215 / 220
優しさの限界
第3話 パワーアップした麻衣
しおりを挟む
中学校の騒動いらい、勝手をさせないように見張っていた。
高校になり、彼女の綺麗さは磨きがかかる。
ただ、おつむはだめだ。
子どもの頃から変わっていない。
あの時のことを言っても、母親である玲奈さんは笑うだけ。
それどころか……
「その子から、代金としてゲーム機を貰えば良かったんだよ。安売りしたね」
そう言っていた。
ただ変わったのは、俺にねだること。
「人にして貰う方が、気持ちが良いの」
そう、深井の所には行かないから、代わりにしてと……
一度、玲奈さんに見つかってしまったが……
「まあ、あんたなら良いか。勉強をして偉くなりな」
そう言って笑っていた。
ただ、まだ子どもは作るなと。
それ以降、玲奈さんが家に来ることが増え、親父と妙に仲が良い。
まさかね……
うちの親父は、人の家に養育費を払っている。
母親が事故を起こして死んだとき、まきぞえで撥ねてしまった男の人。
保険は出たが、それだけでは申し訳ないと、向こうは必要ないと言ったがずっと。
だけど、もう七年? 八年? もう向こうも成人のはず。
そんな疑問を抱えつつ、高校になると麻衣はテニスをしたいと言い始める。
硬式なんか、子どもの頃からやっている人間ががちで取り組んでいる。
「いまからじゃ、遅いだろ」
そう言ったが聞かない。
「お試し入部の時に、筋が良いって言われたの」
確かに運動はできる。
でも……
「道具とかはどうするんだ?」
「部になんかお古があるし、しばらくは、ユニフォームなんかも必要ないって」
なんて楽観的な……
俺は、スマホが欲しい。
父さんに話をする。
「そうだな、あんまり高いのは駄目だが、麻衣ちゃんのも要るか」
そう言って、安いモデルだが、二人に買ってくれた。
驚きだよ。
そしておれは、いよいよ玲奈さんとのことを勘ぐってしまう。
でだ、入部勧誘の甘言はやはりで、遠征費用やユニフォーム代。
本式に始めるならば、シューズにラケット、その他もろもろが必要となる。
それが発覚して、一週間も経たないうちに親父が貸したと……
嬉しそうに、ラケットを持って俺の前でクルクル回る麻衣。
アンダースコートじゃなくパンツなのが何とも……
そう、最近とみに二人の仲が怪しい。
何時も疲れた感じだった親父が、カッコを付けて、なんだかしゃんとし始めた。
母親が死んでずっと、うらぶれた感じだったのに。
そうして、五月の連休中に早速テニス部は遠征。
大会があるとかで、新人も手伝いと応援でバスに乗っていく。
ただね、俺は知らなかった。
男子部と女子部に別れて出発をしたが、目的地は同じ。
そして、恋愛になれた野郎どもが、テニス部に多く。
女子も男子も、そんなに初心な奴はいない。
当然宿も同じで、まあそうなることが多いという事。
「佳博先輩、明日個人で三回戦出場なの。お部屋に行かない?」
部の女の子に、麻衣は誘われる。
「えっなんで?」
「そりゃ、マッサージとかしてあげたり。ねえっ」
憧れの先輩。一人で部屋へ行く勇気がなく、やることが無くてあぶれていた麻衣を、無謀にもその子は誘ってしまう。
言っては悪いが、大抵の男は二人が並ぶと麻衣しか見ないだろう。
そして憧れの先輩は、普通の好みだったようだ。
「マッサージします」
そう言って受けている間、先輩さんの目は頑張っているその子では無く、麻衣を狙っていた。
テニスで鍛えた目は麻衣から離れない。
だが翌日の晩、『ゆーちゃんに叱られるから、男の人と二人では会わない』そう言って振られた。
だけど……
「二人じゃ無ければ良いね」
そう言って、取り巻きのセフレ。それとメンバーを集める。
「色々教えてあげるし、部にいるなら君のためにもなる。そう…… 教えてあげるよ色々と」
そんな言葉に騙されて、おバカは付いて行く。
でまあ、なる様になるが、玲奈さんの教育が働く。
「タダで? 嫌」
そこから、馬鹿なことに入札が始まる。
あきれかえる、他の女子。
権利は、三重岳先輩が取ったようだ。
だけど、麻衣は初めてじゃないし、ある程度は慣れている。
そう、玲奈さんに見つかってから、俺は恋人同士のつもりだった。
だけど、麻衣は違ったようだ。
物やお金をくれるから、優しいから、気持ち良いから……
このくらいなら、叱られないよね。彼女の貞操観念はどこかおかしい。
その事を、気がつかなかった。
帰ってきても普通に振る舞い、お土産を和やかにくれる。
夜もエッチをして、普通に寝る。
そう、いつもと同じ。
だけど、周りの子には妬まれ、話が漏れてくる。
あいつはビッチ。お金を払えば誰にでもさせる……
回り回って、俺の所にも来る。
だが幾ら言ってもそんな事……
一応、その晩、問い詰める。
だけど正座をして、俯いたまま、何も喋らない。
その途中で気がつく。
コミュニケーションアプリの着信。
音を切っているため、ブーンブーンと響く。
「見せろ」
そこには、お願いと御礼の数々。
はめ撮りまで……
「ごめんなさい、人に売春だと言われて、そう言われれば、そうかもって…… ヤッパリ怒る? ちょっとエッチをしただけなの…… でも下手だし、強引だし、余り良くなかった……」
そう言って、顔がへにょっとなる。
「そうかもじゃない、そうなんだよ」
おれは、玲奈さんに言いに行く。
「あちゃぁ、それは…… ねぇ寛太君、許してくれない? この子ちょっとあれなのよ。寛太君がいないと…… たぶん碌な事にならないわ」
「いても碌な事になっていません。無理です」
「そっかー」
そうだよねぇと納得をした様だが、ここで爆弾発言。
「でも、私お父さんと結婚するから、えーと、誕生日からすると、麻衣がお姉さんになるのね。よろしく」
そう言ってニコニコ……
「嫌だぁ……」
そう言って俺は、夕日に向かって走っていった。
いま、麻衣は屑姉として、恋人から格下げをして、おれの監視下で奴隷となっている…… だけど、それはそれで喜ぶから、もうね……
----------------------------------------------------------------
お読みくださり、ありがとうございます。
なぜか、ドロドロ話のはずが、お笑いに……
高校になり、彼女の綺麗さは磨きがかかる。
ただ、おつむはだめだ。
子どもの頃から変わっていない。
あの時のことを言っても、母親である玲奈さんは笑うだけ。
それどころか……
「その子から、代金としてゲーム機を貰えば良かったんだよ。安売りしたね」
そう言っていた。
ただ変わったのは、俺にねだること。
「人にして貰う方が、気持ちが良いの」
そう、深井の所には行かないから、代わりにしてと……
一度、玲奈さんに見つかってしまったが……
「まあ、あんたなら良いか。勉強をして偉くなりな」
そう言って笑っていた。
ただ、まだ子どもは作るなと。
それ以降、玲奈さんが家に来ることが増え、親父と妙に仲が良い。
まさかね……
うちの親父は、人の家に養育費を払っている。
母親が事故を起こして死んだとき、まきぞえで撥ねてしまった男の人。
保険は出たが、それだけでは申し訳ないと、向こうは必要ないと言ったがずっと。
だけど、もう七年? 八年? もう向こうも成人のはず。
そんな疑問を抱えつつ、高校になると麻衣はテニスをしたいと言い始める。
硬式なんか、子どもの頃からやっている人間ががちで取り組んでいる。
「いまからじゃ、遅いだろ」
そう言ったが聞かない。
「お試し入部の時に、筋が良いって言われたの」
確かに運動はできる。
でも……
「道具とかはどうするんだ?」
「部になんかお古があるし、しばらくは、ユニフォームなんかも必要ないって」
なんて楽観的な……
俺は、スマホが欲しい。
父さんに話をする。
「そうだな、あんまり高いのは駄目だが、麻衣ちゃんのも要るか」
そう言って、安いモデルだが、二人に買ってくれた。
驚きだよ。
そしておれは、いよいよ玲奈さんとのことを勘ぐってしまう。
でだ、入部勧誘の甘言はやはりで、遠征費用やユニフォーム代。
本式に始めるならば、シューズにラケット、その他もろもろが必要となる。
それが発覚して、一週間も経たないうちに親父が貸したと……
嬉しそうに、ラケットを持って俺の前でクルクル回る麻衣。
アンダースコートじゃなくパンツなのが何とも……
そう、最近とみに二人の仲が怪しい。
何時も疲れた感じだった親父が、カッコを付けて、なんだかしゃんとし始めた。
母親が死んでずっと、うらぶれた感じだったのに。
そうして、五月の連休中に早速テニス部は遠征。
大会があるとかで、新人も手伝いと応援でバスに乗っていく。
ただね、俺は知らなかった。
男子部と女子部に別れて出発をしたが、目的地は同じ。
そして、恋愛になれた野郎どもが、テニス部に多く。
女子も男子も、そんなに初心な奴はいない。
当然宿も同じで、まあそうなることが多いという事。
「佳博先輩、明日個人で三回戦出場なの。お部屋に行かない?」
部の女の子に、麻衣は誘われる。
「えっなんで?」
「そりゃ、マッサージとかしてあげたり。ねえっ」
憧れの先輩。一人で部屋へ行く勇気がなく、やることが無くてあぶれていた麻衣を、無謀にもその子は誘ってしまう。
言っては悪いが、大抵の男は二人が並ぶと麻衣しか見ないだろう。
そして憧れの先輩は、普通の好みだったようだ。
「マッサージします」
そう言って受けている間、先輩さんの目は頑張っているその子では無く、麻衣を狙っていた。
テニスで鍛えた目は麻衣から離れない。
だが翌日の晩、『ゆーちゃんに叱られるから、男の人と二人では会わない』そう言って振られた。
だけど……
「二人じゃ無ければ良いね」
そう言って、取り巻きのセフレ。それとメンバーを集める。
「色々教えてあげるし、部にいるなら君のためにもなる。そう…… 教えてあげるよ色々と」
そんな言葉に騙されて、おバカは付いて行く。
でまあ、なる様になるが、玲奈さんの教育が働く。
「タダで? 嫌」
そこから、馬鹿なことに入札が始まる。
あきれかえる、他の女子。
権利は、三重岳先輩が取ったようだ。
だけど、麻衣は初めてじゃないし、ある程度は慣れている。
そう、玲奈さんに見つかってから、俺は恋人同士のつもりだった。
だけど、麻衣は違ったようだ。
物やお金をくれるから、優しいから、気持ち良いから……
このくらいなら、叱られないよね。彼女の貞操観念はどこかおかしい。
その事を、気がつかなかった。
帰ってきても普通に振る舞い、お土産を和やかにくれる。
夜もエッチをして、普通に寝る。
そう、いつもと同じ。
だけど、周りの子には妬まれ、話が漏れてくる。
あいつはビッチ。お金を払えば誰にでもさせる……
回り回って、俺の所にも来る。
だが幾ら言ってもそんな事……
一応、その晩、問い詰める。
だけど正座をして、俯いたまま、何も喋らない。
その途中で気がつく。
コミュニケーションアプリの着信。
音を切っているため、ブーンブーンと響く。
「見せろ」
そこには、お願いと御礼の数々。
はめ撮りまで……
「ごめんなさい、人に売春だと言われて、そう言われれば、そうかもって…… ヤッパリ怒る? ちょっとエッチをしただけなの…… でも下手だし、強引だし、余り良くなかった……」
そう言って、顔がへにょっとなる。
「そうかもじゃない、そうなんだよ」
おれは、玲奈さんに言いに行く。
「あちゃぁ、それは…… ねぇ寛太君、許してくれない? この子ちょっとあれなのよ。寛太君がいないと…… たぶん碌な事にならないわ」
「いても碌な事になっていません。無理です」
「そっかー」
そうだよねぇと納得をした様だが、ここで爆弾発言。
「でも、私お父さんと結婚するから、えーと、誕生日からすると、麻衣がお姉さんになるのね。よろしく」
そう言ってニコニコ……
「嫌だぁ……」
そう言って俺は、夕日に向かって走っていった。
いま、麻衣は屑姉として、恋人から格下げをして、おれの監視下で奴隷となっている…… だけど、それはそれで喜ぶから、もうね……
----------------------------------------------------------------
お読みくださり、ありがとうございます。
なぜか、ドロドロ話のはずが、お笑いに……
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
【R18】禁断の家庭教師
幻田恋人
恋愛
私ことセイジは某有名私立大学在学の2年生だ。
私は裕福な家庭の一人娘で、女子高2年生であるサヤカの家庭教師を引き受けることになった。
サヤカの母親のレイコは美しい女性だった。
私は人妻レイコにいつしか恋心を抱くようになっていた。
ある日、私の行動によって私のレイコへの慕情が彼女の知るところとなる。
やがて二人の間は、娘サヤカの知らないところで禁断の関係へと発展してしまう。
童貞である私は憧れの人妻レイコによって…
サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。
風
恋愛
サディストの飼主さんに飼われてるマゾヒストのペット日記。
飼主さんが大好きです。
グロ表現、
性的表現もあります。
行為は「鬼畜系」なので苦手な人は見ないでください。
基本的に苦痛系のみですが
飼主さんとペットの関係は甘々です。
マゾ目線Only。
フィクションです。
※ノンフィクションの方にアップしてたけど、混乱させそうなので別にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる