闇メン【エキスパート裏メンバー派遣会社 】~牌戦士シリーズepisode2~
雀荘で働く従業員にはいくつかのタイプがある。
まず、一般的なのは『メンバー』。あえて言うなら『表メン』という立場の普通の従業員。
はっきり言ってこれが一番大変なのだが。なにせ、接客からお茶汲みから掃除から雑用まで全てやる。休みはだいたいは週に一回だけだし1日の労働時間は12時間が原則だ。それでいて麻雀も打つのだからとんでもない仕事である。しかし、慣れてしまえばそれもどうと言う事はないのだが、慣れないうちに辞める人は数知れず。この仕事は新人が続かない仕事ランキング1位かもしれない。
それに対して、そんなことやってらんねーよ。でも麻雀打って金欲しーってヤツがやる仕事が『裏メンバー』。要するにサクラで通称『裏メン』と呼ばれる。
この裏メンの扱いは大抵雑で店側に隠そうとする意識があまりなくて常連客にはサクラだとバッチリバレてるのがほとんど。あ、サクラがいるからって別に店とグルになって素人客からむしろうって訳じゃないから安心して欲しい。そもそも給料が良くないので自分の麻雀に必死なのが裏メンのほとんどだろう。給料はよくないが麻雀してるだけでいいので腕とスタミナに自信があるならこっちの仕事を選んだ方がいい。表メンとは給料に大差がつきがちだが。そこは能力給でまかなえばよし。
よく知られているのはこのメンバーと裏メンの2種だけなのだが、世の中の知る人の少ない職種のさらに知られていない役割を持つ者たちがいる。
それが、店のオーナーしかその存在を知り得ない身内すら欺く裏メン。通称『闇メン』だ。
ここは『渡邉クリエイター派遣会社』
渡邉クリエイター派遣会社はいわゆる『闇メン』を契約して派遣する麻雀専門家派遣会社。そこに登録してある打ち手達は超一流の雀士だけ。
この物語は、その渡邉クリエイター派遣会社でも最年少にしてトップの打ち手となる伝説的『闇メン』のストーリーである。
彼の名は椎名。
通称『韋駄天のシーナ』
【登場人物紹介】
椎名良祐
しいなりょうすけ
主人公。礼儀正しく清潔で爽やかな青年。
堅苦しい性格ではなく、場面場面での使い分けが上手いだけ。基本的には気さくな人間である。
渡邉クリエイター派遣会社社員。
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椎名の勤務する会社を設立した社長。
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全編ほぼ麻雀尽くしで凄く面白かった。相変わらず麻雀関連描写のリアリティが凄いし、主人公が魅力的だった。椎名って滅茶苦茶強く見えます。麻雀の特徴がはっきりしているからかな。どんな相手にも一矢報いそうな頼もしさがあります。他にも色々なキャラが出てきて世界観が一気に広がりワクワクしました。これが作者さんが牌戦士シリーズでやりたかったことなんだなとようやく分かってきた感じ。しっかり魅力伝わってます。
この闇メンって作品、とにかく凄く良かった。話は短く刈り込まれて読みやすいし、闇メンという設定もピリリとしてていい。財前姉妹との繋がりも見えて短編なのにシリーズものの重厚さもある。正直、前作を踏まえた上で読んだら財前姉妹より面白いまであります。多分、そう感じた一番の理由は主人公が男で尚且つ感性が凄く共感しやすかったからかな。ここら辺は結構感性の問題になると思おう。僕はこの主人公が凄く気に入ったけど、前作の主人公の方が好きな人なら評価は覆るんじゃないかな。とにかく、この作品前作に負けず劣らずよく書けてます。正直前作の後にこれだけの作品が出てくるとは思いませんでした。この作者凄いなって心底思った。本当、面白かったです。
最後、こうやって繋がるんですね。赤五萬が出た瞬間に「あっ!」ってなりました。
哀原さん
またしても最高の感想をありがとうございます!リアルな雀士たちはメンタリスト的なところもあるという話とか、麻雀を仕事にするにはまずマナーと清潔感からであること。雀荘のリアルをギュッと詰め込んだ作品です。最後まで読むと別の主人公にバトンがわたるのはプリキュア方式です。こっちを先に書いていたので。でもこの順番の方が面白いなと思いました。
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色々な裏設定がある作品にしたので読めば読むほど伏線回収に気付いて楽しめると思います!
今回も完結まで読んで頂きありがとうございました!!
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