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愚か者の彼女は、教室で愛を叫ぶ。そして…
第3話 調査
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馬場 敦子と内藤 雅美二人は仲良く帰っていた。午前中で昼から休み。何処へ遊びに行くかと、きゃいきゃい言っている。
ふと見ると、街路樹のそばから、かっこいい外国人が、こちらをじっと見ている。
「馬場さんと内藤さんだったよね」
いきなり声をかけられる。
見た目、身長百八十センチを越え、金髪碧眼のスポーツマンぽい細マッチョ。
「少し話を聞きたいんだ。時間良いかな?」
「あっはい。時間あります」
「じゃあ乗って」
どう見ても、かっこいいスポーツカーなのに、スライドドアが開く。
違和感は感じない。
中には、さらにかっこいい人たちが待っていた。
うわ。どこかの事務所? 敦子はそう思った。
まあ、事務所には違いないだろうが、予想した芸能と土木。ちょっとした違い。
二人は、夢心地でドライブ中。
静かな山間にある別荘。
丸太で作られた、山小屋ふう。
「まあ、ゆっくりして」
なぜか誘われるまま、建物へと入る。
しゃれた内装。シャンデリアまで下がっている。
テーブルを囲み、出されたお茶を手にする。
「ほう面白い。イメージではカップなんだが、実物だとグラスだろ」
克和の目には、二つの光景が重なって見えている。
「そうだな」
当然、信堯には現実しか見えない。
「今、本人達は、コテージのようなところで、カップに入った紅茶を優雅に飲んでいる。熱々のな」
「実物は、コップに入った麦茶だな。周りは倉庫だし」
「違和感無しに、グラスを握っているのが面白いだろう」
「ああ。そうか、持ち手を握っているつもりなのに」
「そうそう。無意識下の補正がかかるみたいだ」
「そりゃ便利だ」
スレートの倉庫。
ソファーは随分ボロいが現実。
テーブルはケーブルリール。
円盤状の板を二つ中心側で繋いだもの。ミシン用ボビンが、木製になって巨大化したようなものだ。
電話線用なので、テーブルに丁度良い。
そんな場所で、落ち着き茶を飲む女子高生。
「シュールだ」
さっきから、証拠のためにビデオは回している。
「君達に、聞きたいことがあって、お招きをしたのだが聞いて良いかな?」
「はぃい」
雅美は普段より、二オクターブは声が高い。
「君達、小山田 信美さんの友人だよね」
「はい。友人です」
「よく知っています」
二人ともレスポンスがいい。
「ネットの、友人紹介アプリ経由で紹介があってね。会う前に調査中なんだよ。その僕たち、簡単に人と付き合うことができなくてね」
適当な理由をでっち上げる。
「ああ。分かりますぅ。でもそれなら、信美は駄目ですよ。今ろくでもない奴と付き合っているし、体もねぇ」
「信美ってば、最近松平 元泰て言う男と付き合いだしたけど、同じ大学にいきたいみたい。それで、克和君が同じ大学に行くだろうから、一人減らすと受かりやすいとか言って…… 悪巧みをするような子だし」
「あー。言ってたねぇ」
「その男とエッチもしてるって。乱暴なだけで下手だけど、体力があるから最近慣れたとか言っていました。乱暴にされると燃えるって」
「そうそう。誰だっけあの子」
「あー。光莉?」
「そうそう。長坂 光莉あの子に見せびらかすと、燃えるとか言っていたわね。変態よぉ」
そうこの事実。松平 元泰は意外とプライドが高く嫉妬深い。
初めてしたときに、乱暴だったために信美がぽそっと言った、克和の方が上手という言葉。それを根に持った。
克和を追い込め。とまあ、妙な理屈を後付けて仕掛けた。
ただ気に食わない。ただのくだらない嫉妬。
この時点では、まだ入試が…… という建前しか気が付かない。
「ですからぁ、信美は駄目」
彼女達は、しゃべりながら何かスイッチが入った様で、色目を使ってくる。
「じゃあ、彼女は駄目だね」
「そう。だから私とか、どうでしょう。あの、エッチとかも大好きだし」
見た目では分からないが、雅美のほうが好き者らしい。
雰囲気やファッションでは、敦子のほうがギャルっぽいのに分からないものだ。
「俺は特に、今必要ないし」
そう言って離れる。
脇から、助っ人チンピラ一号が手を上げる。
「頂いていいスカ」
「いや、高校生だしやめよう」
なぜか、右手のおや指をなめ回しながら、左手はスカートの中。
そんな、雅美達を車に乗せる。
一応、ダミーアカウントの連絡用アプリに登録を貰う。
連絡は貰えないと困る。
翌日。内藤と原を捕まえに行く。
「出てこないな。前の遠足のときに撮った写真を、信堯達にも渡してある」
「仕方が無い。一人残って見つけたら誘え」
「うす。了解っす」
助っ人チンピラ君二号。彼も、美形モデルに見えているはず。
俺達は、普通の学生ふうで、カムフラージュ。
体育館の裏とか、倉庫。
そして部室棟。
各部が用具の保管や、着替えに使う。
一見、部員が二人。ドア前でボールを磨いているが、意識は背後に向いてちらちらと気にしている。
俺と、信堯に二人の姿を映し、本人達には眠って貰う。
そっと中へ入ると、一見誰もいないが、棚の奥。
声がする。
一年生だろうか? 二人かばい合っている。
その奥には、顔を腫らし泣いている女の子。
そして、囲む男達。
「ほら、ちょっと行って気持ち良いことしてもらえ。そんだけだ。嫌がれば光莉みたいな目に遭うんだよ。痛いよな。殴られたら」
「そうよ。予約は入っているの」
うん? 昨日ぶりの二人と、探していた二人。
全員グルじゃん。
「あんたが行かないと、私が相手しないといけないじゃん。信用第一なんだよ。援助もさあぁ」
「駄目だこいつら」
つい、しゃべってしまった。
「オラ。サボってんじゃねえ。一年坊主」
「上杉君」
抱き合っている、一年生ぽい女の子が、声をかける。
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第4話に続く。
ふと見ると、街路樹のそばから、かっこいい外国人が、こちらをじっと見ている。
「馬場さんと内藤さんだったよね」
いきなり声をかけられる。
見た目、身長百八十センチを越え、金髪碧眼のスポーツマンぽい細マッチョ。
「少し話を聞きたいんだ。時間良いかな?」
「あっはい。時間あります」
「じゃあ乗って」
どう見ても、かっこいいスポーツカーなのに、スライドドアが開く。
違和感は感じない。
中には、さらにかっこいい人たちが待っていた。
うわ。どこかの事務所? 敦子はそう思った。
まあ、事務所には違いないだろうが、予想した芸能と土木。ちょっとした違い。
二人は、夢心地でドライブ中。
静かな山間にある別荘。
丸太で作られた、山小屋ふう。
「まあ、ゆっくりして」
なぜか誘われるまま、建物へと入る。
しゃれた内装。シャンデリアまで下がっている。
テーブルを囲み、出されたお茶を手にする。
「ほう面白い。イメージではカップなんだが、実物だとグラスだろ」
克和の目には、二つの光景が重なって見えている。
「そうだな」
当然、信堯には現実しか見えない。
「今、本人達は、コテージのようなところで、カップに入った紅茶を優雅に飲んでいる。熱々のな」
「実物は、コップに入った麦茶だな。周りは倉庫だし」
「違和感無しに、グラスを握っているのが面白いだろう」
「ああ。そうか、持ち手を握っているつもりなのに」
「そうそう。無意識下の補正がかかるみたいだ」
「そりゃ便利だ」
スレートの倉庫。
ソファーは随分ボロいが現実。
テーブルはケーブルリール。
円盤状の板を二つ中心側で繋いだもの。ミシン用ボビンが、木製になって巨大化したようなものだ。
電話線用なので、テーブルに丁度良い。
そんな場所で、落ち着き茶を飲む女子高生。
「シュールだ」
さっきから、証拠のためにビデオは回している。
「君達に、聞きたいことがあって、お招きをしたのだが聞いて良いかな?」
「はぃい」
雅美は普段より、二オクターブは声が高い。
「君達、小山田 信美さんの友人だよね」
「はい。友人です」
「よく知っています」
二人ともレスポンスがいい。
「ネットの、友人紹介アプリ経由で紹介があってね。会う前に調査中なんだよ。その僕たち、簡単に人と付き合うことができなくてね」
適当な理由をでっち上げる。
「ああ。分かりますぅ。でもそれなら、信美は駄目ですよ。今ろくでもない奴と付き合っているし、体もねぇ」
「信美ってば、最近松平 元泰て言う男と付き合いだしたけど、同じ大学にいきたいみたい。それで、克和君が同じ大学に行くだろうから、一人減らすと受かりやすいとか言って…… 悪巧みをするような子だし」
「あー。言ってたねぇ」
「その男とエッチもしてるって。乱暴なだけで下手だけど、体力があるから最近慣れたとか言っていました。乱暴にされると燃えるって」
「そうそう。誰だっけあの子」
「あー。光莉?」
「そうそう。長坂 光莉あの子に見せびらかすと、燃えるとか言っていたわね。変態よぉ」
そうこの事実。松平 元泰は意外とプライドが高く嫉妬深い。
初めてしたときに、乱暴だったために信美がぽそっと言った、克和の方が上手という言葉。それを根に持った。
克和を追い込め。とまあ、妙な理屈を後付けて仕掛けた。
ただ気に食わない。ただのくだらない嫉妬。
この時点では、まだ入試が…… という建前しか気が付かない。
「ですからぁ、信美は駄目」
彼女達は、しゃべりながら何かスイッチが入った様で、色目を使ってくる。
「じゃあ、彼女は駄目だね」
「そう。だから私とか、どうでしょう。あの、エッチとかも大好きだし」
見た目では分からないが、雅美のほうが好き者らしい。
雰囲気やファッションでは、敦子のほうがギャルっぽいのに分からないものだ。
「俺は特に、今必要ないし」
そう言って離れる。
脇から、助っ人チンピラ一号が手を上げる。
「頂いていいスカ」
「いや、高校生だしやめよう」
なぜか、右手のおや指をなめ回しながら、左手はスカートの中。
そんな、雅美達を車に乗せる。
一応、ダミーアカウントの連絡用アプリに登録を貰う。
連絡は貰えないと困る。
翌日。内藤と原を捕まえに行く。
「出てこないな。前の遠足のときに撮った写真を、信堯達にも渡してある」
「仕方が無い。一人残って見つけたら誘え」
「うす。了解っす」
助っ人チンピラ君二号。彼も、美形モデルに見えているはず。
俺達は、普通の学生ふうで、カムフラージュ。
体育館の裏とか、倉庫。
そして部室棟。
各部が用具の保管や、着替えに使う。
一見、部員が二人。ドア前でボールを磨いているが、意識は背後に向いてちらちらと気にしている。
俺と、信堯に二人の姿を映し、本人達には眠って貰う。
そっと中へ入ると、一見誰もいないが、棚の奥。
声がする。
一年生だろうか? 二人かばい合っている。
その奥には、顔を腫らし泣いている女の子。
そして、囲む男達。
「ほら、ちょっと行って気持ち良いことしてもらえ。そんだけだ。嫌がれば光莉みたいな目に遭うんだよ。痛いよな。殴られたら」
「そうよ。予約は入っているの」
うん? 昨日ぶりの二人と、探していた二人。
全員グルじゃん。
「あんたが行かないと、私が相手しないといけないじゃん。信用第一なんだよ。援助もさあぁ」
「駄目だこいつら」
つい、しゃべってしまった。
「オラ。サボってんじゃねえ。一年坊主」
「上杉君」
抱き合っている、一年生ぽい女の子が、声をかける。
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第4話に続く。
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