原罪神父

鳥谷綾斗(とやあやと)

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1.〈憤怒〉の境界線

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 神父さま。

 どうか私の胸のうちを聴いてください。

 その真実を知ったとき、私の中にほのおが熾りました。

 それを告げた相手に失望し、ついには家族である『彼女』に対し、あらぬ欲望を抱きました。

 その日からずっと、ギリギリの境界線の上に立っています。

 その〈憤怒〉の焔は、今も私の腹を焼いているのです。
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