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第十三局【支援編】
1巡目◉参入!左田純子
しおりを挟む雀聖位をマナミが獲り。麻雀部には新人王のミサト、UUC杯のユウ、雀聖位のマナミ、とタイトルホルダーが3人になった。
今日マナミは部室に来てた。優勝の盃を飾りにきたのだ。
雀聖位戦準優勝の少し小さめなトロフィーや新人王戦3位の盾なども含めるとスグルの部屋の出窓は飾る所がもうないくらいにズラリと豪華に並べられた。
「今後は出窓の増築が必要ね」
「ふふ、たった1年でこれだもん。ほんとにそうね」とユウとマナミは満足気だ。
トロフィーもカップも盾も家族には見せたが、飾るのはスグルの部屋だとみんな思っていた。全てはこの部室から始まったのだし、今も部室があるからみんなが集まれるし、最先端の戦術もラボでの研究があるから生まれるのである。
「ねえ、なんか今日。少し部屋が片付けてある気がするんだけど。気のせい?」
「お、マナミは鋭いわね。実は今日、客人が来る予定があるのよ」
「え? 部室に?」
「そう、ここに。誰が来るかは来てのお楽しみ♪」
「ええ? だれだろ、イケメンかなあ」
「さあてね」
————
——
数十分後
ピンポーン
「はーい」
ピッ
『あ、私日本プロ麻雀師団の左田純子と申します。こちら佐藤優さんのお宅でお間違いないでしょうか』
「佐藤優は私です。お待ちしておりました。どうぞお上がり下さい」
ガチャ
「失礼します」
「左田プロ? あれ、どうして?」
「左田さんは本業では出版社の編集長をしていてね。今回私たち麻雀部のことを自ら取材してみたいんだって。なぜ、こんなにも強いのか? って。それはそうよね。この六畳間の部室から3人もタイトルホルダーが出ているんだから気にして当然と言えば当然よ」
「私は最初、財前真実さんの麻雀に惹かれたの。見た目はまだ少女のように幼いのに、その麻雀はまるで狼のような野性的なものだった。同卓しないとこの恐怖は分からないかもしれないけど、私には(噛みつかれる!)っていうような錯覚をするくらいで、不屈の。攻めの麻雀をしてきたじゃない? その時すぐ直感したの。
(この子だ!)って。
試合の後に話しかけようと思ってたんだけどね。逆に私が佐藤さんから話しかけられてしまって。そしたらあなた達は友達同士で決勝に残ったって言うじゃない。そんなバカな?! って思ったわよ。だってタイトル戦決勝よ?」
「へぇ、ユウが。なんでまた」
「私は対戦相手がどんな人なのか知らずに戦ったりはしないから。この左田純子さんという方はね出版社で働く編集長さんなのよ。だからこの方にも麻雀部に入ってもらって、手伝ってもらおうと思って」
「あっ! 私たちが何年も前から書いてる研究記録を書籍化するってこと?!」
「そう!」
すると左田は資料を広げて見せた。それは麻雀雑誌の企画書だった。
「私もね、編集長になる前からずっと自分の雑誌を作りたいと思っていたの。そこにきてあなた達とのこの出会いは千載一遇のチャンスだと思ったわ。作りましょう! とりあえず、企画から。あなた達のことをリスペクトして雑誌の名前はこうしようと思っているのがもうあるの」
「なんて名前なんですか?」
「それはね…」
————
こうして、ユウ達の活躍により左田が参入。それにより新たな麻雀誌が作られる企画がスタートし、その企画はなんとか通り、左田編集長は自分の雑誌を作る新編集部を会社に作ってもらうことに成功した。
その新しい雑誌の名は
『月刊マージャン部』
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