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第四話 東京は約束だらけですか?
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高校に入学してから一週間が経った。
夕飯の後、私は絶海さんの部屋をノックした。
「ウン? 好きに入れと言っているのに……」
「服着てなかったら困るじゃん」
「見てくれて構わない」
「私が構うのよ! ……入っていい?」
「ああ、いいよ」
絶海さんにうながされて部屋に入り、二人で並んでベッドに座る。
絶海さんの部屋はいつも絶海さんの匂いがする。昔から使っている白檀のお香らしい。いい匂いでとても落ち着く。私が深呼吸をしてからため息を吐くと、彼は心配そうに顔を覗き込んできた。
「もしかして恋愛相談か?」
「それじゃなきゃ相談しちゃだめ?」
「イヤ、なんでも相談してほしい」
「よかった……その、実は……」
私はスマホを取り出し、メッセージアプリのトーク画面を絶海さんに見せた。彼はそれを読んで眉間に小さくシワを作った。
「前の席の子なの。……仲良くなれてるのかなって思って……『今度、一緒にお買い物行こう』って誘ったの。そのときは『いいよー』って言ってくれて、連絡先交換して……」
「……ウン」
「そしたらそれ。『桜川さんがはしゃぎすぎててきついんだから仕方ないでしょう?』って……でも誤爆みたいで、そのあとスタンプとか通話とか来て、こう、流そうとはしてくれたみたいなんだけど……読んじゃったわけで、私は……」
「……ウン」
「はしゃぎすぎてるのかな、私? ……いや、絶海さんに聞くことじゃないか。その子から見たら、はしゃぎすぎなんだよね……」
彼は相槌をうちながら、とん、とん、と私の背中を叩く。
「……どんな子なんだ?」
「後藤さん。……私と一緒で高校から入学してきた外部生なの。ヘッセが好きなんだって。私、ヘッセは車輪の下しか読んでないから教えてって言ったらデミアンとか貸してくれて……」
「仲良くしてたんだね?」
「そう思ってたの、私は……でも、……もしかしたら一日で読んでくるのも重かったのかもしれないし、……話しかけてくれるの嬉しくて、ペラペラ話しすぎちゃってたのかも……」
「……最近ずっと読んでた本はみんなその子が貸してくれたんだね?」
「ウン、……仲良くなりたくって……でもやりすぎだったのかも、そういうの全部……」
「……朱莉」
「きっ、……嫌われちゃってる、のかな……」
後藤さんはいい人だ。
私が話しかけると本を読んでいても手を止めてくれるし、にこにこしながら「ここはね……」と教えてくれる。でもそういうの全部嘘だったんだろうか。ずっと気を遣わせて、嘘をつかせてしまっていたんだろうか。
今まで学校ではずっと一人だった。話しかけてくれる人なんていなかった。
だからたしかに私ははしゃいでいた。入学式が終わって、緊張していた私に「私は後藤芽。あなたは?」と声をかけてきてくれたのが嬉しくて、ずっとはしゃいでいた。
「恥ずかしい、私……ひどい……」
絶海さんはとんとんと私の背中を叩き続けてくれている。
そのリズムはとても落ち着いていて、優しいけれど、それでも私は泣きそうだった。勝手にスンと鼻が鳴る。彼はスマホを私の手に戻し、私の肩をつかんで引き寄せた。彼にもたれて息を吐くと、目の奥から涙がこみあげてきた。
「朱莉、その子と友達になりたいか?」
「……うん、なりたい。とても優しい人なの……」
自分の声が泣いている。でも絶海さんはそれをからかったりはしなかった。
「なら『私はあなたの友達になりたい』と言いなさい。それから『はしゃぎすぎていたならごめんなさい』と言えばいい。それだけでいい」
「それだけ……?」
「その子が嘘をついていたとしても朱莉は嘘をつくな。その子が朱莉を傷つけることを言ったとしても朱莉はそれをするな。そして、相手のひとつの言葉より相手のそれまでの行いを信じなさい。わかったね?」
私が泣きながら頷くと、絶海さんは「よく頑張ったね。辛かったろう」と労ってくれた。
「絶海さん……ここで、電話かけてもいい?」
「いいよ。私は朱莉の味方だから」
「手も握っててくれる?」
「いいよ」
絶海さんの手を握ったまま電話をかけた。後藤さんは五コール目で出てくれた。彼女は私の願いと謝罪を聞くと、わっと泣き出した。
『違うの、桜川さんはなにも悪くないの、ごめんなさい、私が悪くて……』
「ううん、私がはしゃぎすぎてたのわかるから……ごめんなさい、……」
『違うの、ごめんなさい、あのね、……』
その後、後藤さんが話してくれたことは後藤さんの中学時代の話だった。
後藤さんは変な同級生に好かれてしまったそうだ。少し話の通じないその子から延々話しかけられて辛かったのだそうだ。その子だけならまだしもその親御さんが家まで押し掛けてきて『この子に勉強を教えなさい』だとか、『いつも一緒にいなさい』だとか言ってきたそうで、とても怖かったらしい。
受験を期にその人たちとの縁が切れたと思っていたら、今度は私だ。
後藤さんは私が話しかけてきてくれるのが怖くなってしまったらしい。前の子とは違って話は通じるし、ちゃんと話も合うけれど、不意に怖くなってしまったそうだ。『もしかしてまた同じなんじゃないだろうか』と。それで後藤さんはお母さんにそのことを相談していたらしい。
けれどお母さんは全然後藤さんの気持ちになってくれず「ビビリ」「そんなんだからつけこまれる」「その子と結局どうなりたいの」などと言われ、つい怒って送ったメッセージがあれだったそうだ。
普段後藤さんが考えていることでもなく親の言葉につられて出てきてしまったのだと、でも言ったことはたしかだから取り返しはつかない、と後藤さんは泣いてしまった。
『ごめんなさい、言い訳じゃなくて、本当に仲良くなりたいの。でもゆっくりきてほしいの。ごめんなさい。私から声をかけたのに、こんなビビリで……』
「ううん、後藤さんを怖がらせちゃったのは私だから……知らなくてごめんね。私、後藤さんとゆっくり仲良くなれるかな?」
『……仲良くしてくれる?』
「うん、仲良くなりたい。私、ヘッセのこともこれから好きになりそうなの」
『……うん、ありがとう、桜川さん』
「ううん、こちらこそありがとう。後藤さん」
たくさん謝ってたくさんお礼を言ってから、私は電話を切った。絶海さんは電話の間、ずっと手を握ってくれていた。
「……頑張ったね、朱莉」
涙をぬぐっていると、絶海さんは私のことを抱き締めてくれた。その胸に額をつけて息を吸う。彼の匂いは、とても落ち着く匂いだ。
「……私、上手にできてたかな? ……絶海さんとヒロさんみたいに仲良しになれる?」
「私たちが仲良しかはなんとも言えないが……私たちには長い付き合いの中で育てた信頼関係がある。……ウン、だからきっと、時間が解決してくれるさ」
泣く私の頭を撫でながら「それにしてもよく頑張ったよ」「えらいよ」「朱莉のことを誇りに思うよ」と絶海さんはたくさん誉めてくれた。お父さんってこんな人なのかなと思いながら、私は「変な人、絶海さん」と憎まれ口をたたいた。絶海さんはクスクスと楽しそうに笑った。
――次の日、私は後藤さんと一つの約束をした。
「クリスマスまでにゆっくり仲良くなってね、一緒に銀座のイルミネーション見に行こうって約束したの。よかったわ、仲直りできて……ありがとうね、絶海さん」
しかし絶海さんはなんとも言えない顔をしていた。私が首をかしげると彼は小さくため息を吐いた。
「イルミネーションか……」
「なあに?」
「夜だな」
「アッ」
そういえば門限があるのだった。
私が目を逸らすと絶海さんは「八時には帰ってくるように」とちょっと門限を伸ばしてくれた。
「はーい、わかってまーす」
「本当に分かっているのか?」
「あ、もしかして寂しいの? 絶海さんとはイブに遊んであげようか?」
絶海さんはさらに顔をしょっぱくして「女性にそんなこと言われたことないぞ……」と呟いた。さすがイケメンは言うことが違う。私は絶海さんの顎を撫でた。
「ン?」
「お髭が残ってる」
「どこだ?」
「ここー」
「ンー、……朱莉、くすぐったいよ」
「フフフ」
絶海さんはお返しのように私の頬をムニムニして「約束だからな」と笑った。「はあい」と私は返事をした。
夕飯の後、私は絶海さんの部屋をノックした。
「ウン? 好きに入れと言っているのに……」
「服着てなかったら困るじゃん」
「見てくれて構わない」
「私が構うのよ! ……入っていい?」
「ああ、いいよ」
絶海さんにうながされて部屋に入り、二人で並んでベッドに座る。
絶海さんの部屋はいつも絶海さんの匂いがする。昔から使っている白檀のお香らしい。いい匂いでとても落ち着く。私が深呼吸をしてからため息を吐くと、彼は心配そうに顔を覗き込んできた。
「もしかして恋愛相談か?」
「それじゃなきゃ相談しちゃだめ?」
「イヤ、なんでも相談してほしい」
「よかった……その、実は……」
私はスマホを取り出し、メッセージアプリのトーク画面を絶海さんに見せた。彼はそれを読んで眉間に小さくシワを作った。
「前の席の子なの。……仲良くなれてるのかなって思って……『今度、一緒にお買い物行こう』って誘ったの。そのときは『いいよー』って言ってくれて、連絡先交換して……」
「……ウン」
「そしたらそれ。『桜川さんがはしゃぎすぎててきついんだから仕方ないでしょう?』って……でも誤爆みたいで、そのあとスタンプとか通話とか来て、こう、流そうとはしてくれたみたいなんだけど……読んじゃったわけで、私は……」
「……ウン」
「はしゃぎすぎてるのかな、私? ……いや、絶海さんに聞くことじゃないか。その子から見たら、はしゃぎすぎなんだよね……」
彼は相槌をうちながら、とん、とん、と私の背中を叩く。
「……どんな子なんだ?」
「後藤さん。……私と一緒で高校から入学してきた外部生なの。ヘッセが好きなんだって。私、ヘッセは車輪の下しか読んでないから教えてって言ったらデミアンとか貸してくれて……」
「仲良くしてたんだね?」
「そう思ってたの、私は……でも、……もしかしたら一日で読んでくるのも重かったのかもしれないし、……話しかけてくれるの嬉しくて、ペラペラ話しすぎちゃってたのかも……」
「……最近ずっと読んでた本はみんなその子が貸してくれたんだね?」
「ウン、……仲良くなりたくって……でもやりすぎだったのかも、そういうの全部……」
「……朱莉」
「きっ、……嫌われちゃってる、のかな……」
後藤さんはいい人だ。
私が話しかけると本を読んでいても手を止めてくれるし、にこにこしながら「ここはね……」と教えてくれる。でもそういうの全部嘘だったんだろうか。ずっと気を遣わせて、嘘をつかせてしまっていたんだろうか。
今まで学校ではずっと一人だった。話しかけてくれる人なんていなかった。
だからたしかに私ははしゃいでいた。入学式が終わって、緊張していた私に「私は後藤芽。あなたは?」と声をかけてきてくれたのが嬉しくて、ずっとはしゃいでいた。
「恥ずかしい、私……ひどい……」
絶海さんはとんとんと私の背中を叩き続けてくれている。
そのリズムはとても落ち着いていて、優しいけれど、それでも私は泣きそうだった。勝手にスンと鼻が鳴る。彼はスマホを私の手に戻し、私の肩をつかんで引き寄せた。彼にもたれて息を吐くと、目の奥から涙がこみあげてきた。
「朱莉、その子と友達になりたいか?」
「……うん、なりたい。とても優しい人なの……」
自分の声が泣いている。でも絶海さんはそれをからかったりはしなかった。
「なら『私はあなたの友達になりたい』と言いなさい。それから『はしゃぎすぎていたならごめんなさい』と言えばいい。それだけでいい」
「それだけ……?」
「その子が嘘をついていたとしても朱莉は嘘をつくな。その子が朱莉を傷つけることを言ったとしても朱莉はそれをするな。そして、相手のひとつの言葉より相手のそれまでの行いを信じなさい。わかったね?」
私が泣きながら頷くと、絶海さんは「よく頑張ったね。辛かったろう」と労ってくれた。
「絶海さん……ここで、電話かけてもいい?」
「いいよ。私は朱莉の味方だから」
「手も握っててくれる?」
「いいよ」
絶海さんの手を握ったまま電話をかけた。後藤さんは五コール目で出てくれた。彼女は私の願いと謝罪を聞くと、わっと泣き出した。
『違うの、桜川さんはなにも悪くないの、ごめんなさい、私が悪くて……』
「ううん、私がはしゃぎすぎてたのわかるから……ごめんなさい、……」
『違うの、ごめんなさい、あのね、……』
その後、後藤さんが話してくれたことは後藤さんの中学時代の話だった。
後藤さんは変な同級生に好かれてしまったそうだ。少し話の通じないその子から延々話しかけられて辛かったのだそうだ。その子だけならまだしもその親御さんが家まで押し掛けてきて『この子に勉強を教えなさい』だとか、『いつも一緒にいなさい』だとか言ってきたそうで、とても怖かったらしい。
受験を期にその人たちとの縁が切れたと思っていたら、今度は私だ。
後藤さんは私が話しかけてきてくれるのが怖くなってしまったらしい。前の子とは違って話は通じるし、ちゃんと話も合うけれど、不意に怖くなってしまったそうだ。『もしかしてまた同じなんじゃないだろうか』と。それで後藤さんはお母さんにそのことを相談していたらしい。
けれどお母さんは全然後藤さんの気持ちになってくれず「ビビリ」「そんなんだからつけこまれる」「その子と結局どうなりたいの」などと言われ、つい怒って送ったメッセージがあれだったそうだ。
普段後藤さんが考えていることでもなく親の言葉につられて出てきてしまったのだと、でも言ったことはたしかだから取り返しはつかない、と後藤さんは泣いてしまった。
『ごめんなさい、言い訳じゃなくて、本当に仲良くなりたいの。でもゆっくりきてほしいの。ごめんなさい。私から声をかけたのに、こんなビビリで……』
「ううん、後藤さんを怖がらせちゃったのは私だから……知らなくてごめんね。私、後藤さんとゆっくり仲良くなれるかな?」
『……仲良くしてくれる?』
「うん、仲良くなりたい。私、ヘッセのこともこれから好きになりそうなの」
『……うん、ありがとう、桜川さん』
「ううん、こちらこそありがとう。後藤さん」
たくさん謝ってたくさんお礼を言ってから、私は電話を切った。絶海さんは電話の間、ずっと手を握ってくれていた。
「……頑張ったね、朱莉」
涙をぬぐっていると、絶海さんは私のことを抱き締めてくれた。その胸に額をつけて息を吸う。彼の匂いは、とても落ち着く匂いだ。
「……私、上手にできてたかな? ……絶海さんとヒロさんみたいに仲良しになれる?」
「私たちが仲良しかはなんとも言えないが……私たちには長い付き合いの中で育てた信頼関係がある。……ウン、だからきっと、時間が解決してくれるさ」
泣く私の頭を撫でながら「それにしてもよく頑張ったよ」「えらいよ」「朱莉のことを誇りに思うよ」と絶海さんはたくさん誉めてくれた。お父さんってこんな人なのかなと思いながら、私は「変な人、絶海さん」と憎まれ口をたたいた。絶海さんはクスクスと楽しそうに笑った。
――次の日、私は後藤さんと一つの約束をした。
「クリスマスまでにゆっくり仲良くなってね、一緒に銀座のイルミネーション見に行こうって約束したの。よかったわ、仲直りできて……ありがとうね、絶海さん」
しかし絶海さんはなんとも言えない顔をしていた。私が首をかしげると彼は小さくため息を吐いた。
「イルミネーションか……」
「なあに?」
「夜だな」
「アッ」
そういえば門限があるのだった。
私が目を逸らすと絶海さんは「八時には帰ってくるように」とちょっと門限を伸ばしてくれた。
「はーい、わかってまーす」
「本当に分かっているのか?」
「あ、もしかして寂しいの? 絶海さんとはイブに遊んであげようか?」
絶海さんはさらに顔をしょっぱくして「女性にそんなこと言われたことないぞ……」と呟いた。さすがイケメンは言うことが違う。私は絶海さんの顎を撫でた。
「ン?」
「お髭が残ってる」
「どこだ?」
「ここー」
「ンー、……朱莉、くすぐったいよ」
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