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病気とラブコメ多少(一葉と一希)

第5話 再び巡り会う日まで

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 歩きながら、心づもりを私は決める。
 私の一大事に、来ないお兄ちゃん。
 そして、仏間へ案内。
 そんなのって。

「…………。そう、答えは一つ」
 立ちのぼる。お線香の煙。
 まだ、残されている焼香台。

 小さな枠の中で、笑っているお兄ちゃんと、消されている私。
 そう。この写真。知っている。

 横には、私が写っていたはず。
 あのとき、簡易のギブスがとれて、匂いがひどいとけなされ。
 お兄ちゃんに、匂いを擦り付けようとした私。
 お母さんが撮影した一枚。

 私たち。お兄ちゃんのスマホやPC。そして、私のスマホは、ガチガチにプロテクトがかけてあり。開くことはできない。
 無理に開けば、暗号化されたまま、二度と開かない。

 そう。この写真が撮られる少し前から。
 私たちは、色々試した。
 無論体に負担かけず。
 愛を確かめ合うため、お互いがお互いを、気もち良くさせるため。

 いちど、私は我慢できず。
 受け入れた?ことがある。
 お兄ちゃんが、寝っ転がっているときに、元気にさせて座り込んだ。
 痛くて、涙が出た。でも、幸せだった。
 私の中で、受け入れているのが、はっきり分かったし。
 あのとき、手術をうけることが決まり、報告してから後のこと。
 手術中は心臓を止める。蘇生は100%では無いから、私は決心した。
 すぐ後、なぜかお兄ちゃんが避妊具を持ち出して、負担をかけないよう。ゆったりと行為をしたけど、最初の着けていない方が、やっぱり繋がっている感じがして良かった。


「そうだよね。そうなんだよね。お兄ちゃんが、大事な私を放っておくなんて、おかしいと思ったよ」
 私は、ブラウスをはだけ、包帯を見せる。
「手術は、無事に成功したって。うれしい? 喜んでくれるよね。これでいっぱい色んなことができるよ。傷はきっと残るけど」
 私は、そんなことを言いながら、報告をする。

 涙がこぼれるのが分かるけど、そんなことよりも、言いたいことがあった。
 入院してから、姿を見せてくれないから、退屈だったとか、心配させた罰として見せてあげるけど、してあげないとか。
 ……何でもするから、会いに来てとか。
 あれもこれも。会ったら言わなきゃいけないと、いっぱいため込んできたのに。
 伝えられないじゃない。

 さっき、お兄ちゃんのことを理解したとき、一緒に死のうと思ったのよ。
 でもね、今まで大事にされたものを。私の体を。自分じゃ壊せない。
 手術前なら、お兄ちゃんを求めて、夕日に向かって走れば。きっと会えたのに。
 
 そういえば、どうやって死んだの?
 痛くはなかったのかしら?
 
 話とお悔やみを言おうと、立ち上がりかけ、お焼香もしていないことを思い出す。
 えっちなお兄ちゃん。願わくば転生して。また一緒に暮らしましょう。
 今度は夫婦として、幸せになろうね。


「おい。じじい」
「あん?」
 さっき、一葉が元気になって、焼香しに来る所までで良かったんだよ。

「この男と、いちゃついている部分は要らねえ」
「なんじゃ気になるじゃろ。ほれ、体も元気になって、あんあん言いよる」
「だから見たくねえって。目をつぶろうがどうしようが、強制的に見せられるのは苦痛なんだが」
「そう言いながらも、彼女の乱れた姿を見て、興奮する性癖が、いまはやりなんじゃろう」
「そりゃNTRと言って特殊な奴だけだ。普通は冷めるんだよ。俺の場合はちょっと複雑だけどな。30歳前まで、多少は引きずったようだが、幸せになってくれたのはうれしい。だけどこれ止めてくれよ、一葉があんな。ああっ。この辺りは俺と開発したのが。ああ畜生。もうう良い。転生して、何をするんだった? 滅ぼせば良いのか?」

「ちがう。滅ぼされてはかなわん。発展させれば良いのじゃよ。いわゆる知識チートじゃ。さっきの願望にあった人心掌握と制御も能力に足してやる」
「他には? 何ができる?」
「おまえさんの知識にあった、アイテムボックスに属性魔法? 錬金術かのう? 魔法など属性という分類がよくわからんが、基本的に何でもできるはずじゃがの。まあいい。それで今より少し体は大きくしてあげよう。後は丈夫な体と、知能レベルの上昇と記憶。そんなものかの」

「分かった。それじゃあ行くよ」

 浮遊感の後。目をそっと開くと、ドーム状の天井。道路かな? 走ってくる車っぽいのは浮いているなあ。
 俺が立っているのは中央分離帯。
 落下防止のために、張られた壁というか、蓋っぽいな。

 周りを、すごいスピードで車が走り抜ける所を、少し歩き、点検通路を見つけた。
 ハッチを開き。下へ降りる。
 でも、下も道路なのさ。

 看板を見ると、日本語っぽい。
 意味は同じだろうか?

 で、どう見ても、地球より進んだ文明。
 ここで知識チートをしろと? あのじじい。ぼけているんじゃないか。
 車なんか、音もなしで飛んでくるんだよ。怖くて仕方が無い。

「見つけた」
「あん?」
 再び浮遊感。

「間違えた。おまえさんにデータを見せていたら、座標がズレていた。間違ってると分かったら動くんじゃない」
「なんだよいったい。間違っているなんて、思ったけどさ。動かないという選択肢はないだろう」

「ようし。ここじゃ。いけ。今度こそ間違えるな」
「間違えたのは、おまえだろうが!!」
 そうして浮遊感の後、大地に立つ。

 いや、大地しかない所に立つ。
 間違いだったら困るので、ぼーっと1時間ほど様子を見る。
「来ないな、ここだったか」
 俺は待っている間に、周辺探査をして見つけていた、川の方へ向かい。歩みを始める。

 そして、世界中を歩き理解する。
 ここは、きっと。

 恐竜も生まれていない原始地球ぽい。
 アイテムボックスに残されていた、一葉ライブラリを眺めながら、知的生命体が生まれるまで、数十万年を待った。
 当然錬金術や、魔法を駆使して切っ掛けは色々試した。

 その者たちに、智を授けながら。地道に発展作業を続ける。

「一葉ごめん。お兄ちゃんなぁ。一緒にと思ったが、転生しようにも、寿命がないっぽい」
 現在。生き神として、祭られている僕である。



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 一葉の名前は、最後の一葉から来ています。
 最初もっと別の病気で、あの最後の一葉が落ちれば病気が治ると嘘ついたが、死んでしまう予定でしたが、とことん暗くなったので、改稿しました。
 大体ずっと入院されてたら、いちゃつけないし。
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