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第五章 本当の戦い
第86話 ここは一体?
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潜入してきたライス共和国の傭兵達、門番に言われて、適当に一セント硬貨を渡す。
おもしろいのは、言葉が通じること。
しかも、自身のネイティブの言葉で聞こえるらしい。
仲間に、南大陸出身の奴がいるが、母国語で聞こえたらしい。
だからしゃべれるようになったのかと、俺に聞かれたが、俺は北大陸語でしゃべっていた。
全く以て、ここは不思議空間だ。
近くにあった、西部劇の酒場のような所へ入る。
入り口の看板は盾と剣が描かれていたが、酒の匂いがするから大丈夫だろう。
中では、癖のありそうな荒くれ者達が、武器を携えて飲んでいた。
「情報収集なら酒場だよな、あそこで注文か?」
カウンターに人が並んでいた。
一応列に並ぶ。
王国の連中より頭一つ分背が高い連中、ものすごく目立つ。
政府特務機関出身のトール=ロードなどは、この王都には少ない黒人系で、身長が百八十五センチあり、特に目立つ。
そんな彼だがプロレスラーのような体、厳ついマスク。
だが、爆破などの細かな作業が得意。
彼と陸軍出身の、バーニー=ロズウェルが南大陸語を喋る。
そう彼ら全員が、百八十センチ前後で筋肉隆々、目立たないわけはない。
そして、よく判らずに並んだカウンターは、ギルドの受付だった。
「いらっしゃいませ、業務の発注ならあちらのカウンター、ギルド拠点変更並びに新規受付は、わたくしエヴリーヌ=トスチヴァが受付ますです」
そう言って、机の上に置いた名札を直す。
彼女は少し丸顔で、ブラウンの目もくりっとしている、言わばかわいい系。
金髪の髪は肩までで、一見ソバージュに見えるが、くりくり髪の毛は天然だ。
胸はCとDの境目で八十センチ。
受け狙いで、よくテーブルにのせている。
十七歳だが、実家は騎士爵家であり、兄が家を継ぐので、行き場がない。
ここは彼女にとって、狩り場なのだ。
「ギルド? 酒は?」
「お酒の注文なら、適当な席に着けば、シェリーとアジュールが来ますので、注文をしてください」
「そうなのか?」
そう言って席に向かおうとするが、呼び止められる。
「お兄さん方、お強いですよね」
スティーブン達は全員が振り返ると声がそろう。
「「「「「当然だ」」」」」
それを聞いて、エヴリーヌはにっこり。
「ギルド会員なら、一割引で飲めますよ。お得ですから登録しましょうチーム名は何にします?」
「俺達は調査員だからなぁ」
秘匿情報というか、いきなりばらしてしまう。
安心してください、皆脳筋だからやばいと思いません。
「判りました、チーム名は『インベスティゲーター』ですね。後は、これに署名をお願いします。ギルド証は三日後に渡しますので、これを仮札として使用してください」
そう言って木製の札が渡される。
ランクは、金属名で黄銅級が一番下のようだ。
やっと席に着こうとすると、わやわやと迷彩服を着込んだ連中が入ってくる。
この酒場にたむろっている連中とは違い、装備が近代的だし、黒髪黒目。日本人のようだ。
「ちっ。俺らが座る所だったんだ、どけよ」
「君達もお疲れだろうが、我らもお疲れなんだよ。空いている所へどうぞ」
そう答えて、健太郎はどっかりと椅子に座り込む。
そう言われたが、空いている席がない。
まだ、時間は十五時過ぎだろう、外は十分明るい。
それなのにだ……
その間に健太郎達は、ドンドンと注文をして行く。
そして酒が来ると乾杯をして、始めてしまう。
こちら側では、どうするかという事を、スティーブン達はハンドサインで話し合っていた。
「ど・う・す・る・よ?」
「殺・れ・お・れ・た・ち・は、な・め・ら・れ・た・ら・おわりだ」
最後は口に出し、立てた親指を、首の前で横移動。
「それしか無いな」
そう言って向き直ると、おもむろに武藤の左肩を掴み、引き倒そうとした。
だが、動かない。
武藤の首がぐるりと回り、肩に置かれたダン=ペインの右手を舐めるように見る、そこから視線は、持ち主へと上がってくる。
連邦捜査官だった、ダン=ペインは格闘術の天才。無手で彼に勝てる人間はいないだろうと言われている。
ただ性格が悪く、捕虜に行ったサディスティックな行為で、幾度か責任を取り首になっていた。だが困難な作戦の度に職に復活をする。
百八十八センチの身長。
当然、武藤よりも高い。
だが、何かが起こった……
ゆっくりと倒れていくダン=ペイン。
その顔に向かって、白い光が飛んでいく。
そう治癒魔法だ。
彼らはその流れを、峰打ちと呼んでいる。
きっと真剣で切っても、手がくっつけば峰打ちなんだろう。
さっきまで砕けていたダンの顎も、今は治っているし問題ない。
カウンターの方で、声が聞こえる。
バーニーが気がつくと、エヴリーヌに呼ばれる。
「彼ら、一組の人ですから絡まない方が良いですよ。それに帝のご友人ですから、きっと人間じゃありません」
きっぱりと断言をされた。
だが彼も見たのだ。
砕けていたダンの顎が、巻き戻るように治っていくのを……
「人間じゃなければ何だ?」
「彼らは、神です」
キリスト教圏の人間には理解出来ない。
神は神、一人しか居ない。
それが、人から席を奪い。ぶん殴って酒を飲むのが神だと?
彼らに向き直り、宣言をする。
「表に出ろ」
「「「「「やだ」」」」」
全員から完全否定。
彼は怒った。
おもしろいのは、言葉が通じること。
しかも、自身のネイティブの言葉で聞こえるらしい。
仲間に、南大陸出身の奴がいるが、母国語で聞こえたらしい。
だからしゃべれるようになったのかと、俺に聞かれたが、俺は北大陸語でしゃべっていた。
全く以て、ここは不思議空間だ。
近くにあった、西部劇の酒場のような所へ入る。
入り口の看板は盾と剣が描かれていたが、酒の匂いがするから大丈夫だろう。
中では、癖のありそうな荒くれ者達が、武器を携えて飲んでいた。
「情報収集なら酒場だよな、あそこで注文か?」
カウンターに人が並んでいた。
一応列に並ぶ。
王国の連中より頭一つ分背が高い連中、ものすごく目立つ。
政府特務機関出身のトール=ロードなどは、この王都には少ない黒人系で、身長が百八十五センチあり、特に目立つ。
そんな彼だがプロレスラーのような体、厳ついマスク。
だが、爆破などの細かな作業が得意。
彼と陸軍出身の、バーニー=ロズウェルが南大陸語を喋る。
そう彼ら全員が、百八十センチ前後で筋肉隆々、目立たないわけはない。
そして、よく判らずに並んだカウンターは、ギルドの受付だった。
「いらっしゃいませ、業務の発注ならあちらのカウンター、ギルド拠点変更並びに新規受付は、わたくしエヴリーヌ=トスチヴァが受付ますです」
そう言って、机の上に置いた名札を直す。
彼女は少し丸顔で、ブラウンの目もくりっとしている、言わばかわいい系。
金髪の髪は肩までで、一見ソバージュに見えるが、くりくり髪の毛は天然だ。
胸はCとDの境目で八十センチ。
受け狙いで、よくテーブルにのせている。
十七歳だが、実家は騎士爵家であり、兄が家を継ぐので、行き場がない。
ここは彼女にとって、狩り場なのだ。
「ギルド? 酒は?」
「お酒の注文なら、適当な席に着けば、シェリーとアジュールが来ますので、注文をしてください」
「そうなのか?」
そう言って席に向かおうとするが、呼び止められる。
「お兄さん方、お強いですよね」
スティーブン達は全員が振り返ると声がそろう。
「「「「「当然だ」」」」」
それを聞いて、エヴリーヌはにっこり。
「ギルド会員なら、一割引で飲めますよ。お得ですから登録しましょうチーム名は何にします?」
「俺達は調査員だからなぁ」
秘匿情報というか、いきなりばらしてしまう。
安心してください、皆脳筋だからやばいと思いません。
「判りました、チーム名は『インベスティゲーター』ですね。後は、これに署名をお願いします。ギルド証は三日後に渡しますので、これを仮札として使用してください」
そう言って木製の札が渡される。
ランクは、金属名で黄銅級が一番下のようだ。
やっと席に着こうとすると、わやわやと迷彩服を着込んだ連中が入ってくる。
この酒場にたむろっている連中とは違い、装備が近代的だし、黒髪黒目。日本人のようだ。
「ちっ。俺らが座る所だったんだ、どけよ」
「君達もお疲れだろうが、我らもお疲れなんだよ。空いている所へどうぞ」
そう答えて、健太郎はどっかりと椅子に座り込む。
そう言われたが、空いている席がない。
まだ、時間は十五時過ぎだろう、外は十分明るい。
それなのにだ……
その間に健太郎達は、ドンドンと注文をして行く。
そして酒が来ると乾杯をして、始めてしまう。
こちら側では、どうするかという事を、スティーブン達はハンドサインで話し合っていた。
「ど・う・す・る・よ?」
「殺・れ・お・れ・た・ち・は、な・め・ら・れ・た・ら・おわりだ」
最後は口に出し、立てた親指を、首の前で横移動。
「それしか無いな」
そう言って向き直ると、おもむろに武藤の左肩を掴み、引き倒そうとした。
だが、動かない。
武藤の首がぐるりと回り、肩に置かれたダン=ペインの右手を舐めるように見る、そこから視線は、持ち主へと上がってくる。
連邦捜査官だった、ダン=ペインは格闘術の天才。無手で彼に勝てる人間はいないだろうと言われている。
ただ性格が悪く、捕虜に行ったサディスティックな行為で、幾度か責任を取り首になっていた。だが困難な作戦の度に職に復活をする。
百八十八センチの身長。
当然、武藤よりも高い。
だが、何かが起こった……
ゆっくりと倒れていくダン=ペイン。
その顔に向かって、白い光が飛んでいく。
そう治癒魔法だ。
彼らはその流れを、峰打ちと呼んでいる。
きっと真剣で切っても、手がくっつけば峰打ちなんだろう。
さっきまで砕けていたダンの顎も、今は治っているし問題ない。
カウンターの方で、声が聞こえる。
バーニーが気がつくと、エヴリーヌに呼ばれる。
「彼ら、一組の人ですから絡まない方が良いですよ。それに帝のご友人ですから、きっと人間じゃありません」
きっぱりと断言をされた。
だが彼も見たのだ。
砕けていたダンの顎が、巻き戻るように治っていくのを……
「人間じゃなければ何だ?」
「彼らは、神です」
キリスト教圏の人間には理解出来ない。
神は神、一人しか居ない。
それが、人から席を奪い。ぶん殴って酒を飲むのが神だと?
彼らに向き直り、宣言をする。
「表に出ろ」
「「「「「やだ」」」」」
全員から完全否定。
彼は怒った。
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