上 下
44 / 221
理不尽(湊大と湊)

第2話 中学生の頃

しおりを挟む
 湊と一緒に、中学生になった。
 そして、また大人に成りたい病が、再発をする。
 話を聞くと、お母さん。家では結構キツくあたるようだ。

 その為なのか、一年生の頃は、まだ良かったが、二年生になったころ。
 湊は質の悪い連中と付き合い始めた。

 そのグループの数人は、小学校の時の友人で、湊が変なことにならないようにお願いしていた。
「なんだよおまえ。家族でもないのに」
 そう言ってくる奴に、僕は答える。
「家族みたいな。ものなんだよ」
「何だそりゃ?」
 一人がそう言うと、もう一人が、ニヤニヤしながら言ってくる。
「馬鹿だなあ。湊大、湊が好きなんだろ。さっさと告っちまえよ」

 ニヤニヤされながら、そう言われて困ったが、その方が話が早いか。そう考えて話を合わせる。
「そうだよ悪いか。まだ中学生だしな。まあ気に掛けておいてくれ」
 友人達は、ニヤニヤしながら承知をしてくれた。


 ところがある日。湊が補導された。
 幾人かで、店に行き。その中の1人が、万引きをして見つかり。店内にいたグループ全員が呼ばれ、学校に連絡が来た。

 実際ものを盗っていて捕まり、罰を食らったのは3人だったが、店からグループでの窃盗なら組織犯罪だと言われたらしく。なぜか仲間内全員が最短3日の停学みたいな物を食らった。先生は盗ろうとしたのを止めなかったからだと言っていた。

 中学生は義務教育のため。教育を受ける権利の不当な剥奪となるため、高校のような停学は出来ない。学校に来て、使っていない教室で、大量の宿題が渡され、毎日。反省文と共に提出。

 無論、期間中。親が送り迎えとなっていた。

 当然、それで怒ったのは、湊のお母さん。
 家に来て。
「娘をおたくに預け。安心してしていたのに。なんと言うことなの? これからは責任を持ってみて頂戴」
 みたいなことを、散々わめいて帰ったようだ。

 湊は、それを見て。
 家の家族に迷惑を掛けたことが堪えたようで、良くない連中とは付き合わなくなった。ところが、そう言う付き合いは、折に触れ。誘いがやってくる。

 何かの、祭りの時。
 仲間と、敵対した奴らが乱闘になり、危うく巻き込まれそうになり。
 逃げてきたようだ。ただし、その時に巻き込まれた女の子が、相手に捕まり、性的乱暴を受けて問題となった。早めに逃げていたし、チクリもなく。湊は罰を受けなかった。

「もう絶対に、関わらない」
 湊はそう言って、反省をしていた。
 巻き込まれた女の子はしばらく入院し、転校をしていった。

 そうして、中学3年。
 代替わりして、他校の奴らも手を出してこなくなり。
 また、つるみ始める。

 そして、仲間の一人が、原付で事故り入院。
 それを機に、再び学校からも目を付けられて、なんとなくグループは空中分解をしたらしい。

 夏休み。無事というのか、誰からも誘いがないようで、夏休みの宿題と、思ったより成績が悪かったらしく、1年生からの主要科目全部のドリルが宿題として出されたらしい。夏休み前の懇談で先生に言われて湊のお母さんが、なんと言うことなの恥ずかしいとキイキイ言って、すぐ買ってきたらしい。

 済まさないと、お小遣いが消滅をするらしい。
 結構その言葉が効いたらしく、真面目にやっていた。
 まあ最初は、1年生の分だしやり直すと、一部以外は意外と理解ができる。
 分からないところは、細かくかみ砕いて説明をする。
 すると。
「1年生の時はどうやっても分からなかったのに。凄い」
 そう言って、本人も驚いていた。

 ただこの教えるとき、昔と違い、何か良い匂いがする。
 クンクンしていると、湊が気がつく。
「うん?私、汗臭い」
「いや違う。何か良い匂いがする」
「そう? 今日は何も付けていないけれど」
「そうなんだ」
 そう言ったが、凄くドキドキし始め、横に座っているのが急に恥ずかしくなる。
 でも離れたくもない。

 そうして、悶々としていると、湊が素知らぬ顔をして手を繋いでくる。
 なぜか、ニコッと笑顔で。

 そして数日後、湊だけが午前中やって来た。
「あれ? 海は?」
「友達とプールだってさ。私は行きたいって言っても、許可が出ないのに」
「そうなんだ。まあ上がって」
 そう言って麦茶を、コップに入れて部屋に持って上がる。
 普段は居間でするのだが、2人だからなのか、部屋でしようとなった。

 珍しく上はノースリーブで、下はスカート。
 スカートは何かの時に、すぐ脱がされるから、危なくていやだと言っていたのに。

 ごくごくと、麦茶を飲んで、ぷあーと言う感じで、天井を見つめている湊。
 こっちに向き直り、聞いてくる。
「○○から聞いたんだけど、湊大って、私のこと好きなんだって?」
「えっ。あっ。うん。そうだね」
 なんだかストンと言葉が出た。
「ごめんね。キスは無理矢理されて、初めてじゃないけど」
 そう言って、キスをしてくる。

「んんっ。ぷはっ。ええとあの、息ができない」
「私もよく分からないけど、鼻ですれば良いんじゃないの?」
 検索して、やり方を見る。
「ほへー。こんな感じなんだ」
 そう言ってどんどんと、お勉強は進み。仲良くなった。
「湊大と大人になった」
 そう言って笑う彼女は、いつもよりかわいかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

処理中です...