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幼馴染みは他人だけど、やっぱり他人
第1話 普通の幼馴染みとその距離感
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気がつけば隣には奴がいた。
俺にとっては、少し怖いお姉さん。
そう言っても、たった二個上。
だが子供時代の二個上は、上下関係を植え付けるには十分だ。
時に優しく、時に厳しいこいつは、悪魔にも天使にもなる。
「こら、また同じ所を間違えてる」
容赦なく三十センチの物差しが、俺の手の甲をしばく。
今中学三年生のこいつは奥村 瑠璃。
平均的だという、身長百五十七センチ、バストなどはまだ育つ途中で、何か痛いらしい。
そうだよ、俺は今中学一年生だが、これまで奴は背も高く、恐怖だった。
だが、いきなり背が伸び、身長百五十七センチ瑠璃の言う、公称身長にならんだ。関節痛が出るくらい伸びた。
俺は成長した男、加藤 楓。
なんか曲の影響で、安易についた名前らしい。
二人とも兄妹はおらず、家も近い。
住宅地の自治会? その関わりで親が知りあい、家の方が入り口に近いため普段は、瑠璃が家にやって来る。
「あーもう」
最近それが瑠璃の口癖。
夏が近付くと進路を決めて、三者面談とか言うのがあり、高校を決める。
だけど行きたい学校と、成績。
それと親の希望。
それが見事にバラバラらしい。
姉ちゃんは、美術系を望み、親は進学系の普通科を望む。それも近所の。
先生は、進学系ではあるが、少し遠い国立の附属高校へ行って欲しいらしい。
そろって、美術など大学で良い。そんなことを言っているが、近隣大学にはデザイン科はあっても美術系はない。
それで、「あーもう」となり、とばっちりが俺に来て、しばかれる日々。
「癖になったら、どうすんだよ」
そう言いながら、ひりつく手の甲をなでる。
「癖? しばかれるのが? それはちょっとお姉ちゃん引いちゃうわぁ」
「叩いたのは、そっちだろ」
そう言って、一生懸命ジト目で見る。
「生意気。楓のくせに」
そう言って、いーという顔をする。
「皺が癖になるぞ」
そう言うと、鼻梁脇の皺を自分で伸ばす。
「楓のくせに……」
そして、やる気が失せたのか、いつものスケッチブックが出てくる。
この中には、アンニュイポーズで、多少美化された俺が沢山描かれている。
ポーズを取れと言われる訳でもなく、黙って描き始める。
気が乗らないと、顔がリンゴになったりするようだ。
今は上向きとか、下向き顔の向きによるバランスと配置を、感覚では無く数値化して詰めているそうだ。
だから、アタリ線を書き補助線を入れていくと、リンゴにした方が角度が分かるとか何とか?
あんパンは駄目だそうだ。
「んーやっぱり薄着だと、アタリが取りやすいわね。中心が決まるわ」
「アタリって何?」
「骨格標本? 私は、丸で関節を取って棒で骨を描いて上に肉付け。ほら」
そう言って見せてくれたのは、言ったように棒と丸が書かれたスケッチ。
こうして、途中を見せてくれるのは珍しい。
「へー。こうやって描くんだ。面白い」
「なれた人だと、最小限だし、すごい人は見えない下書きが、クロッキー帳の上に見えるんだって」
「ああ、下書きを書くのは、まだ下手っぴなんだ」
「そうよ。悪かったわね」
そう言って、睨まれる。
「うーん、まだガキとは言えバランスが違う……」
そんな事を、ぶつぶつ言いながら、瑠璃はスマホを取り出す。
一所懸命スワイプし、何かを探し始める。
こそっと、覗き込むと、裸の瑠璃が沢山ならんでいた。
「自撮り?」
思わず言葉が出た。
「なっ。見ないでよ。何してんの?」
「母さん達と形が違う」
つい本音が出た。
「このエロガキ」
物差しを掴むと、何処の騎士だよと言うスピードで瑠璃が切り込んでくる。
流石に痛そうなので、躱すが、奴は年上。
小ずるいことに、足を使って来やがった。
ずしっと、腹の上に乗られる。
その形相は、ミドルの髪が顔に絡みつき、まさしく鬼。
丁度、顔が真っ赤だし。
「いいわ。楓。あんた脱ぎなさい。お姉様にすべてをお見せなさい」
そう言って不敵に笑う。
「父さん達に言うぞ」
ぐっと言う感じで一瞬ひるんだが、向こうは上手。
「あんた先に見たじゃない。エロガキ」
そう言っている、瑠璃だが、スカートはめくれ、絶賛パンとを開帳中。
「パンツ見えるぞ」
「いいの。脱げ」
その有無を言わさぬ迫力は、俺の心を折るには充分だった。
そして、小一時間俺はすべてをさらけ出し、お姉様にこれから逆らえないことを理解した。
落ち込んでいる俺を無視して、ものすごく真っ赤になったお姉は、また宿題の海へと戻っていった。
「楓どうしたんだ? ハンバーグ美味しいぞ」
「うん。そうだね」
その晩は、おられた心が痛く。大好きなハンバーグが、お金がないときに作られる。お豆腐七十パーセントバーグのように味気なかった。
夜中、悪いと思ったのか、俺のポーズと、その脇に絵が添えられて送られてきた。
「馬鹿野郎。お詫びなら自撮りの方を送ってこいよ。こちとら健康な男子だぞ」
ぼやきながら、見ると細部まで描かれていて、おっきしたものは三割増しで描かれていた。
「けっ」
俺にとっては、少し怖いお姉さん。
そう言っても、たった二個上。
だが子供時代の二個上は、上下関係を植え付けるには十分だ。
時に優しく、時に厳しいこいつは、悪魔にも天使にもなる。
「こら、また同じ所を間違えてる」
容赦なく三十センチの物差しが、俺の手の甲をしばく。
今中学三年生のこいつは奥村 瑠璃。
平均的だという、身長百五十七センチ、バストなどはまだ育つ途中で、何か痛いらしい。
そうだよ、俺は今中学一年生だが、これまで奴は背も高く、恐怖だった。
だが、いきなり背が伸び、身長百五十七センチ瑠璃の言う、公称身長にならんだ。関節痛が出るくらい伸びた。
俺は成長した男、加藤 楓。
なんか曲の影響で、安易についた名前らしい。
二人とも兄妹はおらず、家も近い。
住宅地の自治会? その関わりで親が知りあい、家の方が入り口に近いため普段は、瑠璃が家にやって来る。
「あーもう」
最近それが瑠璃の口癖。
夏が近付くと進路を決めて、三者面談とか言うのがあり、高校を決める。
だけど行きたい学校と、成績。
それと親の希望。
それが見事にバラバラらしい。
姉ちゃんは、美術系を望み、親は進学系の普通科を望む。それも近所の。
先生は、進学系ではあるが、少し遠い国立の附属高校へ行って欲しいらしい。
そろって、美術など大学で良い。そんなことを言っているが、近隣大学にはデザイン科はあっても美術系はない。
それで、「あーもう」となり、とばっちりが俺に来て、しばかれる日々。
「癖になったら、どうすんだよ」
そう言いながら、ひりつく手の甲をなでる。
「癖? しばかれるのが? それはちょっとお姉ちゃん引いちゃうわぁ」
「叩いたのは、そっちだろ」
そう言って、一生懸命ジト目で見る。
「生意気。楓のくせに」
そう言って、いーという顔をする。
「皺が癖になるぞ」
そう言うと、鼻梁脇の皺を自分で伸ばす。
「楓のくせに……」
そして、やる気が失せたのか、いつものスケッチブックが出てくる。
この中には、アンニュイポーズで、多少美化された俺が沢山描かれている。
ポーズを取れと言われる訳でもなく、黙って描き始める。
気が乗らないと、顔がリンゴになったりするようだ。
今は上向きとか、下向き顔の向きによるバランスと配置を、感覚では無く数値化して詰めているそうだ。
だから、アタリ線を書き補助線を入れていくと、リンゴにした方が角度が分かるとか何とか?
あんパンは駄目だそうだ。
「んーやっぱり薄着だと、アタリが取りやすいわね。中心が決まるわ」
「アタリって何?」
「骨格標本? 私は、丸で関節を取って棒で骨を描いて上に肉付け。ほら」
そう言って見せてくれたのは、言ったように棒と丸が書かれたスケッチ。
こうして、途中を見せてくれるのは珍しい。
「へー。こうやって描くんだ。面白い」
「なれた人だと、最小限だし、すごい人は見えない下書きが、クロッキー帳の上に見えるんだって」
「ああ、下書きを書くのは、まだ下手っぴなんだ」
「そうよ。悪かったわね」
そう言って、睨まれる。
「うーん、まだガキとは言えバランスが違う……」
そんな事を、ぶつぶつ言いながら、瑠璃はスマホを取り出す。
一所懸命スワイプし、何かを探し始める。
こそっと、覗き込むと、裸の瑠璃が沢山ならんでいた。
「自撮り?」
思わず言葉が出た。
「なっ。見ないでよ。何してんの?」
「母さん達と形が違う」
つい本音が出た。
「このエロガキ」
物差しを掴むと、何処の騎士だよと言うスピードで瑠璃が切り込んでくる。
流石に痛そうなので、躱すが、奴は年上。
小ずるいことに、足を使って来やがった。
ずしっと、腹の上に乗られる。
その形相は、ミドルの髪が顔に絡みつき、まさしく鬼。
丁度、顔が真っ赤だし。
「いいわ。楓。あんた脱ぎなさい。お姉様にすべてをお見せなさい」
そう言って不敵に笑う。
「父さん達に言うぞ」
ぐっと言う感じで一瞬ひるんだが、向こうは上手。
「あんた先に見たじゃない。エロガキ」
そう言っている、瑠璃だが、スカートはめくれ、絶賛パンとを開帳中。
「パンツ見えるぞ」
「いいの。脱げ」
その有無を言わさぬ迫力は、俺の心を折るには充分だった。
そして、小一時間俺はすべてをさらけ出し、お姉様にこれから逆らえないことを理解した。
落ち込んでいる俺を無視して、ものすごく真っ赤になったお姉は、また宿題の海へと戻っていった。
「楓どうしたんだ? ハンバーグ美味しいぞ」
「うん。そうだね」
その晩は、おられた心が痛く。大好きなハンバーグが、お金がないときに作られる。お豆腐七十パーセントバーグのように味気なかった。
夜中、悪いと思ったのか、俺のポーズと、その脇に絵が添えられて送られてきた。
「馬鹿野郎。お詫びなら自撮りの方を送ってこいよ。こちとら健康な男子だぞ」
ぼやきながら、見ると細部まで描かれていて、おっきしたものは三割増しで描かれていた。
「けっ」
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