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第3章 レジスタンス

第23話 帰還と、説明

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 無事に帰還し、まったりと御茶を飲んでいると、中根が聞いてくる。
「おまえ達。何を隠している?」
「あにが?」

 静流がクッキーを、縦に咥えながら聞き返す。
「はがっ。はがはが」
 静流が咥えたクッキーを、割ってあげる。
「あーびっくりした」
「何の練習をしていたのよ?」
 そう言って、紡が茶化す。
 そして、静流と二人で、見つめ合いながら、不気味な笑い合いを始める。

 どうせ下ネタだろう。最近二人は、俺をどう喜ばすかについて、苦心をしているようだ。

「そうだよ。静流はまだしも、出浦はそんな女じゃ、なかっただろう?」
「それは、喜びを知ったからよ。それまでの男は、下手だっただけ。真なるエッチは心を満たす」
 そう言って、思い出し笑いをして、よだれを拭う。

「そうかよ。まあそれはいい。あの、超人的な身体能力は?」
 俺は、紡に聞く。
「あれは、言って良いのか?」
 そこし悩んで、話し始める。ここには、山本さんもいるからな。

「あーうん。インジェクターで射つ方は、もうそろそろ報告をする。もう一つは秘密。流生は、耐えられたけれど、ちょっとね。針のタイプで3本までを基本にしようと思っているの」
 それを怪訝そうに聞いている中根。

「なんだよ。言えよ」
「駄目よ。時が来れば発表があるわ。あんた、以外と組織に信用されていないのよ。おわかり?」
「何だよそれ?」
「良くあるじゃない。潜入していて、逆に取り込まれる奴。上級の市民権でコロッといくやつがさ」
 そう、紡が言うと、中根の眉間にしわが寄る。
「どんだけ俺が貢献してきたと思っているんだ。そんなことだから、裏切る奴がでてくるんだよ」
「あ~らそう?」
「てめえ」

 そう言ってつい手を出したのだろうが、次の瞬間吹っ飛んだのは、中根の方だった。
 鼻血を流しながら、呆然と床に座っている。

「あだぁ。今何が起こった?」
「中根が伸ばした、左手を内側に払い、そのまま、鼻にデコピン。鼻だからデコピンとは言わないのか。まあ指で軽くはじかれただけ」

「それおまえ達、見えたのか?」
 山本さん以外は、頷く。
「化け物め」
 そう言って、鼻を押さえて、中根は部屋を出て行く。

 その後、紡が立ち上がり、テーブル下と、中根が座っていた椅子の下から盗聴器を外し指で潰す。
「こんな事をするから、疑われるのよ」
 そう言って、入り口をにらむ。


「ああっ。もう潰された。あいつら、電波が見えるのか? 信じられん」
 頭を抱えながら、中根は自身の部屋へ向かう。

「さっきのは、盗聴器なんですか?」
「そうだね」
 紡があきれたように、そう答える。

「あんなベテランさんなのに」
 山本さんが、驚いたように言うが、目は驚かず冷たい。

「さてと、邪魔者は消えたし。あなたはこっち」
「はい? 私も何かあるのでしょうか?」
「知りたいでしょう? さっきの新技術」
「それはそうですが」
「だからこっち」
 小柄な、山本さん。静流と紡に背中を押され、行き着くのはベッドルーム。

 中へ入ると、ドアがロックされ。
 全員が、当然のように服を脱ぐ。
 すぐに、彼女も脱がされ、10分もすれば声を上げ始める。

 二時間後。
「へーそうなんだ。新技術を教えてねえ」
「10個で上級ねえ。信じていたの?そんな物」
「まあゆっくり、連絡方法とか、教えてね。ゆっくりで良いからね」
 そう言うと、彼女はいやいやをしながらも足を開く。

 また絶え間ない嬌声が響き渡る。

「うわー。流生が本気出すと。駄目ねえこれは、もう彼女普通の生活きっとできないわよ」
「気を練り込んで、直接快楽中枢に刺激を送るから、痛みと快楽両方で刺激を受けているはず」
「ああそれで、この状態?」
 顔は涙と鼻水。よだれでドロドロだ。

「脳内のエンドルフィンやら、なんやらが、危険レベルで出ているんでしょうね」
「壊さないでね。情報は必要だし、相手を釣る餌も必要だし」

 そう、なぜこんな事になったかというと、あの場所で発信器を仕込むとき。彼女が出したものは動作をしていなくて、差し替えた。
 すぐ後に、落とそうとしたり、まあ怪しいよね。
 通常発信装置の類いが側にあると、僕たちには、甲高い音がどうしても聞こえる様になってしまった。
 まあ便利だが、普段は意識的に除外をしている。
 中根の盗聴器もそう。
 赤外や、紫外線は目に気を集めると見える。

 そう本当に、俺たちは人間をやめてしまったのかもしれない。

 さあ。息もできなくなって、ヒクヒクしている彼女を助け、軽く治療をする。
 次の仕事は、釣りに決まったようだ。

 対象は、人間だが。

 その後、当然。静流と紡を相手に、愛を深め合う。
 刺激だけではない。本気のまぐあい。
 静流は良いけれど、紡はなぜか泣くんだよね。
「すなおに、好きといってくれて、うれしいよ。紡」
「あたしも好きだよ。流生」
「分かっているよ。ありがとう」
 そういう二人を抱き締め、背中をなでる。

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