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第十四局【師団名人戦編①】
10巡目◉危険な差し込み
しおりを挟む成田メグミはパソコンから逐一師団名人戦の最新情報をチェックしていた。
(へぇ、カオリちゃん小林賢を倒したんだ。やるじゃん。ホント強いわねあの子。コバケンはボスレベルの大物だし1回戦から山場だったわね)
「…おめでとう、カオリちゃん」
————
一方、井川ミサトはというと。
相手はアマチュア枠から来た新田忍とA2リーグプロの入間俊介とC1リーグプロの秋田敬太郎の3人。
東2局の親番にドラ単騎の七対子でリーチを打ったらツモって裏も乗り24000点。ミサトの超ダントツになる。
ミサトの守備力でこのリードがあればどうやっても落ちようがない。残された3人は2着争いで必死だ。
オーラス ドラ三
「ポン!」
打三
新田が⑦を仕掛けて三を捨ててきた。ミサトを誘っているようだ。
(ほら、ここに打っても安いから、差し込んで2着に選んでくれよ)と言われてるような気がする仕掛け。
点棒状況
東家 入間27200
南家 新田30000
西家 ミサト41000
北家 秋田21800
点数はけっこう全員ミサトに迫って来ていた。新田以外には12000級は振り込めない。そんな場面であった。
ミサト手牌 切り番
六七七七①①②③③⑤2466
(考えろ! ここで一番ヒットしそうな牌はなんだ? アガろうとしたら②④3がネックになるんだから南家をアガらせた方がいい! 親にダマの12000なんて放銃したら目も当てられないんだ。いま差し込みしないと)
親の入間はA2リーガーだ。絶対に手を作ってくるだろう。
「……ふぅ」
ミサト
打七!
「ロン。うまいねー。初放銃はオーラスの差し込みかよ。でもね…」
新田手牌
三三三伍伍伍六333(⑦⑦⑦) 七ロン
「危なかったね。実は高めが16000だったんだよ。必要ないのにね。それは安めだから8000」
「…いえ、7700ですね。クラシックルールだと(ヤバ! アガリにいってたら六切る未来も全然あり得たわ)」
「あっ、そうだね。間違えた」
予想外の7700で新田へトップをとられるも井川ミサト1回戦2位通過!
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