はい。ちゅうもーく。これから異世界に向かいます。 - 私立徳井天世高校の修学旅行 -

久遠 れんり

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第五章 本当の戦い

第78話 お互いに開眼

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「ちょっと」
 あわてる、紡。
 止めようと声をかけるが、勘違いされる。

「実践は初めてなモノですから、下手で申し訳ありません。少し我慢を」
 そう言って彼女は、けなげに頑張る。
 むせかえりながら、なんとか飲み込む。

 目の前で揺れる頭。
 かわいいお尻が、フリフリと揺れている。

 現実なのだろうかと疑う彼だが、部分から感じる感覚は本物。
 ヌメヌメとして暖かく、最近処理してなかった彼は、すぐに吐き出してしまった。
「あっ。すまない」


 一瞬彼女の動きが止まる。
 だが、すぐに再開。
「―― 大丈夫でございます。続けます」
 ものすごく敏感になった所が少し辛いが、すぐに復活をしようと体が頑張る。

 使えるようになった所で、彼女は一旦離れ、彼の膝へと座り込む。
 下履きは、ずらしたようで、暖かいモノが彼を咥え込む。

 眉間に皺が入り、少し脂汗を流しながら彼女はそれでも頑張る。

 行為そのものが、自身の破滅との引き換え。
 貴族の娘が行為を行うというのはそういう事。

 告白をされ、心が動いた。
 今と違う状態へ、自分を救い出してくれるかもしれない人。
 このままでは、家の繋がりでどこかへ嫁に行く未来。
 それは個のつごうでは無く、家の都合。
 今彼女は、自分の意思で、家の道具としての自分から決別を行ったのだ。

「感じてください。わたくしの側から、あなた様の方へと魔力を流しましょう」
 今は彼女が抱きついてきている状態。
 耳元で発せられる言葉にぞくぞくとする。

 その形は、おそらくインド密教などに残っているモノと、通ずる効果なのだろう。
 下腹部で一度溜まった暖かい何かは、紡にも感じられた。
 それは限度を越し、あふれるように、上へと流れていく。
 彼女からやって来る何か……

 それが所々溜まる所が、いわゆるチャクラと呼ばれる所と共通していたのは、偶然だろうか。
 それは溜を押し広げ、ポンと勢いを付けて、進む。
 
 喉、眉間、頭頂へと至る。

 その時、確かに感じる空気が変わった。
 集中するため閉じていた目を開く、その景色は一変し、まるでそう…… 自分の目にHDRのフィルターでも付いたかのように、コントラスト、そして色がくっきりとした。
 HDRとは、ハイ・ダイナミック・レンジ。
 複数枚の画像情報から情報を取り、平均化と補正をしてダイナミックレンジ化するもの。
 それは実際、体の感覚すべてが明晰となった事によるのだが、自身ではそれが一番理解しやすかった。

 空気の揺らぎ、彼女の体温、鼓動。
 両者共に、服は着たままだが、明らかに変わった。

 目の前に、汗をびっしょりかいて、頑張っている彼女。
 魔力を彼に流し込むのが辛かったのか、それとも別の要因か。
「まっ、マリーダさん。大丈夫?」
 そう聞くと、うつむき加減で眉間に皺が寄っていた顔が紡を見上げる。
 上気した顔、息は荒く、目はうるうる。

「かっ、かわいい。君はなんてかわいいんだ」
 思わず口に出す。

「あっありがとうございます。それで魔力は、感じられましたでしょうか?」
 そう聞かれて、改めて考える。

「さっきからずっと、下半身の方から、何か溜まったり、突き上がってきたりというのを感じた。いまは、頭頂部まで溜まっている状態だ」
「まあ、普通は生まれた時から、中身は詰まっているのが普通で、それを感じる所からが始まりですのに、空だったと? 一体どう言う所で生活をされていたのでしょうか?」
 彼女に呆れられてしまった。

 それから、それを手の方へ回し意識的に放出。
 その何かに、属性を与える。

 ほかのモノは危険だから光。
 手の平が少し熱くなり、光が灯った球体が浮かぶ。

「出来ましたわね。おめでとうございます」
 喜んでいたが、この時、彼女は魔力を限界まで放出し、魔力切れ間際。そのため結構辛かった。
 だが、自身ためとと頑張り、彼が動く度に感じる何かが、別の刺激となってやって来る。

 そう、光魔法の影響か、痛みは消え、敏感な感覚だけが残る。
 あらっこれは?
 話には聞いていた、殿方との営み。
 慣れれば感じる、気持ちがよいもの、そう女としての喜びが来ると言っていたもの。

 あらあらこれは、疲れていた心と体が、その快楽により活性化をする。
 意図的に、ちょこちょこと動き始める。
 目的だった、彼の魔力開発は終了をした。

 今はこの新たな感覚を、感じたい。
 繋がっている部分、その上にある敏感なモノが、こすれる度にぞくぞくするモノを与えてくれる。
 彼に抱きつき、胸の先もつんと尖り、感覚を増しながら彼に触れようと言う意思でもあるのか、出っ張りは痛いほど高くなっている。

 それに気がついた彼女、さっきとは違う汗をかきながら、もぞもぞと彼の上で動き始める。
「うん、どうした?」
「いえ、お気になさらず。ひゃうっ」
 そうは言ったが、気にし始めると、一気に感覚が押し寄せ、敏感な所はもっともっとと、刺激を求める。

 彼女の意識とは別に、声が漏れてしまう。
「あはっ、これはぁあぅぅ、はしたなくてぇ、申し訳ありませんん。体が、勝手に求めるのでございます。はあうぅ」
 彼の上で、彼女の体がくねくねと動く。

 ああそうか、敏感な所をこすりつけようと……

 彼女にくちずけを行う。
 それは嫌がられること無く、受け入れられる。
 手は胸へ、それも彼女の方から押しつけられる。

 そう、もうここまで来れば止まらない。

 いつのまにか、二人は裸体となり相手を求めていた。

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