして、一部のこだわりある人間達が、不満をつのらせているようだが、実力差は埋めようが無い。
それに、なぜか国の上層部から、彼らに手を出すなと命令される。
そう、早期に世話になった上流階級。
竜司に感謝するものは多い。差別はするようだが、神の使いは別だと言う認識らしい。そう言って、自身を無理矢理納得させているのかもしれないが。
そう言っている間に、モンスター達は数を減らしていく。
地元の人たちには信じられない光景。
果敢に挑んだ警官は、なすすべなく倒れ食われていった。
それが完全に逆転。
今モンスター達が、何とか逃げようとしてあがいている。
信じられない光景。
徐々に人が集まり、歓声が大きくなっていく。
町が救われ、モンスターから解放をされる。
それが目の前で起こっている。
人々は、足を踏みならし、まるでサッカーの試合でも見ているかのように、歌まで始まって、異様な雰囲気の中討伐が行われる。
「なんか、こういうのも良いなあ」
のんきに周りを見回す竜司達だが、いくつかのモンスターには気にいらなかったようだ。
囲みを突破し、村人へと一団が流れる。
そこへ軍が割り込み、銃を乱射。
村人は良いが、ハンター数人が怪我をする。
考えれば当然。
光が周囲に広がり、撃ち込まれた弾丸が、怪我をしたハンターからコロコロと押し出されてくる。
「気を付けろや」
そんな怒声が聞こえる。
体なら良いが、頭なら即死だ。
愚かな行為と、その後の奇跡。
さらに村人は加熱し、武器を持ち、周囲で逃げ回るゴブリン達に対して、突入を開始する。
禁忌感よりも仲間を、家族を、町を守る。
そんな意識が、芽生え始める。
それは実は、今までの所でも起こった。
実際、魔王が討伐された後、速やかに住人が討伐を始めた。
ギフト的に与えられた能力は無くても、モンスターを退治することにより力を得ることはギルドを通じて周知されていた。
だが平和なところで暮らすと、人々は暴力を禁忌する。
そのため、警察や軍を頼っていた。
だが、対応が遅れると、魔王などが現れ自分たちの命が危険となる。
それが身にしみ、理解をした。
そうなれば、やることは一つ。戦う勇気を奮い起こし、力を発揮する。
震える足に気合いを入れ、無理矢理動かし、硬直し堅くなる体を強引に動かす。
暴力になれない人間は、攻撃をされたとき、防御反応から、体がこわばり動かなくなる。
武道などで、慣れていても、とっさの時には動かないときがある。
それを動かすのは、冷静な判断と気合い。
身近な所で、車の運転でも、やばいと思い固まるか、とっさにハンドルが切れるかは、その判断力の差。
動けないと、アクセルを踏んだまま固まり最悪を招く。
昔の忍者が言った刃の下に心を置けとか、常在戦場は多分それを教える言葉だろう。
誰かが言っていた。
『常識なんて言葉は無い。自分の言葉に自信が無い奴が、人を説得するためにくっ付ける言葉だと。小学生がよく言う、みんなが持ってるとか、言っていると同レベルだと』
決まり事。つまりルールは明確だが、マナーは千差万別。そう言うことだ。
『常識なんて言葉を常用する人は、近付かない方が良い。詐欺師か悪徳商法の勧誘だとも言っていた』
そうこの場では、戦い自身を、みんなを守ることが正義。
暴力にあがない、服従し食われるだけの状態を脱しろ。
それを、この場のみんなが理解した。
人は強くなれるのだと。
今、魔王を消し去った。竜司のように。
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