80 / 109
第四章 日本の竜司から、世界の竜司へ
第81話 魔王戦第二回
しおりを挟む
悠月は悩んでいた。
仲間になった。と、思っていた。
だが、いつまで経っても竜司の部屋に呼ばれない。
そこは言うなれば大奥。幾多の者達がしのぎを削る。
最奥に入るための資格。
マイリと、伶菜はいつもの様に、当然だという感じでスタスタと入って行く。
たまに我慢ができずに、まどかが入って行き、彩はさらにまれ。
少し力関係が見えてきた。
でも確か、ああそうか。婚約解消されたと言うことはそうなんだ。
彩さんが、一番下?
下剋上で、伶菜が立ち、マイリさんが割り込んだ。
そうなのね。
そんなとき、ギルド経由で連絡が入る。
アメリカで魔王が湧いたらしい。トップグループのチームは要請により参加をするように。
ミーティングが、急遽開かれ出発が決定される。
警備部の橋本さん達が『アメリカ行きだー。どうする』と言って走り回る。
いきなり、じゃんけん大会が始まる。
みんなは、準備もせず普通。
この温度差は判らなかったが、行く気になれば宇宙船経由でいつでもいけるらしい。
不法入国では? そう聞いたが、ハンターだから大丈夫と返事が来た。
さて、だが悠月はこの機に乗じて竜司の所へ向かう。
「竜司さん。相手は魔王と言うことで、多少ですが不安です」
「大丈夫。守るし、腕くらいなら治すから」
「でも魔王ですよ」
「何とかなるだろ」
意外と乗ってこない。大物過ぎる。
幸い、マイリさんや伶菜さんが居ない部屋。
思い切って言ってみる。
「私…… 男の人を知らなくて、これで死んだら心残りなんです」
なるべく、思い詰めた感じで、訴える。
すると竜司は、あらまという感じで軽く返事を返す。
悠月の意図しない方向に。
「じゃあ、留守番を……」
「そうじゃ、ないんです」
つい大声が出て、自分でも驚く。
そっと、竜司に抱きつき、耳元で囁く。
「その、抱いてください」
「えっ」
「抱いてください」
もう一度言いながら、押し倒していく。
そんな事がアメリカに行く前にあった。
そして、ヨーロッパ前。
「験担ぎにお情けを」
多少、悠月も強くなったようだ。
さて、ヨーロッパ。
何か、魔王の発生に決まりでもあるのか、ルーマニアの山間部。
山に囲まれ、清らかな川が流れる場所。
静かだった山間の町は、現在地獄だった。
毎日、何人かずつが餌として攫われる。
ここでは、いくつかのコローニーが分散されて発生していた。
異変発生後、意外と速やかに警察本部へと連絡が行く。
モンスターが主のため、すぐに軍へと連絡、派遣される。
同時にギルドへも連絡。
状況から、魔王の存在が示唆され、一気に確認と派遣要請。
山間部は、木造建築が多かったが、先に捕まえやすい飼育されていた家畜が被害にあう。
人の被害が出始めた頃には、軍がやって来て、住民の避難が開始された。
だが数が多く、逆に軍人が攫われる事にも繋がる。
そんな状況に、ギルドの派遣部隊が突入。
一気に状況が覆っていく。
前回のアメリカで、壁を突き抜けた者達が増えてきたためか、光の使い手が増えてきた。
そんな中に、別格の集団。
そう竜司達。
一直線に、目だつ角を持つ魔王の方へ向かっていく。
だがこの魔王、一所懸命部下を押し出してくる。
おまえら、飯は食っただろ、働けや状態。
発生をして日が浅いのか、魔王は逃げ腰。
側近の、モンスターもアメリカに比べて弱い。
オーガやミノタウルスその辺りまで。多少進化種である感じはあるが、強さはそこまでではない。
そうなると、ハンター達は祭り状態。
我先にと突っ込み始め、どちらがモンスターか判らない。
モンスター達が、逃げ惑い始め、笑いながらハンター達が追いかける。
先日とは一変した風景。
泣き叫びながら、モンスター達が逃げる。
「まてやこら。経験値をよこせ」
そんな声が、あちらこちらで聞こえて、大騒ぎ。
周りを囲む軍も、その様子に呆れて、ついハンターを射ちたくなってくる。
「おいあれ」
「ああ。よってたかって。ひでえ」
覚えた光で実験するハンター。
じわじわと焼かれ、叫び声を上げるモンスター。
つい、仲間のゴブリンが助けに行くと、また捕まり、また遊ばれる。
そんな中、魔王が火の玉を発生させるが、マイリに中和され呆然と立ち尽くす。
竜司の光が、魔王を貫き。上半身がなくなるが、さすが魔王。また生えてくる。
「やっぱり復活するのか?」
容赦無く光が浴びせられて、消滅していく。
そして、魔王がいなくなると、何かから解放されたかのようにモンスター達はちりぢりに逃げ始める。
それを追いかけるハンター達。
周りは、軍が固めているため、銃でゴブリンや、コボルト達は倒されていく。
大きなモンスター達をハンターが倒し、三時間もすると掃討が終わってしまう。
「いやあ。お疲れ」
多分そんなことを言っているのだろう。
何語か判らない言葉をかけられる。
だが、ねぎらいとは別に、マイリや彩に声をかける馬鹿がいる。
竜司が俊足で近付き、ぶん殴る。
「やる気かこら」
気を纏い、殺気と共に放出すると逃げていった。
そんな様子を見て、指をくわえる悠月だが、みんな以上に子供だと思われているようだ。
周りで、ジュニアハイスクールという言葉が聞こえる。
仲間になった。と、思っていた。
だが、いつまで経っても竜司の部屋に呼ばれない。
そこは言うなれば大奥。幾多の者達がしのぎを削る。
最奥に入るための資格。
マイリと、伶菜はいつもの様に、当然だという感じでスタスタと入って行く。
たまに我慢ができずに、まどかが入って行き、彩はさらにまれ。
少し力関係が見えてきた。
でも確か、ああそうか。婚約解消されたと言うことはそうなんだ。
彩さんが、一番下?
下剋上で、伶菜が立ち、マイリさんが割り込んだ。
そうなのね。
そんなとき、ギルド経由で連絡が入る。
アメリカで魔王が湧いたらしい。トップグループのチームは要請により参加をするように。
ミーティングが、急遽開かれ出発が決定される。
警備部の橋本さん達が『アメリカ行きだー。どうする』と言って走り回る。
いきなり、じゃんけん大会が始まる。
みんなは、準備もせず普通。
この温度差は判らなかったが、行く気になれば宇宙船経由でいつでもいけるらしい。
不法入国では? そう聞いたが、ハンターだから大丈夫と返事が来た。
さて、だが悠月はこの機に乗じて竜司の所へ向かう。
「竜司さん。相手は魔王と言うことで、多少ですが不安です」
「大丈夫。守るし、腕くらいなら治すから」
「でも魔王ですよ」
「何とかなるだろ」
意外と乗ってこない。大物過ぎる。
幸い、マイリさんや伶菜さんが居ない部屋。
思い切って言ってみる。
「私…… 男の人を知らなくて、これで死んだら心残りなんです」
なるべく、思い詰めた感じで、訴える。
すると竜司は、あらまという感じで軽く返事を返す。
悠月の意図しない方向に。
「じゃあ、留守番を……」
「そうじゃ、ないんです」
つい大声が出て、自分でも驚く。
そっと、竜司に抱きつき、耳元で囁く。
「その、抱いてください」
「えっ」
「抱いてください」
もう一度言いながら、押し倒していく。
そんな事がアメリカに行く前にあった。
そして、ヨーロッパ前。
「験担ぎにお情けを」
多少、悠月も強くなったようだ。
さて、ヨーロッパ。
何か、魔王の発生に決まりでもあるのか、ルーマニアの山間部。
山に囲まれ、清らかな川が流れる場所。
静かだった山間の町は、現在地獄だった。
毎日、何人かずつが餌として攫われる。
ここでは、いくつかのコローニーが分散されて発生していた。
異変発生後、意外と速やかに警察本部へと連絡が行く。
モンスターが主のため、すぐに軍へと連絡、派遣される。
同時にギルドへも連絡。
状況から、魔王の存在が示唆され、一気に確認と派遣要請。
山間部は、木造建築が多かったが、先に捕まえやすい飼育されていた家畜が被害にあう。
人の被害が出始めた頃には、軍がやって来て、住民の避難が開始された。
だが数が多く、逆に軍人が攫われる事にも繋がる。
そんな状況に、ギルドの派遣部隊が突入。
一気に状況が覆っていく。
前回のアメリカで、壁を突き抜けた者達が増えてきたためか、光の使い手が増えてきた。
そんな中に、別格の集団。
そう竜司達。
一直線に、目だつ角を持つ魔王の方へ向かっていく。
だがこの魔王、一所懸命部下を押し出してくる。
おまえら、飯は食っただろ、働けや状態。
発生をして日が浅いのか、魔王は逃げ腰。
側近の、モンスターもアメリカに比べて弱い。
オーガやミノタウルスその辺りまで。多少進化種である感じはあるが、強さはそこまでではない。
そうなると、ハンター達は祭り状態。
我先にと突っ込み始め、どちらがモンスターか判らない。
モンスター達が、逃げ惑い始め、笑いながらハンター達が追いかける。
先日とは一変した風景。
泣き叫びながら、モンスター達が逃げる。
「まてやこら。経験値をよこせ」
そんな声が、あちらこちらで聞こえて、大騒ぎ。
周りを囲む軍も、その様子に呆れて、ついハンターを射ちたくなってくる。
「おいあれ」
「ああ。よってたかって。ひでえ」
覚えた光で実験するハンター。
じわじわと焼かれ、叫び声を上げるモンスター。
つい、仲間のゴブリンが助けに行くと、また捕まり、また遊ばれる。
そんな中、魔王が火の玉を発生させるが、マイリに中和され呆然と立ち尽くす。
竜司の光が、魔王を貫き。上半身がなくなるが、さすが魔王。また生えてくる。
「やっぱり復活するのか?」
容赦無く光が浴びせられて、消滅していく。
そして、魔王がいなくなると、何かから解放されたかのようにモンスター達はちりぢりに逃げ始める。
それを追いかけるハンター達。
周りは、軍が固めているため、銃でゴブリンや、コボルト達は倒されていく。
大きなモンスター達をハンターが倒し、三時間もすると掃討が終わってしまう。
「いやあ。お疲れ」
多分そんなことを言っているのだろう。
何語か判らない言葉をかけられる。
だが、ねぎらいとは別に、マイリや彩に声をかける馬鹿がいる。
竜司が俊足で近付き、ぶん殴る。
「やる気かこら」
気を纏い、殺気と共に放出すると逃げていった。
そんな様子を見て、指をくわえる悠月だが、みんな以上に子供だと思われているようだ。
周りで、ジュニアハイスクールという言葉が聞こえる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
71
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる