はい。ちゅうもーく。これから異世界に向かいます。 - 私立徳井天世高校の修学旅行 -

久遠 れんり

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第二章 冒険者時代

第10話 混ぜると危険

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 それは奇蹟の光。

 触れた瞬間、奴らが消えていった。
 その広がりは、数十メートルくらい。
 そしてまぶしい。

 そして建物までが綺麗になっていた。
 オッサンが…… 多少色白になって汗臭さがなくなった。

「混ぜるとすごいな」
 この時俺らは、危険さを知らなかった。

 浄化をするのは良いが、ある程度からは服なども汚れと認識されるらしく、オッサン達の服が、所々消えていた。

 脇の下や股間、ピンポイントに布がなくなっている。
「バカやっぱり危険じゃないか」
「そうだな」
 そう言って振り返ると、幾人かは横を向いていたが、幾人かはぶらぶらする物を凝視していた。
 まあ色々興味が湧く年頃、仕方ないだろう。

 だが……
「澪、それと結愛。そんなに気になるのか?」
「えっいや別に…… やあねえ」
 そう言って、顔を横に向けて、吹けない口笛を拭く。

 だが、指が意味深な輪っかを作っている。
 虐めてやる。


 とりあえず、もろだし兵士達と共に外に出る。

 向こうの通りなどは、まだ騒ぎが聞こえる。
「向こうだ行くぞ」
 俺達は走って行く。

 だが兵の、鍛え上がったプリケツが目の前で揺れる。
 美少年兵士プリケツ……
 オレも疲れで、少しおかしくなっているようだ……

 おれにはそんな趣味はない。
 ふと、横を見ると杉原 楓真と目が合う……
 たまたまだろうが、目があったので、にこっと返しておく……
 お互いに引きつった笑顔になってしまった。

 そんな妙な雰囲気の中、大通りに出ると、羽の生えた奴の少し大型を見つける。
 角が生え、偉そうに教会?の オブジェの上に立っている。
 その形は、女マークなのだが、どういう由来なのだろう。

 地球では、火星(♂)をつかさどる戦の神マルスと、金星(♀)をつかさどる美の女神ビーナスだとか、錬金術の鉄と銅を示す記号だったとか?

「おい、あれがボスっぽい。まぜろ」
「さっき危険だって言ったじゃない」
「危険だが、相手は屋根の上なんだ」
 皆がそっちを見る。

 納得をした様だ。
 実に判りやすく、指示を出していた。

 だが……
「それじゃあ、一、二の」
「そら詠唱、さん、はい」
「三,二,一……」
 バラバラなかけ声が響き渡る。

 だが綺麗に混ざったようだ。
 ただ、誰がどっちを撃つのか決めていなかったから、偏りがあり、さっきよりも金色が強かった。

 ドーム型の半円が周囲に広がっていく。

「おおおおぉ」
 周囲で声が聞こえる。
 小型の奴らは崩れて消えていった。

 大型の奴は、逃げようとしたが間に合わず、でも体も崩れもせずに落下をしてくる。

 丁度教会の入り口。
 倒れている奴の体から、煙が立ちのぼっている。
「ダメージは与えられたぁ、もう一回ぃ」
 周囲に光が広がっていく。

 その光がまぶしかったのか、修道女さんかな? 教会の中から出てきた。
 倒れていた奴は、煙を激しく全身から噴き出しながら、修道さんの服を掴む。

 きっと糸が脆くなっていたんだね。
 そいつは、引っ張ったのだが、途中で糸が切れたために、ビタンと地面に叩き付けられ、それがどうも最後の足掻きとなった様だ。

 ボロボロと体が崩れて消えていった。

 修道女さんは、前身頃まえみごろというのかな、服の前だけがなくなり、非常に見頃になっていた。
 なかなか立派なお体。

「見ちゃ駄目」
 それぞれの彼女が、目隠しをしてくる。

「なんか理不尽じゃないか?」
「へーそうなんだ。裸が見えるなら誰でも良いんだ…… しょっくぅ」
 さっき兵のあれを、ガン見していた奴らが何かを言っている。
 そうそれを、理不尽という……

 まあ無理に覗こうともしないがな。
 今度、嫌がっても隅から隅までじっくり見てやる。

 だが、澪は『嫌だ見ないでよ、恥ずかしいから』そう言いながら自ら広げるのが趣味だという事を知った。
 ずぶ濡れ案件。

 人それぞれ、色々とある様だ。

 さて、簡単に倒せることが判ったので、俺達は町中を回り敵である奇妙な生き物を倒していく。

 長谷川 貴史はせがわ たかふみが剣に光を纏わせ、エクスマキナァーと叫んでいた。
 それって、十年くらい前にあったロボット映画じゃないか?
 綺麗な映像なのに、すごくモザイクがじゃまに感じた奴。

「有名な剣ならエクスカリバーじゃないのか?」
 そう言って突っ込まれたようだが……

「えっ?? そうとも言うかもな」
 貴史は自分の間違いを認めなかった。
 こういう奴いるよなぁ。


 まあ威力があるので、皆がまねをする。
 その威力は、すさまじく流石に兵達も気がつく。
「あの光る剣を持った奴ら何者だ?」
「ああ。昨日隊長が町の外で拾ってきた、正体不明の集団迷子だろ」
 戦闘をしながら、普通の剣で戦っているが、なかなかモンスターは倒れない。
 それなのに、奴らは光る剣で一刀両断。

「あの戦闘力と、剣技も独特だが、あの動き…… 鍛錬をしているぞ」
「ああ、なんだか学校の授業で、外に出たとき意識不明で連れてこられたらしい」
「それって、本当なのか??」
「さあ?」

 謎の集団の謎加減が増していく。

 俺達は調子よく倒しながら、町で起こった惨劇の跡を見ることになる。
 それも比較的弱い女性や子ども、年寄りが被害にあっている。
 部分欠損をして、魔法で焼かれたのか頭だけが焼け焦げたもの。

 そう、中東の方で起こっているならず者集団の流す映像が、ネット上でたまに話題になるが、リアルはそれに匂いなどが加わる。

 俺達の使う浄化により、それはかなりましになるが、キツい……
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