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第5章 聖魔法を極めよう
第33話 激闘?
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それは、人知れずやって来ていた。
カサコソと。
すべてを食らいつくし、通り過ぎた後には何も残らない。
そんな森の入り口に、アシュアス達はやってきた。
「此処の森、静かね」
リーポスの言う通り、小鳥どころか、ゴブリンのさえずりすらしない。
「ちょっと奥に入れば、ギャアギャアと声が聞こえるものだが……」
そう言いながら、探査を撃つ。
するとだ、ある程度から向こう。一面の生物反応。
「探査を撃ってみたか?」
「まだ」
そう言って、二人があわてて撃ってみる。
「―― なにあれ?」
フィアの顔。眉間に皺が寄る。
「何だろうなあ?」
とりあえず、そう言いながらも、近寄っていく。
距離十キロ程度。
森の奥へと走っていく。
そこは、まるで黒い絨毯が広がっていた。
すべてを食らいつくす危険なシミ。
森が喰らいつくされ、すべてが無くなっていた。
「あの虫は知っているけれど、こんなに凶暴だったあ?」
「いや、魔力量がすごい。見た目は変わらないけれど、知っているものとは別物だよ」
「ねえ。ちょっとやばそうよ。ギルドへ報告しよう」
「やつら、生き物に反応をしているのか、真っ直ぐ町に来ているな」
あわてて三人は、町へと帰る。
下手に手を出すと、やばい気がする。
そんな予感。
やるなら、周囲から、一気に燃やす必要があるだろうが、広すぎる。
アミル達、二人が居れば、手を出したが、三人だと少し辛い。
そしてギルドへ帰り、報告をする。
「何が起こっているんですって?」
「ブラックコックローチの、変異体。それが森の奥からこちらへやって来ています。異常な魔力と食欲で、すべてを食いながら」
そう言った瞬間に、ティナさんが固まる。
「えーと、クレッグを呼んできます。名を言ってはいけない生物が来ていると。それも大量に…… 私は、実家へ帰ります。皆さん、頑張ってください」
そう言って、ふらふらと上へと上がっていく。
「なんだと、その黒い、小さな悪魔ってなんだよ。報告にもなっていねえ」
そんな事を言いながら、クレッグが降りてくる。
「おう。久しぶりだな。ここへ来て、俺に挨拶も無しとはつまんねぇ奴らだな……」
「えー、お久しぶりです」
そう言って、頭を下げる。
「でなんだ、ティナの報告じゃよくわからん」
「ブラックコックローチの変異体が、森の奥からこちらへやって来ています。異常な魔力と食欲持っていて、すべてを食いながら」
また同じ報告をする。
ティナさんは、いそいそと、荷物をまとめて、出ていこうとする。
「ちょっと待て」
そう言って、クレッグが手を伸ばすが、ティナさんの方が早い。
「あれって、瞬歩だな。コケかかかるタイミング、ギリギリで移動をしている」
しかも、鋭角的にターンも入れるから、視界から一瞬消えたように見える。
「おいちょっと待て、何を帰ろうとしてやがる。誰か、ティナを捕まえろ」
だが、誰も反応が出来ない。
仕方が無いので、捕まえに行く。
前の自分なら、無理だったが、今なら行ける。
どう逃げても、最終は出入り口。
身体を強化して、一気に距離を詰める。
それに気が付いた、ティナさんが、一度動きにフェイクを入れて、軌道を変えるが、そのまま捕まえる。
ポフッと、胸の中に収まる感じで、入ったと、そう思った。
その瞬間。俺の体は、空中を舞う。
体をひねり着地。
そのまま、背後から抱える。
ふにゅっとした感触。
「あっ」
ティナさんの力が抜ける。
だが、何かを思い出したのだろう。ジタバタとし始める。
「駄目です。ティナさん…… 僕は逃がしません」
そう言うと、目を見開き、雷にでも打たれたような表情を見せる。
「それって、プロポーズ?」
「えっ」
「少し歳上だし、私かわいくないよ」
「えっ」
「そっかぁ。甘えたいお年頃なのね。でも、アシュアス君なら。いいよ」
「えっ」
「ちょっと離れなさい。アシュアスもぼーっとしない。ティナさんは、仕事をしてください」
「そう。そうよね。奴らが、探査範囲に来るまでは頑張る。アシュアス。助けてくれるでしょ」
そう言って、ふわふわと半分浮かび上がりながら、カウンターへ戻っていく。
怒っているフィアと、目を見開いて、固まって居るリーポス。
そして、同じように固まって居る、ギルドの面々。
「嘘だろ、ティナさんが、普通に笑ったぞ」
「ああ何か、恐ろしい事が起こる前触れだ。俺達はエベラルドトゥリーへ行こう。何か護衛でも依頼がないか?」
そんな感じで、皆が逃げようとし始める。
「ちょっと待て。さっき聞いたが、南側の森で異変だ。全員集合。退治をしに行くぞ。魔法が使えない奴らは、油と薪を担いでいけ。奴らは、火が嫌いなはずだ」
ぽつんとカウンターに座り、こちらを見ながらぽっと顔を赤らめるティナさん。
そんな混乱の中で、町の防衛が始まった。
そして、ブラックコックローチ達の方でも、共食いし、力を増した者達が巨大化をし始める。
外骨格の体は強化され、それに伴い足も強化される。
それはまるで、この世界には無いはずの、多脚戦車のような様相を見せる。
触覚は、まるで魔法の杖。
振るわれると、様々な魔法が撃ち出される。
そして、物理的に無理なはずの飛行を、重力魔法により達成をする。
そう。ブラックコックローチだったものは、最強の殲滅兵器へと進化をした。アナイアレイションコックローチとでも呼ぼう。
その黒い体が、動き始める。
カサコソと。
すべてを食らいつくし、通り過ぎた後には何も残らない。
そんな森の入り口に、アシュアス達はやってきた。
「此処の森、静かね」
リーポスの言う通り、小鳥どころか、ゴブリンのさえずりすらしない。
「ちょっと奥に入れば、ギャアギャアと声が聞こえるものだが……」
そう言いながら、探査を撃つ。
するとだ、ある程度から向こう。一面の生物反応。
「探査を撃ってみたか?」
「まだ」
そう言って、二人があわてて撃ってみる。
「―― なにあれ?」
フィアの顔。眉間に皺が寄る。
「何だろうなあ?」
とりあえず、そう言いながらも、近寄っていく。
距離十キロ程度。
森の奥へと走っていく。
そこは、まるで黒い絨毯が広がっていた。
すべてを食らいつくす危険なシミ。
森が喰らいつくされ、すべてが無くなっていた。
「あの虫は知っているけれど、こんなに凶暴だったあ?」
「いや、魔力量がすごい。見た目は変わらないけれど、知っているものとは別物だよ」
「ねえ。ちょっとやばそうよ。ギルドへ報告しよう」
「やつら、生き物に反応をしているのか、真っ直ぐ町に来ているな」
あわてて三人は、町へと帰る。
下手に手を出すと、やばい気がする。
そんな予感。
やるなら、周囲から、一気に燃やす必要があるだろうが、広すぎる。
アミル達、二人が居れば、手を出したが、三人だと少し辛い。
そしてギルドへ帰り、報告をする。
「何が起こっているんですって?」
「ブラックコックローチの、変異体。それが森の奥からこちらへやって来ています。異常な魔力と食欲で、すべてを食いながら」
そう言った瞬間に、ティナさんが固まる。
「えーと、クレッグを呼んできます。名を言ってはいけない生物が来ていると。それも大量に…… 私は、実家へ帰ります。皆さん、頑張ってください」
そう言って、ふらふらと上へと上がっていく。
「なんだと、その黒い、小さな悪魔ってなんだよ。報告にもなっていねえ」
そんな事を言いながら、クレッグが降りてくる。
「おう。久しぶりだな。ここへ来て、俺に挨拶も無しとはつまんねぇ奴らだな……」
「えー、お久しぶりです」
そう言って、頭を下げる。
「でなんだ、ティナの報告じゃよくわからん」
「ブラックコックローチの変異体が、森の奥からこちらへやって来ています。異常な魔力と食欲持っていて、すべてを食いながら」
また同じ報告をする。
ティナさんは、いそいそと、荷物をまとめて、出ていこうとする。
「ちょっと待て」
そう言って、クレッグが手を伸ばすが、ティナさんの方が早い。
「あれって、瞬歩だな。コケかかかるタイミング、ギリギリで移動をしている」
しかも、鋭角的にターンも入れるから、視界から一瞬消えたように見える。
「おいちょっと待て、何を帰ろうとしてやがる。誰か、ティナを捕まえろ」
だが、誰も反応が出来ない。
仕方が無いので、捕まえに行く。
前の自分なら、無理だったが、今なら行ける。
どう逃げても、最終は出入り口。
身体を強化して、一気に距離を詰める。
それに気が付いた、ティナさんが、一度動きにフェイクを入れて、軌道を変えるが、そのまま捕まえる。
ポフッと、胸の中に収まる感じで、入ったと、そう思った。
その瞬間。俺の体は、空中を舞う。
体をひねり着地。
そのまま、背後から抱える。
ふにゅっとした感触。
「あっ」
ティナさんの力が抜ける。
だが、何かを思い出したのだろう。ジタバタとし始める。
「駄目です。ティナさん…… 僕は逃がしません」
そう言うと、目を見開き、雷にでも打たれたような表情を見せる。
「それって、プロポーズ?」
「えっ」
「少し歳上だし、私かわいくないよ」
「えっ」
「そっかぁ。甘えたいお年頃なのね。でも、アシュアス君なら。いいよ」
「えっ」
「ちょっと離れなさい。アシュアスもぼーっとしない。ティナさんは、仕事をしてください」
「そう。そうよね。奴らが、探査範囲に来るまでは頑張る。アシュアス。助けてくれるでしょ」
そう言って、ふわふわと半分浮かび上がりながら、カウンターへ戻っていく。
怒っているフィアと、目を見開いて、固まって居るリーポス。
そして、同じように固まって居る、ギルドの面々。
「嘘だろ、ティナさんが、普通に笑ったぞ」
「ああ何か、恐ろしい事が起こる前触れだ。俺達はエベラルドトゥリーへ行こう。何か護衛でも依頼がないか?」
そんな感じで、皆が逃げようとし始める。
「ちょっと待て。さっき聞いたが、南側の森で異変だ。全員集合。退治をしに行くぞ。魔法が使えない奴らは、油と薪を担いでいけ。奴らは、火が嫌いなはずだ」
ぽつんとカウンターに座り、こちらを見ながらぽっと顔を赤らめるティナさん。
そんな混乱の中で、町の防衛が始まった。
そして、ブラックコックローチ達の方でも、共食いし、力を増した者達が巨大化をし始める。
外骨格の体は強化され、それに伴い足も強化される。
それはまるで、この世界には無いはずの、多脚戦車のような様相を見せる。
触覚は、まるで魔法の杖。
振るわれると、様々な魔法が撃ち出される。
そして、物理的に無理なはずの飛行を、重力魔法により達成をする。
そう。ブラックコックローチだったものは、最強の殲滅兵器へと進化をした。アナイアレイションコックローチとでも呼ぼう。
その黒い体が、動き始める。
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