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第二章 冒険者時代
第22話 秋です
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「おらぁ、収穫じゃ」
山には今、色々な果物ができる最盛期。
ここは三組の一部、Aランク達と捕まったCランク達まあDランクも居るようだが、あくまでも元だ。
山の中のサバイバル、金と人を使ってクラスのトップにいた志賀 雄介はすでに旧ボスとなっていた。
そう、セカンドにいた吉田 昌広が新ボスとなり、菊地 陽介が副官となり、全体を掌握。
サバイバルの中で、頭角を現す。
元々、金に釣られて、言うことを聞いていただけ、こんな世界では何もできない雄介は単なる無能。
「なあ、雄介の奴、いい加減鬱陶しくないか?」
最初はそんな言葉から始まる会話。
「だが修学旅行が終われば、戻るんだろ?」
「そりゃそうだが…… あいつ鬱陶しいだけだろ。バカだし」
「そりゃな」
昌広と陽介は、厳しい生活の中で考える。
もう良いんじゃね。
あいつは奴隷にして、向こうに帰ったなら金だけ寄付をしてもらおう。
今のうちに、教え込もう。
そうだ、教育をしてやる。
ついでに、雄介の庇護の下でつけあがる、鬱陶しい女五宝 啓子もだな。こいつは元々性格が悪い。
たまたま、そこそこの美人で有名だった。
雄介に気にいられただけで、頭に乗りヤリ放題。
まあ今だって、何もできず命令をするだけ。
「「やるか」」
二人は、人数を集める。
逃げだし、数人単位でまとまりなく暮らしていたCランクやDランク。
そいつらを見つけ出し、すべての悪行は雄介と五宝の責任とする。
「手伝えよ」
「そうだ働きがあれば、ランクアップだ」
そんな誘いが広がっていく。
ある晩、彼らは実行をする。
ボコボコに殴られ、彼らは校庭に帰る。
「あいつらふざけやがって」
「ゆるせないわ」
最初はまだ勢いがあり、許さないと息巻いていた。
だが、棍棒を持ち、無鉄砲に殴り込んでも人数が違うし、多少強くともかなわない。
彼は、格好いいという事で、キックボクシングのジムに通っていた。
だが、基本は根性無し、ほとんど練習にも行っていない。
だがそれは、クラス内では効き目があった。
でも…… である。
一人に向かうと、後ろから蹴り倒され、たこ殴り。
また消える。
殺される恐怖が、心の中に蓄積される。
その間に、五宝は適度な暴力に泣かされ、自身の位置を教え込まれる。
木に縛り付けられ、ご自由にお使いください。
まあ、そんなポジションに落とされた。
だが、向こうでの態度から、誰も助けてくれなかった。
三日もすれば、簡単に心が折れたようだ。
広場は見張られ、雄介は帰ってくるなり捕まり、心が折れるまで標的にされた。
まあそんなに長くはかからず、二人は最低ランクとなった。
それでも、何とかしようとしたが、雄介を怖がるものは誰も居なくなっていた。
「おい、あいつらを殺すぞ。手伝え」
もと、Dランク達を捕まえ、言うことを聞かそうとした。
「嫌だよ、自分でやれば良いじゃないか」
「なにぃ、てめえら誰にそんな口をきいているんだ」
「奴隷だろ?」
「ふざけ…… 嫌やめろ。―― やめてください……」
彼はボコボコに殴られる。
だが、もう簡単に殺してくれない。
木の蔓で縛られて、さらし者の刑。
人は環境で、残酷になれるものらしい。
最初は、下のランクだった者達はおもしろがり、やがて、自分たちと重なりかわいそうだとか思っていたが、その内下の奴らと変わっていく。
時間と共に、人の意識は変わっていく。
二回目の秋が来て、食料の確保が急務となる。
小動物や、猪などを捕まえ燻製や干し肉を作る。
そう冬の備えが必要。
少しずつ、彼らも環境に適応して行く。
そしてそんな中、集団同士で縄張り争いが勃発。
そう島の中では、戦国時代が始まっていた。
手を取り合い、島を脱出しようなどと言うグループはすでに出て行ったようだ。
残りは、今の生活に手一杯。
餌場を荒らす奴は敵。
そう、彼らの心は荒廃。
世紀末状態。
人のことは知らない。
今自分が生きるため、そう、戦わねばならない。
そんな感じ?
そのおかげか、木の枝が棍棒となり、槍となり、弓となる。
ナイフは持っているため、その程度の加工はできる。
知識のあるものが、木や草から繊維を作り、それを防具として編んだり、弓は強力なものへと改良される。
そう、戦国時代になり、もっと強い武器を望む中でそんな技術が必要となり、停滞していた技術革新がミリ単位で進み始めた。
道具があるものが強い。
そんな流れとなり、発想力や知識のない者達は捕まり殺され、戻ってくれば労働力として、位置が固定されていく。
そんな、不毛な世界だった島は、数年の時間を掛けて稲作へと移行をする。
ついでに、麦も発見されて、栽培が始まる。
力を合わせて、田畑を開墾。
独自の文化が始まる。
そう、驚くことに、わずか数年で縄文時代から弥生時代へと、社会形態が進化をして行ったようだ。
当然豪商が現れ、また戦国時代へ……
その頃、大陸側ではデーモンとの戦いが本格的に始まってきていた。
そして、蒸気機関と鉄砲、そして複合弓の開発が始まっていた。
無論中心は、神野達である。
山には今、色々な果物ができる最盛期。
ここは三組の一部、Aランク達と捕まったCランク達まあDランクも居るようだが、あくまでも元だ。
山の中のサバイバル、金と人を使ってクラスのトップにいた志賀 雄介はすでに旧ボスとなっていた。
そう、セカンドにいた吉田 昌広が新ボスとなり、菊地 陽介が副官となり、全体を掌握。
サバイバルの中で、頭角を現す。
元々、金に釣られて、言うことを聞いていただけ、こんな世界では何もできない雄介は単なる無能。
「なあ、雄介の奴、いい加減鬱陶しくないか?」
最初はそんな言葉から始まる会話。
「だが修学旅行が終われば、戻るんだろ?」
「そりゃそうだが…… あいつ鬱陶しいだけだろ。バカだし」
「そりゃな」
昌広と陽介は、厳しい生活の中で考える。
もう良いんじゃね。
あいつは奴隷にして、向こうに帰ったなら金だけ寄付をしてもらおう。
今のうちに、教え込もう。
そうだ、教育をしてやる。
ついでに、雄介の庇護の下でつけあがる、鬱陶しい女五宝 啓子もだな。こいつは元々性格が悪い。
たまたま、そこそこの美人で有名だった。
雄介に気にいられただけで、頭に乗りヤリ放題。
まあ今だって、何もできず命令をするだけ。
「「やるか」」
二人は、人数を集める。
逃げだし、数人単位でまとまりなく暮らしていたCランクやDランク。
そいつらを見つけ出し、すべての悪行は雄介と五宝の責任とする。
「手伝えよ」
「そうだ働きがあれば、ランクアップだ」
そんな誘いが広がっていく。
ある晩、彼らは実行をする。
ボコボコに殴られ、彼らは校庭に帰る。
「あいつらふざけやがって」
「ゆるせないわ」
最初はまだ勢いがあり、許さないと息巻いていた。
だが、棍棒を持ち、無鉄砲に殴り込んでも人数が違うし、多少強くともかなわない。
彼は、格好いいという事で、キックボクシングのジムに通っていた。
だが、基本は根性無し、ほとんど練習にも行っていない。
だがそれは、クラス内では効き目があった。
でも…… である。
一人に向かうと、後ろから蹴り倒され、たこ殴り。
また消える。
殺される恐怖が、心の中に蓄積される。
その間に、五宝は適度な暴力に泣かされ、自身の位置を教え込まれる。
木に縛り付けられ、ご自由にお使いください。
まあ、そんなポジションに落とされた。
だが、向こうでの態度から、誰も助けてくれなかった。
三日もすれば、簡単に心が折れたようだ。
広場は見張られ、雄介は帰ってくるなり捕まり、心が折れるまで標的にされた。
まあそんなに長くはかからず、二人は最低ランクとなった。
それでも、何とかしようとしたが、雄介を怖がるものは誰も居なくなっていた。
「おい、あいつらを殺すぞ。手伝え」
もと、Dランク達を捕まえ、言うことを聞かそうとした。
「嫌だよ、自分でやれば良いじゃないか」
「なにぃ、てめえら誰にそんな口をきいているんだ」
「奴隷だろ?」
「ふざけ…… 嫌やめろ。―― やめてください……」
彼はボコボコに殴られる。
だが、もう簡単に殺してくれない。
木の蔓で縛られて、さらし者の刑。
人は環境で、残酷になれるものらしい。
最初は、下のランクだった者達はおもしろがり、やがて、自分たちと重なりかわいそうだとか思っていたが、その内下の奴らと変わっていく。
時間と共に、人の意識は変わっていく。
二回目の秋が来て、食料の確保が急務となる。
小動物や、猪などを捕まえ燻製や干し肉を作る。
そう冬の備えが必要。
少しずつ、彼らも環境に適応して行く。
そしてそんな中、集団同士で縄張り争いが勃発。
そう島の中では、戦国時代が始まっていた。
手を取り合い、島を脱出しようなどと言うグループはすでに出て行ったようだ。
残りは、今の生活に手一杯。
餌場を荒らす奴は敵。
そう、彼らの心は荒廃。
世紀末状態。
人のことは知らない。
今自分が生きるため、そう、戦わねばならない。
そんな感じ?
そのおかげか、木の枝が棍棒となり、槍となり、弓となる。
ナイフは持っているため、その程度の加工はできる。
知識のあるものが、木や草から繊維を作り、それを防具として編んだり、弓は強力なものへと改良される。
そう、戦国時代になり、もっと強い武器を望む中でそんな技術が必要となり、停滞していた技術革新がミリ単位で進み始めた。
道具があるものが強い。
そんな流れとなり、発想力や知識のない者達は捕まり殺され、戻ってくれば労働力として、位置が固定されていく。
そんな、不毛な世界だった島は、数年の時間を掛けて稲作へと移行をする。
ついでに、麦も発見されて、栽培が始まる。
力を合わせて、田畑を開墾。
独自の文化が始まる。
そう、驚くことに、わずか数年で縄文時代から弥生時代へと、社会形態が進化をして行ったようだ。
当然豪商が現れ、また戦国時代へ……
その頃、大陸側ではデーモンとの戦いが本格的に始まってきていた。
そして、蒸気機関と鉄砲、そして複合弓の開発が始まっていた。
無論中心は、神野達である。
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