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第四章 日本の竜司から、世界の竜司へ
第63話 観光
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神馬家。
悠月の家系は、戦国時代から続く武の家系。
相手を倒すためには何でも使う。
無手を基本として、刀は抜刀術まで、優れたものは時代と共に、貪欲に取り入れてきた。
極めるのは、一度の人生では不可能。
そんな中で、最大奥義は、目線や体の動きにより幻視をさせ、虚を突き一瞬の硬直を発生させる金縛り。
人間は、日々情報を拾い、それを解析して行動をしている。
生物は実際、高度な電気仕掛けで動いている。
一般的な人は、生活の中で意識をすることはないだろうが、細胞に対してナトリウムイオンチャネル、カリウムイオンチャネルが存在しており、その働きにより電子が移動をする。
つまり、生物とロボットは共通したものが多い。違いは魂と呼ばれる自己のみ。
その拾う情報に干渉し、驚きを与えることで、相手に静止状態を与える。
今考えても素晴らしい技術。
それを歴史の中で編み出したのは、神馬家がいかに非凡だったのかが判る。
実際、生物は驚いたときに硬直をする。
そこから見いだしたのだろうが、生き物は、危険が迫ったときに、脳内に有る扁桃体は、危険を回避させるために、交感神経を活性化させ、瞬時に闘うか、逃げるかと言った『闘争・逃走反応』、いわゆるストレス反応を引き起こして、対処しようとする。
これは、上手く働けば『火事場の馬鹿力』にもなる。
これを相手に対して、意図的に発動させる。
じいさんが、悠月に対して、使っても良いと言った力の正体。
力が広がる前なら近接戦闘において、無敵だった。だが、そんなものは、今となっては児戯に等しくなったことを、神馬家は知らなかった。
冷静に見れば、奥義と言っても『猫騙し』として相撲の手の中にあるし、その発展型。だが相手を倒す準備には、有効な手である。
無手の戦いから、寝技に持ち込めば悠月は勝てる。
じいさんはそう思っていた。
長い流れの中に、性技からの暗殺も存在をしているからだ。
悠月は、きっちりそれも勉強している。
最後までの、経験は無いが……
函館に移動して、一同は、元町へと移動をする。
函館は、江戸時代末期に日本初の国際貿易港として横浜や長崎とともに開港して以来、外来文化の影響を受けて発展してきた町らしい。
横で、彩が説明を読んでくれる。
後方にいると、まだ大石達がくっ付いてきているからだ。
周りにいる、警備部の人だろう。その人達に頼んでもいいが、そこまでしなくても良いかと悩むところ。
彩が、大石達を燃やす前に判断することにしよう。
歩きながら、さっきの顛末を聞く。
「ひどいんだよ。あの輪の中に居ても、私は相手にされていないから、俺の物になれみたいな感じ? 無理してくっ付いていても、むなしいだろうとか」
そう言ってお怒りだ。
彩が隣に来たから、マイリと伶菜がペアになり?
「あれ、まどかは?」
気がつくといない。
意識を広げると居た。
今教会へ向かっているが、その坂の途中にあったパン屋さん。
他のグループの女の子と一緒に、突入をしたようだ。
今こっちへ、駆け上がって来ている。
さっきも、ピエロなハンバーガーのお店に突進していたのに、まああれが、まどか本来の姿なんだろう。
親御さんも能力から冷めた状態で、国の関係者から説明を受け、俺との関わりによりという所で、ちょっと引っかかったようだが、すでに数億の資産を持っていると聞いた所で、全く拒否がなくなった。
「まどか。あなたの人生。好きに生きなさい。私たちは、見守っておくことにするから」
とまあ、態度が一八〇度変わったらしい。
「今時、良い会社に入っても、どうなるのか判らないしねえ」
「そうだな、今からは個人個人の才能が重要かもな」
そんなことを言っておいて、何かを思いついた様にお父さんは言ってきた。
「ああ、そうだ。佐藤君のおかげで、住宅費に光熱費すべてがいらなくなった。お礼を言っておいてくれ」
そう言って、ご両親が終始ニコニコだったと文句を言っていた。
「勉強だけがすべてから、個人の才能という、幅が少し広がったと言えば聞こえが良いけれど。個人の才能で縁ができたし、愛人でも何でも、竜ちゃんから離れるなって事よね。竜ちゃん。両親の願いなの。捨てないでね」
とまあ。
そこから完全にはじけた。
「ひどい。置いていかないでよ」
「いや、入ったことを知らなかった。声くらいかけろよ」
「声くらい…… あれ、そう言えば、匂いに釣られて。――まあ食べて。天然酵母」
そう言って、パンを差し出してくる。
「いちじくとくるみのパンとかが、有名みたいよ」
みんなで一切れずつわける。
自然な甘みが良い。
そうして、教会へ。
この一角に教会が集まり、観光地として名を馳せているが、関係者が異様に多い?
神父さん達が、なぜか俺達の写真を撮る。
まあ意図は気がついたから、みんなの周りに存在する空気に干渉して、不可視周波数の赤外線を反射する。
こうすれば、カメラで撮影された画像には、俺達はまともに写らないだろう。
「おおおう。神よ」
彼らが撮影した写真には、空が赤く染まり、そこからわずかに光が降り注ぎ、竜司に向かっている。
竜司はその内包する力のせいか、金色に輝き、その横にマイリ、そして伶菜。
前の報告からすると、金色を纏う者が増えたということで、彼、つまりおれはこの地に使徒を増やしていると、各教会が騒然となったようだ。
悠月の家系は、戦国時代から続く武の家系。
相手を倒すためには何でも使う。
無手を基本として、刀は抜刀術まで、優れたものは時代と共に、貪欲に取り入れてきた。
極めるのは、一度の人生では不可能。
そんな中で、最大奥義は、目線や体の動きにより幻視をさせ、虚を突き一瞬の硬直を発生させる金縛り。
人間は、日々情報を拾い、それを解析して行動をしている。
生物は実際、高度な電気仕掛けで動いている。
一般的な人は、生活の中で意識をすることはないだろうが、細胞に対してナトリウムイオンチャネル、カリウムイオンチャネルが存在しており、その働きにより電子が移動をする。
つまり、生物とロボットは共通したものが多い。違いは魂と呼ばれる自己のみ。
その拾う情報に干渉し、驚きを与えることで、相手に静止状態を与える。
今考えても素晴らしい技術。
それを歴史の中で編み出したのは、神馬家がいかに非凡だったのかが判る。
実際、生物は驚いたときに硬直をする。
そこから見いだしたのだろうが、生き物は、危険が迫ったときに、脳内に有る扁桃体は、危険を回避させるために、交感神経を活性化させ、瞬時に闘うか、逃げるかと言った『闘争・逃走反応』、いわゆるストレス反応を引き起こして、対処しようとする。
これは、上手く働けば『火事場の馬鹿力』にもなる。
これを相手に対して、意図的に発動させる。
じいさんが、悠月に対して、使っても良いと言った力の正体。
力が広がる前なら近接戦闘において、無敵だった。だが、そんなものは、今となっては児戯に等しくなったことを、神馬家は知らなかった。
冷静に見れば、奥義と言っても『猫騙し』として相撲の手の中にあるし、その発展型。だが相手を倒す準備には、有効な手である。
無手の戦いから、寝技に持ち込めば悠月は勝てる。
じいさんはそう思っていた。
長い流れの中に、性技からの暗殺も存在をしているからだ。
悠月は、きっちりそれも勉強している。
最後までの、経験は無いが……
函館に移動して、一同は、元町へと移動をする。
函館は、江戸時代末期に日本初の国際貿易港として横浜や長崎とともに開港して以来、外来文化の影響を受けて発展してきた町らしい。
横で、彩が説明を読んでくれる。
後方にいると、まだ大石達がくっ付いてきているからだ。
周りにいる、警備部の人だろう。その人達に頼んでもいいが、そこまでしなくても良いかと悩むところ。
彩が、大石達を燃やす前に判断することにしよう。
歩きながら、さっきの顛末を聞く。
「ひどいんだよ。あの輪の中に居ても、私は相手にされていないから、俺の物になれみたいな感じ? 無理してくっ付いていても、むなしいだろうとか」
そう言ってお怒りだ。
彩が隣に来たから、マイリと伶菜がペアになり?
「あれ、まどかは?」
気がつくといない。
意識を広げると居た。
今教会へ向かっているが、その坂の途中にあったパン屋さん。
他のグループの女の子と一緒に、突入をしたようだ。
今こっちへ、駆け上がって来ている。
さっきも、ピエロなハンバーガーのお店に突進していたのに、まああれが、まどか本来の姿なんだろう。
親御さんも能力から冷めた状態で、国の関係者から説明を受け、俺との関わりによりという所で、ちょっと引っかかったようだが、すでに数億の資産を持っていると聞いた所で、全く拒否がなくなった。
「まどか。あなたの人生。好きに生きなさい。私たちは、見守っておくことにするから」
とまあ、態度が一八〇度変わったらしい。
「今時、良い会社に入っても、どうなるのか判らないしねえ」
「そうだな、今からは個人個人の才能が重要かもな」
そんなことを言っておいて、何かを思いついた様にお父さんは言ってきた。
「ああ、そうだ。佐藤君のおかげで、住宅費に光熱費すべてがいらなくなった。お礼を言っておいてくれ」
そう言って、ご両親が終始ニコニコだったと文句を言っていた。
「勉強だけがすべてから、個人の才能という、幅が少し広がったと言えば聞こえが良いけれど。個人の才能で縁ができたし、愛人でも何でも、竜ちゃんから離れるなって事よね。竜ちゃん。両親の願いなの。捨てないでね」
とまあ。
そこから完全にはじけた。
「ひどい。置いていかないでよ」
「いや、入ったことを知らなかった。声くらいかけろよ」
「声くらい…… あれ、そう言えば、匂いに釣られて。――まあ食べて。天然酵母」
そう言って、パンを差し出してくる。
「いちじくとくるみのパンとかが、有名みたいよ」
みんなで一切れずつわける。
自然な甘みが良い。
そうして、教会へ。
この一角に教会が集まり、観光地として名を馳せているが、関係者が異様に多い?
神父さん達が、なぜか俺達の写真を撮る。
まあ意図は気がついたから、みんなの周りに存在する空気に干渉して、不可視周波数の赤外線を反射する。
こうすれば、カメラで撮影された画像には、俺達はまともに写らないだろう。
「おおおう。神よ」
彼らが撮影した写真には、空が赤く染まり、そこからわずかに光が降り注ぎ、竜司に向かっている。
竜司はその内包する力のせいか、金色に輝き、その横にマイリ、そして伶菜。
前の報告からすると、金色を纏う者が増えたということで、彼、つまりおれはこの地に使徒を増やしていると、各教会が騒然となったようだ。
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