幼馴染みが、知り合いになった夜 短編集

久遠 れんり

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魔王(間男)との戦い。現実世界での話し。相手が魔王のような奴だった。

第3話 間男は本当に魔王のような奴だった

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 俺は吐き気を抑えながら、画面を見ているが、小林さんはもう一つのノートPCを持ち出して、何かをし始める。
 MACアドレスをコピペして、カメラのアドレスから拡張子を変えた何かを流し込んだ?

 相変わらず、夕紀はソファーで、脚を広げておもちゃを使い、おなっている。
 しかし、あんだけやって元気だな。

 もう時間は五時近い。あれが、一時過ぎで、やりっぱなしなら化け物だ。
 いや、そもそも仕事は?
 忘れていたが、今日は平日じゃないか。
 まさか、朝から休んで、ずっとなのか?
 あさ、俺が出るときには確かにいた。
 だが。

 いやな予感がして、ネットバンクを開く。

 この一年。あいつからの入金が無い。

「よし、みつけた。ぶっこ抜く」
 小林さんの怪しい台詞が聞こえる。

 いや小林さん見事だったよ。

 とりあえず、俺は家に帰り、何食わぬ顔で過ごす。
 一緒に寝る気はしないので、俺の仕事部屋で寝落ちをする感じで寝た。

 カメラは気になるが完全無視。
 飯も作られていたが、無理矢理詰め込み、無理矢理吐く。

 死にそうになりながら、合間合間で小林さんと連絡を取る。
 小林さんは本当に、少年団というのを作っていて色んな方の相談に乗っているらしく興信所や、警察にも人脈がある様だ。

 土日の平和な家族達。

 実はこのマンションで、現在進行形で四人の家族を壊していた男。まさおとは、このマンションのオーナー搦手征男からめて まさお。だった。

 幸せな家族を壊すのが趣味。
 あの手この手で、言い寄り依存させる。
 この人の、機嫌を損ねたら終わりだと思わせる。
 逆らえば終わりだと思わせれば良い。

 入居者の会社収入。
 その他諸々。
 すべて知っている。

 カメラは渡すだけ、勝手に設置をした。
 そう言っているが、細かに調整を指示しながら設置させていた。

 そしてスマホに指示があると、カメラに向かって指示に従いみせる。
 気分が乗れば、自身でいじらせ、納得するまで、その様子を見せる。
 疲れてようが、何だろうが、やらなきゃいけなかったのか。

 そして、月に一回から二回反省会と称して、ビデオを見せられながら突きまくられて、きちんとすることを約束させられるようだ。
 
 そして夫婦生活もきちんとさせた上で、飽きたら、出て行かせる。
 ある日ポストに謎の写真が投函されて、男の部屋に旦那が殴り込むと、不思議なことに部屋は空で、一年も前から誰も住んでいないと言われる。
「確かに住んじゃあいないよな、被害者全員別の部屋に呼ばれている」

 あの時、小林さんはアクセスリストに増えた、パソコンのネットワーク機器に振られた番号MACアドレスを控えて、TCP80だかなんだかのポートを通して、エラーを出させ、インストール許可をさせて、偽装拡張子のリモート用バッチを実行させたようだ。

 録画用の、でかいパソコン内のデータをすべてコピーして、被害者の旦那と秘密裏に打ち合わせをした。

 過去の家族も大量にいて、これからも被害届が出るだろう。

 たまに、金銭も請求したらしいし、家族破綻後のビデオなどは、裏で売った物もある様だ。

 確かにオーナーはとんでもない奴だったし、被害者ではあるが、俺は夕紀を許せなかった。

 その理由は、『雅之以外としたことなかったし、撮られるのもなんだか新鮮。それになんだか命令されて、くたくたになっていても、無理矢理命令されてしてるとね。今まで味わったことのない、すんごく深くいける時があるのよ』そう言って恍惚とした表情をしていた。
 
 昼間もしたくて、仕事にならず仕事を辞めたらしい。
「貯金も少しはあったし。なくなったら、また仕事をする予定はしていたし、ピルも飲んでいたから妊娠もしていないわよ。エッチは良かったけど、あの人の子供はいやだったから」

「とまあ、こんな感じなんですが、俺、彼女と別れても、とがめられませんよね」
「ああ、彼女の親御さんには、さっきの告白ビデオを見せて説明してあげよう」
 そう言ったと思ったら、顔が近付いてきた。

「今回経費も掛かったし、そのなんだ…… 君も辛かっただろう」
「ええ、そりゃまあ」
 そうだよ此処までは、良い先輩だと感動をしていたのだが、次からの暴露が俺に一歩を踏みとどまらせる。

「過去のビデオについては当然、君のもあるんだ。ちょっと興味があって、その、ずっと確認をして、そうだな……」
 そう言って先輩は、天井を仰ぐ。

 釣られて見たが、なにもない。
 先輩の顔が降りた時、右の鼻から鼻血が流れ始める。

 あわててティッシュで鼻を掴む。
「ああ、上を向いて飲み込まないで。お腹を壊しますから」
 仕方が無いので、先輩の横に移動をしてティッシュを変えながら、鼻を押さえる。

「すばないね」
 そう言って、殊勝な顔だが、手は殊勝じゃなかった。
 目は確かに俺の顔を見ている。でも……
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