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第1章 旅立ちと冒険者活動
第9話 トウゾクハテキ。センメツセヨ。
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「報告通りか」
その知らせを、すぐに理解をしたのは、報告を受けた安寧の守護者のみ。
警戒をしながら、探査をしていた他チームは、大きく遅れていた。
安寧の守護者達も、結局に谷にぶつかり、降りるのを諦めて、街道側へと回り込む。
他のチームは。
「さっきのは合図か。随分向こうだぞ」
あわてるが、警戒もしなければいけない。
意外と皆、探査魔法ができないようだ。
しばらく歩いた後、谷にぶつかる。
「下まで十メートルはある。どうする」
とまあ、そんな感じでのんびり。
その頃。
すでに盗賊達は、泣きが入り半壊をしていた。
一発目に、弱めの雷が周囲にばら撒かれる。
人質とかも居るので、かなり弱めだが、ふらつき、力が入らず刀も握れない。
そこに、鬼神がやって来た。
リーポスだ。ブラウンの瞳はいいが、赤い髪が逆立って、剣を持ち。もう片手には石を持っていた。
「がああっ。トウゾクハコロス」
体全体から、錬り上がった魔力が放出され、近くに行くと熱く感じる。
だがそれは、盗賊に触れられたくないための、防御のようなもので、非常に効率的に使われている。
フィアも矢を倹約するため、剣と魔法を使う。
その動きは、流水のごとき動き。
極限まで、無駄が無い。
これは変に力を入れると、いざの時に矢が当たらなくなるから編み出した剣技。
クノープは森の中なので、大楯を面ではなく縁で殴っている。
そう、側面なので、シールドバッシュと言いながら、金属の棒で叩かれるのと一緒。
近くに居るのは、アミル。体格では負けるので、クノープの近くに居るが、盗賊相手には主に土の槍を使う。
逃走防止。
それに、重点的に狙っている、ある部分。
見ていると、クノープはついお尻がきゅっとなる。
そして、アシュアスが全体に睨みをきかせ、適宜雷撃を喰らわせて歩く。
「おっ。おい。やべえ。あいつらを放せ。その間にずらかるぞ」
そう言って放たれたのは、オーガが二体。この辺りにはあまりいないが、どこかで捕まえてきたのか。
餌は、廃棄された人間だろう。
扉を開放されると、挨拶代わりに逃げようとした盗賊を捕まえる。
捕まった盗賊達は、生きたままで囓られていく。
「おい。この反応」
「分かっている。鬼が解放されたわね」
「ルーラントさん達は、この辺りで捕まっている人の解放をお願いします」
「ああっ。分かった」
被害が広がらないうちに。
そう思い。周りに居る盗賊達は眠らせながら、走っていく。
適当な距離で小屋が建てられ、この集落はかなり広い。
オーガ達は、周囲で逃げ惑う者達を適当に捕まえる。
そこに区別はない。
ふらふらと、生気無く歩いていた女の人を掴むと、喰らおうとする。
だが、オーガの手首が切断され、女の人は解放をされる。
「大丈夫ですか?」
一気に浄化と治療がされる。
「っ。あんた達は?」
「冒険者です。助けに来ました」
そう言うと、彼女は抱きつき泣き始める。
「ちょっとすみません。離してください」
相手は、裸の女の人。
アシュアスはオロオロし始める。
「ちょっと。離して。仕事中。ほら後ろ」
フィアにそう言われて、女の人が振り返ると、オーガ。さっきはどうも意識というか精神的に飛んでいたようだ。
「きゃあぁ」
そう言って、アシュアスの後ろへ隠れる。
「まあ良いか」
アイスニードルを、オーガの足に放ち、そこにリーポスが剣技を放つ。
首がスカッと落ちる。
「もう一匹」
そう言って振り返ると、オーガの頭が破裂する。アシュアスが魔法を放ったようだ。
そこから後は、捕縛と、解放。
集落にはおおよそ三百人が居て、その内百人が盗賊。
人質を取られて強制的に働かされている者や、妙な魔導具を付けられて働かされていたもの。
魔導具は単純で、中央の装置から、半径百メートルを越えると爆発をするものだった。
強制的にぶっ壊す。
すべてが終わり、治療などをしていると、他のチームがやって来た。
とは言っても、安寧の守護者達。他はまだ来ない。
「なんだこれは」
シュレーターがルーラントを見つける。
「なんだという事も無い。もう終わったぜ」
ルーラントが説明をする。
「奴らか?」
「ああ。そうだ。あそこを見てみろよ」
その方向には倒れたオーガ。
「あれも瞬殺だ」
そう言われて、シュレーターは呆然とする。
「奴ら、試験だったよな」
「そうだ。めでたく黄銅級だ」
「なあ。俺、銀級だと名乗るのが、妙に気が引けるんだが」
「奇遇だな。俺もだ」
その後、あまりにも人数が多いので、ギルドの馬車は走り回ることになる。
「おめでとうございます。黄銅級です。このランクから、ギルドを通じて王国内で皆さんの情報は共有されます。悪い事をするとそれも共有されて、再登録とかが出来なくなりますから、気を付けてください」
「はーい」
素直に喜ぶ五人。
安楽亭へ戻り、乾杯をする。
「あーいつもながら、盗賊退治は駄目だ」
突っ伏する、リーポス。
「そうだな。状態を見ると心が痛む」
「皆の両親に感謝だね。辛いけれど、弱いから駄目なんだ。屈しなくて良いくらい強くなれって」
クノープがものまねをしながら、鳥の焼いたものを、串に刺しながら振り回す。
「父さんの口癖だね」
「良いのよ。強くなったおかげで、皆無事なんだもの」
フィアがそんな事を言いながら、ミードの特製品を注いでくる。
その頃、ギルドのカウンター。
「失礼。エベラルドトゥリーへの帰りは、盗賊退治に混ざっていた、若い子達にお願いをしたいのだが良いかね」
「これは、サルツ商会のメルカトア様。若い子というのは、全員がピチピチのアシュアス君達『奇跡の探索者』ですね。これはお目が高い。黄銅級になりたてですから、お安く出来ますよ」
「それはいい。では、お願いをしよう」
早速、次の町へと行くことが決まったようだ。
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次回、第2章 地方都市 エベラルドトゥリー
第10話 護衛依頼へ続く。
その知らせを、すぐに理解をしたのは、報告を受けた安寧の守護者のみ。
警戒をしながら、探査をしていた他チームは、大きく遅れていた。
安寧の守護者達も、結局に谷にぶつかり、降りるのを諦めて、街道側へと回り込む。
他のチームは。
「さっきのは合図か。随分向こうだぞ」
あわてるが、警戒もしなければいけない。
意外と皆、探査魔法ができないようだ。
しばらく歩いた後、谷にぶつかる。
「下まで十メートルはある。どうする」
とまあ、そんな感じでのんびり。
その頃。
すでに盗賊達は、泣きが入り半壊をしていた。
一発目に、弱めの雷が周囲にばら撒かれる。
人質とかも居るので、かなり弱めだが、ふらつき、力が入らず刀も握れない。
そこに、鬼神がやって来た。
リーポスだ。ブラウンの瞳はいいが、赤い髪が逆立って、剣を持ち。もう片手には石を持っていた。
「がああっ。トウゾクハコロス」
体全体から、錬り上がった魔力が放出され、近くに行くと熱く感じる。
だがそれは、盗賊に触れられたくないための、防御のようなもので、非常に効率的に使われている。
フィアも矢を倹約するため、剣と魔法を使う。
その動きは、流水のごとき動き。
極限まで、無駄が無い。
これは変に力を入れると、いざの時に矢が当たらなくなるから編み出した剣技。
クノープは森の中なので、大楯を面ではなく縁で殴っている。
そう、側面なので、シールドバッシュと言いながら、金属の棒で叩かれるのと一緒。
近くに居るのは、アミル。体格では負けるので、クノープの近くに居るが、盗賊相手には主に土の槍を使う。
逃走防止。
それに、重点的に狙っている、ある部分。
見ていると、クノープはついお尻がきゅっとなる。
そして、アシュアスが全体に睨みをきかせ、適宜雷撃を喰らわせて歩く。
「おっ。おい。やべえ。あいつらを放せ。その間にずらかるぞ」
そう言って放たれたのは、オーガが二体。この辺りにはあまりいないが、どこかで捕まえてきたのか。
餌は、廃棄された人間だろう。
扉を開放されると、挨拶代わりに逃げようとした盗賊を捕まえる。
捕まった盗賊達は、生きたままで囓られていく。
「おい。この反応」
「分かっている。鬼が解放されたわね」
「ルーラントさん達は、この辺りで捕まっている人の解放をお願いします」
「ああっ。分かった」
被害が広がらないうちに。
そう思い。周りに居る盗賊達は眠らせながら、走っていく。
適当な距離で小屋が建てられ、この集落はかなり広い。
オーガ達は、周囲で逃げ惑う者達を適当に捕まえる。
そこに区別はない。
ふらふらと、生気無く歩いていた女の人を掴むと、喰らおうとする。
だが、オーガの手首が切断され、女の人は解放をされる。
「大丈夫ですか?」
一気に浄化と治療がされる。
「っ。あんた達は?」
「冒険者です。助けに来ました」
そう言うと、彼女は抱きつき泣き始める。
「ちょっとすみません。離してください」
相手は、裸の女の人。
アシュアスはオロオロし始める。
「ちょっと。離して。仕事中。ほら後ろ」
フィアにそう言われて、女の人が振り返ると、オーガ。さっきはどうも意識というか精神的に飛んでいたようだ。
「きゃあぁ」
そう言って、アシュアスの後ろへ隠れる。
「まあ良いか」
アイスニードルを、オーガの足に放ち、そこにリーポスが剣技を放つ。
首がスカッと落ちる。
「もう一匹」
そう言って振り返ると、オーガの頭が破裂する。アシュアスが魔法を放ったようだ。
そこから後は、捕縛と、解放。
集落にはおおよそ三百人が居て、その内百人が盗賊。
人質を取られて強制的に働かされている者や、妙な魔導具を付けられて働かされていたもの。
魔導具は単純で、中央の装置から、半径百メートルを越えると爆発をするものだった。
強制的にぶっ壊す。
すべてが終わり、治療などをしていると、他のチームがやって来た。
とは言っても、安寧の守護者達。他はまだ来ない。
「なんだこれは」
シュレーターがルーラントを見つける。
「なんだという事も無い。もう終わったぜ」
ルーラントが説明をする。
「奴らか?」
「ああ。そうだ。あそこを見てみろよ」
その方向には倒れたオーガ。
「あれも瞬殺だ」
そう言われて、シュレーターは呆然とする。
「奴ら、試験だったよな」
「そうだ。めでたく黄銅級だ」
「なあ。俺、銀級だと名乗るのが、妙に気が引けるんだが」
「奇遇だな。俺もだ」
その後、あまりにも人数が多いので、ギルドの馬車は走り回ることになる。
「おめでとうございます。黄銅級です。このランクから、ギルドを通じて王国内で皆さんの情報は共有されます。悪い事をするとそれも共有されて、再登録とかが出来なくなりますから、気を付けてください」
「はーい」
素直に喜ぶ五人。
安楽亭へ戻り、乾杯をする。
「あーいつもながら、盗賊退治は駄目だ」
突っ伏する、リーポス。
「そうだな。状態を見ると心が痛む」
「皆の両親に感謝だね。辛いけれど、弱いから駄目なんだ。屈しなくて良いくらい強くなれって」
クノープがものまねをしながら、鳥の焼いたものを、串に刺しながら振り回す。
「父さんの口癖だね」
「良いのよ。強くなったおかげで、皆無事なんだもの」
フィアがそんな事を言いながら、ミードの特製品を注いでくる。
その頃、ギルドのカウンター。
「失礼。エベラルドトゥリーへの帰りは、盗賊退治に混ざっていた、若い子達にお願いをしたいのだが良いかね」
「これは、サルツ商会のメルカトア様。若い子というのは、全員がピチピチのアシュアス君達『奇跡の探索者』ですね。これはお目が高い。黄銅級になりたてですから、お安く出来ますよ」
「それはいい。では、お願いをしよう」
早速、次の町へと行くことが決まったようだ。
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