59 / 95
第三章 大陸統一
第59話 魔人族領へ
しおりを挟む
デモゴルゴンは、絶望の中で苦しんでいた。
体の中をかき混ぜ、作り変えられるような感覚。
妹であるウェヌスは、横で苦しんでいる兄を嬉しそうに見ている。
龍一は、具合を確認しながら、力加減を変える。
「どうだ、このくらいで耐えられるか」
「キツい、もう少しゆっくりしてくれ」
「このくらいか?」
「うばあぁ……」
言いながら、勢いよく突っ込んでしまった。
「悪い」
軽い感じで謝るが、受けている方はそれどころではない。
「だめだ、体が裂けるぅ」
彼はそう言って逃げようとする。
「逃げても、浄化とか遠隔で出来るから逃げられないぞ」
試したのは、浄化をしながら回復をさせる。
これにより、魔族成分を抜く。
ところが龍一の魔力で、一気にやろうとすると体が裂けそうになるらしい。
個人の器という物が存在して、ある程度で制限をする必要があるようだ。
「ぐはぁ、死ぬかと思った…… うん? 周り、竜脈からの力の流れがスムーズになった」
「それに、ずっとあったイライラがなくなったでしょう?」
「そういえば???」
見た目は変わっていないが、魔族成分が抜けたようだ。
「あんた本当に人間か?」
「ああ、そうだよ。たぶん」
「たぶんねぇ」
そう言って怪訝そうに見られてしまう。
「じゃあまあ、プルフラスを探しに行こうか」
そういって移動を始める。
当然走る。
「ああそうだ、妹のことよろしく頼む」
「ああ、はい、お兄様」
ウェヌスの口調が移ってしまった。
「やめろ、気持ちが悪い」
近くで、はっちゃけていたプルフラスを見つける。
一瞬で捕まえ、魔人成分抜きを試してみる。
「うがああぁ、なんだ、何をする。やめろぉ…………」
だが、魔人成分を抜くと、彼は、溶けてしまった。
「えっなんで?」
「歴史なのか、俺達とは出来方が違うのか……」
とにかく、上の方から人の居る大陸を取り上げろと言われていたと聞いた。
「理由? そんな物は知らない。言うことを聞かなければ殺されるだけだ。上の奴らは強く、命令は絶対だ」
デモゴルゴンはその程度だったようだが、ウェヌスはもう少し知っていた。
「魔王様からの命令があるらしいわよ、今は寝ているらしいけれど。そして魔王様の上に魔神様がいるんだって。こっちも寝て居るみたいよ」
「そうなのか?」
「うん今まで病気を広げたりしたけど、急に失敗をし始めたってぼやいていたわよ」
龍一はそれを聞いて、ものすごく覚えがあった。
「死んだ人が、生き返ったりした奴か?」
「そうそう、他にも定期的に色々やっていたみたい」
「そうか……」
一応、二国の土地を浄化をして、国へと帰る。
そうして、夜の御前会議。
「魔王という言葉が出たんだ、これが終わる為のキーワードだと思わないか?」
「ゲームとかだと、あるわよね」
「あら先日、澪様が、意中の殿方を落とすというのも、確かゲームではありませんでしたか?」
コピーヌに暴露されて、あたふた。
「龍一、ゲームだけだから、現実ではそんなこと思ったことがないから」
「判っている。そんなにあわてると、逆に不安になるが」
「無いから」
涙目で睨まれる。
「はいはい」
そのやり取りで、周りはにやにや。
そう表面上はおとなしくとも、常に下剋上が虎視眈々と狙われている。
そう、だから、ウェヌスの技に皆が飛びついた。
おくれた者すなわち脱落だと考えた。
こちら側にしてみれば、最上の技も毎日だと胃もたれをして、初々しい者を求めたくなる。
それぞれ良いと思うのだが、そんなきれい事と一蹴されることに。
そして御前会議で、うろちょろする黒い物は元から絶たなきゃ駄目という事が決まり、船を造り大陸を渡る事になった。
ウェヌス達は、空を飛んだり、丸太でサーフィンとかをして来ているらしい。
一度習ったら、以外と使えることが判った、魔法様々だ。
こっちに来ている連中には、練習をさせる。
死に戻ったときに使えるからだ。
「これいいなあ、戻ったらサーフィンで使ってみるよ」
「向こうで魔法が使えるなら良いがな」
「あああぁ、そうか。便利なのに……」
「大丈夫だよ、帰れるのか判らないんだから」
「帰るために、魔王を倒しに行く」
あっ、つい極秘情報を喋ってしまった。
皆がこちらを注目する。
「あーまだ秘密だ、皆には言うな」
皆がここに居るが、気にしない。
見なかったことにしよう。
「そうか、魔王退治か……」
楽しそうに、丸太サーフィンをしていた連中が、気がつけば誰も居なくなっていく。
「俺はエクスカリバーを探す旅に出るよ」
「俺は信頼できる仲間だね」
「盾と、騎士、魔法使いとぼいんぼいんの白魔法士がいるな」
「防御力を極振りすれば、強いらしいぜ」
「お伴には、機動性に優れた獣人とかが居るんじゃ無いか?」
「そうだよなぁ、魔王様か、ロリかな。のじゃとか言って」
「それなら龍一が行けば、コロッとこませるんじゃないか?」
「そうだよな」
そんなことを言いながら、全く違う方向へと散けていった……
体の中をかき混ぜ、作り変えられるような感覚。
妹であるウェヌスは、横で苦しんでいる兄を嬉しそうに見ている。
龍一は、具合を確認しながら、力加減を変える。
「どうだ、このくらいで耐えられるか」
「キツい、もう少しゆっくりしてくれ」
「このくらいか?」
「うばあぁ……」
言いながら、勢いよく突っ込んでしまった。
「悪い」
軽い感じで謝るが、受けている方はそれどころではない。
「だめだ、体が裂けるぅ」
彼はそう言って逃げようとする。
「逃げても、浄化とか遠隔で出来るから逃げられないぞ」
試したのは、浄化をしながら回復をさせる。
これにより、魔族成分を抜く。
ところが龍一の魔力で、一気にやろうとすると体が裂けそうになるらしい。
個人の器という物が存在して、ある程度で制限をする必要があるようだ。
「ぐはぁ、死ぬかと思った…… うん? 周り、竜脈からの力の流れがスムーズになった」
「それに、ずっとあったイライラがなくなったでしょう?」
「そういえば???」
見た目は変わっていないが、魔族成分が抜けたようだ。
「あんた本当に人間か?」
「ああ、そうだよ。たぶん」
「たぶんねぇ」
そう言って怪訝そうに見られてしまう。
「じゃあまあ、プルフラスを探しに行こうか」
そういって移動を始める。
当然走る。
「ああそうだ、妹のことよろしく頼む」
「ああ、はい、お兄様」
ウェヌスの口調が移ってしまった。
「やめろ、気持ちが悪い」
近くで、はっちゃけていたプルフラスを見つける。
一瞬で捕まえ、魔人成分抜きを試してみる。
「うがああぁ、なんだ、何をする。やめろぉ…………」
だが、魔人成分を抜くと、彼は、溶けてしまった。
「えっなんで?」
「歴史なのか、俺達とは出来方が違うのか……」
とにかく、上の方から人の居る大陸を取り上げろと言われていたと聞いた。
「理由? そんな物は知らない。言うことを聞かなければ殺されるだけだ。上の奴らは強く、命令は絶対だ」
デモゴルゴンはその程度だったようだが、ウェヌスはもう少し知っていた。
「魔王様からの命令があるらしいわよ、今は寝ているらしいけれど。そして魔王様の上に魔神様がいるんだって。こっちも寝て居るみたいよ」
「そうなのか?」
「うん今まで病気を広げたりしたけど、急に失敗をし始めたってぼやいていたわよ」
龍一はそれを聞いて、ものすごく覚えがあった。
「死んだ人が、生き返ったりした奴か?」
「そうそう、他にも定期的に色々やっていたみたい」
「そうか……」
一応、二国の土地を浄化をして、国へと帰る。
そうして、夜の御前会議。
「魔王という言葉が出たんだ、これが終わる為のキーワードだと思わないか?」
「ゲームとかだと、あるわよね」
「あら先日、澪様が、意中の殿方を落とすというのも、確かゲームではありませんでしたか?」
コピーヌに暴露されて、あたふた。
「龍一、ゲームだけだから、現実ではそんなこと思ったことがないから」
「判っている。そんなにあわてると、逆に不安になるが」
「無いから」
涙目で睨まれる。
「はいはい」
そのやり取りで、周りはにやにや。
そう表面上はおとなしくとも、常に下剋上が虎視眈々と狙われている。
そう、だから、ウェヌスの技に皆が飛びついた。
おくれた者すなわち脱落だと考えた。
こちら側にしてみれば、最上の技も毎日だと胃もたれをして、初々しい者を求めたくなる。
それぞれ良いと思うのだが、そんなきれい事と一蹴されることに。
そして御前会議で、うろちょろする黒い物は元から絶たなきゃ駄目という事が決まり、船を造り大陸を渡る事になった。
ウェヌス達は、空を飛んだり、丸太でサーフィンとかをして来ているらしい。
一度習ったら、以外と使えることが判った、魔法様々だ。
こっちに来ている連中には、練習をさせる。
死に戻ったときに使えるからだ。
「これいいなあ、戻ったらサーフィンで使ってみるよ」
「向こうで魔法が使えるなら良いがな」
「あああぁ、そうか。便利なのに……」
「大丈夫だよ、帰れるのか判らないんだから」
「帰るために、魔王を倒しに行く」
あっ、つい極秘情報を喋ってしまった。
皆がこちらを注目する。
「あーまだ秘密だ、皆には言うな」
皆がここに居るが、気にしない。
見なかったことにしよう。
「そうか、魔王退治か……」
楽しそうに、丸太サーフィンをしていた連中が、気がつけば誰も居なくなっていく。
「俺はエクスカリバーを探す旅に出るよ」
「俺は信頼できる仲間だね」
「盾と、騎士、魔法使いとぼいんぼいんの白魔法士がいるな」
「防御力を極振りすれば、強いらしいぜ」
「お伴には、機動性に優れた獣人とかが居るんじゃ無いか?」
「そうだよなぁ、魔王様か、ロリかな。のじゃとか言って」
「それなら龍一が行けば、コロッとこませるんじゃないか?」
「そうだよな」
そんなことを言いながら、全く違う方向へと散けていった……
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
鋼なるドラーガ・ノート ~S級パーティーから超絶無能の烙印を押されて追放される賢者、今更やめてくれと言われてももう遅い~
月江堂
ファンタジー
― 後から俺の実力に気付いたところでもう遅い。絶対に辞めないからな ―
“賢者”ドラーガ・ノート。鋼の二つ名で知られる彼がSランク冒険者パーティー、メッツァトルに加入した時、誰もが彼の活躍を期待していた。
だが蓋を開けてみれば彼は無能の極致。強い魔法は使えず、運動神経は鈍くて小動物にすら勝てない。無能なだけならばまだしも味方の足を引っ張って仲間を危機に陥れる始末。
当然パーティーのリーダー“勇者”アルグスは彼に「無能」の烙印を押し、パーティーから追放する非情な決断をするのだが、しかしそこには彼を追い出すことのできない如何ともしがたい事情が存在するのだった。
ドラーガを追放できない理由とは一体何なのか!?
そしてこの賢者はなぜこんなにも無能なのに常に偉そうなのか!?
彼の秘められた実力とは一体何なのか? そもそもそんなもの実在するのか!?
力こそが全てであり、鋼の教えと闇を司る魔が支配する世界。ムカフ島と呼ばれる火山のダンジョンの攻略を通して彼らはやがて大きな陰謀に巻き込まれてゆく。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる