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第三章 大陸統一
第42話 進化
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その時、穴の中では貴族達が死んだり死んでなかったり、穴は二メートルほどだが、馬の高さと合わせて結構な高さ。
落ちた後、その上に馬が倒れてきたりして、かなり悲惨なことになっていた。
どこかで大きな声が響いていたが、やがて周りが静かになる。
埃が立ったため、一瞬水魔法で水を掛けられたが、油と勘違いをしておとなしくしていた。
「皆無事か?」
幾人かが目を覚まして起き始める。
周囲を警戒して、何とか穴から這い上がる。
だが、周囲から数千という兵がいなくなっていた。
周囲の森が静まっているから、まだ彼らは移動したばかり……
だが、追いかけてどうする。
生き残った者達だけが、ゾンビのように這い上がりサンドウ皇国へ向けて帰り始める。
数刻前の勇姿は、そこにはなかった。
だがそれを追いかけるように、暗躍する者達がいた。
そう、兵となってきた者達、その村から家族を救い出す。
そう、救い出すのだ。
救済という、拉致作戦が行われた。
参加した貴族達が、馬もおらず、だらだらと足を引きずり帰ると、領地から村人が消滅していた。
音頭を取っていた、ワーガマー=マーイヴエル侯爵は死亡のままその責任を問われ領地は没収となった。
だがその地へ意気揚々とやって来たものが見たのは、広大な土地と枯れた荘園だった。
「民がおらぬ…… のおおおぉ」
彼は絶叫後、絶望したとか。
「さあてと、区画整備と用水の計画。この図面に従い行ってくれ」
川から、水を取り入れ、網目状に張り巡らせる。
石を切り出し、用水路の側面と底を強化する。
「なあコンクリートって何を混ぜているんだ?」
「コンクリの粉と水と砂、バラス? コンクリの粉は資材やで親父は買っていたぞ」
そう商品として売っているため、その組成は知らない。
肥料などは、袋に窒素とかカリとか書いてあるのでなんとなく分かる。
それに、田を休めるときにマメ科の植物を植えると窒素肥料になるとじっちゃが言っていた。
良くあるレンゲなどだ。
あれは稲刈り後に、一生懸命種をまいた記憶がある様だ。
「コンクリートって、ローマ時代から有ったんだろ、適当に混ぜれば良いんじゃね」
「試すか…… 火山灰がどうとか聞いたな」
そうそれは、歴史探訪あたりで見た記憶。
まさに、ローマンコンクリートの組成。
石灰石と粘土で現在のコンクリートは作られ、ローマンは火山灰と石灰石を混ぜる。
固まるのに時間は掛かるが、化学変化と共に強度は上がっていく。
そして、そのヒントで適当に作るとできてしまった。
型枠を作り流し込む。
固まるのが遅いので、放っておいたら雨が降ったのに固まっていた。
そう、ローマン式は水中で固まる。
道路なども、これにより整備されていく。
人もなぜか増えたことだし、国内はにわかに活気づいていく。
だがその一方で……
「懲罰隊を組織する」
皇王さんは激おこだった。
数千単位で人が居なくなると、国としてやばいことになる。
今度は、一万ほどの軍を組織する。
前回の情報で、落とし穴という途方もない罠を仕掛けることが判っている。
「彼の国へ入った後、十分に注意をして進軍をするように。目指すは王都アスポデロス」
そして、第二次懲罰隊が編制された。
騎馬隊が千、弓兵、槍部隊、その他を五千。
半数は、農民。五千。
そう忙しいときに、また徴兵された。
元々、この国は辺境伯領だったため国自体は小さい。
五千が消えた後に、さらに一万という数は、国が傾きかねないレベルである。
だがメンツとこだわり、それは統治者の目を曇らせる。
周囲が止めたが、突っ走った。
たとえ国が滅びることになっても……
「何をやっておるのだ? サンドウ皇国は? 彼の者達と事を構えるなどと、使者を送れ、止めるのだ」
インセプトラ―王国の方が焦り始める。
だが時は遅く、出陣をした後であった。
「何だこれは……」
穴はなくなり、見事に整備された道が、ダイモーン王国へ入った瞬間から整備されていた。
だがその地下では、おとし穴が拡張されて、地下基地となっていた。
送風ファンが整備されて、灯りの魔導具が完備。
出入り口は、少し離れた森の中。
遠隔で、周囲に隠された魔導砲の操作が行え、敵を一掃できる。
地雷源ではないが、リモート式の対人攻撃兵器が地中に埋められている。
ダイモーン王国側に、どこからともなく使者が現れる。
その者は、人形。
それが地中から生えて、喋り始める。
「その出で立ち、軍による侵攻なら容赦をしない。引き返せ、これは警告だ」
かくかくしながら、それは喋る。
当然だが無表情。
「NPCを立てれば良いんじゃ無いか?」
そんな一言で始まった悪ふざけ。
ノンプレイヤーキャラクターとは、ゲームでプレイヤーが操作をしないキャラクター、大体同じ情報を繰り返す。
だがその目には、カメラが埋め込まれていた。
魔導具師と錬金術師が九割倒れて完成させた。
「引かんなぁ」
そう思ったら、案内くん一号に無情にも矢が突き刺さる。
「敵攻撃、回収しろ」
そうして、穴の中に降りていくが、突き刺さった矢がじゃまで引っかかる。
「畜生、案内クーン」
基地内に絶叫の声が響く。
「まあいい、奴らは、自身の死刑執行書にサインをした。やるぞ」
犠牲の上に反撃は、是非も無し。
案内くん一号の犠牲を受けて、容赦の無い反撃が始まる。
その被害は甚大であったとか……
落ちた後、その上に馬が倒れてきたりして、かなり悲惨なことになっていた。
どこかで大きな声が響いていたが、やがて周りが静かになる。
埃が立ったため、一瞬水魔法で水を掛けられたが、油と勘違いをしておとなしくしていた。
「皆無事か?」
幾人かが目を覚まして起き始める。
周囲を警戒して、何とか穴から這い上がる。
だが、周囲から数千という兵がいなくなっていた。
周囲の森が静まっているから、まだ彼らは移動したばかり……
だが、追いかけてどうする。
生き残った者達だけが、ゾンビのように這い上がりサンドウ皇国へ向けて帰り始める。
数刻前の勇姿は、そこにはなかった。
だがそれを追いかけるように、暗躍する者達がいた。
そう、兵となってきた者達、その村から家族を救い出す。
そう、救い出すのだ。
救済という、拉致作戦が行われた。
参加した貴族達が、馬もおらず、だらだらと足を引きずり帰ると、領地から村人が消滅していた。
音頭を取っていた、ワーガマー=マーイヴエル侯爵は死亡のままその責任を問われ領地は没収となった。
だがその地へ意気揚々とやって来たものが見たのは、広大な土地と枯れた荘園だった。
「民がおらぬ…… のおおおぉ」
彼は絶叫後、絶望したとか。
「さあてと、区画整備と用水の計画。この図面に従い行ってくれ」
川から、水を取り入れ、網目状に張り巡らせる。
石を切り出し、用水路の側面と底を強化する。
「なあコンクリートって何を混ぜているんだ?」
「コンクリの粉と水と砂、バラス? コンクリの粉は資材やで親父は買っていたぞ」
そう商品として売っているため、その組成は知らない。
肥料などは、袋に窒素とかカリとか書いてあるのでなんとなく分かる。
それに、田を休めるときにマメ科の植物を植えると窒素肥料になるとじっちゃが言っていた。
良くあるレンゲなどだ。
あれは稲刈り後に、一生懸命種をまいた記憶がある様だ。
「コンクリートって、ローマ時代から有ったんだろ、適当に混ぜれば良いんじゃね」
「試すか…… 火山灰がどうとか聞いたな」
そうそれは、歴史探訪あたりで見た記憶。
まさに、ローマンコンクリートの組成。
石灰石と粘土で現在のコンクリートは作られ、ローマンは火山灰と石灰石を混ぜる。
固まるのに時間は掛かるが、化学変化と共に強度は上がっていく。
そして、そのヒントで適当に作るとできてしまった。
型枠を作り流し込む。
固まるのが遅いので、放っておいたら雨が降ったのに固まっていた。
そう、ローマン式は水中で固まる。
道路なども、これにより整備されていく。
人もなぜか増えたことだし、国内はにわかに活気づいていく。
だがその一方で……
「懲罰隊を組織する」
皇王さんは激おこだった。
数千単位で人が居なくなると、国としてやばいことになる。
今度は、一万ほどの軍を組織する。
前回の情報で、落とし穴という途方もない罠を仕掛けることが判っている。
「彼の国へ入った後、十分に注意をして進軍をするように。目指すは王都アスポデロス」
そして、第二次懲罰隊が編制された。
騎馬隊が千、弓兵、槍部隊、その他を五千。
半数は、農民。五千。
そう忙しいときに、また徴兵された。
元々、この国は辺境伯領だったため国自体は小さい。
五千が消えた後に、さらに一万という数は、国が傾きかねないレベルである。
だがメンツとこだわり、それは統治者の目を曇らせる。
周囲が止めたが、突っ走った。
たとえ国が滅びることになっても……
「何をやっておるのだ? サンドウ皇国は? 彼の者達と事を構えるなどと、使者を送れ、止めるのだ」
インセプトラ―王国の方が焦り始める。
だが時は遅く、出陣をした後であった。
「何だこれは……」
穴はなくなり、見事に整備された道が、ダイモーン王国へ入った瞬間から整備されていた。
だがその地下では、おとし穴が拡張されて、地下基地となっていた。
送風ファンが整備されて、灯りの魔導具が完備。
出入り口は、少し離れた森の中。
遠隔で、周囲に隠された魔導砲の操作が行え、敵を一掃できる。
地雷源ではないが、リモート式の対人攻撃兵器が地中に埋められている。
ダイモーン王国側に、どこからともなく使者が現れる。
その者は、人形。
それが地中から生えて、喋り始める。
「その出で立ち、軍による侵攻なら容赦をしない。引き返せ、これは警告だ」
かくかくしながら、それは喋る。
当然だが無表情。
「NPCを立てれば良いんじゃ無いか?」
そんな一言で始まった悪ふざけ。
ノンプレイヤーキャラクターとは、ゲームでプレイヤーが操作をしないキャラクター、大体同じ情報を繰り返す。
だがその目には、カメラが埋め込まれていた。
魔導具師と錬金術師が九割倒れて完成させた。
「引かんなぁ」
そう思ったら、案内くん一号に無情にも矢が突き刺さる。
「敵攻撃、回収しろ」
そうして、穴の中に降りていくが、突き刺さった矢がじゃまで引っかかる。
「畜生、案内クーン」
基地内に絶叫の声が響く。
「まあいい、奴らは、自身の死刑執行書にサインをした。やるぞ」
犠牲の上に反撃は、是非も無し。
案内くん一号の犠牲を受けて、容赦の無い反撃が始まる。
その被害は甚大であったとか……
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