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関わりと罪

第3話 男は素直じゃない

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「ねえ」
「ちょっと待て、ナニをしているんだ?」
 脈絡もなく、いきなり希美はオレを脱がし始めた。

「ええ? ちょっとしてみたくって。良いでしょ。りょーちゃんだって興味があるでしょ」
「そりゃあるけれど……」
 興味はあるが、なんか、雰囲気もなく一気にその興味が失せる。

 こいつは、オレの勝手だが、経験などないと思っていた。
 そう一方的な思い込み。

 だけど、心の中で許せない気持ちがわき上がる。
 相手は誰だよ。
 そう言って、問いただしたい。

 八歳の時から、隣で見ていたんだ。
 好きとか嫌いな相手ではなく、隣に居る…… そう妹のように。

 いや、中学校でこいつに女を感じ…… そうオレは好きになった。
 だけど、いつも部屋にいるが、手を出すのが怖くて、できなくて、ただ悶々とした気持ちを封じていた。

 嬉々として、人のズボンを脱がし、元気がないからとオレのを咥えて元気にさせようとするこいつは何者だ?
 顔は希美だが、違和感しかない。

 だが体は、反応して……
 準備万端で自分のポケットから取り出した避妊具を、慣れた感じで付けて、オレの上にまたがる。
「んんっ。ああっこれ好きかも。もっと早くすれば良かった。サイズが丁度良いわね」
 一枚かぶっている所為なのか、思ったほど気持ちがよくない。
 せっかく長年望んでいた行為なのに、心がどんどん冷めていく。

 言われるように、胸を舐め、もみしだく。
 だけど、何かが違う。

 自身でした方が、もっと的確に気持ちが良くなれるし、なんだろう…… 楽しくない。
 それでも若い体、固いままを持続をして、こいつは勝手に果てる。
 誰かと比べて、喜び、勝手なことを暴露する。

 いつだ……
 何時から親父と……
 なぜ……

 気がつけばあいつは帰り、部屋の中にはモニターの灯りだけ……


 
 良かった。
 初めて、りょーちゃんとした。
 すごく固くて、ちょうどいい。

 パパさんは、苦労して元気にしても一回だし、あんなに固くはならない。
 幼馴染みで、大事だし。
 でも受け入れてくれるなら、もっと早くすれば良かった。
 緊張をしたのか、私が一人で喜んで、一人で達してしまった。
 
 ぼーっと意識が無いみたいだったけれど、きっと初めてだったからよね。
 私もそうだったし。

 あの時……
「思った以上に高いね」
 どれが欲しいんだと聞かれて、私が指し示した機種。
 スマホのもっと良いのが欲しいとぼやいていたら、家の子みたいなものだし買ってあげると車でお出かけをした。

「ええっでも、色が綺麗だし、カメラだって高性能らしいんです」
「中学生でそこまで性能がいる?」
「うーゲームが。遅いのだと綺麗に動かなくって…… 何でもしますから。買ってください」
 そう私はお願いをした。
 りょーちゃんのお父さんは、以外と私に甘い。
 そこに付け込む形でお願いをした。
 お父さんが、どんな気持ちを持っていたのか……
 いや興味だけだったのか、よく分からない。

 でも私は、スマホの御礼に、初めてをあげて、その後数回お相手をした。
 初めての時は、車の中だったし、痛かったし散々だった。
 次の日も、歩きにくかった。
 そうあの日は、スマホが新しくなった喜びと、知識にあったエッチとの違いで呆然とした。

 だけど人は慣れるもの。
 数回すると、気持ちが良くなった。

「希美ちゃんは、掠愁の事が好きなの?」
「えっ? あっうん」
「そうかぁ、まあ代金的にはもう十分かな」
 そう言って、三ヶ月くらいで、関係は終わった。

 その後は、思い出したように数回かなぁ。

「ふふっ。りょーちゃん気持ちよかったかなぁ? 何も言ってくれなかったけれど……」

 希美は行為中、間違えて義父の名前を呼んだことなど覚えていなかった。
 これはその頃、行為中は名前を呼んでと言われて、癖になっていた。


 木月家には、母親が大抵先に帰ってくる。
 掠愁は母親に話しをする。

「なんですって? 希美ちゃんがそう言ったの?」
「うん」
 言ってはいないが、言った。

 それは間違いない。

 何も知らないお父さん、鼻歌交じりで帰ってきて、二人の姿と、ただならぬ雰囲気に驚く。

「一体どうしたんだい?」
「どうした? ですって? アナタこそどういうつもりでどうしたいの? 相手は未成年。アナタは犯罪者なのよ」
 びしっと母さんの人差し指が、文字通り父さんに額に刺さる。

「痛っ、何のことだい?」
「何のこと? お隣の希美に手を出したでしょ」
「なんでその事…… いやしらにゃぐばぁ」
 父さんは、吹っ飛ぶ。
 母さんの腰が入ったグーパン。

「なんですって…… 覚えがあるわよね」
「いや数回、だけ。彼女が御礼と言うから…… その時だけだし…… いややめろ酒瓶はよせ……」

 そうして家は、一家離散。
 オレは、母方に引き取られ、父さんは、尻の毛までむしられたあげく、母さんは警察にチクった。

 後のことは知らない。

 だけど俺はあいつと離れられたことを、どこかで安堵する。
 あのまま知らずに付き合い、結婚をして。
 きっと父さんは関係を続けただろう。
 知らんけど……

 想像するだけで気持ち悪い……

 だが、希美ほどのグレードの子は、オレとは縁がないということ。
 俺は一生父さんを恨む……

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 お読みくださり、ありがとうございます。

 パパ活とか、将来ありそうだなと書いてみました。
 狭いエリアで、人との関わり。
 いやあ怖い。
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