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第一章 何かが起こった
第8話 聖域
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と、言うことで、表向きは変わらずリセット。
全員が、気持ちを表明をして、横一線となったようだ。
ただまあ現実は、婚約者の看板が燦然と輝く、彩がトップであることに間違いはない。
幼馴染みのポジションもあり、家はすぐ隣り。
今朝も、きっちりと迎えに? 来ている。
「うふっ、おはよう。竜ちゃん」
まだ六時半。寝ていると、口びるに柔らかな感覚。
そして、何か液体が顔の上に垂れてくる。
一瞬、肉食獣に襲われている感覚。
だが現実は、鼻血を垂らす彩の姿。
「おまえ、また鼻血が出ている。興奮をしすぎだよ」
「だってぇ」
どうも、キスをするだけで、興奮して血圧が爆上がりでもする様だ。
「こら、上を向くな。血を飲まないようにして、小鼻を圧迫」
「ふあーい」
彩は考えてしまった。
ベッドの中で眠る竜ちゃん。
そっと、おはようのキスをする。
レースのカーテン越しに、部屋へ降り注ぐ。やわらかな日の光。
竜ちゃんが寝ぼけて、キスをする私を抱きしめ。ベッドの中へ引っ張り込まれる。一回平均一〇分から一五分程度とネットには書いていた。
朝から望まれても学校には間に合う。受け入れるのは望むところ。
えへへっ。などと妄想し、鼻血を出した。
「あー。竜ちゃん。触っていいのよ」
「ばか。また血を吹いた。つまんないことを言わず、じっとしていろ」
「ぶー」
自分で、鼻を押さえさせて、その間に着替えてと思ったら、顔に血がついている。
鏡に映る自分の顔。そして、その背後に肉食獣のような目をして、こっちを見ている彩の顔。
見なかったことにして、部屋を出る。
少し元気なものを静めるためにもトイレに行き、その後顔を洗う。
部屋の戻ると、鼻血は止まったようで、ベッドでぼーっとしている彩。
カーテン越しの柔らかな光の中で見る彩の横顔は、客観的に見ても美人ではないがかわいい部類だろう。
ただし、おれは、これから着替えるのよね。
それを期待でもしている。その目付きがこわい。
まあ、着替えるけどさ。
今更、照れるよな関係でもないし。
パジャマを脱ぎ、着替えを取りに行く。
その動きを、彩の目が追いかける。
なんだろう? 猫の動画で見たことがあるな。
普段は、興味なんか無いわよ。そんなふりをしていて、実は興味芯々で飼い主を追いかける。
そうだ、猫じゃらしを追いかけるときの雰囲気。
そんな、馬鹿な想像をしながら着替えをすませると、何故か終わっちゃったという顔になる彩。
「鼻血は止まったか?」
「あーうん。たぶん」
「血圧が高いのか?」
「うーん。そうでもないけど、ちょっと」
「ちょっと? なに?」
「うー。知らない。竜ちゃんのエッチ」
「なんでだよ」
そんなことを言いながら、下へ降りていく。
「あら。おはよう。彩ちゃんも席について」
「おはようございます」
週に何回かは、朝食を一緒に食べる。
彩のお母さんが、早出の時は家で食事を取るが、こいつ朝から、お代わりをする。
皆で食べるのが楽しくて、と言うことだが、三人の中で一番背が低いのに重いのだよ。
まあ、あまり気にはしないが。
そして今日も、俺の左手から血の流れは消え。紫になっていく。
教室に入ると、いつものメンバーが待ち構えて、彩から何かを聞き出し始める。
撮られた覚えのない、写真が共有されていく。
「ふむ。彼の副官達が、何をしていたかだな?」
「星には降りてはいませんでしたので。すでに亡くなって一〇数年。何かの切っ掛けで思いだし。その追悼の一環では?」
「うむ。理由がなく。見に行っただけなら良い。だがそうでなければ、何かに気がついたと言うことも考えられる。この数週間。彼らの行動を洗え」
「はっ。承知いたしました」
彼が出ていくのを目で追う。
「彼が、軍の関係者。それも、立場がある人間だったのが痛いな。あんな小娘と懇意でなければ」
この世界、セクスタプレトは種族の中での上位者達。
事故で亡くなったことにはなったが、あの時はトップ記事となった。
セクスタプレトは使える能力が飛び抜けている。
よほどでなければ、簡単に回避する力がある。
隕石の速度も遅ければ、宇宙船のシールドを自前の能力で強化して難なく帰還をしていただろう。
いくつかの超重力星を用いて、スイングバイをさせて。
あの軌道を見つけるには苦労したし、ぶつけるのも、ピンポイントに彼へと直撃させねばならなかった。
まあそれのおかげで、調査団も人為的には不可能という見解を見せたのだから、結果的には良かった。
「地球か。物見遊山であってくれよ。軍が動き始めると面倒になる」
彼は自室に張った、地球の絵を眺めながらつぶやく。
外では、学生達の楽しそうな声が響く。
「同じ見た目でも、下等な者達が知識を得ることができる。この環境は良くないかも知れん。だから、卑劣な発想を思いつくような者が出てくる。理をゆがめる行為は許してはならんのだよ」
そうすべては、ランクツインである、マイリの論文から始まった。
姿は似通っているが、羽の数が違えば別の人種。
それは、この世界での、絶対の不文律。侵すことは許されない。
全員が、気持ちを表明をして、横一線となったようだ。
ただまあ現実は、婚約者の看板が燦然と輝く、彩がトップであることに間違いはない。
幼馴染みのポジションもあり、家はすぐ隣り。
今朝も、きっちりと迎えに? 来ている。
「うふっ、おはよう。竜ちゃん」
まだ六時半。寝ていると、口びるに柔らかな感覚。
そして、何か液体が顔の上に垂れてくる。
一瞬、肉食獣に襲われている感覚。
だが現実は、鼻血を垂らす彩の姿。
「おまえ、また鼻血が出ている。興奮をしすぎだよ」
「だってぇ」
どうも、キスをするだけで、興奮して血圧が爆上がりでもする様だ。
「こら、上を向くな。血を飲まないようにして、小鼻を圧迫」
「ふあーい」
彩は考えてしまった。
ベッドの中で眠る竜ちゃん。
そっと、おはようのキスをする。
レースのカーテン越しに、部屋へ降り注ぐ。やわらかな日の光。
竜ちゃんが寝ぼけて、キスをする私を抱きしめ。ベッドの中へ引っ張り込まれる。一回平均一〇分から一五分程度とネットには書いていた。
朝から望まれても学校には間に合う。受け入れるのは望むところ。
えへへっ。などと妄想し、鼻血を出した。
「あー。竜ちゃん。触っていいのよ」
「ばか。また血を吹いた。つまんないことを言わず、じっとしていろ」
「ぶー」
自分で、鼻を押さえさせて、その間に着替えてと思ったら、顔に血がついている。
鏡に映る自分の顔。そして、その背後に肉食獣のような目をして、こっちを見ている彩の顔。
見なかったことにして、部屋を出る。
少し元気なものを静めるためにもトイレに行き、その後顔を洗う。
部屋の戻ると、鼻血は止まったようで、ベッドでぼーっとしている彩。
カーテン越しの柔らかな光の中で見る彩の横顔は、客観的に見ても美人ではないがかわいい部類だろう。
ただし、おれは、これから着替えるのよね。
それを期待でもしている。その目付きがこわい。
まあ、着替えるけどさ。
今更、照れるよな関係でもないし。
パジャマを脱ぎ、着替えを取りに行く。
その動きを、彩の目が追いかける。
なんだろう? 猫の動画で見たことがあるな。
普段は、興味なんか無いわよ。そんなふりをしていて、実は興味芯々で飼い主を追いかける。
そうだ、猫じゃらしを追いかけるときの雰囲気。
そんな、馬鹿な想像をしながら着替えをすませると、何故か終わっちゃったという顔になる彩。
「鼻血は止まったか?」
「あーうん。たぶん」
「血圧が高いのか?」
「うーん。そうでもないけど、ちょっと」
「ちょっと? なに?」
「うー。知らない。竜ちゃんのエッチ」
「なんでだよ」
そんなことを言いながら、下へ降りていく。
「あら。おはよう。彩ちゃんも席について」
「おはようございます」
週に何回かは、朝食を一緒に食べる。
彩のお母さんが、早出の時は家で食事を取るが、こいつ朝から、お代わりをする。
皆で食べるのが楽しくて、と言うことだが、三人の中で一番背が低いのに重いのだよ。
まあ、あまり気にはしないが。
そして今日も、俺の左手から血の流れは消え。紫になっていく。
教室に入ると、いつものメンバーが待ち構えて、彩から何かを聞き出し始める。
撮られた覚えのない、写真が共有されていく。
「ふむ。彼の副官達が、何をしていたかだな?」
「星には降りてはいませんでしたので。すでに亡くなって一〇数年。何かの切っ掛けで思いだし。その追悼の一環では?」
「うむ。理由がなく。見に行っただけなら良い。だがそうでなければ、何かに気がついたと言うことも考えられる。この数週間。彼らの行動を洗え」
「はっ。承知いたしました」
彼が出ていくのを目で追う。
「彼が、軍の関係者。それも、立場がある人間だったのが痛いな。あんな小娘と懇意でなければ」
この世界、セクスタプレトは種族の中での上位者達。
事故で亡くなったことにはなったが、あの時はトップ記事となった。
セクスタプレトは使える能力が飛び抜けている。
よほどでなければ、簡単に回避する力がある。
隕石の速度も遅ければ、宇宙船のシールドを自前の能力で強化して難なく帰還をしていただろう。
いくつかの超重力星を用いて、スイングバイをさせて。
あの軌道を見つけるには苦労したし、ぶつけるのも、ピンポイントに彼へと直撃させねばならなかった。
まあそれのおかげで、調査団も人為的には不可能という見解を見せたのだから、結果的には良かった。
「地球か。物見遊山であってくれよ。軍が動き始めると面倒になる」
彼は自室に張った、地球の絵を眺めながらつぶやく。
外では、学生達の楽しそうな声が響く。
「同じ見た目でも、下等な者達が知識を得ることができる。この環境は良くないかも知れん。だから、卑劣な発想を思いつくような者が出てくる。理をゆがめる行為は許してはならんのだよ」
そうすべては、ランクツインである、マイリの論文から始まった。
姿は似通っているが、羽の数が違えば別の人種。
それは、この世界での、絶対の不文律。侵すことは許されない。
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