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病気とラブコメ多少(一葉と一希)

第1話 病弱な一葉

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 僕には幼馴染みがいる。
 家が隣で、小さな頃から遊んでいて。
 お互い親が共稼ぎのため。小学校の3年生くらいからは、2人で勉強したり、遊んだり。

 ただ、一葉には先天的な心臓病があり、激しい運動はできない。
 先天的な心臓病というのは、実は、100人に1人位はあるということで、珍しくないらしい。

 その中でも多い。心室中隔欠損(VSD)。
 心臓の心室に、穴があいている。
 そう言っても、小さな穴だったりすれば、成長とともに塞がったりするため、一葉のように成長とともに、塞がることを期待し、手術しないこともあるようだ。まれに大人になって、塞がることもある様だし。

 僕、一希も運動は得意ではなく、家で遊ぶのが好き。
 おかげで子供にしては、ちょっと体重は多いが健康だ。

 学校でも、一葉の事を見るのを理由にして、体育をサボったり。
 小学校低学年の時には。
 僕が、病気のことを事あるごとに言ってしまい。
 逆に、一葉に怒られたり。
 色々あったが、ある程度すると、周りが大人になったのか。
 からかう奴も減ってきた。

 高学年になると、一葉は事あるごとに、僕に謝るようになってきた。
 これは自分がいることで、僕に友達が居ないと思っているようだ。
 だが僕は、単に一人が好き。
 だが今は、一葉の思い込み。
 これを、少し利用させて貰う。

 一葉は、病気のせいか、皆より体が小さい。
 僕にとっては、妹みたいな存在。

 うへへ。そうだよ。血の繋がらない妹。
 一葉には内緒だが、僕がはまっている育成ゲーム。

 少しずつ、リアルでこれを実践していく。
 そんな、野望がある。
 いや、最近できた。

 なんの間違いか、PC版で、ソースがダウンロード可能になっていたゲーム。
 ベータにもなっていないものだが、ひょんな事だが、ある日、検索でリンクがヒット。
 SSHとか、SFTPだったが、何とかダウンロード。
 中に入っていたデータをみて、実行形式にするため鼻血を垂らしながら、必死で勉強した。

 データに入っていた、アーカイブのPNGはモザイクなし。
 超リアルな、3D。
 それはまさに。
 リアルとしか思えないほど、緻密に書き込まれたものだった。
 いや。このときは、本物など、見たことがなかったから、分からないけどね。

 ただ僕の心に、絵を見たとき。
 何かが響いた。

 怠惰な生活の割に、僕の体は同級生よりも大きく、発育が良かった。
 そのためだろうか、小学校5年生にして僕は立った。

 しっかりと、大地を踏みしめ。
 そして、その時に、知ってしまった快楽。

 それは大昔インドで起こり、密教の中で本質として知られ、合一により自己と絶対的な真理を体現する。
 つまり、そのデータにより、僕は人として持っている生物としての心理。その扉を開いてしまった。

 そこから、怠惰な自分を戒め、勉強をした。
 まだ見ぬ世界を開くために。
 本尊は、女体。
 それに至るための、道。

 心理と誘導。
 それを、ひたすら勉強した。

 周りに知られれば、僕にとってはいくら崇高でも。それは他人からは、屑という回答を貰うだろう。
 だが、そんなことは、一片も浮かぶことなく。
 突き進む。
 そうだ。これは。
 やっとできた、僕の夢。

 そして僕は、一冊のノートを書き上げる。
 育成ノートだ。
 命名『導きの書』。
 色々な、シチュエーションにおける回答集。
 
 基本は、落として持ち上げる。
 そして、僕への依存を目指す。
 そのための技術。
 そしてその時、僕の人生における。
 最大の黒歴史が、できあがった。

 このノートは、後に家族に発見され。
 速やかに、可燃物としてポイされた。
「こんなもの。あの子いったい。絶対、一葉ちゃんに知られちゃだめ」
 家族による、思い出は美しく作戦は、速やかに実行されたようだ。
 無論そんなことは、僕は知らなかった。


 まず最初に行ったのは、公園などを通りかかったときに、ふと楽しそうに遊んでいる子達をみる。
 そんなわずかなこと、それをした日は、必ず一葉と仲良く遊ぶ。
 勉強でも良いけどね。
 
 具合が悪そうなら、言えと強く言うことも少し混ぜる。
 心配と言いながら、スキンシップも過度にならないように増やしていく。
 僕が触るのは、一葉の状態を見るだけ。そう理解させる。
 そして、恥ずかしいが、かわいいとか好きだとか、そんなことも会話に混ぜる。
 どさくさに紛れ、かわいい妹という言葉も混ぜていった。

 さてさて、妹という言葉は、比較的早くなじんでくれたが、それ以外が、僕がヘタレなせいで進まない。
 何かブレイクスルーな事でも、起こらなければ。

 その間にも、心理学の医学書まで何とか読み込み。理解をするようになっていた。
 岩の一念。信じていれば、チャンスは来る。

 一年が経った頃。
 教室で走り回っていた馬鹿どもにぶつかられて、体の小さな一葉は跳ね飛ばされ。
 転んで、右手にヒビが入った。
 ガッチガチのギブスではなく、簡易ギブスをすることになった。
 だが、包帯である程度巻かれて、指先程度しか使えない。
 動かすと痛いみたいだしな。

 二週間の間がチャンス。

 献身的なふりをした、お兄ちゃん爆誕。
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