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第十三局【支援編】
6巡目◉クラシックルール
しおりを挟むカオリはwomanとの別れが近いことを知り、このままではいけないと思った。私もタイトルを獲らないと! と。
そう簡単に獲れるものではないし生涯に一度でも獲れたものなら大偉業という話なのであるが、何せマナミ、ミサト、ユウという同世代の3人は既にタイトルホルダーだ。カオリがそう思ったのも仕方ない。C3リーグを繰り上げ1位昇級というのも立派な実績なのだが、カオリにはまだその価値はわからない。
カオリは6月から予選が始まる競技麻雀業界史上最も格式の高いタイトル戦『麻雀師団名人戦』に参加することを決めた。ちなみに去年は参加していない。参加は義務ではないし、ルールも30000点持ちだったり飛びなしだったりと普段のものと違った『クラシックルール』を採用しているからまた一から覚えてそれ用の戦略を考えるのが面倒だったのもあった。
しかし、今年の師団名人戦は決勝戦が11月10日なのでギリギリ間に合う。カオリの誕生日は11月11日だ。womanに優勝した所を見てもらうにはこのタイトルを獲るしかない。
クラシックルールに精通しているのはプロ歴の長い成田メグミや杜若アカネだ。彼女たちに教えてもらいながら師団名人戦へ向けてカオリの特訓が始まった。
————
一方、三尾谷ヒロコと中條ヤチヨは最近麻雀部によく来ていた。
「あんた達3年生でしょ。私が言うのもなんだけど毎日遊びに来てていいの?」
と心配するのは佐藤ユウだ。ここは佐藤家。当たり前だがユウはだいたいの日はここにいる。
「いいのいいの、勉強は学校でちゃんとしてますから」と言うヒロコは大学進学を目指しているはずだが、本当に大丈夫なのだろうか。
「私は高校卒業したら鹿島の叔父さんが貸し卓雀荘オープンさせたらしいからそこで働くことにしたわ」とヤチヨは就職が決まっているようだった。それならまあ、いいか。
少女たちはとにかく麻雀に打ち込んだ。この麻雀部に集まる少女は全員が麻雀に熱かった。彼女たちは青春の全てをこの34種136牌の羅列に捧げたのだった。
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