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幼馴染みは他人だけど、やっぱり他人
第2話 少し変わった距離感
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当然だが、翌日もなにもなかったように、やって来る瑠璃。
玄関の鍵を閉めていても、奴は鍵を持っている。
「なによ、その不機嫌な顔」
「別に」
そうご機嫌斜めな俺。
ご褒美を期待したのに、送られてくることはなかった。
勝手に期待しての自爆だが、眠い。
幾ら仲が良くっても、言えることと言えないことはあるし、俺は努めて普通の人間だと思っている。
「言えるわけがない」
あっ、口に出た。
「何よ? 言いなさい」
にまっと笑い、にじり寄ってくる。
全身から漂う年上感。
上から目線とも言う。
「人のこと撮りまくったんだから、くれても良いだろ」
言ってやった。
「あんた自分の裸。写真欲しいの?」
たまに出るナチュラルぼけ炸裂。
「ちげーよ。ねえちゃんのだよ」
そう言うと、きょとんとした顔。
本当に、何それ? そんな感じ。
止まらない。
「おれも、けんじぇんにゃ男なんだよ」
「にゃ?」
そう言って、真っ赤になってくる。
「あーうん。そうそうだね。ちょろっと生えていたし。そうそうよね」
そう言ったまま、黙ってしまう。
目線は何故か、部屋の隅へ向かい、何故か距離がズリズリと遠ざかっていく。
「そうっかぁ。一年生でもそっかぁ」
なにか、うわごとの様に繰り返す言葉。
そして、
「宿題しよっか」
「はっ?」
「――宿題。あるんでしょ」
「あるけどさ」
どうも、面倒ごとは、脇へと置いたようだ。
机に向かって宿題をしているが、おれが何かをするたびに、ビクッとされる。
何だよ一体?
楓がそんな事を思い。もし安易に、それを言葉に出しても。
そして、それを瑠璃に言ったとしても。
――瑠璃は、当然のようにパニックを起こしていた。
えっえっえっ?
楓が私に興味? いや異性として裸だけ? でも…… 興味? えっ?
俗に言う、パニック。
つい昨日までは、弟だった。
私が、なにか扉を開いた?
どうしよう……
見せる?
だめよ…… まだ…… 中一だし。
でも、その頃。
――興味。――あったわね。
「楓…… その…… み、見たいの? 私だよ? それとも、だっ。誰でも良いとか? それなら、ネットにそんな画像もあるし…… 教えようか? たったまに、変なメッセージがでたら、ページを強制的に閉じれば大丈夫、だから…… ねっ」
真っ赤なををして、必死で何かをごまかす瑠璃。
「ばかじゃね」
そう言って、おれは、宿題に戻る。
そう言われて、しばらく口をパクパクしていたが、はむっと閉じる。
「写真、自撮りで変な顔ばかりだし。ポーズも片手だと、うまくできなくて……」
そんなことを言って、泣きが入る。
「じゃあ撮ってやるよ。どうせ資料にいるんだろ」
机の宿題から、顔を上げずに答える。
「あうっー、なら、胸が大きくなるから、生理前におねがい」
言ってしまった。
もう引き返せない。
今度は、楓がパニックに入る。
勢いだけで、言った台詞。
まさかそんな答えが、来るとは思ってもみなかった。
できれば、一枚か二枚写真がもらえれば、それで満足をできた。
いや、したと思う。
もう目は、宿題見ていても、何も理解できない。
部屋の中には、妙な緊張感が漂う。
「あらっ、今日は唐揚げなのに、もう食べないの?」
「うん。もう良い」
どうして、狙い澄ましたように好物が二日も続く。
そんな理不尽を感じる、楓だった。
「どうしたのかしら? 元気がないみたいだから、好きなものを作ったのに」
「楓も色々あるんだろ」
父さんの言うように、事件は2階で起こっていた。
当然気がつかない、親であった。
そして、一週間後。
バトルが始まった。
「私だけはいや。脱ぎなさいよ」
「何でだよ。撮るには関係なだろ」
とまあ、最後のあがき。
そのせいで起きる事件までは、女の子である瑠璃には想像できなかった。
当然資料はほしいので、立位から始める。
ポーズを変えながら、撮影。
確認をして、欲しいものを自ら追加して、没頭して行く瑠璃。
写真で充分だったはずが、生身で、それも目の前で動き回る瑠璃。
坐位も撮れば、寝てみたり。
そして、本当に最初は資料のためだった。
限界が近い楓は別だが、絡みを撮っていてふと、まずいことに気がつく。
意識をしたからなのか、あれが近いためか、ふれあい。ときたま、わざとらしい楓からの刺激も受けた。いや普通に胸とか触ってくるし。
急激に、空気感が怪しくなり、自身も流れ出るのが判る。
一瞬来たのかと思ったが違う。
妙に敏感になり、触れられると、つい声が出る。
なんとなく、愛おしくなり楓のそれに手を伸ばす。
自分ではしたことがある、友達との会話に出てくる話題。
楓が我慢できず暴発したので、手と口で復活させる。
痛かったが、のし掛かり腰を落とす。
必死で楓は、胸にすがりついている。
その感覚もなんと言えず、頭の中を麻痺させていく。
気がつけば幾度も。
若くても、楓に限界が来たようだ。
怪しい匂いの立ちこめる中、流石にやばいと正気になる。
窓を開け放ち、楓を連れてシャワーを浴びに行く。
数年ぶりの一緒のお風呂だが、気にしていられない。
「本当にどうしたの? 今日はカレーなのに」
一週間食欲のなかった楓。今日は途中で寝そうになる始末。
「寝るなら部屋へ行け」
「はーい」
部屋に戻れば思い出す。
初めての経験。
そしてベッドに残る、多少淫靡な瑠璃の匂い。
楓は、朝まで寝られなかった。
玄関の鍵を閉めていても、奴は鍵を持っている。
「なによ、その不機嫌な顔」
「別に」
そうご機嫌斜めな俺。
ご褒美を期待したのに、送られてくることはなかった。
勝手に期待しての自爆だが、眠い。
幾ら仲が良くっても、言えることと言えないことはあるし、俺は努めて普通の人間だと思っている。
「言えるわけがない」
あっ、口に出た。
「何よ? 言いなさい」
にまっと笑い、にじり寄ってくる。
全身から漂う年上感。
上から目線とも言う。
「人のこと撮りまくったんだから、くれても良いだろ」
言ってやった。
「あんた自分の裸。写真欲しいの?」
たまに出るナチュラルぼけ炸裂。
「ちげーよ。ねえちゃんのだよ」
そう言うと、きょとんとした顔。
本当に、何それ? そんな感じ。
止まらない。
「おれも、けんじぇんにゃ男なんだよ」
「にゃ?」
そう言って、真っ赤になってくる。
「あーうん。そうそうだね。ちょろっと生えていたし。そうそうよね」
そう言ったまま、黙ってしまう。
目線は何故か、部屋の隅へ向かい、何故か距離がズリズリと遠ざかっていく。
「そうっかぁ。一年生でもそっかぁ」
なにか、うわごとの様に繰り返す言葉。
そして、
「宿題しよっか」
「はっ?」
「――宿題。あるんでしょ」
「あるけどさ」
どうも、面倒ごとは、脇へと置いたようだ。
机に向かって宿題をしているが、おれが何かをするたびに、ビクッとされる。
何だよ一体?
楓がそんな事を思い。もし安易に、それを言葉に出しても。
そして、それを瑠璃に言ったとしても。
――瑠璃は、当然のようにパニックを起こしていた。
えっえっえっ?
楓が私に興味? いや異性として裸だけ? でも…… 興味? えっ?
俗に言う、パニック。
つい昨日までは、弟だった。
私が、なにか扉を開いた?
どうしよう……
見せる?
だめよ…… まだ…… 中一だし。
でも、その頃。
――興味。――あったわね。
「楓…… その…… み、見たいの? 私だよ? それとも、だっ。誰でも良いとか? それなら、ネットにそんな画像もあるし…… 教えようか? たったまに、変なメッセージがでたら、ページを強制的に閉じれば大丈夫、だから…… ねっ」
真っ赤なををして、必死で何かをごまかす瑠璃。
「ばかじゃね」
そう言って、おれは、宿題に戻る。
そう言われて、しばらく口をパクパクしていたが、はむっと閉じる。
「写真、自撮りで変な顔ばかりだし。ポーズも片手だと、うまくできなくて……」
そんなことを言って、泣きが入る。
「じゃあ撮ってやるよ。どうせ資料にいるんだろ」
机の宿題から、顔を上げずに答える。
「あうっー、なら、胸が大きくなるから、生理前におねがい」
言ってしまった。
もう引き返せない。
今度は、楓がパニックに入る。
勢いだけで、言った台詞。
まさかそんな答えが、来るとは思ってもみなかった。
できれば、一枚か二枚写真がもらえれば、それで満足をできた。
いや、したと思う。
もう目は、宿題見ていても、何も理解できない。
部屋の中には、妙な緊張感が漂う。
「あらっ、今日は唐揚げなのに、もう食べないの?」
「うん。もう良い」
どうして、狙い澄ましたように好物が二日も続く。
そんな理不尽を感じる、楓だった。
「どうしたのかしら? 元気がないみたいだから、好きなものを作ったのに」
「楓も色々あるんだろ」
父さんの言うように、事件は2階で起こっていた。
当然気がつかない、親であった。
そして、一週間後。
バトルが始まった。
「私だけはいや。脱ぎなさいよ」
「何でだよ。撮るには関係なだろ」
とまあ、最後のあがき。
そのせいで起きる事件までは、女の子である瑠璃には想像できなかった。
当然資料はほしいので、立位から始める。
ポーズを変えながら、撮影。
確認をして、欲しいものを自ら追加して、没頭して行く瑠璃。
写真で充分だったはずが、生身で、それも目の前で動き回る瑠璃。
坐位も撮れば、寝てみたり。
そして、本当に最初は資料のためだった。
限界が近い楓は別だが、絡みを撮っていてふと、まずいことに気がつく。
意識をしたからなのか、あれが近いためか、ふれあい。ときたま、わざとらしい楓からの刺激も受けた。いや普通に胸とか触ってくるし。
急激に、空気感が怪しくなり、自身も流れ出るのが判る。
一瞬来たのかと思ったが違う。
妙に敏感になり、触れられると、つい声が出る。
なんとなく、愛おしくなり楓のそれに手を伸ばす。
自分ではしたことがある、友達との会話に出てくる話題。
楓が我慢できず暴発したので、手と口で復活させる。
痛かったが、のし掛かり腰を落とす。
必死で楓は、胸にすがりついている。
その感覚もなんと言えず、頭の中を麻痺させていく。
気がつけば幾度も。
若くても、楓に限界が来たようだ。
怪しい匂いの立ちこめる中、流石にやばいと正気になる。
窓を開け放ち、楓を連れてシャワーを浴びに行く。
数年ぶりの一緒のお風呂だが、気にしていられない。
「本当にどうしたの? 今日はカレーなのに」
一週間食欲のなかった楓。今日は途中で寝そうになる始末。
「寝るなら部屋へ行け」
「はーい」
部屋に戻れば思い出す。
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そしてベッドに残る、多少淫靡な瑠璃の匂い。
楓は、朝まで寝られなかった。
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