ラスボス教祖様に『教育』されてます

木村

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愛にひれ伏して 白石 ルイ(ドレイブン・ロック・ムーン)視点

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白石 ルイ(ドレイブン・ロック・ムーン)視点

「ルイ、……ルイッ! あっ、だめ、だめっだめぇっ!」

 私がルイという名前になっていくのが分かる。彼女にそう呼ばれれば呼ばれるほど、私のこの世界に馴染んでいく。

(いずれ元の名前も思い出せなくなるだろう)

 そのとき、私ははじめから白石ルイであったかのように、変貌するだろう。しかし、変わらないものもある。この体、この思考……この嗜好。

「壊れちゃう、やぁっ、そこ、だめぇっ!」

 香織は、だめだ、いやだ、やだと泣きながら濡れる。私もまた、彼女のその叫びを聞くと欲にまみれる。抱いても抱いても、湧き上がるこの、乾き。
 壁にもたれて泣き喚く彼女の腰を掴み、後ろから責め立てる。足がつかなくなった彼女は恐怖で喚くが、床にまでその愛液がとんでいる。

「もっと奥まで、入れさせて、香織」
「ないっ、おく、もう、ないっなぃいっ!」
「……仕方ないな」

 抜いてから彼女を下ろすと、彼女は床にへたり込み、もう自力で立つことすらできないようだ。二の腕を掴んで持ち上げると、べちゃ、と彼女の愛液が床と彼女の尻の間で糸を引いた。

「るい、も、う、おわり……?」

 トロトロ溶けた顔をしているくせに、世迷言を吐く。

「まって、まって、もう、あぁ!」

 彼女を立たせ、左足を抱え、正面から挿入する。彼女の膣は帰ってきた私を嬉しそうに受け入れ、搾り取るように動き出す。彼女の右足の腿に触れる。

「抱き上げるよ、香織……どうしたの?」

 彼女はぷるぷると首を横に振っていた。本気で怖がっているので、一度止まり、どうしたの、ともう一度聞く。

「無理、無理、ルイ、お願い、無理、駅弁なんてされたら本当に壊れる……」
「駅弁……?」
「抱っこしながら、するやつ……」

 ふうん、と笑うと、彼女がボロ、と泣いた。

「ちがう、ちがうのっ、だってぇ……」
「……駅弁したことあるの、香織?」
「ないよ! ないけどっ……聞いたことはあるし……」
「聞いたことあるの? ふうん? それで、何が怖いの?」
「だって、もっと奥はいっちゃうでしょ……?」

 メソメソ泣く彼女ほど、私にとって滾るものがないのがわかっていて、やっているのだろうか。
 
「あるんだ、奥。嘘ついたの? 私に隠してたの?」
「ちが、そうじゃ、あっ……」
「嘘は良くないね、香織」

 彼女の声、彼女の目、甘く溶けていく、女の理性。溶かしているのは私のはずなのに、私の方がよほど溶かされている。

(私達は本当に相性がいい)

 彼女を抱きしめ、右足の腿を引き上げる。

「『教育』してあげる」
「あ……」
「おいで、香織」

 抱き上げると、彼女が必死にしがみついてきた。ず、と彼女の全体重が私にかかる。

(軽いな……)

 軽くて小さい、どこにでもある命。だけど、この両腕の中にあるこの命だけは、どうしてか、とても愛おしい。

(どうして、こんなに……)

 彼女が私の首にすがりついて、声にならない声をあげる。

「んんんっ!!」
「はっ……香織、……もっとしがみついて」
「ん、んっんっ……!」
「いい子、いい子、……上手だ」
「ルイ、ルイィっ! 落ちちゃうっ!」
「落とさないよ。絶対に落とさない。約束する。……怖い?」
「……こわ、くない……ふっう、ルイ、ルイッ……」

 私に必死にしがみつく彼女に全身が歓喜している。内蔵を圧迫されてもなお、私にすがりついて泣く彼女に、腹の底がうずく。自分の腕の中にとらえて、自分のもののように思えてしまう。

(いや、……、そうだ、この女は『正しく』私のものだ。『最初に』、この女が私を男として見たのだから)

 重力を味方につけ、ようやく根本まで入れられた性器が、彼女の膣とピタリと合っている。その気持さに、勢いのまま激しく犯したくなる。が、私の思うままにしたら彼女の小さい体は壊れてしまうだろう。

「ふ、う、……うー、んん……」

 彼女の様子をうかがいながら、ゆっくり、彼女を揺さぶる。

「痛くないね?」
「大丈夫っ……は、あ……んっんっんっ……」
「香織の奥、気持ちいい、……ふ、……」 
「ん、ん、ん、……うれ、し……ん、ん、……んぐっ! ん、ん、んー、……」

 彼女が耐えられる範囲、気持ちよくいられる範囲を見極めながら、彼女の体を上下に揺さぶる。彼女も慣れてきたのか、息を吐きながら、ゆるゆると自分でも腰を振り始めた。

「すき、……」

 不意に、鼓膜に彼女の声が入り込む。

「つっ……好き?」
「ん、すき、あっ、すき、うれし、うれしい、もっと、るい、すき、すき……」

 ぞわっと腰に寒気が走る。

(気を抜くと出してしまいそうだ……)

 歩きだすと、より奥を突くことになり、彼女が「ぁあ!」と甲高く叫んだ。

「奥、すごいぃ、ん、ん、……んんっ!」
「……たまらないな」
「あっ、歩くの、すごいっ、ひっ、うっ」
 
 落とされることなど彼女は一切不安にも思っていない。その全幅の信頼。彼女に信じられていることに、全身が喜んでいる。脳から何もかも溶けてしまいそうなほど、『嬉しい』。

(自分が好きだと思う相手に信頼されること……たまらない……神として振る舞ってきたこれまでと何もかもが違う……)

 必死に私にしがみつく香織が、愛おしくて仕方ない。

「可愛い、……、好きだ、香織……私の……ふふ、私の妻だ。手に入れた、……やっと、……」

 そうだ、と言葉にして思う。

「貴女が欲しかったんだ、……私は、始めから……あなたが見ている、男としての私になりたかったんだ……」

 不意に、かぷ、と喉に噛みつかれた。牙もなにもない、甘いだけのそれに、彼女の顔を見る。彼女はふわ、と微笑んだ。

「すきよ」

 ゾワゾワと脳の奥で思考が溶け、気がついたら達してしまっていた。

「くっ、う……」
「あ、……たくさん、出てる……」
「は、あ……」

 すべて出し切ってから、ゆるゆると奥で彼女の中をかき混ぜたあと、彼女をベッドにおろした。恥ずかしくて目を合わせられず、ため息をつく。

「……すみません、もう少し我慢できるかと思ったんですが……出してしまいました」
「我慢、できないぐらい、気持ちよかったの……?」

 甘い声に誘われて目線を上げると、彼女は嬉しそうに笑っていた。

「……はい、とても気持ちよかったです」
「嬉しい……」

 許されている。
 ……いつも許す側だった私が、何もできなくても、許されている。
 ただの人であることが、許されている。

「……もう少し、貴女に触れていてもいいですか?」

 彼女が手を広げて、私を受け入れてくれる。

「おいで、ルイ」

 彼女を抱きしめる。
 私の腕の中で、ふ、意識を失い、眠りに落ちていく彼女の柔らかな体を抱きしめ、ぴたりと肌と肌を触れ合わせる。
 もう、離れたくない。とても、離れられない。

(……もしかして、捕まったのは私なのだろうか)

 ふと、そんな疑問が湧く。

(それも悪くはないな)

 彼女の柔らかな肉体を抱きしめながら、私も眠りについた。

 
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