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第二章 冒険者時代
第32話 あれよあれよと……
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「ぐわぁ……」
人が助けに入ったのに、背後で王太子の叫び声。
近衛兵のお代わりだ。
「畜生、殺されるなよ」
とりあえず、姫様ご一行を助けに行く。
剣で捌くが人が居り乱れて面倒だ、素手と魔法に切り替えて、殴ると同時に火を放つ。
するとだな、当然ながら、喰らった奴は目をつむったままで走り回るんだよ。
そしてこの城もだが、造りは石組みだが、可燃物がある。
気がつけばファイヤァー……
「俺のせいなのか……」
少し落ち込む。
それを見て、さらに人々は逃げ惑う。
そうこれのおかげで、近衛たちもパニック。
火を見たせいか、正気に戻る奴が出始める。
「これは一体?」
「王も王太子も、お前たちの仲間がやったんだ。火を点けて回ったのも近衛兵だ」
嘘は言っていない。
俺は殴って火を点けたが、暴れて延焼をさせたのは近衛兵だ。
「なんと、では、我々は操られていたのか」
「宰相様の訓告を聞いてから、記憶がありません」
「そうだな」
何か納得をしてくれた様だ。
とりあえず水の魔法で火を消す。
「君は魔法使いか?」
「彼は、インセプトラ―王国からの助っ人です」
「では、話にあったのは君らか」
ヘイド=ハンター準男爵達は、此処まで帰ってくる途中の行った会話の中で、彼らの異様さを見知った。
冒険者だと言うが、暗算はもちろん高度な算学を操り、偏ってはいるがダイモーン王国では知られていない常識まで当然の様に知っていた。
伝説にある、異世界からの迷い人の伝承。
彼らは、それではないかと考える。
こんな事があった。
「その石を、こっちによせてくれ、竈門を造る」
「ああ、これ結構重いぜ」
「ばかだなあ、重力を遮断しろよ」
「ああそうか、そうだな。うらあ」
まあ単に気合いでなんとかしたのだが、準男爵達には聞き慣れない単語が出てきた。
「すまない、重力とはなんだ?」
「重力は、引き合う力だ」
「引き合う?」
「ああこうやって、石を落とすと地球…… じゃないな、星に引かれる。これが重力だ」
「なんと、重さというのは引かれる力だと?」
「小石が軽いのは、小さいからだ」
「だが、大きくとも軽いものがある」
「そいつは…… 質量だったかなそれが軽いんだよ」
それ以降は、準男爵達も理解ができず残念だった。
だがこの者達、見かけよりも賢人である。
他にも、星は丸く、空の星々は他の太陽であるとか、同じ太陽の仲間である星々が有り、月はこの星の周りを回っているとか。
それにも、引き合う力である重力が関係をしているとのこと。
それの影響で、海の潮位が変化することまで。
恐るべきは、何ヶ月も歩かないといけない、海についてもこの者達は詳しい。
そして余所の大陸。
あめりきゃ? とか……
「ともかく、彼らは我々の知らないことまで見知っている賢人です」
その報告は、当然王にまで届いていた。
この騒動が終われば、少し政務的なことについて助力を願おうとか考えていた。
そうそのメモ書き程度のものが、騒動を起こす。
俺達は、ともかく近衛たちをぶん殴り目を覚まさせる。
王族を守り、城を走り回る。
その頃、外では夜が明けてきて周囲を警戒していた兵達から報告が入る。
「町の外、周囲が死人に埋め尽くされています」
「なに? こんな時に」
近衛たちは、命令を各方面へと伝達をしに行く。
王と王太子が死に、命令を出せるのが王妃様。
「どうすればよろしいでしょう?」
王妃様はオロオロするだけで話にならない。仕方が無いので、俺達が代わって命令を出す。
そうは言っても、まともな攻撃の出来ない兵が、外に出てもゾンビの数が増えるだけだ。
「門をすべて閉じて籠城。這い上がってこないか監視しろ」
「はっ」
疲れてやって来て、やっと休めると思った矢先に騒動。
いい加減、皆の疲れがピークになって来た。
少しだけ休もう。
そう思って、安全な部屋を聞く。
「でしたら、私たちの部屋へ」
そう言って、俺達は少しだけ寝た。
「不思議な黒髪ですわ。どこから来られたのでしょう」
そこにいたのは、俺達に興味を持ったお姫様。
だが俺は、寝ぼけて澪と勘違い。
「もう少し寝かせてくれ」
そう言いながら、ちゅっと……
「まあっ、今のはくちずけ…… お母様……」
貴族王族を含めて、この世界処女性が重要視される。
そう、第一王女デレシアは、この後迫ってくることに。
「神野様。婚姻を望みますか? それとも、絞首刑? どちらがよろしいでしょうか?」
彼女はにっこりと微笑み聞いてきた。
物騒なプロポーズだろ……
そして今、王も王太子も死んだ。
そうだよ。
まあそんな話になる少し前、俺達は起き出して、町の城壁へと向かう。
そして周囲に向けて浄化を放射。
「おい町の人達、外に居るゾンビが成仏できるように願え…… ああそうか、死人だ死人」
そう、少しは知り合いもいるだろう。
パニックを起こしていた、町の人を鎮めるための方便だったのだが、宝珠が発動。
神野のもつ義の玉。
彼の体が光り出し、それは伝説となった。
町の壁、その上に立つ神野。
そこから発せられる光は、王国全体を光で包む。
その光は、暖かく人々の心を落ち着かせて癒していく。
「神だ」
そう言って彼らは、さらに拝む。
「ぐっ、なんだこの光」
この世界へ入り込んでいた魔族たちの変化がとかれ、彼らは浄化されていく。
周りでそれを見たいた兵や使用人達。
この国にいた、三分の一くらいの貴族が消滅をした。
「お母様、あれをご覧ください」
「あの方は、私たちを守ってくれていたお方。なんと神々しい。なんとしても彼を落としなさい」
「はい」
人が助けに入ったのに、背後で王太子の叫び声。
近衛兵のお代わりだ。
「畜生、殺されるなよ」
とりあえず、姫様ご一行を助けに行く。
剣で捌くが人が居り乱れて面倒だ、素手と魔法に切り替えて、殴ると同時に火を放つ。
するとだな、当然ながら、喰らった奴は目をつむったままで走り回るんだよ。
そしてこの城もだが、造りは石組みだが、可燃物がある。
気がつけばファイヤァー……
「俺のせいなのか……」
少し落ち込む。
それを見て、さらに人々は逃げ惑う。
そうこれのおかげで、近衛たちもパニック。
火を見たせいか、正気に戻る奴が出始める。
「これは一体?」
「王も王太子も、お前たちの仲間がやったんだ。火を点けて回ったのも近衛兵だ」
嘘は言っていない。
俺は殴って火を点けたが、暴れて延焼をさせたのは近衛兵だ。
「なんと、では、我々は操られていたのか」
「宰相様の訓告を聞いてから、記憶がありません」
「そうだな」
何か納得をしてくれた様だ。
とりあえず水の魔法で火を消す。
「君は魔法使いか?」
「彼は、インセプトラ―王国からの助っ人です」
「では、話にあったのは君らか」
ヘイド=ハンター準男爵達は、此処まで帰ってくる途中の行った会話の中で、彼らの異様さを見知った。
冒険者だと言うが、暗算はもちろん高度な算学を操り、偏ってはいるがダイモーン王国では知られていない常識まで当然の様に知っていた。
伝説にある、異世界からの迷い人の伝承。
彼らは、それではないかと考える。
こんな事があった。
「その石を、こっちによせてくれ、竈門を造る」
「ああ、これ結構重いぜ」
「ばかだなあ、重力を遮断しろよ」
「ああそうか、そうだな。うらあ」
まあ単に気合いでなんとかしたのだが、準男爵達には聞き慣れない単語が出てきた。
「すまない、重力とはなんだ?」
「重力は、引き合う力だ」
「引き合う?」
「ああこうやって、石を落とすと地球…… じゃないな、星に引かれる。これが重力だ」
「なんと、重さというのは引かれる力だと?」
「小石が軽いのは、小さいからだ」
「だが、大きくとも軽いものがある」
「そいつは…… 質量だったかなそれが軽いんだよ」
それ以降は、準男爵達も理解ができず残念だった。
だがこの者達、見かけよりも賢人である。
他にも、星は丸く、空の星々は他の太陽であるとか、同じ太陽の仲間である星々が有り、月はこの星の周りを回っているとか。
それにも、引き合う力である重力が関係をしているとのこと。
それの影響で、海の潮位が変化することまで。
恐るべきは、何ヶ月も歩かないといけない、海についてもこの者達は詳しい。
そして余所の大陸。
あめりきゃ? とか……
「ともかく、彼らは我々の知らないことまで見知っている賢人です」
その報告は、当然王にまで届いていた。
この騒動が終われば、少し政務的なことについて助力を願おうとか考えていた。
そうそのメモ書き程度のものが、騒動を起こす。
俺達は、ともかく近衛たちをぶん殴り目を覚まさせる。
王族を守り、城を走り回る。
その頃、外では夜が明けてきて周囲を警戒していた兵達から報告が入る。
「町の外、周囲が死人に埋め尽くされています」
「なに? こんな時に」
近衛たちは、命令を各方面へと伝達をしに行く。
王と王太子が死に、命令を出せるのが王妃様。
「どうすればよろしいでしょう?」
王妃様はオロオロするだけで話にならない。仕方が無いので、俺達が代わって命令を出す。
そうは言っても、まともな攻撃の出来ない兵が、外に出てもゾンビの数が増えるだけだ。
「門をすべて閉じて籠城。這い上がってこないか監視しろ」
「はっ」
疲れてやって来て、やっと休めると思った矢先に騒動。
いい加減、皆の疲れがピークになって来た。
少しだけ休もう。
そう思って、安全な部屋を聞く。
「でしたら、私たちの部屋へ」
そう言って、俺達は少しだけ寝た。
「不思議な黒髪ですわ。どこから来られたのでしょう」
そこにいたのは、俺達に興味を持ったお姫様。
だが俺は、寝ぼけて澪と勘違い。
「もう少し寝かせてくれ」
そう言いながら、ちゅっと……
「まあっ、今のはくちずけ…… お母様……」
貴族王族を含めて、この世界処女性が重要視される。
そう、第一王女デレシアは、この後迫ってくることに。
「神野様。婚姻を望みますか? それとも、絞首刑? どちらがよろしいでしょうか?」
彼女はにっこりと微笑み聞いてきた。
物騒なプロポーズだろ……
そして今、王も王太子も死んだ。
そうだよ。
まあそんな話になる少し前、俺達は起き出して、町の城壁へと向かう。
そして周囲に向けて浄化を放射。
「おい町の人達、外に居るゾンビが成仏できるように願え…… ああそうか、死人だ死人」
そう、少しは知り合いもいるだろう。
パニックを起こしていた、町の人を鎮めるための方便だったのだが、宝珠が発動。
神野のもつ義の玉。
彼の体が光り出し、それは伝説となった。
町の壁、その上に立つ神野。
そこから発せられる光は、王国全体を光で包む。
その光は、暖かく人々の心を落ち着かせて癒していく。
「神だ」
そう言って彼らは、さらに拝む。
「ぐっ、なんだこの光」
この世界へ入り込んでいた魔族たちの変化がとかれ、彼らは浄化されていく。
周りでそれを見たいた兵や使用人達。
この国にいた、三分の一くらいの貴族が消滅をした。
「お母様、あれをご覧ください」
「あの方は、私たちを守ってくれていたお方。なんと神々しい。なんとしても彼を落としなさい」
「はい」
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