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第7章 王国は議会共和制的な何かへ
第75話 詫びと、新制フロスベロ王国
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念話で援軍が呼ばれて、時間が経つに従い。
兵達が増えてくる。
しかも、セイクリッド国の兵に対し、フロスベロ王国兵が幾ら攻撃をしても刃が届かない。
そして、精霊による守護がされているために、兵一人でフロスベロ王国兵、数百を相手にできる。
疲れれば、自主的に引き、休憩をする。
魔法陣を越えてしまえば、敵は追って来られない。
状態を報告をして、さらに援軍が追加される。
当然その話は、アシュアスに届いていた。
勝手にフロスベロ王国軍が来たときから、精霊が教えてくれていた。
だが、現在様子見中で、ゆったりとお茶を飲みながら、魔導モニターの映像を見ていた。
ふむ。自国の兵は、装備が充実したおかげで、落ち着いて行動ができている。
相手の騎士どもは、金属鎧なので、雷撃の杖で一発。
簡単に、無力化できている。
敵にも、なかなか優秀な剣使いもいるようだが、刃が通らず、攻撃したら最後、刃を掴まれてぶん殴られ、無力化。
転がれば、精霊がツタで縛り、体力をドレインしているようだ。死なない程度で、無力状態にさせている。
「まあ、見たところ、運用も完璧だな」
「どんな感じ?」
フィアとリーポスがやって来る。
「フロスベロ王国軍が、軍を引いてやって来たようだ。だが我が軍の兵達がきっちりと抑えている」
「へー」
そう言いながら、魔導モニターを覗き込む。
「圧倒的じゃない!!」
「まあ、攻撃が一方的だからな。向こうの兵は攻撃がこちらの兵に対して届かない」
時間はかかったが、敵兵はまるで市場にならぶ、マグロ状態で地面に転がっていた。
静かになったため、フロスベロ王国、国王アルフレート=フンダリーは馬車から顔を出したが、その光景を見て驚く。
「あんたが、こいつらのボスか?」
レイナウト=アグスタが声をかける。
「きさま、我が国の兵に何をする」
「我が国の兵かしらんが、我が国の土地で、勝手な振る舞い。住民を守るために制圧をしただけだ」
そう言うと、真っ赤になってぷるぷるし始めた。
「こんな事をして、ただじゃすまんぞ」
言い放つ王を横目に、宰相はため息を付く。
叫んでいる王の尻を蹴り、馬車から落とす。
「こやつは、フロスベロ王国、国王でしたが、処罰いたします。貴国には矛を収めていただきたい」
そう言って頭を下げる。
「あんたは?」
「フロスベロ王国、宰相でセイバス=ライルズと申します。すぐに兵を引きますのでご容赦ください」
それを聞いて、レイナウトは魔導具を掴み、念話を送る。
だがそれより前に、アシュアスがやって来る。
それを見て、レイナウトは膝をつき礼を取る。
「大体様子は見ていた。どのように片を付けるおつもりかな?」
アシュアスは宰相に声をかける。
「聖王様には、先日ならびに今回。無礼を働きまして申し訳ありません」
「いやまあ、それは良いが、振れもなく他国に兵を進軍。どう考えても良くないというのは理解できるよね」
「はい」
その軽く言ったときの気迫に、宰相は、少し腰が引ける。
「この王は、退位させて、王子を即位いたします。その後、改めてご挨拶に参ります」
「そう。まあそれなら。後はそちらのことだ。お任せをしましょうか」
「聖王様それでは、こやつらの責任が」
レイナウトは、転がった兵達を見ながら進言をする。
「いや、それを含めて、今後の様子を見よう。駄目そうなら潰すから」
あっさりと言い放つ。
「はっ。ありがとうございます」
話しをしている最中、宰相につかみかかった王だが、簡単に無力化されて兵と同じように転がっていた。
精霊に王に巻き付いているツタは、宰相さんが良いと言うまで、ほどかないことを伝えて、アシュアスは転移する。
予定よりは早くなってしまったが、帰国の途につくフロスベロ王国軍。
その出兵だけでも、かなりの兵糧や経費がかかっている。
それを踏まえて、罪状に加わえる。
不在期間は短くなったが、宰相の望むとおり、王国内では事が運び第一王子は暴れたため幽閉。
第二王子アハティが王位に即いた。
そして、就任の挨拶がてら、再びセイクリッド国へと向かう。
常識的な手順をふみ、常識的な数の護衛を連れて。
「聖王様と言うのは、どのような方でしょうか? 怒らせただけで、かの帝国を滅ぼしたのでしょう?」
「そうですな。ですが意外と懐は深い様子。怒りを買わないように気を付ければ大丈夫かと思います」
一行の隊列に、荷馬車が一つ。
挨拶用の手土産が満載されていた。
そして、そちらが落ち着いた頃。
アレクサンデル王国側のトンネル出口。村の入り口で、道が封鎖されていた。
まあ王国側としては、事前の話しも無く、セイクリッド国により国の土地が切り取られ、聖域が広がり、王国軍務卿や教会の関係者が入れない土地ができた。
おもしろい話ではないだろう。
そのため、独自に関所を設けて封鎖した。
だが、ヘルキニアの町とスキームの町を繋ぐ途中で、兵達がたむろをしたものだから、一般の商人達は困ることになっていた。
その声を聞き、アシュアスは街道の山側にこそっと道を造る。後にそちらが主要街道へと変化をする。
フェンリルがうろつく、安全な道。
安くて美味いものを出す、安全な宿屋。
橋とトンネルにより、高低差のない街道。
そして、悪しき心の持ち主は入れない。
……一度、アレクサンデル王国と、話しをしないとまずいかな。
兵達が増えてくる。
しかも、セイクリッド国の兵に対し、フロスベロ王国兵が幾ら攻撃をしても刃が届かない。
そして、精霊による守護がされているために、兵一人でフロスベロ王国兵、数百を相手にできる。
疲れれば、自主的に引き、休憩をする。
魔法陣を越えてしまえば、敵は追って来られない。
状態を報告をして、さらに援軍が追加される。
当然その話は、アシュアスに届いていた。
勝手にフロスベロ王国軍が来たときから、精霊が教えてくれていた。
だが、現在様子見中で、ゆったりとお茶を飲みながら、魔導モニターの映像を見ていた。
ふむ。自国の兵は、装備が充実したおかげで、落ち着いて行動ができている。
相手の騎士どもは、金属鎧なので、雷撃の杖で一発。
簡単に、無力化できている。
敵にも、なかなか優秀な剣使いもいるようだが、刃が通らず、攻撃したら最後、刃を掴まれてぶん殴られ、無力化。
転がれば、精霊がツタで縛り、体力をドレインしているようだ。死なない程度で、無力状態にさせている。
「まあ、見たところ、運用も完璧だな」
「どんな感じ?」
フィアとリーポスがやって来る。
「フロスベロ王国軍が、軍を引いてやって来たようだ。だが我が軍の兵達がきっちりと抑えている」
「へー」
そう言いながら、魔導モニターを覗き込む。
「圧倒的じゃない!!」
「まあ、攻撃が一方的だからな。向こうの兵は攻撃がこちらの兵に対して届かない」
時間はかかったが、敵兵はまるで市場にならぶ、マグロ状態で地面に転がっていた。
静かになったため、フロスベロ王国、国王アルフレート=フンダリーは馬車から顔を出したが、その光景を見て驚く。
「あんたが、こいつらのボスか?」
レイナウト=アグスタが声をかける。
「きさま、我が国の兵に何をする」
「我が国の兵かしらんが、我が国の土地で、勝手な振る舞い。住民を守るために制圧をしただけだ」
そう言うと、真っ赤になってぷるぷるし始めた。
「こんな事をして、ただじゃすまんぞ」
言い放つ王を横目に、宰相はため息を付く。
叫んでいる王の尻を蹴り、馬車から落とす。
「こやつは、フロスベロ王国、国王でしたが、処罰いたします。貴国には矛を収めていただきたい」
そう言って頭を下げる。
「あんたは?」
「フロスベロ王国、宰相でセイバス=ライルズと申します。すぐに兵を引きますのでご容赦ください」
それを聞いて、レイナウトは魔導具を掴み、念話を送る。
だがそれより前に、アシュアスがやって来る。
それを見て、レイナウトは膝をつき礼を取る。
「大体様子は見ていた。どのように片を付けるおつもりかな?」
アシュアスは宰相に声をかける。
「聖王様には、先日ならびに今回。無礼を働きまして申し訳ありません」
「いやまあ、それは良いが、振れもなく他国に兵を進軍。どう考えても良くないというのは理解できるよね」
「はい」
その軽く言ったときの気迫に、宰相は、少し腰が引ける。
「この王は、退位させて、王子を即位いたします。その後、改めてご挨拶に参ります」
「そう。まあそれなら。後はそちらのことだ。お任せをしましょうか」
「聖王様それでは、こやつらの責任が」
レイナウトは、転がった兵達を見ながら進言をする。
「いや、それを含めて、今後の様子を見よう。駄目そうなら潰すから」
あっさりと言い放つ。
「はっ。ありがとうございます」
話しをしている最中、宰相につかみかかった王だが、簡単に無力化されて兵と同じように転がっていた。
精霊に王に巻き付いているツタは、宰相さんが良いと言うまで、ほどかないことを伝えて、アシュアスは転移する。
予定よりは早くなってしまったが、帰国の途につくフロスベロ王国軍。
その出兵だけでも、かなりの兵糧や経費がかかっている。
それを踏まえて、罪状に加わえる。
不在期間は短くなったが、宰相の望むとおり、王国内では事が運び第一王子は暴れたため幽閉。
第二王子アハティが王位に即いた。
そして、就任の挨拶がてら、再びセイクリッド国へと向かう。
常識的な手順をふみ、常識的な数の護衛を連れて。
「聖王様と言うのは、どのような方でしょうか? 怒らせただけで、かの帝国を滅ぼしたのでしょう?」
「そうですな。ですが意外と懐は深い様子。怒りを買わないように気を付ければ大丈夫かと思います」
一行の隊列に、荷馬車が一つ。
挨拶用の手土産が満載されていた。
そして、そちらが落ち着いた頃。
アレクサンデル王国側のトンネル出口。村の入り口で、道が封鎖されていた。
まあ王国側としては、事前の話しも無く、セイクリッド国により国の土地が切り取られ、聖域が広がり、王国軍務卿や教会の関係者が入れない土地ができた。
おもしろい話ではないだろう。
そのため、独自に関所を設けて封鎖した。
だが、ヘルキニアの町とスキームの町を繋ぐ途中で、兵達がたむろをしたものだから、一般の商人達は困ることになっていた。
その声を聞き、アシュアスは街道の山側にこそっと道を造る。後にそちらが主要街道へと変化をする。
フェンリルがうろつく、安全な道。
安くて美味いものを出す、安全な宿屋。
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