199 / 297
第十一局【麻雀教室編】
12巡目◉こたみか
しおりを挟む女流リーグ最終節を終えたその日の夜。マナミが機嫌良く入浴している間、3人(人?)は話していた。
《いやー、おめでとうございます。カオリはやっぱり強いですねー。それにしてもマナミさんの逆転優勝は驚きました! 同テンなのに直撃取るなんて普通ありえないですから劇的勝利でしたね!》
〈強くなりましたよねマナミも。正直、私はもうマナミに必要ないのかも知れません。実はもう何日も前から私はマナミに指示を出していませんから〉
(ラーシャもマナミに話しかけてみたらいいのに)
〈彼女はそれを望んでいませんので…〉
《案外、仲良くなれるかもしれませんよ》
(そうそう、私たちみたいにね)
バン
風呂場の扉を開閉した音が聞こえる。マナミが風呂をあがったようだ。
(あ、マナミがあがったから私もお風呂の準備するね。womanたちはまだお話ししてたら?)
〈いや、私の声はマナミに届いてしまうので〉
(あれ? そう言えば私はふたりのどちらの声も聞こえるけど)
《カオリはセンサーが高性能な神探知機みたいなものです。普通、こちらが話しかけても届かないのが人間と神の関係ですから。まして、自分に憑いている神以外と会話する人間なんてカオリだけですよ》
(へえ… 私のおばあちゃんは巫女だったし覚醒遺伝的な神力があるのかな?)
《おばあちゃんが巫女……》
(?)
するとマナミが部屋に帰ってきた。
「カオリー。お風呂あいたよー。入るでしょー?」
「うん。入る」
暑かった季節は終わりを告げ、今日はもう肌寒くて湯船がとっても気持ち良かった。
そろそろコタツが恋しくなってきた。財前家にはコタツはない。佐藤家のコタツでぬくぬくしながら麻雀してた高校時代を思い出す。
(明日は麻雀部に寄ってこーかな…)
次の日、みかんを買ってカオリは麻雀部にやってきた。その部室には
【マナミ! 祝! 女流B優勝。カオリ、ミサト3人とも昇級おめでとう!】という文字がホワイトボードにデカデカと書かれいた。
「こ、これは?」
「ああ、ホワイトボード? 今度から麻雀教室を始めることにしたからここで練習するために買ってきたのよ。とにかく、おめでとう。カオリ」
「そうなんだ。ありがとう。みかん食べる?」
「うん」
カオリとユウはコタツに入ってみかんを食べながら二人麻雀をして楽しんだ。
「やっぱりコタツといえば麻雀とみかんよね」
10
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる