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第二章 冒険者時代
第23話 天才と試行錯誤
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「なに? 商業ギルドに蒸気機関が登録されている? それも最近だと」
「そんな天才が、この世界にも居たのか、ぜひ会おう。デーモンを倒すのに協力をしてもらおう」
蒸気機関を出したのは、スイヤッセン=カッスメルという、男爵家の二男坊だった。
家督が継げず、町の外れで機械の開発を行っていた。
今使われている、足踏み式の織機などを作ったのも彼のようだと言われている…… だが。
俺達が、五人と親方二人。
そして商業ギルドの人間一人。
家の前、土の上で、土下座をしているのが本人。
蒸気機関を出したとき、実は親方達が言っていた、水の体積が増えると話を聞いて、水鉄砲的な物で羽を回すそんな基本原理を書いた。
つまり蒸気機関ではない。
だが出すときに、商業ギルドの係員と話しているうちに、蒸気になった。
それをギルドの人間は、実際作り、動作をすることが確認をされて認証された。
この世界特有のいい加減な産物。
本気でこんなものなど作られないだろうと思っていたら、俺達が現れて、目を回し、細かな設定を聞こうと思ったら、土下座された。
そこで親方が、商業ギルドの担当者を呼んできて、話をする羽目に……
今ここである。
「まあ良いや、足りないところは俺達が補足をする。共著で権利を半分くれ」
「いやすでに出されており、王国中に通知されています」
「だが本人が言った様に、本来とは違う物が登録されているのはまずくないか? 補足をして、原理などを足すから。それでどうだ」
そう言うと、それもそうかと、担当者は考える。
中途半端な物を、勘違いで受け取り、勝手に違う物を作ったら動作をした。
バレれば非常にまずい。
それにこれから、俺達はその原理を使った何かを商品として作る予定。
それが良いものなら、当然のように広がり、登録された資料は目にとまることになる。
「よろしい、許可をいたしましょう。そのかわり再現性と原理を記述してください」
「判ったよ。あんたもそれで良いな?」
そう聞くと、かれは、残像が残るほどのスピードで、ヘッドバンキングをする。
死ぬぞ……
ヘビメタっぽいが、本人は、貴族の端くれ、カイゼル髭のおっさん。
カイゼル髭は、両側の口角で細くなり、ピンと上に向ける髭のデザイン。
真ん中で髪をぴっちりと分けて、何だろう。駄目な貴族の典型のような貴族らしい貴族。
貴族位も、成人の時になくなったらしいので、本人は平民になったから、貴族へのこだわりがあるのかもしれない。
「さておっさん、書き直すぞ」
「はい」
「なら良い。そのまま兵器への転用と、乗り物のエンジンとして使う」
そう高校生の知識で、安易に蒸気機関を使おうぜと考えたが、なぜ現代に残っていなかったのか、そこを考えていなかった。
特に蒸気式の銃は今残っていない。
火薬の方が、安定で使いやすい。
蒸気も、水を足せば圧が上がるまで待たねばならないし、水がなくなれば空だきで釜が壊れる。
まあそんなものだが、試作品を作り、動作させる。
「なあ、楓真。これって、いまいち力が無いなぁ」
「ああ、見た目はごついんだがな」
ハンドルを付けて、弾の入った枠を回す。
蒸気の経路が、真っ直ぐになったら弾が飛んでいく。
おかしい蒸気機関車が走り、半分ゾンビになった主人公達が使っていたものは、もっと力があるように見えた。
だが出来上がったのは、ちょっと圧の強い吹き矢だ。
だが、紙を丸めたような弾なら良いが、鉛玉だと重くて飛距離が出ない。
漏斗式にして、テーパーを付ける。
「重さと、摩擦か」
「昔狩猟用の、空気銃を見たら、弾は前方後円墳型だったぞ」
おもちゃの空気銃はプラスチックの弾だが、狩猟用はアルミとかでできているらしい。飛距離は七十メートルほどあるようだ。
「おいおっさん、何か考えろよ」
「むっ、我が輩もか」
このおっさん、やはり貧乏家の次男、基礎的な知識が足りない。
偉そうなのだが、町民だし。
カイゼル髭がおもしろいのか、意外と人気がある。
この前、暇な奴らに方程式を習っていた。
重力加速度がどうたらこうたらと、定数が九・八だからとか教えて大丈夫なのか知らないが教育をされていた。
なんか有名な、良いMCが、二畳に住んでいるとか、それは教えちゃやばいとか盛り上がっていた。
そうその時、俺達は、ピンときていなかった。
語られていたのは、E=mc2乗の話だった。
うちの学校に来ている奴、危ない公式や難しい漢字が得意な奴が多い。
そうそこに気がつけば、火薬や兵器の作り方を知っているマニアがいた。
何たら時計という薄い本を、じいさんがマニアで持っていたらしい。
発禁本らしいが、かなりの高値らしい。
話を戻すと、まあ式を知っても、すぐに核へと行き着けるわけもないと思っていた。
だが、この世界には魔法がある。
ただ、その魔法は身内からではなく、敵が使ってくるのだが、この時はまだ知らず、平和な時を生きていた。
そう俺達はその魔法で、戦場にいた兵達、そして仲良くなった冒険者達もろとも一度死ぬことになる。
俺が必死で、シールドを張って、光と爆風は防いだ。
だが、直撃を受けなくとも、あの光は体を蝕んだ。
その時、福山達は……
そう、だがそれまでに、大変な思いをしながら俺達は出来ることを行う。
まあ、あれを受けて死んだと思ったら、グランドで、懐かしい先生達。そして、笑顔で差し出される、反省文用の原稿用紙。
そこから島に戻ったときは、愕然とした。
また一からだ。
その時、死に戻った者は、高校の時へ戻り体が若くなることを発見。一部の女の子は、必死で彼氏の元へと帰った。
そう、元彼との付き合いがなかった事になり、私の初めてをあげると……
今となってはそんなに重要ではないが、若くなった嫁さんは意外と好評だったようだ。
「そんな天才が、この世界にも居たのか、ぜひ会おう。デーモンを倒すのに協力をしてもらおう」
蒸気機関を出したのは、スイヤッセン=カッスメルという、男爵家の二男坊だった。
家督が継げず、町の外れで機械の開発を行っていた。
今使われている、足踏み式の織機などを作ったのも彼のようだと言われている…… だが。
俺達が、五人と親方二人。
そして商業ギルドの人間一人。
家の前、土の上で、土下座をしているのが本人。
蒸気機関を出したとき、実は親方達が言っていた、水の体積が増えると話を聞いて、水鉄砲的な物で羽を回すそんな基本原理を書いた。
つまり蒸気機関ではない。
だが出すときに、商業ギルドの係員と話しているうちに、蒸気になった。
それをギルドの人間は、実際作り、動作をすることが確認をされて認証された。
この世界特有のいい加減な産物。
本気でこんなものなど作られないだろうと思っていたら、俺達が現れて、目を回し、細かな設定を聞こうと思ったら、土下座された。
そこで親方が、商業ギルドの担当者を呼んできて、話をする羽目に……
今ここである。
「まあ良いや、足りないところは俺達が補足をする。共著で権利を半分くれ」
「いやすでに出されており、王国中に通知されています」
「だが本人が言った様に、本来とは違う物が登録されているのはまずくないか? 補足をして、原理などを足すから。それでどうだ」
そう言うと、それもそうかと、担当者は考える。
中途半端な物を、勘違いで受け取り、勝手に違う物を作ったら動作をした。
バレれば非常にまずい。
それにこれから、俺達はその原理を使った何かを商品として作る予定。
それが良いものなら、当然のように広がり、登録された資料は目にとまることになる。
「よろしい、許可をいたしましょう。そのかわり再現性と原理を記述してください」
「判ったよ。あんたもそれで良いな?」
そう聞くと、かれは、残像が残るほどのスピードで、ヘッドバンキングをする。
死ぬぞ……
ヘビメタっぽいが、本人は、貴族の端くれ、カイゼル髭のおっさん。
カイゼル髭は、両側の口角で細くなり、ピンと上に向ける髭のデザイン。
真ん中で髪をぴっちりと分けて、何だろう。駄目な貴族の典型のような貴族らしい貴族。
貴族位も、成人の時になくなったらしいので、本人は平民になったから、貴族へのこだわりがあるのかもしれない。
「さておっさん、書き直すぞ」
「はい」
「なら良い。そのまま兵器への転用と、乗り物のエンジンとして使う」
そう高校生の知識で、安易に蒸気機関を使おうぜと考えたが、なぜ現代に残っていなかったのか、そこを考えていなかった。
特に蒸気式の銃は今残っていない。
火薬の方が、安定で使いやすい。
蒸気も、水を足せば圧が上がるまで待たねばならないし、水がなくなれば空だきで釜が壊れる。
まあそんなものだが、試作品を作り、動作させる。
「なあ、楓真。これって、いまいち力が無いなぁ」
「ああ、見た目はごついんだがな」
ハンドルを付けて、弾の入った枠を回す。
蒸気の経路が、真っ直ぐになったら弾が飛んでいく。
おかしい蒸気機関車が走り、半分ゾンビになった主人公達が使っていたものは、もっと力があるように見えた。
だが出来上がったのは、ちょっと圧の強い吹き矢だ。
だが、紙を丸めたような弾なら良いが、鉛玉だと重くて飛距離が出ない。
漏斗式にして、テーパーを付ける。
「重さと、摩擦か」
「昔狩猟用の、空気銃を見たら、弾は前方後円墳型だったぞ」
おもちゃの空気銃はプラスチックの弾だが、狩猟用はアルミとかでできているらしい。飛距離は七十メートルほどあるようだ。
「おいおっさん、何か考えろよ」
「むっ、我が輩もか」
このおっさん、やはり貧乏家の次男、基礎的な知識が足りない。
偉そうなのだが、町民だし。
カイゼル髭がおもしろいのか、意外と人気がある。
この前、暇な奴らに方程式を習っていた。
重力加速度がどうたらこうたらと、定数が九・八だからとか教えて大丈夫なのか知らないが教育をされていた。
なんか有名な、良いMCが、二畳に住んでいるとか、それは教えちゃやばいとか盛り上がっていた。
そうその時、俺達は、ピンときていなかった。
語られていたのは、E=mc2乗の話だった。
うちの学校に来ている奴、危ない公式や難しい漢字が得意な奴が多い。
そうそこに気がつけば、火薬や兵器の作り方を知っているマニアがいた。
何たら時計という薄い本を、じいさんがマニアで持っていたらしい。
発禁本らしいが、かなりの高値らしい。
話を戻すと、まあ式を知っても、すぐに核へと行き着けるわけもないと思っていた。
だが、この世界には魔法がある。
ただ、その魔法は身内からではなく、敵が使ってくるのだが、この時はまだ知らず、平和な時を生きていた。
そう俺達はその魔法で、戦場にいた兵達、そして仲良くなった冒険者達もろとも一度死ぬことになる。
俺が必死で、シールドを張って、光と爆風は防いだ。
だが、直撃を受けなくとも、あの光は体を蝕んだ。
その時、福山達は……
そう、だがそれまでに、大変な思いをしながら俺達は出来ることを行う。
まあ、あれを受けて死んだと思ったら、グランドで、懐かしい先生達。そして、笑顔で差し出される、反省文用の原稿用紙。
そこから島に戻ったときは、愕然とした。
また一からだ。
その時、死に戻った者は、高校の時へ戻り体が若くなることを発見。一部の女の子は、必死で彼氏の元へと帰った。
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