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ちょっとSF、近未来(流生と未希)
第2話 子供のころの記憶
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幼馴染みで思い当たったのは、2個下。
あのときは俺が、自宅守備隊11年目だったから、17歳。だから、15歳? 昔なら中学校3年生くらいだろう。中林未希(なかばやしみき)おだやかな感じで、年下のくせに包容力というのかお姉さんぶった感じの子。
家族同士で、スケジュールが合ったとき。
2年くらいの間に1~2回。同じ行事に参加してくる。
住んでいたのは、大阪エリアだったが、俺のじいさん達は滋賀エリアに住んでいる。
未希達も大阪エリアに住んでいるが、じいさん達は三重エリアに住んでいる。
親同士は仲が良いが、じいさん同士は、いにしえからの因縁とかで仲が悪い。
でもまあ、物心つかない頃から、一緒に寝ているデータや、お風呂。プール。キャンプ。釣り。そんなデータが残っている。いや今はどうだろう?
あれの前。最後は、9年生のとき。
もう大きくなったから、二人でキャンプへ行けと言われて、行ったときだな。
テントを張り。
魚を捕って、料理。
そうそう。サバイバル時のキャンプは、歳とともに課題が厳しくなる。
火起こしは、小さな頃はライターとかを使って良いが、大きくなると、火種を作ることから始める。そのため、雨が降った日は最悪だ。
テントとか食料も、どんどん無くなっていく。
今の俺の歳だと、もう大人と変わらず。予備隊標準装備のナイフ一本と、ファーストエイドキット1つとなっている。
まだ二年前。あの頃は、まだテントは使って良かった。
食料調達と火は人力だったか?
ああそうか。
あのとき、食料調達は一緒だから、お互い川へ入って、濡れた服は干して、裸で抱き合ったのが最後だな。
川から上がり濡れた服を脱いでしまって、振り返ると奴が見ていた。
「すごい変わってる。変なの」とか言って。
まあ、奴は躊躇なく脱ぎ。私も少しは変わった? とか言って見せあいっこしたっけ?
そんな記憶を持って、あの日。
久しぶりに会った未希は、ずいぶんかわいく。そして大人びていた。
「やっほ~。流生おひさぁ」
「おう。元気そうだな」
「ぼちぼちでんなぁ」
そう俺は、望月流生(もちずきりゅうせい)周りに流され生きる男。
全くもって良くないな。
恒例の、
「おう、行ってこい。流生は完全版だろ。未希のテントにしのびこまず。自分でシェルターを作れ」
そう言って家を追い出される。
「ほーい」
ナイフと、ファーストエイドキットを巻き付ける。
俺はいつも腰の後ろに着けている。
未希はテントとシュラフ入りのザックを背負う。
「場所は、いつもの所で良いよね」
「ああ。今年は少し、蛇が多いらしい気を付けろ」
「はーい」
たんぼ道から、山道へ入り、稜線を越えて下り始める。
涸れ沢を目印に下っていき、谷へたどり着く。
ここは脇に、湧き水もあり上流と下流に淵があり、川は瀬だが、両岸は少し砂が堆積している。
未希が、テントを建てている間に枝か笹。竹でも何でも良いから材料を探す。
基本は立てかけるか組むか、その二種類が多い。
テントの横に作りたいから、Aシェルターを作る。
木の枝や笹を引っ張ってきて、上が狭いX状になるように、ブスブスと斜めに地面へ突き刺す。
上部にできたV字に、重しになるように木の枝を乗せる。
かまどを作るため、石を積んでおく。
周りを囲い、1段目は空気が抜ける感じで積む。下側から空気が入って、火によってできる上昇気流で、上に抜けるイメージ?
火起こし用の火口には、本当は綿を蒸し焼きにしたチャークロスとかがあればいいのだが使えない。ちょっとずるだが、こそっとスチールウールを持ってきていた。
まあススキの穂も使うし、大丈夫だろう。
火打ち石は、さっき河原で適当に見つけた、ある程度の硬度を持った石なら使える。石斧っぽい、尖った感じの物をいくつか拾ってきた。ライターの火打ち石もフリントと呼ばれ、チャートの一種だ。ファイアースターターがあれば楽なんだが、実習では禁止されている。
ファイアースターターと言っても、フェロセリウム(鉄とセリウムの合金)やマグネシウムのロッドなのに。
火は、火口に向かって、ナイフの背で、石の尖った角をこする。手を切らないようにちょっと勢いよく。金属が粉となって飛ぶようにイメージする。
ちょっと息をかけ、火の勢いを増し、上に杉の葉を積み上げていく。
適当な物がない場合、乾いた木の枝を切り離さず、薄くめくり返してフェザースティックを作ったりもする。おすすめはスギ、ヒノキ、マツ。
その上に、細く乾いた枝。
その上にと、順に木を太くしていく。
十分火が大きくなったら、目の詰まった木のほうが火持ちは良い。
しめって重いのは論外。乾いていて重いもの。イヌマキとかクヌギ、ナラ。
クヌギやナラは、いわゆるどんぐりの木だ。
ただし、『ウルシ』と『キョウチクトウ』は燃やしちゃ駄目だ。
煙でもやられる。漆は、葉の付いている枝。葉軸が赤っぽくて葉柄を中心として左右に羽状に葉が付いて先端に1枚。奇数羽状複葉となっている。
キョウチクトウは、分厚い笹ぽい葉の形。枝の一カ所から3枚の葉が出ている。
夏に綺麗な花が咲く。
さて、シェルターの材料は。
ダニとか虫を避けるため、笹の葉とかも少しあぶり、さらに少しいぶしてから、床に敷き詰める。
屋根にも、バサッと乗せ。木の枝で抑える。
入り口の少し前。おおよそ70cm位前にも、風よけのために簡易の壁を作る。
1尋(ひろ)の半分くらいかな? 1尋は両手を広げた長さ。
サバイバルでは、体を使った大昔の長さが役に立つ。
未希の方も、火がおこせたようだ。
少し太い木を、もたせかけるようにくべる。
そして、上着だけを脱ぎ、川へと入る。
あのときは俺が、自宅守備隊11年目だったから、17歳。だから、15歳? 昔なら中学校3年生くらいだろう。中林未希(なかばやしみき)おだやかな感じで、年下のくせに包容力というのかお姉さんぶった感じの子。
家族同士で、スケジュールが合ったとき。
2年くらいの間に1~2回。同じ行事に参加してくる。
住んでいたのは、大阪エリアだったが、俺のじいさん達は滋賀エリアに住んでいる。
未希達も大阪エリアに住んでいるが、じいさん達は三重エリアに住んでいる。
親同士は仲が良いが、じいさん同士は、いにしえからの因縁とかで仲が悪い。
でもまあ、物心つかない頃から、一緒に寝ているデータや、お風呂。プール。キャンプ。釣り。そんなデータが残っている。いや今はどうだろう?
あれの前。最後は、9年生のとき。
もう大きくなったから、二人でキャンプへ行けと言われて、行ったときだな。
テントを張り。
魚を捕って、料理。
そうそう。サバイバル時のキャンプは、歳とともに課題が厳しくなる。
火起こしは、小さな頃はライターとかを使って良いが、大きくなると、火種を作ることから始める。そのため、雨が降った日は最悪だ。
テントとか食料も、どんどん無くなっていく。
今の俺の歳だと、もう大人と変わらず。予備隊標準装備のナイフ一本と、ファーストエイドキット1つとなっている。
まだ二年前。あの頃は、まだテントは使って良かった。
食料調達と火は人力だったか?
ああそうか。
あのとき、食料調達は一緒だから、お互い川へ入って、濡れた服は干して、裸で抱き合ったのが最後だな。
川から上がり濡れた服を脱いでしまって、振り返ると奴が見ていた。
「すごい変わってる。変なの」とか言って。
まあ、奴は躊躇なく脱ぎ。私も少しは変わった? とか言って見せあいっこしたっけ?
そんな記憶を持って、あの日。
久しぶりに会った未希は、ずいぶんかわいく。そして大人びていた。
「やっほ~。流生おひさぁ」
「おう。元気そうだな」
「ぼちぼちでんなぁ」
そう俺は、望月流生(もちずきりゅうせい)周りに流され生きる男。
全くもって良くないな。
恒例の、
「おう、行ってこい。流生は完全版だろ。未希のテントにしのびこまず。自分でシェルターを作れ」
そう言って家を追い出される。
「ほーい」
ナイフと、ファーストエイドキットを巻き付ける。
俺はいつも腰の後ろに着けている。
未希はテントとシュラフ入りのザックを背負う。
「場所は、いつもの所で良いよね」
「ああ。今年は少し、蛇が多いらしい気を付けろ」
「はーい」
たんぼ道から、山道へ入り、稜線を越えて下り始める。
涸れ沢を目印に下っていき、谷へたどり着く。
ここは脇に、湧き水もあり上流と下流に淵があり、川は瀬だが、両岸は少し砂が堆積している。
未希が、テントを建てている間に枝か笹。竹でも何でも良いから材料を探す。
基本は立てかけるか組むか、その二種類が多い。
テントの横に作りたいから、Aシェルターを作る。
木の枝や笹を引っ張ってきて、上が狭いX状になるように、ブスブスと斜めに地面へ突き刺す。
上部にできたV字に、重しになるように木の枝を乗せる。
かまどを作るため、石を積んでおく。
周りを囲い、1段目は空気が抜ける感じで積む。下側から空気が入って、火によってできる上昇気流で、上に抜けるイメージ?
火起こし用の火口には、本当は綿を蒸し焼きにしたチャークロスとかがあればいいのだが使えない。ちょっとずるだが、こそっとスチールウールを持ってきていた。
まあススキの穂も使うし、大丈夫だろう。
火打ち石は、さっき河原で適当に見つけた、ある程度の硬度を持った石なら使える。石斧っぽい、尖った感じの物をいくつか拾ってきた。ライターの火打ち石もフリントと呼ばれ、チャートの一種だ。ファイアースターターがあれば楽なんだが、実習では禁止されている。
ファイアースターターと言っても、フェロセリウム(鉄とセリウムの合金)やマグネシウムのロッドなのに。
火は、火口に向かって、ナイフの背で、石の尖った角をこする。手を切らないようにちょっと勢いよく。金属が粉となって飛ぶようにイメージする。
ちょっと息をかけ、火の勢いを増し、上に杉の葉を積み上げていく。
適当な物がない場合、乾いた木の枝を切り離さず、薄くめくり返してフェザースティックを作ったりもする。おすすめはスギ、ヒノキ、マツ。
その上に、細く乾いた枝。
その上にと、順に木を太くしていく。
十分火が大きくなったら、目の詰まった木のほうが火持ちは良い。
しめって重いのは論外。乾いていて重いもの。イヌマキとかクヌギ、ナラ。
クヌギやナラは、いわゆるどんぐりの木だ。
ただし、『ウルシ』と『キョウチクトウ』は燃やしちゃ駄目だ。
煙でもやられる。漆は、葉の付いている枝。葉軸が赤っぽくて葉柄を中心として左右に羽状に葉が付いて先端に1枚。奇数羽状複葉となっている。
キョウチクトウは、分厚い笹ぽい葉の形。枝の一カ所から3枚の葉が出ている。
夏に綺麗な花が咲く。
さて、シェルターの材料は。
ダニとか虫を避けるため、笹の葉とかも少しあぶり、さらに少しいぶしてから、床に敷き詰める。
屋根にも、バサッと乗せ。木の枝で抑える。
入り口の少し前。おおよそ70cm位前にも、風よけのために簡易の壁を作る。
1尋(ひろ)の半分くらいかな? 1尋は両手を広げた長さ。
サバイバルでは、体を使った大昔の長さが役に立つ。
未希の方も、火がおこせたようだ。
少し太い木を、もたせかけるようにくべる。
そして、上着だけを脱ぎ、川へと入る。
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