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望まれた破局
第2話 悠月は、結構染まっていた
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悠月が、身の危険を感じると言ったその理由。
やはり帰ると、奴がいた。
でも、他の男も……
合わせて三人。
「お母さんは、いつものようにしていて、もう一人。別の人のを…… お口に咥えていたの。その、すごく美味しそうに、よだれを垂らして。私にも気がつかず」
俺は、青い顔をしてしゃべる悠月を、そっと抱きしめ、背中をさする。
「それで、もう一人が持っているカメラに、お母さんが写っていて、よく見たら同じようなカメラが部屋に幾つもあって、一人がこっちに気がついたの。その、お母さんが咥えていた人」
そう言った瞬間、悠月は少しぶるっと震えた。
俺は背中をさする。
―― だが、その時俺は、知らなかった。
怖くて震えたのではないことを…… 光景を幾度も見せられ、学校で習ってどういう事かを知り、母親の喜び、恍惚とした表情を幾度も見た。
しゃべりながら、思いだして、悠月は濡らしていた。
自身で、流れ出るそれを感じて痙攣した。
「それでね、お母さんから引っこ抜いて、私に舐めてみるかって? お金をくれるって。その時、お母さんたら、追いかけるのよ。飲ましてって。何か美味しいのかって思っちゃって」
その時、続きを聞く前に、なんだか俺は、腹が立った。
「もうお前。うちに帰るな。ここに居れば良い」
つい、大声を出す。
「うん。お母さんには、そう言っとく」
そう言って、ほっとした感じの顔をした。
ほっとした理由は、そう、悠月は結局。
言われるままに、続きをしたから。
思ったよりも痛くて苦しくて、辛かった事。
結局お金は、お母さんに渡すからと言って、もらえなかったこと。
家にいると、またしなければ、ならなくなると思ったから。
お母さんのために。
自分の手に、お金が渡らないのに。
そう、悠月にとっては、お金が来なかった。
そこが大きい。
途中で痛がったから、最後まではしていない。
口も小さく、ちょろっとだけ。舐めても苦く思ったように美味しくない。
まだ下も、栄養状態が悪く。まあそれが良かったとも言える。
その日から、彼女はうちで暮らし始める。
きちんと、母親が正気の時に断って。
ただ伝えたときに、嬉しそうだったとも言っていた。
中学校の時も、俺達の布団は一つだから一緒。
だが成長はする。
多少興味による、色々もしたさ。
仕事に出た日は、必ず親父は酒を飲む。
すぐ横にいても問題はない。
その中で、母親の得ていた感覚を、悠月は理解する。
なるほどこれは良い。
単に慣れの問題だと。
そして、高校に入った頃から、他の地区に住んでいる奴らと連み始める。
高校に入れば、卒業するだけ。
大学なんぞ、夢の話。
凜は好きだけど、勉強ばかりで、楽しくない。
お金が稼げるなら、稼いで遊びたい。
まあ、その世界に入るのは、簡単だったようだ。
今はスマホなんて言う、便利なものがある。
最初は、連れのスマホで約束をする。
すぐに、自分のスマホが持てた。
中古の、フリーだが。
町中で、おとなしそうな奴を脅して捕まえ 、SIMクローンツールを使用してコピーを作る。KiとIMSIでも良い。今回は、データ吸い上げをリーダーで行い、他の作業は落ち着いてやる事にした。
仲間のマンションでたむろし、酒を飲み、適当に乱交。悠月にとっては、楽しかった。好きなときに好きなものが食べられる。
夢のような暮らし。
毎回腹を張らすためだけに食べる、いつもの餌ではない。
酒も最初は美味くなかったが、慣れれば美味い。
仲間内のエッチも、楽しいし気持ちも良い。
ただ、凜とするときとは少し違う。
彼とだと、もっと違うものを感じる。安心感と繋がっている感覚。
深く。そう深く。
だが、当然どちらの家にも帰らず、凜と会わない日々。
そんな時、ばったりと凜と会う。
「何だ? 帰ってこないと思っていたら、そつらと連んでいるのか?」
「何だぁ、こらてめえ」
後輩なのか、見慣れない奴が鬱陶しく絡んでくる。
だが、後輩の意図とは違い、後ろから声がかかる。
「すまん。凜。きっちり教育をするから」
「で、なんで悠月がそこにいる」
そういうと、気まずそうに答えてくる。
「悠月。いや、桃木さんが仲間に入ると言ってきて。決して無理強いはしていねえ」
おびえた奴らを、睨み付ける。
「そうか。頑張ったんだがなぁ。すまん。悠月、別れよう?」
表だって、付き合ってくれとか、言ったことはなかったが、まあずっとすることはしていたし、夫婦寄りの兄妹? まあ、そんな気分でいたのは確かだ。
「へっ。本当に?」
そう言いながら、悠月はどこかで抱えていた、重荷がなくなるのを感じる。
そうこいつらの中に居ても、いつも、凜に聞いたのか? 高梨さんの許可は?
そんな状態。
だけど、『別れよう』の言葉に、何故か涙がこぼれる。
嬉しいのに、背中が少し寒い。
寝ていたときに感じていた、凜のぬくもり。
不思議だが、凜はこいつらに慕われている。
中学校の時だって、こいつらは好き勝手をしていて、凜は誘われたが、つまらんと言って、すぐに抜けたはず。
ひたすら勉強をしていた。そう、それだけなのに。
やはり帰ると、奴がいた。
でも、他の男も……
合わせて三人。
「お母さんは、いつものようにしていて、もう一人。別の人のを…… お口に咥えていたの。その、すごく美味しそうに、よだれを垂らして。私にも気がつかず」
俺は、青い顔をしてしゃべる悠月を、そっと抱きしめ、背中をさする。
「それで、もう一人が持っているカメラに、お母さんが写っていて、よく見たら同じようなカメラが部屋に幾つもあって、一人がこっちに気がついたの。その、お母さんが咥えていた人」
そう言った瞬間、悠月は少しぶるっと震えた。
俺は背中をさする。
―― だが、その時俺は、知らなかった。
怖くて震えたのではないことを…… 光景を幾度も見せられ、学校で習ってどういう事かを知り、母親の喜び、恍惚とした表情を幾度も見た。
しゃべりながら、思いだして、悠月は濡らしていた。
自身で、流れ出るそれを感じて痙攣した。
「それでね、お母さんから引っこ抜いて、私に舐めてみるかって? お金をくれるって。その時、お母さんたら、追いかけるのよ。飲ましてって。何か美味しいのかって思っちゃって」
その時、続きを聞く前に、なんだか俺は、腹が立った。
「もうお前。うちに帰るな。ここに居れば良い」
つい、大声を出す。
「うん。お母さんには、そう言っとく」
そう言って、ほっとした感じの顔をした。
ほっとした理由は、そう、悠月は結局。
言われるままに、続きをしたから。
思ったよりも痛くて苦しくて、辛かった事。
結局お金は、お母さんに渡すからと言って、もらえなかったこと。
家にいると、またしなければ、ならなくなると思ったから。
お母さんのために。
自分の手に、お金が渡らないのに。
そう、悠月にとっては、お金が来なかった。
そこが大きい。
途中で痛がったから、最後まではしていない。
口も小さく、ちょろっとだけ。舐めても苦く思ったように美味しくない。
まだ下も、栄養状態が悪く。まあそれが良かったとも言える。
その日から、彼女はうちで暮らし始める。
きちんと、母親が正気の時に断って。
ただ伝えたときに、嬉しそうだったとも言っていた。
中学校の時も、俺達の布団は一つだから一緒。
だが成長はする。
多少興味による、色々もしたさ。
仕事に出た日は、必ず親父は酒を飲む。
すぐ横にいても問題はない。
その中で、母親の得ていた感覚を、悠月は理解する。
なるほどこれは良い。
単に慣れの問題だと。
そして、高校に入った頃から、他の地区に住んでいる奴らと連み始める。
高校に入れば、卒業するだけ。
大学なんぞ、夢の話。
凜は好きだけど、勉強ばかりで、楽しくない。
お金が稼げるなら、稼いで遊びたい。
まあ、その世界に入るのは、簡単だったようだ。
今はスマホなんて言う、便利なものがある。
最初は、連れのスマホで約束をする。
すぐに、自分のスマホが持てた。
中古の、フリーだが。
町中で、おとなしそうな奴を脅して捕まえ 、SIMクローンツールを使用してコピーを作る。KiとIMSIでも良い。今回は、データ吸い上げをリーダーで行い、他の作業は落ち着いてやる事にした。
仲間のマンションでたむろし、酒を飲み、適当に乱交。悠月にとっては、楽しかった。好きなときに好きなものが食べられる。
夢のような暮らし。
毎回腹を張らすためだけに食べる、いつもの餌ではない。
酒も最初は美味くなかったが、慣れれば美味い。
仲間内のエッチも、楽しいし気持ちも良い。
ただ、凜とするときとは少し違う。
彼とだと、もっと違うものを感じる。安心感と繋がっている感覚。
深く。そう深く。
だが、当然どちらの家にも帰らず、凜と会わない日々。
そんな時、ばったりと凜と会う。
「何だ? 帰ってこないと思っていたら、そつらと連んでいるのか?」
「何だぁ、こらてめえ」
後輩なのか、見慣れない奴が鬱陶しく絡んでくる。
だが、後輩の意図とは違い、後ろから声がかかる。
「すまん。凜。きっちり教育をするから」
「で、なんで悠月がそこにいる」
そういうと、気まずそうに答えてくる。
「悠月。いや、桃木さんが仲間に入ると言ってきて。決して無理強いはしていねえ」
おびえた奴らを、睨み付ける。
「そうか。頑張ったんだがなぁ。すまん。悠月、別れよう?」
表だって、付き合ってくれとか、言ったことはなかったが、まあずっとすることはしていたし、夫婦寄りの兄妹? まあ、そんな気分でいたのは確かだ。
「へっ。本当に?」
そう言いながら、悠月はどこかで抱えていた、重荷がなくなるのを感じる。
そうこいつらの中に居ても、いつも、凜に聞いたのか? 高梨さんの許可は?
そんな状態。
だけど、『別れよう』の言葉に、何故か涙がこぼれる。
嬉しいのに、背中が少し寒い。
寝ていたときに感じていた、凜のぬくもり。
不思議だが、凜はこいつらに慕われている。
中学校の時だって、こいつらは好き勝手をしていて、凜は誘われたが、つまらんと言って、すぐに抜けたはず。
ひたすら勉強をしていた。そう、それだけなのに。
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