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少しどろどろ

第1話 幼馴染みも色々

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「おい、今日はどうする?」
「今日は、パス。バイトだ。この前の女が金食い虫でな」
「それは、ご愁傷様」

 悪友で有り、幼馴染みの一人、松根崇まつね たかし
 人が行かないとわかり、ものすごい笑顔で喜んでいる。
 いつものコンパの誘い。行けなくて喜ぶなら、誘うなと言いたい。

 学部が、経済とか人文とか法学で、生徒数が多いうちの学校。
 別学部のキャンパスまで入れると、万に近い生徒。
 サークルとか、色々な繋がりで、毎日のようにコンパの誘いがやって来る。

 で、俺が行かないと言って喜ぶ理由は、なぜか俺がモテるから。
 身長が一七二センチ程度は良いが、少しの筋肉と、少し性格が悪く、引っ込み思案。
 メガネをかけ、少し人見知り。
 おれ、戸波優樹となみ ゆうきとしては、なぜモテるのかは判らない。

 高校の時に、幼馴染みの一人。こっちは、女だが、木之内杏奈きのうち あんなと言って、多少見た目がキツく見える奴がいる。
 顎が細めで一重の少し切れ長の目。
 薄めの唇と、美人要素は高い。
 身長も、百五十八センチで、Cの胸。

 いやまあ、高校の時に、少しの間付き合っていたというか体の関係があった。
 別れた覚えはないが、ちょっとした喧嘩で、そこから元に戻れていない。

 杏奈が言うには、俺は濃すぎず薄すぎない、絶妙なバランスのケチャップ顔男子だそうだ。
 ちなみに、松根は醤油顔のあっさりした顔だが、少し丸く百六十八センチの身長があるのに高く見えない。
 最近また体重が増えたようだ。
 実はこいつも、杏奈が好き。言われたときには、絶好調に盛ってた時期。
 暴露したら、奴は泣いた。


 俺達は、共稼ぎの両親達の元、各自の部屋を渡り歩き、育って来た。
 あの頃は、崇も痩せていた。

「優樹。宿題」
「ああ。あるな」
「あるなじゃなく、しよう」
 そう言って先に来るのは、杏奈。
 こいつは弟妹ていまいが居ない。

 次にくるのは、崇。こいつは妹がいて、妹におやつを与え、別の家に配達をしてからうちへやって来る。

 この住宅地。学年別に、集合する家が、いくつかある。

 ちなみに集会所で、中学生以上なら、勉強会なども行われているそうだ。

 小学校高学年で、一度見に行ったが、集まって悪い事を勉強をしていた。

 むろん、親の誰かが見回りに来たときに困るからだろうが、服は着ている。
 でも繋がる所は繋がっていたり。

 俺達が行って気がつかないのもどうかと思うが、気がついたようで、「内緒ね」と高校生の素敵なお姉さんに言われた。

 そんな環境で育った俺達。
 高校生になれば、興味もでる。

 ちょこちょこ、崇が集会所に顔を出し始めて、俺達は身近な所でくっ付き、二人家ですることをし始めた。
 やばそうなときには、杏奈の部屋で。

 でまあ、そもそも喧嘩の元は、崇が言った一言。相手によって全然違うと言う情報。

「本当かしら?」
「なにが?」
「崇が言ったこと」
「気にするな、崇が言った事だ」
 そう言って済ましたが、あいつは、集会所へ行ったらしい。

 当然俺は怒った。
「どうして。一度だけじゃない」
 とまあ、杏奈の言葉。
 こいつ好きとかそういう感情が疎いのか? それとも、手近にいたから俺と付き合っていたのかと大げんか。

 だがしばらくして、何かをしたらしくて、集会所から追い出されたらしい。
 崇も口をつぐんでいるから、理由は分からない。

 また、なにもなかったように、俺の部屋へ溜まる。

 だがそれも、大学へ入って解消された。

 俺は、マンションの自宅ドアから出て、隣へ行く。
 チャイムを鳴らすと、だるそうに崇が出てくる。
「学校へいくぞ」
「ああ。ちょっと待て」
「昨日はどうだった?」
「今の状態を見れば判るだろう」
 そう言って、部屋の中へ戻る。

 そう言った崇だが、部屋に杏奈が居たようだ。

 結局あの後、こいつら付き合っていたようだが、中途半端な気持ちの杏奈。
 その態度で、気持ちが冷めた崇。

 俺は俺で、相手を決めず、ふらふら。
 だが後ろめたさから、崇は俺にコンパを持って来ていた。

 まあ何というか、バラバラな腐れ縁。

 その内、コンパで出会った女の子、大楽香菜だいらく かな割田美加わりた みか二人とも、人数合わせで来ていたらしいが、俺のことを知っていた。いきなりエッチをするような、軽さはなく。お友達から始めることになった。

 香菜は、杏奈と同じく百五十八センチのようだが、髪は少し短くショート。
 前髪は、斜めにカットしてよく言う、斜めバング。カラーはエモージュ。少し赤身を抑えたブラウン。
 二重の目と、少し通った鼻筋とはっきり唇。
 うんボーイッシュなかわいい子。

 そして、美加はお姉さんキャラ。
 身長百六十二センチ。ミディアムの長さに、毛先だけ外向きに撥ねさせて、軽さを出す髪。
 同じく二重だが、香菜ほど丸くなく、ゾクッとする目。
 唇も、薄くなく普通。
 若干美人系かな?
 化粧の仕方にもよるのかもしれない。

 二人とも、共通点は、胸が目だたない。

「えーモテそうなのに」
「みんながそう言って、遠慮するからモテないんだよ」
 軽いノリには、軽く返す。

 二人は、人文なので一般講義以外では会うことはない。
 俺は一応経済だからな。

 夜に、居酒屋さんで良いという二人と、食事の約束をする。
 いやあ前回の地雷女と違って、普通で良い。
 毎回数万なんて言う飯代、おごっていられるかぁ。

 そいつには、『男におごって貰うというのは、同伴の女の子から始まったらしいね。風俗がらみで』
 そう言って、意図的に喧嘩をして別れた。
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