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第四章 中等部
第60話 バランスとダンジョン
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一時期から、情報が取れなくなったイングヴァル帝国。
その中では、争いが起こっていた。
白き者と黒き者。
彼らは日々対峙をして、己が力を示し合う。
そんな中で、やはり火のダンジョンでの不具合が発生。
浅い階で出るはずのないサラマンダーたちが湧き、探索者が火傷を負う。
五階から下では、火焔サソリ達がうじゃうじゃとして、もう普通の探索者では入ることすらできない。
さらにその下層では、フェニックスたちが乱舞しているとか。
「うぬ。仕方が無い。我ら聖なる者に任せよ」
「なんだと、お前達に何ができる。いくぞ」
両陣営は、先を争いながらダンジョンへと突入をして行った。
種族的には、進化をした種だが、基礎の勉強が足りないようだ。
知識というのは積み重ねが重要。
知識を得ることを禁忌されていた農奴達は、まだまだ勉強が必要なようだ。
力に振り回されている両陣営、振り回されたまま、モンスターを粉砕していく。
そう人間とは違うのだよ、諸君。
そんな感じで、このダンジョン特有の熱もいつもより八割増しだったが、物ともせず突っ込んでいく。
流れる溶岩もひとっ飛び。
現れるモンスターも、腕の一振りで消滅させる。
そんな恐ろしい者達が多数ダンジョン内で暴れる。
そんな中で、白き者達が使う超高熱の光は、火山帯に住むモンスターを焼き殺していく。
そして、黒き者達が使う、黒き炎も溶岩を侵し、その中に潜む物が焼かれていく。
そう結果的に強い。
両者は示し合わせたわけではないが、力を見せ合う形となり、恐ろしいスピードで攻略をしていく。
そして、その前に現れたのは大きな溶岩の池。
そこに湧く炎竜達、小型の物が大半だが、その中に大物が一匹。
「俺が先だぁ」
黒き者が獄炎を放つ。
だが、白き者の放った光が先に到達をする。
それは溜の底を貫いて、詰まりを解放をする。
そうシンが苦労した状態を、あっという間に改善をしてしまった。
そこで止まらず、更に下へともぐり、イフリートと三日ほど戦ったようだ。
イフリートは、熱そのものを制御をして、ダメージを受けず、三者千日手の状態で諦めたようだ。
その様子は激しかったが、誰も記録に残さず。歴史の流れに埋もれていく。
力があるが為におごり、記録を残さないのがこの種族の欠点だろう。
次世代に情報を紡がなくては、発展は足踏みをする。
はてさて、どうなることだろうか……
後に黒の王となったグスターは答える。
「何とかなるんじゃね?」
だそうだ。
まあここまで、各地のダンジョンで不具合が起き、なんとか改善はされたが、着々と大異変へと歴史は進んでいるようだ。
ダンジョンには、過去彷徨った末に住み着いた者達もいる。
ダンジョンのシステム的に生まれ、呪縛を受けている者達とは違う。
昔、散らばり各ダンジョンへ潜り込んだドラゴン達や、精霊系統の種族。
そんな者達は深層で、異常を感じていた。
妙な不安定さ。
数年か前。
まるでどこか別の世界とつながり、膨大なエネルギーが流れ込んだような……
そうそれから、一気におかしくなった。
様子でも見てくるか?
一瞬だけ思ったが、面倒でまた眠りにつく。
世界同士の穴は、高位から低位へとエネルギーが流れてしまう。
それは創造をした神の差。
軽く込めた神気が、けた違いの差を持つ。
そう、新神女神の世界など低位。
そこには、幾つもの穴が開いている。
今は一応塞がっているが、何かの折、繋がってしまう。
その一瞬で脆い世界は不安定になる。
だから禁忌なのに、女神は創造時期つも穴を開けた。
シンが、シンとなったとき、流れ込んだエネルギーは結構膨大だった。
異界のリッチ、アンラ=マンユ思ったより偉大だったようだ。
そのおかげで、野良ダンジョン。
そう、前にディビィデ山脈の鉱脈に噴き出したエネルギーにより、ダンジョン化をした様に、大陸の南西エンフィールド王国に人知れずダンジョンが発生をしていた。
ここは、海とディビィデ山脈の外れにある国。牧歌的で人々は静かな暮らしを行っていた。
そこに、氾濫が発生をしていた。
そう今まで小規模なモンスター氾濫はあったが、ダンジョンから発生する氾濫は規模が違う。
他の国が知らない間に、エンフィールド王国はモンスターに蹂躙されていた。
それは、東隣りのオーケルフェルト公国まで広がっていく。
そして、公国もダンジョンを有していない。
つまり、対応が出来ず蹂躙をされていく。
逃げ惑う人々、逃げ惑う貴族。
見ただけで諦めた探索者。
その報は数ヶ月かかり、周囲の国へと到着をする。
そして近隣の国フィリップ商国が、手も空いたからと来てみれば、モンスター達がはびこり村という村が全滅。
町はいくつか生き残る有様。
そして彼らは、なんの囲いもないダンジョンから湧き出してきていた。
そしてこれを助けたことで、フィリップ商国と仲良くなり、ちょっかいを出していたアルノシュト王国は後に痛い目に遭うことになる。
何事もバランスが大事なようだ。
その中では、争いが起こっていた。
白き者と黒き者。
彼らは日々対峙をして、己が力を示し合う。
そんな中で、やはり火のダンジョンでの不具合が発生。
浅い階で出るはずのないサラマンダーたちが湧き、探索者が火傷を負う。
五階から下では、火焔サソリ達がうじゃうじゃとして、もう普通の探索者では入ることすらできない。
さらにその下層では、フェニックスたちが乱舞しているとか。
「うぬ。仕方が無い。我ら聖なる者に任せよ」
「なんだと、お前達に何ができる。いくぞ」
両陣営は、先を争いながらダンジョンへと突入をして行った。
種族的には、進化をした種だが、基礎の勉強が足りないようだ。
知識というのは積み重ねが重要。
知識を得ることを禁忌されていた農奴達は、まだまだ勉強が必要なようだ。
力に振り回されている両陣営、振り回されたまま、モンスターを粉砕していく。
そう人間とは違うのだよ、諸君。
そんな感じで、このダンジョン特有の熱もいつもより八割増しだったが、物ともせず突っ込んでいく。
流れる溶岩もひとっ飛び。
現れるモンスターも、腕の一振りで消滅させる。
そんな恐ろしい者達が多数ダンジョン内で暴れる。
そんな中で、白き者達が使う超高熱の光は、火山帯に住むモンスターを焼き殺していく。
そして、黒き者達が使う、黒き炎も溶岩を侵し、その中に潜む物が焼かれていく。
そう結果的に強い。
両者は示し合わせたわけではないが、力を見せ合う形となり、恐ろしいスピードで攻略をしていく。
そして、その前に現れたのは大きな溶岩の池。
そこに湧く炎竜達、小型の物が大半だが、その中に大物が一匹。
「俺が先だぁ」
黒き者が獄炎を放つ。
だが、白き者の放った光が先に到達をする。
それは溜の底を貫いて、詰まりを解放をする。
そうシンが苦労した状態を、あっという間に改善をしてしまった。
そこで止まらず、更に下へともぐり、イフリートと三日ほど戦ったようだ。
イフリートは、熱そのものを制御をして、ダメージを受けず、三者千日手の状態で諦めたようだ。
その様子は激しかったが、誰も記録に残さず。歴史の流れに埋もれていく。
力があるが為におごり、記録を残さないのがこの種族の欠点だろう。
次世代に情報を紡がなくては、発展は足踏みをする。
はてさて、どうなることだろうか……
後に黒の王となったグスターは答える。
「何とかなるんじゃね?」
だそうだ。
まあここまで、各地のダンジョンで不具合が起き、なんとか改善はされたが、着々と大異変へと歴史は進んでいるようだ。
ダンジョンには、過去彷徨った末に住み着いた者達もいる。
ダンジョンのシステム的に生まれ、呪縛を受けている者達とは違う。
昔、散らばり各ダンジョンへ潜り込んだドラゴン達や、精霊系統の種族。
そんな者達は深層で、異常を感じていた。
妙な不安定さ。
数年か前。
まるでどこか別の世界とつながり、膨大なエネルギーが流れ込んだような……
そうそれから、一気におかしくなった。
様子でも見てくるか?
一瞬だけ思ったが、面倒でまた眠りにつく。
世界同士の穴は、高位から低位へとエネルギーが流れてしまう。
それは創造をした神の差。
軽く込めた神気が、けた違いの差を持つ。
そう、新神女神の世界など低位。
そこには、幾つもの穴が開いている。
今は一応塞がっているが、何かの折、繋がってしまう。
その一瞬で脆い世界は不安定になる。
だから禁忌なのに、女神は創造時期つも穴を開けた。
シンが、シンとなったとき、流れ込んだエネルギーは結構膨大だった。
異界のリッチ、アンラ=マンユ思ったより偉大だったようだ。
そのおかげで、野良ダンジョン。
そう、前にディビィデ山脈の鉱脈に噴き出したエネルギーにより、ダンジョン化をした様に、大陸の南西エンフィールド王国に人知れずダンジョンが発生をしていた。
ここは、海とディビィデ山脈の外れにある国。牧歌的で人々は静かな暮らしを行っていた。
そこに、氾濫が発生をしていた。
そう今まで小規模なモンスター氾濫はあったが、ダンジョンから発生する氾濫は規模が違う。
他の国が知らない間に、エンフィールド王国はモンスターに蹂躙されていた。
それは、東隣りのオーケルフェルト公国まで広がっていく。
そして、公国もダンジョンを有していない。
つまり、対応が出来ず蹂躙をされていく。
逃げ惑う人々、逃げ惑う貴族。
見ただけで諦めた探索者。
その報は数ヶ月かかり、周囲の国へと到着をする。
そして近隣の国フィリップ商国が、手も空いたからと来てみれば、モンスター達がはびこり村という村が全滅。
町はいくつか生き残る有様。
そして彼らは、なんの囲いもないダンジョンから湧き出してきていた。
そしてこれを助けたことで、フィリップ商国と仲良くなり、ちょっかいを出していたアルノシュト王国は後に痛い目に遭うことになる。
何事もバランスが大事なようだ。
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