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第三章 大陸統一
第37話 事件は現場で……
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そんなお話し合いの中、存在しているはずの、龍一と楓真。
新しい技を覚えたのか、二人の存在は希薄化していた。
「むう、国や民を持ち出すのは卑怯よ、大体あなたたちの国のことでしょう?」
そう文句を言うと、マリアーヌはにっこり。
「そうお考えでしたら、先ほども言ったとおり、私たちは命とこの身を民衆の前にさらし許しを請うだけでございます。なあに、辱められて殺されるまで、長くても数日のことでしょう」
そう言って涙を拭う。
どう考えても、どうしても悪者にされてしまう。
目を付けられたら最後、魑魅魍魎の蠢く貴族社会を生き抜いてきた者達、その狐感は半端じゃない。
そしてそれは、統治開始後にもっと厳しくなる。
一介の高校生には辛い判断。
そう忘れてはならない、彼らは、東大合格率ナンバーワンを誇る高校とは対極。
現地に到着できて、席へ座ることができれば、名前を書ければ合格出来る。
原付免許すら、彼らには難関なのだ。
そう二輪車は十六歳で免許が取れる。
一般の高校にある様に、校則でそんな物は禁止されていない。
なのに彼ら、取得率は低い。
『青信号なら進んでいい』
『赤信号は必ず止まらなければならない』
『危険なため、急ブレーキは絶対にしてはいけない』
まあこんな問題で、彼らは全滅をするのが決まりのようになっている。
答えは、全部バツだ。
だが彼らは、見事に丸をしてしまう。
ある意味素直な性格であるといえる。
結局、感情的には納得できなくとも、納得してしまった。
澪は、対外的には序列二番目の王妃だが、陰の王妃で実は一番偉いと言いくるめられる。
そんなもの、書面にも残らないし、通じない。
だがまあ、これからの立場は王妃であり、正式に龍一の嫁。
少女時代に憧れたお姫様を手に入れた。
まあ良いかと、納得をしてしまう。
「陰の王妃…… 良いよね。なんか」
少し周りは引いたが、まあ本人が良いなら良いかと、話が決まった。
でまあ久しぶりに会ったし、話は、うやむやだが決まったし、やることは一つ。
「龍一ぃ」
「ああ、そうだな」
部屋の中は、まだ魔道具がなく、油を使うランタンの明かり。
薄暗いところで睦み合い。
久しぶりなので、何度も求め合う。
途中で、ドアが開いたのだが、夢中になっていて気がつかなかった。
場合が場合なら、それで死んでいた。
その刺客は、刺しにではなく、刺さりに来た。
それは、周到に準備がされたこと。
普段城の王族などは、服の脱ぎ着も使用人が行ったりする。
だが、彼女は特殊な事情のために訓練をした。
手前ですべて脱ぎ、そっとベッドに入り込む。
『元気があれば、導き、なければ濃厚な口淫を行いなさい。』
母様と練習を行った。
そう、広いベッド。
長旅で疲れてねむる澪を横によせ、龍一の様子を彼女は探る。
「これですわね。この状態、お元気がない様子、では、いざ」
ハグハグモグモグしていると元気になる。
考えた末、上に乗り腰を落とす。
先ほどから、自らほぐしてみたのだが、少し足りなかったのか痛みがある。
だが、これも王族の務め。
ごそごそしていたから、龍一も目が覚める。
離れていたから甘えんぼだな、そう思い相手をする。
だが流石に違和感を感じる。澪よりも一廻り小柄な抱き心地。
「ちょっと待て、お前誰だ」
声を出してしまう。
当然それで、澪も目を覚ます。
龍一の上にまたがっている、小柄な陰。
ランタンの明かりは、すでに消えていて、板が閉じられた窓の隙間から月明かりが差しこむ。
「何よあんたは、ナニをしているの?」
ナニをしているかはもう判っている。
でも、大声を出すと、兵が来てしまう。
これは寝る前に、散々繰り返して記憶した。
「兵が来たら、見られるぞ」
「それはやだ」
まあそれがあって、小声での言い合いが続く。
「お情けを、子種をいただきに参りました」
そう言いながら、腰はしっかり動いている。
「残念ね。わたしたち、この世界じゃ子供が出来ないわよ、神の決まり事でね」
「そんな、本当なのですか?」
「ああ、そんな事を言っていたな」
顔は、がーんとしながらも、腰は動く。
「あんたね、するなら私の許可を取って、私の見えないところで…… それは、いやね」
考える。漫画などで見た、3P。
まあ良いか。
開き直った澪、自分が見えないところでされると、浮気みたいでいや。
そんな妙な理屈とこだわり。
女同士、ちょっと抵抗があるけれど、弱いところは知っているし、おもしろいかも。
そこから、デレシアは二人のおもちゃにされる事になる。
「ふむ、なんとかうまくいったようね。でもあの若さとタフさ。わたくしも混ざっては駄目かしら?」
城にある逃げ道とのぞき窓。
王妃様は、壁の中からすべてを覗いていたようだ。
そして人数が少なくなった国民、秘密裏に生活が苦しくなっているサンドウ皇国から、人を攫ってくる。
いやまあ、うまいこと言って、人を集めて連れてきていたのがバレた。
「てめえらどこのもんだぁ?」
「言うかよ」
そんな追いかけっこが幾度も行われる。
そして、尻尾が掴まれる。
新しい技を覚えたのか、二人の存在は希薄化していた。
「むう、国や民を持ち出すのは卑怯よ、大体あなたたちの国のことでしょう?」
そう文句を言うと、マリアーヌはにっこり。
「そうお考えでしたら、先ほども言ったとおり、私たちは命とこの身を民衆の前にさらし許しを請うだけでございます。なあに、辱められて殺されるまで、長くても数日のことでしょう」
そう言って涙を拭う。
どう考えても、どうしても悪者にされてしまう。
目を付けられたら最後、魑魅魍魎の蠢く貴族社会を生き抜いてきた者達、その狐感は半端じゃない。
そしてそれは、統治開始後にもっと厳しくなる。
一介の高校生には辛い判断。
そう忘れてはならない、彼らは、東大合格率ナンバーワンを誇る高校とは対極。
現地に到着できて、席へ座ることができれば、名前を書ければ合格出来る。
原付免許すら、彼らには難関なのだ。
そう二輪車は十六歳で免許が取れる。
一般の高校にある様に、校則でそんな物は禁止されていない。
なのに彼ら、取得率は低い。
『青信号なら進んでいい』
『赤信号は必ず止まらなければならない』
『危険なため、急ブレーキは絶対にしてはいけない』
まあこんな問題で、彼らは全滅をするのが決まりのようになっている。
答えは、全部バツだ。
だが彼らは、見事に丸をしてしまう。
ある意味素直な性格であるといえる。
結局、感情的には納得できなくとも、納得してしまった。
澪は、対外的には序列二番目の王妃だが、陰の王妃で実は一番偉いと言いくるめられる。
そんなもの、書面にも残らないし、通じない。
だがまあ、これからの立場は王妃であり、正式に龍一の嫁。
少女時代に憧れたお姫様を手に入れた。
まあ良いかと、納得をしてしまう。
「陰の王妃…… 良いよね。なんか」
少し周りは引いたが、まあ本人が良いなら良いかと、話が決まった。
でまあ久しぶりに会ったし、話は、うやむやだが決まったし、やることは一つ。
「龍一ぃ」
「ああ、そうだな」
部屋の中は、まだ魔道具がなく、油を使うランタンの明かり。
薄暗いところで睦み合い。
久しぶりなので、何度も求め合う。
途中で、ドアが開いたのだが、夢中になっていて気がつかなかった。
場合が場合なら、それで死んでいた。
その刺客は、刺しにではなく、刺さりに来た。
それは、周到に準備がされたこと。
普段城の王族などは、服の脱ぎ着も使用人が行ったりする。
だが、彼女は特殊な事情のために訓練をした。
手前ですべて脱ぎ、そっとベッドに入り込む。
『元気があれば、導き、なければ濃厚な口淫を行いなさい。』
母様と練習を行った。
そう、広いベッド。
長旅で疲れてねむる澪を横によせ、龍一の様子を彼女は探る。
「これですわね。この状態、お元気がない様子、では、いざ」
ハグハグモグモグしていると元気になる。
考えた末、上に乗り腰を落とす。
先ほどから、自らほぐしてみたのだが、少し足りなかったのか痛みがある。
だが、これも王族の務め。
ごそごそしていたから、龍一も目が覚める。
離れていたから甘えんぼだな、そう思い相手をする。
だが流石に違和感を感じる。澪よりも一廻り小柄な抱き心地。
「ちょっと待て、お前誰だ」
声を出してしまう。
当然それで、澪も目を覚ます。
龍一の上にまたがっている、小柄な陰。
ランタンの明かりは、すでに消えていて、板が閉じられた窓の隙間から月明かりが差しこむ。
「何よあんたは、ナニをしているの?」
ナニをしているかはもう判っている。
でも、大声を出すと、兵が来てしまう。
これは寝る前に、散々繰り返して記憶した。
「兵が来たら、見られるぞ」
「それはやだ」
まあそれがあって、小声での言い合いが続く。
「お情けを、子種をいただきに参りました」
そう言いながら、腰はしっかり動いている。
「残念ね。わたしたち、この世界じゃ子供が出来ないわよ、神の決まり事でね」
「そんな、本当なのですか?」
「ああ、そんな事を言っていたな」
顔は、がーんとしながらも、腰は動く。
「あんたね、するなら私の許可を取って、私の見えないところで…… それは、いやね」
考える。漫画などで見た、3P。
まあ良いか。
開き直った澪、自分が見えないところでされると、浮気みたいでいや。
そんな妙な理屈とこだわり。
女同士、ちょっと抵抗があるけれど、弱いところは知っているし、おもしろいかも。
そこから、デレシアは二人のおもちゃにされる事になる。
「ふむ、なんとかうまくいったようね。でもあの若さとタフさ。わたくしも混ざっては駄目かしら?」
城にある逃げ道とのぞき窓。
王妃様は、壁の中からすべてを覗いていたようだ。
そして人数が少なくなった国民、秘密裏に生活が苦しくなっているサンドウ皇国から、人を攫ってくる。
いやまあ、うまいこと言って、人を集めて連れてきていたのがバレた。
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