上 下
9 / 232
自爆(優翔と愛理)

第1話 幼馴染みとそれぞれの中学時代

しおりを挟む
 小学校を卒業するまで、俺には中野愛理と森田葵。それに佐野翔と言う幼馴染みがいた。
 近所に住んで、仲のいい友達。
 毎日、外でも、各自の家でも遊んでいた。

 他の奴達も小学校高学年になり、異性に興味が出始め、そわそわとしだした頃。
 僕たちは1~2年前まで一緒に風呂へ入ったりしていたし、お互い見せ合い。よく言うお医者さんごっこ? や挨拶のちゅうをする程度はしていた。
 ああ、翔と僕はしないよ。
 愛理と葵相手のみ。
 愛理はふーんという感じだが、葵はちょっとうれしそうな顔をしてくれる。
 まあ、今思えば、ちょっとませた生活をしていた。

 だが僕は、小学校卒業に会わせ、家を引っ越した。
 父さんは、1年以上前から、転勤になった市外の仕事場まで通っていたが、朝がきつかったようだ。
 
 僕は校区が変わったため、別の中学へと通う事になった。
 そこで、今の友人である。
 吉川大輝に出会う。

 無論校区が変わっても、連絡は取れるし、会う事もできるが、やはり近所の友達が優先となり自然と疎遠になる。
 幾度か、葵から僕がいないとつまらないと、メールが来ていたが、それも来なくなった。

 中学校から入った僕だが、他の小学校から来ていたグループも、ほどけ始める頃、友人ができた。
 大輝も同じ転勤組。

 僕の存在は気になっていたが、地元のぼっちだと思っていたようだ。
 地元のぼっちではあるが、出身小学校を自己紹介のときに言っただろうが? そう言ったが、周りを見ていて聞いていなかったらしい。

 そうこいつ、かなり大雑把。
 勉強嫌い。
 少し体が大きく力がある。
 そうまるで、漫画の中のいじめっ子。

 だが、その大雑把というところが、気を遣わなくてよく、付き合う上で楽だし以外とモテた。
 こいつが横に居たおかげで、中学でいじめとか僕にとっては皆無だった。

 ただテスト前には、こいつのための勉強会が開かれ、時間を取られる事になった。

 手間だったが、そのおかげで、僕もそこそこの成績が保てたし、知り合いも増えた。結果的には良かったかもしれないし、騒動の種でもあった。

 ちょっと遊びに行く友人。大輝を間に挟んでなので、よっぽどじゃないと仲良くはならなかったが、そういう相手もできた。

 当然男も女も。
 
 勉強会場が、大輝と僕2人のため。
 最初は僕の部屋だったが、中間を経て味を占めた大輝により、言いふらされたようで、勉強できない連れたちを集め、勉強会を開く。

 夏休み前には、親が会社の社長さんで、息子と僕たちのために勉強部屋を造ってくれた。
 そう造ってくれた。
 勉強部屋と言っても、離れの一軒家という感じ。

 図書館のようなテーブル席の部屋と、畳敷きで、なが机のある部屋。
 ちょっとした、台所。
 風呂とトイレ。
 二階には、仮眠室。
 当然、全室防音断熱。冷暖房付き。

 彼の親が、何を考えて建てたのかは知らないが、多分誠という比較的頭の悪い息子が勉強をすると言ったので、張り切ったのだろう。
 プレハブと、コンテナを組み合わせたらしいが、あっという間にできた。

 夏休み前には、そこで幾度目かの勉強が開催される。
 その様子を、うれしそうに、見学していたお父さん。

 まあ勉強を見て、教えてあげると、以外と理解して覚える誠。
 学校の授業では理解できなかったようだが、こいつ、妙なところで引っかかり躓く。
 
 当然。中学1年生の1学期。たいした問題は出ない。正の数と負の数。
 それに文字式の計算。
 +と-。
 単純計算式では、間違えないのに混在させると、なぜか間違える。
 メモリの付いた図。数直線を書く。

(-3)+(+8)の場合どうする?
「ここが、-3だろ。そこから+の方に8つ上がる。-3、-2、-1、0、1、2,3,4。4だろ」
指折りしながら数える。
「8-3は?」
「馬鹿にするな5だろうが」
「そうだね。さっきみたいに指で数えてみなよ」
「8、7,6。あれ?」

「まあそんな感じ。この数直線で考えよう。ここが元の数、マイナスに一個進んで8-1だね」
「おうそうだ」
「どうして君は8-3で8から数えたの?」
「あっ」

 すべてのつまずき。すべての引っかかりが、そんな単純ミス。数え間違い、符号の取り間違いにつけ間違い。分数になると、小学校で理解できないまま来たので通分等々。授業中引っかかっても聞くのが恥ずかしく、ほったらかしで、そのうち勉強が嫌いになった典型だった。
 国語は、短い文を読ませ、ここでどうしてこんな事を考えたとか、考えさせた。
 誠に言わせると、暴君はメロスになった。
 まあ結婚式の日にちを変えたし、山賊を蹴散らしたしな。

「そうだよ。小学校のときに、先生分かりませんて言ったら、クラスの奴らに馬鹿にされて、悔しかったし恥ずかしくて、聞けなくなった。おまえ。良い奴だな。ここの鍵やるよ。親に勉強部屋と言った手前、成績落とすと叱られるからな」

 そんな事がきっかけで、誠とも付き合う事になった。だが彼の友達は、何というかやんちゃな奴が多かった。
 まあ勉強を教えると、誠と同じように理解し、成績は上がったようだが、中学生。
 当然やんちゃな奴らのたまり場。
 当然目的外の使用も、される事になる。
 

 そして、面倒なことの前兆。たまに上級生が混ざるようになる。
 最初は、おとなしいが
「休憩するから、1時間は上に来るな」
 と言って、男女取り混ぜ、数人が上に上がる。

「先輩達行ったな」
 誠が、聞いてくる。
「うん。1時間は使うから上に来るなって」
 そう言うと、誠はにへらとして。
「おまえ、何するのか知っているか?」
「えっ。休憩って言ったよ」
「休憩ってことは、エッチな事をするんだよ」
「エッチな事?」
「ああ。すごく気持ちが良くて、癖になるってさ」

 そんな帰り道、大輝がぽつりと言う。
「あの先輩達が来始めたのなら、まずいな。誠の所、便利だったのに。おまえもなるべく行くな」
 そう言われたが、僕には理解ができなかった。
 誠との、約束もあるしね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

処理中です...